◇フレッシュボイス過去ログ #2363の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
先輩に、少年倶楽部の笑い話コーナーを集めた本を遣ると言われたので、有り難く頂い た。淡い笑いが、酒肴に最適で、いまノホホンと好い気分である。笑いの構造は、まだ 廿ページほどしか読んでいないが、話者の論理の破綻もしくは矛盾が殆どである。人様 を見下す笑いではない。論理の流れから相手が来たいしている所から、ちょっとズレて おろす。此のギャップに依る笑いだから、ドギツくはなく、上等な砂糖菓子を口に入れ た時の如く、フンワリと広がる心地よさだ。 後輩に尋ねた。「へぇ、今日も打ったん。イチローがメジャー一になるまで、あと何本 や。4本ぐらいか」。と訊いた。別に試す積もりは無かった。言った後で「しまった」 と思った。この質問の答えは二通りある。即ち「メジャー一」を、如何に解釈するかで 分かれる。いや実は分かれないが、二通りの回答が、まだしも許容可能だ。「メジャー 一」は「メジャーの第一人者」であり、即ち「一」は序数ではなく、【他より優越して いる】だが、単なる序数と誤解すると、【1位タイ】も含んでしまう。拡大解釈であ り、其れを普通は、「一」とは言わぬ。あぁ我が後輩は、「また呑んだくれの先輩が日 本語を雑に使って、かなりレベルを下げれば2通りの解釈も許されるかもししれない表 現で、私たちに2通りの回答をし得るよぉに喋ってる」と過重な負担を感じつつ、「は あぁ、通常の文脈であればイチローがメジャー一になるまで4本ですけれども、あんた みたいに呑んだくれの脳細胞絶滅寸前中年男の言うことだから大事をとってメジャー最 高記録タイのことも申し添えますと、あと3本です」なんて長たらしい台詞を言わせて しまうのかっと忸怩たる気持ちで俯いた。 俯いたら、後輩たちは嬉々として、「違います! あと3本ですっ」。私は胸を撫でお ろした。あぁ、後輩たちは、自動的に通常の解釈である「メジャー一」を選択して、タ イなんて「一」とはいえない解釈を切り捨ててくれたか。いや、バカにしか想定し得な い解釈を後輩たちが単なる可能性としてでも視野に入れて気苦労してしまうと思った私 が間違っていた。私は、後輩達を、年功序列、バカだとばかり思い込もうとしていたの かもしれぬ。私が間違っていた。私は、君たちが義務教育を終了していたことを、つい つい忘れてしまうのだよ、日常の言動に依って。でも刮目すれば、数時間でも若い人は 成長するのだな、悪かった。呑んだくれの先輩を許してくれ……ゴメンな、俺が一方的 に悪かった。此の自らの誤りへのテレも含めてニヘラと頬を緩める。「あぁ、だったら 明日は難しいな。2本なら、かなり可能性が高いが、其れと3本の狭間には大きな格差 がある。新記録になるのは、明後日かな」と言った。すると、またしても嬉々として、 「違います。タイ記録まで3本で、新記録は、あと4本!」。 なるほど、蓋然性の低い解釈を採っても、とにかく「違います」と言いたいだけだった んかい。無能な50歳代に可愛がられるだけの理由は、確かにある。逝ってよし。
メールアドレス
パスワード
※ゲスト書き込みはアドレスGUEST,パスワードなしです。
※まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「◇フレッシュボイス過去ログ」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE