AWC RUN☆AWAY 〈2〉  Last Fighter


        
#100/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (DGJ     )  87/ 1/24  10: 2  ( 92)
RUN☆AWAY 〈2〉  Last Fighter
★内容
.
−−−−−授業中であった。
 話はいきなり次の日となる。
 篠原の席は、ほぼ教室の中心に位置している。
 −−−はずであった。が、今日は一番前に位置していた。教壇に立っている
のはもちろん、工藤先生である。
 篠原の席を移動させたのは、工藤先生この人であるのは言うまでもない。
 (言ってしまったが....)
 おかげで篠原は、今日はぜんぜん授業中に寝てなかった。眠りたくても眠れ
ない。まるで受験生である。(うるうる...)
 工藤先生は、ひさびさに妨害のない授業をしてとても気持ちが良かった。教
師になって、これほどまで静かな授業をしたのは何か月ぶりであろう?
と、授業も中盤にさしかかったとき教室に爆音が発生した。
「篠原ーーーーーーー!!!!」
 爆音がしたとたん工藤先生は反射的に体が動き、振り返りざまにそう叫んで
いた。
が、爆音の発生地点は篠原ではなかった。さらに後ろにひかえている後ろ黒板
のあたりであった。そしてそこには見たこともない少年が立っていた。
 高校生くらいであろう。金髪でものすごい美形であった。
 その美形は、非常識にも 床から1mくらい宙に浮いているのであった。
 作者の語意力不足のために、美形男の描写は省くのであった。
「何ですか?」篠原は、目を細めて工藤先生を尋ねた。「僕がどうかしたので
すか?」続けざまに、尋ねた。
「え、あ..あー...こほん!」と、軽くせきをして工藤先生は美形男をゆ
びで指した。
「この爆発は、篠原君!君の仕業じゃないでしょうね?」 苦しまぎれにそう
言った。
「な、なんでそうなるんです!僕は関係ありません!」
「そう、それならばよろしい。さ、授業を続けますよ席に着いて、着いて!」
と、工藤先生は現実逃避をした。
 生徒たちもそれにしたがった。(おいおい)
.
 一方、この教室にいきなり出現した美形男(色男のほうがいいか.)はとて
も困っていた。次の行動をどうするかが、わからなくなったのだ。
 予定では出現して、人間どもがうろたえてる間にかっこよく名のるはずだっ
た。だが、今となってはそのチャンスを失ってしまったのだ。
 せっかくそのときのセリフまで考えてきていたのだ。
 −−−3日徹夜して。
 美形は、悩んだ。
 空中に浮いたまま。
 授業中に後ろでつっ立っている姿は大ボケであった。
 −−−うぅ!このままではいかん。なんとか目だってこっちのペースに持っ
ていかなくては。よしっ!自己照会をして目だってやる!!
 美形は大きく息を吸って、あらんかぎりの声を出して叫んだ。
「諸君!私はブラーン家次期当主、シャル・ブラーンだ!」
 シーン
 応答は、なかった。
 いや、少しはあった。教室の生徒がちらっとシャルを見た。
 それだけだ。
 すぐに授業は、続けられた。
 シャルは、「ブラーンだ!」と、言った状態からずっと硬直した。
だが、さすがにここまで無視されると、怒りがシャルの頭にこみ上げてきた。
「こっ、こっら〜!きさまら人の話を聞かんか〜い!!」
「うるさい!」とたんに、工藤先生が怒鳴った。「授業中は静かにしなさい!
それ位が常識でしょ!!」
「しかし、私は...」
「あー、うるさいうるさい。きみ!シャルとかいったわね?廊下にバケツでも
 持って立ってなさい。」
「はあ....」
 シャルは、思わず掃除道具入れからバケツを取り出して水を汲みに行こうと
してしまった。
 ドアに手をかけてハッと、気ずく。
 その仕草がさらに大ボケであった。
「こらこらこら」
 工藤先生は、ムッとして言い返す。
「なんですか、文句でもあるの?」
「あたりまえだ!私は貴様なんぞに命令される覚えはない!!!」
「なんですって!?それが生徒が、教師に対して言う言葉ですか!」
「私は生徒などではない!」
「じゃあなんで此処に居るの!?」
 ほとんど論理になっていない。
 出たとこ勝負!これが作者のモットーである。
 当然、
 この後どうゆう展開にしようか?とか、
 おちはどうしよう?とか、
 どの位の長さで終ろうか?とか、
 その他、諸々まったくこの時点で考えていないのである。
「こらっ!話を進めんかい!!!」
おっと、シャルが画面ごしに怒鳴りつけてきた。続けよう。
 工藤先生のセリフを聞いてシャルは不敵な笑みを浮かべた。
−−−やっと、目だてる。ここに来た意味を人間どもにさらけだせる。
「フッ、私が此処に来たことはだなー...」
 シャルは、ゆっくりと姿勢を篠原の方へ向けた。
 そして左手を折曲げながら、左目に近ずけ急速に篠原の方へ突き出して叫ん
だ。
「篠原!貴様と、決着をつけるためだ!!!」
  ビシッ
 −−−きまったな....
そう、シャルは思った。
 事実、みごとに決まっていた。カッコだけは。
 ただ、シャルの指した先には篠原はいなくて狸の置物がおいてあったのだ。
             〈つづく〉




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