#298/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (YXB ) 87/ 9/ 1 1:23 ( 31)
ある青年の物語(ストーリィ)
★内容
((((第一話))))
「あーーっ、いー天気だなぁ・・・」
しみじみと言う声が聞こえる・・・。
なんていうのかのどかではある。
この声の主こそ青年となっているのだが、実は少し
青年と言うには遅過ぎるかもしれない。
彼の名は・・・安西信之。某コンピューター学園の
生徒である。今27歳、独身。
そろそろ身を固めた方がいいだろうと思う頃だが、
当人は今の所コンピューターが恋人であった。
よって近頃のアイドルなどは少しも知らない。まぁ
いわいる「コンピューターの中の人間」
とでも呼ぶのだろうか。
しかし、コンピューターを恋人に持って、何処が楽しいのだろうか・・・。
少なくとも大学のルームメイトなどは10中10はそう言う。
勿論、女性でさえ、だ。
「さえ」と言ってしまうと男尊女卑になってしまうが、そこのところは
失礼する。
信之はアパートで一人暮らしだ。だから決して彼の部屋は奇麗ではない。
いや、汚すぎる。「ゴミ箱」の言葉がとてもよく似合うみたいなとこだ。
ドアをガチャリと開けると何やらけむりが漂って来て、常に
彼の私室からはキーボードを打つ不自然なカシャカシャする音が
聞こえ、玄関に一歩でも踏み込もうものならそこの湿気の
体にまとわりついてくるような嫌な感じに、即入りたくなくなる事だろう。
極一部のアレと、アレ(あえて言いません。)などは
違うかもしれないが・・・。
しかし、信之は別に不細工と言う程ではなかった。
いや、かっこいい部類に入るだろう。
大学時代はことのほかよくもてた。しかし、彼は多少、女嫌い
な面があった。あの時の・・・。
あの時、あんな事がなかったら・・・。