AWC つづきです。       ある初心者


        
#644/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (MLC     )  88/ 1/ 2  19: 7  (113)
つづきです。       ある初心者
★内容

  ★  ★  ★  ★  ★  ☆  ★  ★  ★

 さて翌日。

「よう、佐藤。」
木村が声をかけた。
「何だ。」
「おまえ、松田教授に呼ばれてるんだって。」
「ああ。」
「どうする。」
「行くぞ。」
「やめた方がいいんじゃないか。」
「なぜだ。」
「何か、あのオッサン、変だぜ。」
「何処が。」
「何処となく。」
「そんなの言い訳にならないぞ。」
「でも、ちょっと。」
そこへ南が割っては入り込んだ。
「あのさ、」
「何、南。」
「松田教授っていつも実験室にこもりっぱなしなんだって。」
「で、」
「で、変な実験ばかりやってるんだって。」
「ほら見ろ、佐藤。」
「やめた方が、僕もいいと思うよ、佐藤。」
「う〜〜ん。困ったな。」
そこへ、倉谷と村山が定食をもってやってきた。
「悪い悪い、定食が混んじゃって。」
「よし、次は俺たちの番だ。何っ、定食が混んでるって?」
木村は、いつもの調子で喋り出した。佐藤と木村と南の三人は、いそいそと食券の方へと向かった。
「おい、何にする?」
「そうだなぁ、カレーあたりが妥当だと思うけど、僕は。」
と、南が答えた。
「佐藤、お前は?」
佐藤は黙っている。
「おい、佐藤。」
まだ黙っている。
「おい、佐藤、佐藤。」
「ん、なんだ。」
「お前、何食うんだ?」
「そうだな、冷し中華にでもするか。」
「おい、冷し中華、もう終ってるぞ。」
「えっ、そうだっけ。」
「おいおい、お前何処か変だぞ。」
「何か考え事でもあるのかい、佐藤。」
そう言われて、佐藤は黙っていた。
「まっここはカレーと云うことで。」
南が二人を一瞥してカレーの食券を買いに行った。木村はあきれたように佐藤を見た。
「木村、佐藤、君達の分も買っておくから。」
南が自動販売機の前でさけんだ。佐藤と木村はカレーコーナーへと足を向けた。
「そうかなぁ。」
佐藤がつぶやいた。
「何だよ、佐藤。」
木村が答える。
「やっぱり松田教授って危ない人かなぁ。」
「当然の助動詞。」
「やっぱ、よした方がいいと思う?」
「お前って、そういうのに、はまってしまいそうだからなぁ。」
「ん〜〜〜。」
「倉谷とかだったら別だけど。」
「そうか。」
「あと、南も危ないな。あいつもはまりそうだ。」
「たしかに、どはまりだ。」
佐藤は笑った。
「よし、じゃぁ五人で行こう。」
木村が切り出した。
「オウ、ソレハ、タイヘン、イイカンガエ、デスネ。」
佐藤が喜んで答えた。
「PYeah,that's a good idea!」

  ★  ★  ★  ★  ★  ★  ☆  ★  ★

「おや、今日は五人で来たのかい?」
松田教授は実験室の入口でそう言った。
「あっ、迷惑だったでしょうか。」
「いや、構わないよ。」
「いよいよだな。佐藤。」
「何やるのかなぁ。」
「とにかく見てみようぜ。」
佐藤達は、一体何が始まるのか、見当もつかなかった。先日、山本と呼ばれた方の助手が、佐藤の目の前にある大きなケースの向こうで、何かのバルブをひねった。それと同時に、松田教授は、解説を始めた。
「我々の住む地球は、太陽系の一惑星に過ぎない。」
佐藤は、松田教授の普段の授業を思い出した。
「しかも、このような太陽系がいくつも集まって、銀河を構成している。」
「ん〜〜〜なるほど」
倉谷がうなった。
「そこで僕の研究室では、銀河を作ってみようということになった。」
「先生、これが銀河ですか?」
「まぁ、しばらく見給え。今、この容器の空気を抜いている。空気を抜くことによってより、実際の状態に近ずけようというわけだ。そして、」
「そして、何ですか?先生。」
実験室にある何かの機械が、シューシューと音をたてている。
「この中にある金属の玉が星だ。」
木村は、ただのパチンコ玉に見えていたようで、呆れて教授の方を見た。
」そして、下から上の方に磁界をかけることによって、重力の影響を相殺してやろうというわけだ。」

                 つづく

続きは、書けたらアップします。

ところで、こんな素敵なSIGの存在を、今まで僕は知りませんでした。
入会方法をMAILで教えてください。
よろしくお願いします。
              ID=MLC55952
              筆名
                誇大 盲走

              ニックネーム T&T




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