#548/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (HWA ) 87/12/ 7 1:43 ( 23)
リレーB>第13回 ”彼” AYASE
★内容
”彼”は横たわっていた。 その地では想像もできないであろう機器のもとに。
”彼”は<夢>をみていた。 甘く気だるい<夢>を....
とても高齢とは思えない老婆と、見るからに技術者と分かる者数名が、彼を取り
巻いている。
「様子はどうじゃ。」
「ハッ。精神に多少の乱れは見られますが、依然として変化ありません。」
「ふむ....。 すまんがこのまま続けておくれ。 刺激は与えぬようにな。
無理に起こしては何もならんのじゃて。」
「ハッ。」
微かなため息と共に、老婆はソコを後にした。
場所も時も揃い、役者もあと一歩の所まできているというのに、”彼”はまだ
己の特殊能力に目覚めていない。。。。
人間誰もが、心の深層部に特殊能力を潜ませている。ソレは各人さまざまで、
生涯、ソレが開花する人は極マレである。 それが惜しくて、私は占いなどを用い
てさまざまな能力開発法を試みてきた。 犠牲者を多少なりとも出してしまったが、
その結果、能力開発に必要なコトが分かってきたのである。
”彼”を見たとき、”彼”は常人より特殊能力が表面化しつつあった。だから
今度こそは....と選んだのに。
目覚めても条件が揃わなければ、ソレは永遠のものにはならない。
今がその時なのである。 しかし”彼”は未だ目覚めては、いない。。。。
*** つづく ***