AWC 詩篇 空中の書8      直江屋緑字斎


        
#295/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (QJJ     )  87/ 8/31  10:56  ( 19)
詩篇 空中の書8      直江屋緑字斎
★内容
<声の届かぬ部屋 20行>

   声の届かぬ部屋で

包みを開封すると
押花の罌粟(けし)と
頭蓋骨の破片とが
部屋を蔽った

宇宙モデルとして
愛していたおまえのかけら
不思議な匂いを醸す
透明な和紙

いまや 便りを告ぐるべき夜
夜を忘るべき睡りの中で
壁をへだてて
硯をする音が
鼓膜につたう




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