AWC ◇フレッシュボイス2



#1756/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/05  21:07  ( 37)
トッカイの最終回収   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」最終回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 前回までは、史実になるべく沿っているという雰囲気があったんですけど、今回はラ
ストとあってか、物語性がだいぶ人工的になっていた気がする。思い込みかもしれませ
んが。
 最大の標的で難物である仁科をどう攻略するかがポイントでしたが、肩すかしを食ら
った気がします。
 というのも――仁科自身は逮捕されることをも計画通りで、四十億の金を捨てて六百
億の金をうまく隠しきるつもりでいた。どうすれば崩せるのか、頑張ってもなかなか光
明は見えない。そんな折、仁科の秘書をずっと務めている早百合をマークしていた捜査
員が、彼女が銀行の貸金庫を利用するところに踏み込み、隠してあったノートを押さえ
る。そこには仁科の海外での金の動きがコンパクトに手書きされていた。仁科はどうし
てそんなノートを残していたのか、疑問を持つ柴崎。もしや仁科はノートの存在を知ら
なかったのではないか。早百合が事情聴取から解放されたとの報を聞きつけ、トッカイ
のメンバー達は彼女に話を聞きに行く。が、口を割らない。それでも粘り強く話す内
に、早百合は仁科が自分を使い捨てのコマのようにしか見なしていなかったことを知っ
たときから、記録を急いで書き記した話す。この結果、仁科は法廷戦術の変更を迫られ
たのか、一転して罪状を認めて刑に服す態度を見せた。だがこれは起訴された四十億円
分に限った話。六百億を隠しきるために仮釈放を勝ち取って、香港の銀行からさらによ
そへ移すつもりでいる。そう予測した柴崎らは日本の法律では無理でも外国の法律でな
ら仁科の行動を縛れるかもしれないと、必死になって調べる。
 そうして出て来たのが、マルーヴァ型資産凍結命令。これの適用されている国・地域
では犯罪などの不穏な動きを見せる人物の口座をまとめて差し押さえることが可能とさ
れる。香港はその地域に該当していた。これにより仁科の悪行は息の根を止められた―
―となったのですが、どうも変だ。
 そこまで用意周到な仁科が、その法律が香港で適用されるとは知らなかった、なんて
ことはないはず。事実、収監中から法律の存在を知っていたシーンもありましたし。
 だったら、そもそも香港の銀行を使わなければよかったのでは。物凄く計画的で頭の
よい犯罪者という設定なのに、何故こんな下手を打ったのかが分からなかった。
 極論すれば、物語を終わらせるために、登場人物が本来のキャラ設定に似合わない行
動を取らされた、という印象を受けたです。
 他の点では、泣かせどころや笑いを適度に織り交ぜ、バランスよく仕上がっていたと
感じました。惜しいのは大蔵省役人が実は東坊社長を云々という流れが、ちょっと唐突
に映ったこと。伏線・暗示らしき物はありましたが、振り返ってみればあの無言の表情
がそうだったのかなという程度で、弱かったように思えたです。

 ではでは。




#1757/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/06  19:29  ( 27)
『ガリレオ』の万年助手役   永山
★内容                                         21/04/13 19:48 修正 第2版
↑それは渡辺いっけい。

 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」初回三十分拡大を録画視聴。ネタ
バレ注意です。
 同じ系列でかつて放映された木村拓哉主演のドラマ「HERO」の線を狙った感があ
りありですが、本ドラマは原作漫画に基づく作品なんですね。これは意外……と思った
ら、キャラクターの設定をかなり変えてきているらしく、原作では脇役だった入間を主
役に据え、外見も眼鏡を掛けた小太りの中年男性から、髭を生やしたスマートなイケメ
ンに変更しているそうな。てことはやっぱりドラマ制作サイドに「HERO」に寄せよ
うという意思があるのは確かかと。(^^; その上で、裁判官と検察官は視点が全然違う
という風な推理作家のエッセイを読んだ覚えがありますし、別物と捉えるべきなんでし
ょう。
 フジテレビらしいドラマ、と言えるほどドラマを観て来てはいませんけど、予備知識
なしにこの作品を観たとしたら、フジテレビのドラマだろうなときっと思う。軽妙なや
り取りに小ネタの効いたギャグ、キャラ付けが似た雰囲気を漂わせている。それは悪い
ことじゃないし、面白さに貢献しているから。今後、どの辺りで本作の独自色を出して
いくかに注目です。
 初回とあってキャラクターの紹介と、過去の因縁話にもちょっと時間を割き、それで
いて扱う事案は内容のあるしっかりした物かつきっちり解決するという条件が必須なん
でしょうけど、今回はそれらを充分に満たしていたと感じました。
 一点だけ、踏切事故の件で、運転士は亡くなった男性だけ目撃していたようですが、
後に明かされる真相に沿うのなら、小学生の女の子も見つけていないとおかしいので
は。あの見通しのよい真っ直ぐな線路で、運転士が(確かピンク色の服を着ていた)女
の子を見落とすのは変じゃないのかと。音が聞こえなかった点を解明した主人公なら、
この見えなかった点に関しても解き明かしてもらいたかったです。

 ではでは。




#1758/3021 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #1757 ***
★タイトル (sab     )  21/04/07  02:20  ( 15)
「イチケイのカラス」をつられて見ましたが 朝霧
★内容

運転士が女の子に気が付かなかったのは、
その様に偽証しろとあの議員に脅かされていたからではないですかね。
母親、運転士、その他あの事故を見ていた全ての人に偽証させた
という事になりますが、
とりあえず、脚本を書く上では、
代表として母親に偽証させればいいか、と。

もっとも、線路に落っこちたおはじきの様なものを拾っていたのだから
運転士には遠くからあの女の子が見えた筈で
そうだとすれば、ブレーキをかけた筈で、
と、色々疑問は出てきますが。
その程度の脚本なんじゃないですかね。

ではまた。




#1759/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/07  21:59  ( 27)
慟哭に次ぐ衝撃   永山
★内容
「イチケイのカラス」>
 運転士にまで偽証させたというのは真っ先に思い付きますけど、それならそれでちゃ
んと描かないといかんと思う次第です。
 ただ、せっかく物語を構築するんだったら、偽証ばかりじゃ芸がない。運転士が見落
とした理由を用意してくれていたら、評価がちょっと上がるのに。
 たとえば、子供の着ていた服の色や柄が、踏切内の線路に酷似していた、とか……無
理があるけど。


 WOWOWで放送の映画「愚行録」(二〇一七年 日本)を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 貫井徳郎による同名小説が原作とのこと。未読です。
 幸せな親子三人の一家全員を殺害する事件が起きてからおよそ一年。未解決のまま、
徐々に忘れられようとしている。週刊誌記者の田中は改めて掘り下げようと取材を開始
すると、関係者の語る被害者夫婦の人物像が、当初言われていた理想の家族とはだいぶ
ずれていることに気が付く。
 出だしから陰鬱な雰囲気。声もぼそぼそ気味で聞き取りにくいけど、わざとなのかも
しれない。
 てことで序盤を辛抱して見続けていると、結構引き込まれました。面白いというのと
はちょっと違って、これどうなるの的な興味が大きかったように思います。ジャンルで
言えば嫌ミスというのに分類されるでしょうから、すっきり感は著しく乏しい。だけど
新本格派に分類されるミステリ作家の作だけあって、ちゃんと仕掛けはあります。同氏
のデビュー作『慟哭』(東京創元社)よりは弱いでしょうが、それでも充分衝撃的。そ
の衝撃が、本作を嫌ミスとしての良作にしているかと。欲を言えば伏線がもう少し欲し
いところ。

 ではでは。




#1760/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/08  17:34  ( 25)
万年青(おもと)った以上に青い   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第十六〜二十回
を録画視聴。ネタバレ注意です。
 五話分で一エピソードの区切りはきちんと守っていくようで。その区切りの度に挿入
されるのかと思っていた小劇場は、前のエピソード終わりと同様、なかった。よい傾向
じゃないでしょうか。
 今回の事件「怒れる花海棠」はミステリよりも物語性に重きを置いた感じでした。感
情に訴えるストーリーで、役者も演じ甲斐があったのでは。それでいて細かいところで
ちゃんと探偵物になっており、悪くない。
 そんな中、役柄的に酷かったのが女性刑事の先輩で、いっつもろくな仕事をしていな
い葉常青刑事。今回は特に酷かった。被害者の夫を犯人と決め付けて取り調べるのはま
だましで、拳銃をちらつかせるのは異常。さらにその夫を怒らせてしまい、拳銃を奪わ
れて八方され、逃亡を許すという大失態をしでかしておきながら、隠そうとする。さら
にさらに上司の部長への釈明には嘘を並べ立てる、主人公の探偵のあとをこっそり付け
て手掛かりを得る、挙げ句に逃亡した夫を捕まえてこれで犯人は確保したからと、主人
公が手配しておいた監視役の刑事を勝手な判断で引き上げさせ、その結果死者が増える
という有様。これはもう免職レベルじゃないのかと。コメディリリーフならドラマとし
てありでしょうけど、ここまでお粗末な捜査だと、物語の成り行きそのものを左右する
からよくない。極言すれば、こいつのミスのせいで不可思議な謎ができあがってしまっ
た、なんて脚本も作れる訳で、物語が成立しなくなりかねない。いくら名前が“葉っぱ
は常に青い”であろうと、刑事としての仕事までずっと青二才では困る。
 一方、主人公は終盤で冷酷っぽいところを垣間見せるも、その裏でちゃんとフォロー
していたという、キャラ的にも役者的にも美味しい筋書きが用意されており、恵まれて
います。(^^; もうちょっとバランスは取れないものか。

 ではでは。




#1761/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/04/09  13:44  ( 27)
「愚行録」を見ました 朝霧
★内容                                         21/04/09 13:45 修正 第2版
慶応大学的格差社会が設定に使われていたが。
結構私はこういうのに敏感で。
湘南あたりの別荘で学生がパーティーをする、
なんていうシーンで、ムカついたりする。

しかし、その手のハイソなイメージには
ミステリーオタクは鈍感なんじゃないかと思うのだが。
貫井徳郎自身もそういう感じではないし。

昔、「白夜行」で、上流階級の学生が社交ダンスをする、というのを見て、
なんか違うなあ、と感じたものだが。
なんか、あれって、
本格ミステリーに登場する金持ちが、
ガウンを着てブランデーグラス片手にペルシャ猫を撫でているみたいな感じで。

「愚行録」で描かれるハイソなイメージは、
まあそんなにはリアルとズレてはいないのだろうが。
リアルにおけるハイソなイメージも
半グレ的なものになってしまったし。
「愚行録」の輪姦みたいなシーンもそういう感じか。

貫井徳郎はそういうハイソなイメージに敏感なんだろうか。
ただ、設定として借用してきただけなのだろうか。
謎です。


ではまた。




#1762/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/09  20:52  ( 25)
ナウでヤングなイマい題材   永山
★内容
ミステリにおけるお金持ちの表現>
 他のジャンルはよく知らないので分かりませんが、推理作家の中には、金持ちキャラ
に限らず、敢えて型に填めたキャラクターを設定する場合もあるみたいで。理由は、そ
うした方が本格ミステリを成立させるためのコマとして、動かしやすいという背景があ
ると何かのエッセイで読んだ覚えが。※誰のエッセイだったか忘れているほど記憶が定
かでなく、だいぶ意訳しているかもしれません。あしからず。


ドラマの感想>
 BS12で再放送の松本清張ドラマ「薄化粧の男」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 むかーし、地上波で放送されたときの分を観た覚えがあるのですが、筋を半分以上忘
れていたので楽しめました。(^^;
 このタイトル、放送当時ならそれなりにインパクトがありそうだし、原作小説発表の
頃ならもっと強烈な印象を発していたんじゃないかしらん。今や隔世の感?
 風間杜夫演じる被害者男性が、実に現代風の設定だなと感心したです。普段は人当た
りのいいまともそうな人間なのに、ちょっと深い関係になると自己肯定感が非常に強く
て、周りのことを考えない、他人の迷惑を顧みないサイコパスを思わせるキャラクター
に転じる。原作小説でもこのような描き方をしているのか、気になった。
 一応、ミステリとしての肝はアリバイトリックと、刑事の用意した引っ掛けでしょ
う。このうちの前者は、ミステリのジャンルで幾度となく使われてきた手法で、ここだ
け取り出すと同じ例が後にも先にも多数挙がると思います。でもそれが問題視されたと
いう話は聞かないので、このアリバイトリックも(中心に毒を仕込んだ氷のように)と
うの昔から普遍的なトリック扱いしていいんだろうなあ、多分。

 ではでは。




#1763/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/11  19:54  ( 54)
ほぼあらすじ   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「インフルエンス」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 真帆が現場近くにいたことで混乱する友梨。実家でアリバイ作りするという話はどう
なったのか。新聞に載った男の顔写真と山下という名前を見ても、友梨には誰なのか分
からない。真帆に電話してものらりくらりとかわされるだけ。
 悶々とした日々を送っていると、職場である書店に友梨を刑事が尋ねてくる。仕事の
休憩時間まで待ってもらって、待ち合わせ場所の喫茶店に出向くと、そこには尋ねてき
た刑事ともう一人、夏目がいた。公務員と称していた夏目は刑事だった。
 だが彼は友梨を怪しんだから接近したのではなく、たまたまそういう巡り合わせにな
ったらしい。アパートで山下が殺害された件で、警察は真帆を疑い、知り合い全員に当
たっているという。何でも、真帆はアパートの持ち主で、さっさと建て替えたがってい
たが、山下が立ち退きに応じず揉めていた。山下が死んだことで立ち退き料をまったく
払わずに、立て替えが叶うため、動機ありと目されていた。ただし真帆自身にはアリバ
イがあり、そのため警察は共犯者を探している模様。友梨は当然、白を切り通す。
 そのすぐあと、友梨は街で里子に声を掛けられ、家に呼ぶ。里子は友梨に最後のお別
れを言いに来たという。住む世界が違うとか何とか、理由がよく分からないが、友梨は
連絡先を聞くだけ聞いて、里子を送り出した。
 その後、登記簿を調べて真帆の居場所を突き止めた友梨は直に乗り込んでいき、嘘を
言って殺しを行わせた真意を問い質す。真帆の答はDVで酷い目に遭っているというこ
とにした方があなたもやりやすいだろう、だった。
 夏目が身分を刑事と明かしたあとも、友梨と彼とのライトなお付き合いは続いてい
た。友梨には捜査状況を知りたいという理由もあった。当初は言い渋っていた夏目も、
本部の捜査方針と自分の見立てとのズレに不満があるのか、たまに熱く語って、情報を
漏らす。それによれば、被害者の妻は里子であり、DVに苦しんでいた。事件が起きる
前にはアパートを出ており、アリバイがある。これを知り、友梨は里子に連絡を取ろう
とするが、前に教えられた住所や電話番号はでたらめだった。ならばと危険な行為と分
かりつつ、真帆の家を訪ねる。彼女は里子に脅されて山下殺しを引き受け、その役を友
梨にやらせたという。これで里子は友梨のために暴漢にとどめを刺し、真帆は里子を性
的逆呈していたその祖父を転落死させ、友梨は里子のDVD夫を排除した。お互い様に
なったという。
 何日かあと、しこたま酔った夏目が、友梨のマンションを訪ねてくる。顔を見たくな
ったという。やがて眠り込んだ夏目の隙を見て、彼の手帖を盗み見る友梨。そこには里
子の住所があり、友梨は密かにメモを取る。
 里子を訪ねに行くとちょうど留守。引き返そうとしたとき、戻って来る里子が見え
た。里子はかつて不良仲間だった緒方と家庭を築いていた。友梨はそのまま立ち去る。
 ……と、話を聞いていた作家・及川のスマートフォンが鳴る。席を外して電話に出て
みると書店員から。及川は話を持ち込んできた友梨についても調べていた。書店勤めと
いう話自体は本当だったが、既に亡くなっているとの返事に驚く及川。では話をしてい
るあの女は一体?
 ――これが第四回の粗筋になります。中盤から終盤に掛けて俄然、面白くなってき
た。死者が幽霊になって話を持って来ていた、なんて展開にはならないはず。推理物と
してのきっちりした解決に期待するぞ、次週最終回。
 珍しく予想をしてみると……根拠はないけど、及川は高校時代の出来事で真帆か里子
に弱味を握られており、作家として名をなそうかというときに脅迫を受けた。今後の障
害になるとして、脅迫者を殺害。ところが及川は気付かないでいたが、それは脅迫者の
身代わりになった友梨だった。
 身代わりにした友梨の死に、脅迫者は当然、及川を怪しむ。そこで人を雇って友梨を
名乗らせ、過去の話を小説にしてくれないかと持ち掛ける体で、及川に接近する。本来
の目的は、及川の友梨殺しを暴くためだった。
 ……こう考えれば、それなりにつながる気がしないでもない……。当たっているとし
たら、過去の話のどこまでが本当で、どこからが嘘なのかという問題が出て来そう。原
作の評判が余り高くないことも合わせると、何らかの無理筋があるんだとも思います
が、果たして。

 ではでは。




#1764/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/12  19:56  ( 29)
認めながらも突っ込むという醍醐味   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第一話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ゆるい雰囲気の物語なのに、警察が事件関係者に重要なことを漏らすことはないと
か、では何で私立探偵の主人公達は堂々と事件現場に出入りできているのかとか、突っ
込みどころは満載。それでいてトリック(ロジック)の部分だけはしっかりしていると
いう、いびつなドラマ(笑)。キャラクター強めの本格ミステリを忠実に実写化すれ
ば、だいたいこうなるのかもしれませんが。
 純粋にミステリの部分だけを取り出してみれば、充分に面白かったと言えます。反
面、ドラマの部分がかなりだめなので、評価を決めにくい。とりあえず視聴は継続しま
す。
 初回での突っ込みをもう少し。
 櫻井翔演じる風真はポンコツのくせして名探偵のふりをする、実際に推理しているの
はほぼ助手のアンナ――この構図は「名探偵コナン」の毛利小五郎とコナンの関係を想
起させます。それはいいんでですが、「コナン」ではコナンが小五郎の口を借りて推理
を語るのにはある程度の必要性があるのに対し、本ドラマでは必要性が感じられなかっ
た。案が推理を語って、解決してはいけないのか? その説明が第一話でなされないっ
てことは、後々説明される可能性も低そう。
 長すぎるダイイングメッセージにしても問題ありますよね。複数の関係者が別個に、
偽装のためにダイイングメッセージを書き足していくという構図そのものはユニーク。
だけれども、一般常識のある大人なら、こんな細工をしても無意味だと気付くのが道理
というもの。長すぎて被害者が書いたものではないとバレバレなのに、委細かまわず足
していくのは無理筋でしょう。
 なかなかきれいな展開を見せた犯人絞り込みのロジックについても、突っ込もうと思
えば突っ込めるかな。容疑者の内、ダイイングメッセージの最終形を知ることができる
のは最後に書き足した人物と第一発見者と犯人だけ、として論理展開をしていました
が、最後に書き足した人物が陥れたい人物をさらに追い込むために、他の容疑者達にぽ
ろっとしゃべってしまうというケースが抜け落ちているのでは? 確認は簡単だと思う
のでそのくだりをしっかり描いて欲しかったです。

 ではでは。




#1765/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/13  20:09  ( 31)
イチケイのカラスのヨケイなギャグ?   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第二話十五分拡大を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 初回の三十分拡大は、それなりに意味のある拡大になっていたと思いました。キャラ
クター紹介と裁判を充分に描こうとすればそれくらいはやっぱり必要だろうなと。
 一方、今回の十五分拡大は、若干お遊びが目立ったかなという気がする。くさやのく
だりなんていらないでしょう。面白いやり取りだったんですけどね。他に笑いの箇所が
皆無なのであれば、くさやの場面があることでアクセントになりますけど、他にも笑い
のあるシーンがいくつかあった。となると、くさやのくだりは省いていいと思ったんで
すけど、何か大事な寓意が込められでもしていたんでしょうか?
 裁判の方は、初回視聴時に感じたような大きめの疑問点はなく、問題意識の溢れるス
トーリーで、かつ、なかなか感動的に仕上げていました。強いて疑問を挙げるのなら、
ドイツのその分野の世界的権威の医者が最終的に下した判断を、日本国内の医者は十名
集まっておいて誰一人として想定しなかったのか? 一人でも思い付いていたのならち
ゃんと証言してくれよ〜ってなところ。無論、法廷で問われたことにのみ答える、とい
うスタンスなら、おかしくないのかもしれません。揺さぶったせいか落下のせいかなん
て、あの時点では関係ないとも言えるのだから。
 それ以上に気になったのは、関係者のその後。疑いの晴れた女性を、旦那と姑が子供
を連れて迎えますが、そんな簡単にわだかまりが解けるものなの? 嫁の言い分に耳を
貸さず、あれだけ攻撃していた夫・姑と、今後うまくやっていけるという絵が描けない
……。
 自らの下した判断が覆らぬよう、方々に圧力を掛けた裁判官に対する処分もあんな軽
いものなんですかね。謹慎が解ければ戻って来るのかな。まあ、出世の道は断たれたも
のと思いたい。
 あと、触れられなかったですけど、重要な事実を伏せていた医者がどうなったのかが
気になる。心を入れ替えて自ら可能性を探り、正しい証言をしたとは言え、それでプラ
マイゼロになるのかというと無理がありそう。どういった処分に落ち着くのかその目安
を示してくれると、ありがたかったんですけど。
 次週の第三話でやっと通常枠の放送になるみたい。どういったフォーマットを見せて
くれるのか楽しみです。

 ではでは。




#1766/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/14  20:11  ( 30)
二本映画観た内の一本は日本映画   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「影踏み」(二〇一九年 日本)を録画視聴。一応ネタバレ
注意です。
 横山秀夫の同名小説が原作とのこと。未読ですが、横山秀夫作品なら期待値は高くな
ります。
 で、ハードルが上がった分、いまいちに感じられてしまったかもしれません。同作者
の原作に基づく二時間サスペンスはたいてい、緊張感がずっとあったように思うんです
が、本映画は余り感じられず。主軸となり得るストーリーラインが三つ、並行している
風に描かれていて、散漫になった印象を受けました。小説でじっくり読むと、またイ
メージが異なってきそう。
 ミステリ的な趣向としては、大技だけど目新しくはないものが一つ使われていて、あ
とは登場人物に関する伏せられていた設定による意外感かな。後者は伏線の張りようが
ない事柄かも。だから「やられた!」という騙される爽快さには欠けます。
 双子がテーマの一つだと思うんですが、終盤で兄が弟と会話するくだり、それって兄
の独り善がりというかこうあって欲しいという願望なのではないのかと。それで解決し
た、みたいにしていいのか。意図がよく分からない?

 WOWOWで放送の映画「トンネル 9000メートルの闘い」(二〇一九年 ノルウ
ェー)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ノルウェーの山岳地帯で実際に起きた火災事故の数々に着想を得て、映画化した物と
のこと。当然、完全に実話そのまんまというのではないのでしょう。だからなのか、や
けにトラブルの数が多く、しかもうまく列をなして順番に起きているような作り物っぽ
さがあったような。特に終盤。
 レスキュー隊員が“準備が整ってから突入する”という点を強調しておいて、“でも
身内や知り合いがトンネル内に閉じ込められているから無茶をして出ても入る”という
流れが何度か出て来ます。これって家族愛などを描くのにはまあいいんでしょうけど、
裏を返せば親しい人間がいるから助けに行く、とも受け取れる訳で、職業としてレスキ
ューをやっている人がそれでいいのかと。成功すれば結果オーライだとして、失敗した
場合はどうなるんだろ?

 ではでは。




#1767/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/15  19:22  ( 27)
エッセンスのてんこ盛り   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第二十一〜二十
五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のエピソード『連続放火』は、そのタイトルの平凡さとは反対に、ミステリとして
よくできた話になっていたと思います。本ドラマのこれまで観た中で一番の出来映えじ
ゃないかしらん。
 提示される謎の魅力はまずまず怪異姓があるし、真相に辿り着くまでにいくつかのよ
い意味での寄り道があって視聴者を惑わせるし、当初からは思いも寄らぬ着地点に至っ
た上に、トリックはなかなかロジカルで面白く(しかし凄く手間の掛かる)、しかも意
外な犯人まで用意されている。
 ただし、最後の意外な犯人については、暗示が露骨でしたから、かなり早い段階で
「あれ? こいつがもしかして……?」と勘付いてしまう人が多いかもしれない。それ
を補って余りあるだけの意外性があると言えばあるんでしょうけど、できることならも
っとシリーズを積み重ねてからの方が効果的だったろうから、もったいない。
 そして何よりも話の緊密さを増し、流れをスムーズにしたのは、これまで何度か苦言
を呈したぼんくら刑事の出番がほとんどなかったおかげじゃないかと思います。(^^) 
あいつが射ないだけでこんなにもすっきりしたミステリになるなんて。逆説的に効果抜
群だ。
 もちろん、いくつかの小さな瑕疵は見られます。たとえば物語の中でも出て来ました
けど、こんな長期に渡る計画なんだから、犯人グループは関与した仲間の中に亡くなる
者が出てくるケースを当然想定していなければならないでしょう。なのに何の対策もし
ていなかったようで、複雑なトリックを弄した割に、抜けている連中だなと。
 あと、上で記した意外な犯人こそが主人公の追っている犯罪者“キャプテン”当人か
もしくはその重要な仲間だと思っていたのですが、違っていたようで。似たようなポジ
ションにイケメン俳優ばかり揃えるから、初期の段階から何か意味があるとは思ってい
たんですけど、勘ぐりが過ぎたようで。

 ではでは。




#1768/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/16  22:23  ( 29)
えんもたけなわ、よろこびもひとしお   永山
★内容
 BSトゥウェルブで放送の松本清張ドラマ「火と汐」を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
 元は一九九六年にフジテレビ系列で地上波放映された物。観たことがあるようなない
ような。(^^; アリバイトリックで有名な作品で、ある意味知れ渡っているため、原作
は未読です。
 推理作家としては社会派として評価の高い松本清張が、いかにも本格推理に出て来そ
うなアリバイトリックを用いた作品……と、こう書くと、松本清張がトリックのある作
品を滅多に書かないみたいに聞こえるかもしれませんが、実際は逆。社会派推理と呼ば
れた作家の中で比べるなら、松本清張はいかにもなトリックをたくさん案出していると
されています。
 なので、清張ドラマに本格推理に似合いそうな謎・トリックが出て来ても、さほど驚
くことではない。のですが、そこを差し引いても、伊豆沖でヨットレースに参加中の夫
が、京都で置きた妻殺しの犯人、という謎の提示は、かなり魅力的で吸引力があると思
います。
 倒叙ミステリの形式を採ってはいないため、最初から夫が怪しい、とはならないので
すが、舞台や道具立て、人物配置などから犯人は夫であると早期に予想が付く。ほぼ倒
叙ミステリと言っていいでしょう。
 犯人が用意したアリバイトリックは、複雑ではありませんが下準備と費用が掛かり、
体力的にもきつい。しかも悪天候になれば中止せざるを得ず、手伝わせた人物を口封じ
に(それも、同じトリックの計画をまだ続けるつもりならば中止にした場合でも)始末し
なければいけない……とメリットが少ない。私ならこの計画で行こうとは思わないです
(笑)。
 でも謎としての形も含めて、本格推理らしさがあって惜しい。本格心をくすぐるの
か、他のプロ作家によってより完璧に近いトリックの物が創案されているみたいです。
 あとは出演者について、悪役というか犯人役があまり似合わなそうな神田正輝が、本
ドラマでは精一杯やっていたように感じました。もう少し吹っ切れた演技が必要なシー
ンがあれば、新境地開拓レベルのものが見られたかも。

 ではでは。




#1769/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/17  20:57  ( 36)
色々と怖い話   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(二〇一五年 米
国)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 二〇〇八年、リーマンショックにより世界の経済が壊滅的な打撃を受けたその裏で、
経済が破綻する可能性が高いと早くから予見し、逆手に取ることで大金を得た四人(四
組)の男達がいた――というノンフィクションを基にした映画ですが、全部が全部事実
をありのままにって訳じゃないみたいです。
 というのも、作中で登場人物が突如カメラ目線になって、「ここは虚構だ。資料を拾
った事実はない」みたいな台詞を吐く場面がいくつも出て来るので。他にも、二〇〇八
年以降の視点で語るくだりがあったり、あちらの著名人らしき人達が(恐らく畑違い
の)経済の仕組みを説明したりと、明らかに作り物の箇所がありますし。メタフィクシ
ョンというよりは、西洋流ブラックユーモアのように感じられました。
 この手の経済ドラマ作品によくあるように、本作も専門用語が飛び交い、しかもその
多くは丁寧な説明なしに、どんどん進みます。加えて、当時の出来事や流行が当たり前
のように挿入され、ネタとして会話に取り入れられもしているので、十全に楽しむため
にはそういった辺りも知識として持っている方がいいんでしょうけど、まあ全部を把握
するなんてどだい無理な話。私の場合、観ながら気になった事柄だけさっとネット検索
して、補っていました。※ざっと検索しただけでは理解できないものも一部あった。企
業が債務不履行や破綻することで利益を得る金融商品て、どこからその利益が生まれる
のやら?
 で、分からないなりに面白いんですが、タイトルにある“華麗なる大逆転”という印
象は全くなかった。
 我々観る側は、顛末を知っていることもあって、一部の銀行・投資会社・格付け会社
なんかがいい加減な仕事をして(あるいは仕事をせずに)、いかに“Shit”であっ
たかがよく分かるし、リーマンショックによってそういった連中がどえらい目に遭う姿
に、ざまあみろと快哉を叫ぶ訳ですが、当時の感覚では結果的に大金を得ることになる
面々の方が“頭のおかしい人達”だったんでしょう。大いに稼いだ人達も大なり小なり
苦悩していたことも描かれていて、非常に興味深かった。世界経済が大ダメージを負っ
て数え切れない人達が破産して路頭に迷うと分かっていて、自分達は大金を掴むという
構図ですね。
 その後、金融業界に国のより強い規制が入って、改善されたように見える反面、似た
ような商品を作り出しては危うい取り引きを煽っているという、結局は変わってないん
じゃないかという空気で幕。
 日本国内で地上波放送されたことあるのかしらん? 放送すれば翌日からしばらく金
融商品が売れなくなるかも。(^^;

 ではでは。




#1770/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/18  20:38  ( 26)
交換殺人は友情で成り立つか   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「インフルエンス」最終回を録画視聴。念のためネタバレ注意で
す。最終回なので例によってあらすじは省きます。
 えー、安心してください、前回の感想で書いた予想は激しく外れていました。(^^;
 うーん、今までの感想で挙げていた疑問に一応答えてくれる内容ではあったものの、
隠されていた真相!ってなタイプの展開ではなく、単なる説明をつけたという感じだっ
た。ふうんそうだったねで終わりそうな。理屈は通っていても、観たい(読みたい)の
はそうじゃないんだよなあ、とでも言えばいいのかしらん。三人の“友情”を描いたと
いう観点で見れば、それなりに評価できると思うんですが、ミステリとしては期待して
いたものではなかった。
 感想からちょっと離れて、この作品に出て来たエッセンスの一つを取り出して、装飾
を取り去ってみると、強制的交換殺人というのが現れると思います。※本作で描かれた
殺人は結局のところ顔見知り同士の犯行故、厳密には交換殺人のメリットに浴せません
が。
 しかとは記憶に残っていませんが、これまで交換殺人を描いたミステリにおいて、強
制的にやらせる、巻き込むというのがなかったとは言えないと思います。ただ、数は凄
く少ない気がする。
 だから今後有望な“鉱脈”になる、とは言えません。たいていは脅しの要素が入って
きて、バリエーションに乏しく、パターンが型にはまってしまうのが大きい。が、デジ
タル機器の発達などにより、多少は違いを出せるのではないかと仄かな期待感、なきに
しもあらずといったところ。
 そんな中、意外と狙い目になるかも?と思い付いたのが、館ミステリでの交換殺人。
アリバイを完璧にしておけば動機を有する者と被害者との距離がどんなに近かろうが関
係ない、ならばいっそ館ものでもいいだろ、ってな発想です。いずれ書くかも、でもすで
に書かれているかもしれず。

 ではでは。




#1771/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/19  19:50  ( 23)
差が大きくて捻れる   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第二話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 うーん、平凡。初回は力が入っていたのがよかったのかな。それに比べて今回は本格
度が著しく落ちたような。特に、犯人特定の決め手が弱い、かつ、少ない。当然、物証
頼みになり、その物証は確実な代物だけど、警察が令状なしに銃をぶっ放して金庫を開
けて回収って……いくら「あぶない刑事」に似せたキャラ二人を出していても、だめな
ものはだめ。初回で「捜査の内容は関係者に漏らさない」って真っ当なことを掲げたの
に、第二話でこれをやっちゃあだめでしょ。物語の世界観がぶれる。一話と二話とで、
脚本協力した推理作家が異なるのが原因かもしれないけれど、そこら辺も含めて矛盾が
ないようにする監修する人がいるもんじゃないのかしらん。
 今回の殺人犯人、刺殺という手段を選んでおきながら、靴が汚れる可能性を考えてい
なかったのか? よく分からん行動を取っている。偽の証拠として残したアウターにし
ても、犯人自身のDNA等が採取できるのでは?
 分からんと言えば、探偵側の行動もいまいちぴんと来ない。電話詐欺と分かっていて
応対の際に本物のお金を用意する意味は何なんだろう? 詐欺グループのアジトを突き
止めるのは依頼内容にないんだから、行方知れずになっていた人物の確保だけに集中す
ればいいのでは? その上、確保する前に変装を明かすし、お金を渡してから確保しよ
うとして逃げられるし、やることがいちいち抜けているのは何で。
 行方をくらましていた男、最後に「何でもっと早く相談しなかった」と言われていた
けれども、ほんとそれ。理由が語られることなく終わってしまった。
 てことで今回分は評価できません。突っ込みどころはたくさんありつつも本格ミステ
リとして面白いってのを期待してるんで、次は復調しますように。

 ではでは。




#1772/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/20  16:35  ( 27)
イチケイのガラス職人   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第三話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 三回目にしてやっと通常枠での放送となりましたが、まるで時間が足りなかったかの
ような構成に首を傾げることに。
 というのは、始まってしばらくしてから出て来たアインシュタインだのサーダーアン
ダキーだののやり取りは、これまでの二回にあったクイズ的なものだと思っていたの
に、答が示されず、宙ぶらりん。まさか本当に時間が足りなくて答を示せなかった訳で
はないだろうけれども、変な感じがしました。
 事件の方はこれまで映画やドラマ、小説に漫画と色んな形で描かれたであろうタイプ
の型にはまった物で、予想通りの展開を見せました。当然、驚きは薄かったけれど、定
番中の定番だけに面白さは保証されています。
 気になったのは、ガラス工房で娘が我を失ったみたいに暴れて、置いてあったガラス
工芸品を次から次へと壊していったシーン。最初の時点では一応、“娘は父親を殺した
ガラス職人が憎くてガラス工芸品を壊した”という構図だったけど、実際は違っていた
訳で。犯人じゃないと分かっている(娘自身が犯人だから)のに、どうして工芸品を壊
すのか。裁判官や検察らがいるから、怪しまれないように芝居を打ったのか? だとし
ても、母娘は裁判官達が工房に来ることを事前に把握していなければならない。裁判官
らが入る前に、がちゃーんて音がして始まったから、タイミングを計っていたようにも
見えるけれども、再検証の日時って外部に公表されるものなのか。母親は警察官だか
ら、その線で知ったとか? この辺り、補足説明がほしかった。
 職人が遺体を燃やした理由も、通常のドラマなら説明が入りそうな気がするけど、何
にもなかったなぁ。多分、死亡推定時刻のずれ(実際に死んだのは夕方頃で、職人が犯
人であろうとすると夜十時以降にせざるを得ない)を隠すために、遺体を完全に焼却し
たんだと思う。でもまあ、こちらの方はわざわざ説明してなくても、視聴者が察してく
れればそれでいいぐらいの気持ちで製作されている印象を受けたです。

 ではでは。




#1773/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/21  19:47  ( 35)
あんまり華麗でない   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」初回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作は山崎豊子の同名小説。作品名だけ知っていて、中身を全然知らない。(^^; 第
一回を観た限りでは、早くもどろどろしたものが見え隠れして、華麗なるどころではな
いよう相を呈している。
 本作もあらすじを書くのが難しそう。前の「トッカイ」は専門用語が説明なしに頻出
するので書きづらいと判断しましたが、今回は登場人物の多さに二の足を踏んでしま
う。
 とりあえず、
・時は一九六七年初頭。政府主導の銀行業界再編の動きが表面化しつつあった。
・万俵コンツェルンと呼ぶべき企業グループがあり、そのトップが阪神銀行頭取の万俵
大介。その子供として、長男鉄平(阪神特殊製鋼)、次男銀平(阪神銀行貸付二課課
長)他、娘もいる。
・大介は企業人としては大変有能だが、家庭人としてはそうでなく、妻の寧子を蔑ろに
して、家庭教師として雇った高須相子を愛人にして住まわせている。寧子は京都の良家
の出で仕事は何もできない。相子は正反対で仕事に口を挟むこともあれば、大介の子供
らの縁談をも取り仕切る。大介の子供らは程度の差こそあれ、相子によい感情は持って
いない模様。
・大介は銀平を後継者にと考えている。鉄平の出自を疑っている節あり。
・鉄平は製鉄会社からの納入頼みの生産体制が不安定で操業が止まることもあるのを懸
念し、自社での溶鉱炉所有を思い立つ。建設及び稼働には諸々併せて二百五十億円ほど
かかる見込み。資本金の四倍ほどの大博打に、阪神特殊製鋼の内部は二つに割れる気
配。反対派は特に資金面を不安視する声が大きい。鉄平は父にその半額を融資してくれ
るよう頼む。
・大介は銀行再編について、政府特に大蔵省(当時)の意向を知るべく、あれこれ探り
を入れる。そして小が大を飲み込む合併もありだと認識していることを知り、そのため
に計画を練り始める。
 ……といったところを押さえれば、何とかなるかと。多いな(笑)。
 まだ始まったばかりですが、思わせぶりな描写がいくつかあって興味をそそる。今の
ところはっきりとした目標を持って動いているのは鉄平だけ。大介は目標・目的ははっ
きりしているけれど、具体的にどう動くかはこれから。
 二時間サスペンスならすでに二人くらい不審死を遂げていそうな人物配置と滑り出し
ですが、そうはならないはず。(^^; 話の広げ方にも注目しつつ、楽しみたいもので
す。

 ではでは。




#1774/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/22  20:09  ( 24)
宗旨替え探偵?   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第二十六〜三十
回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のエピソードタイトルは『ほほ笑む黒衣の女』。これがそのまんま、真犯人(的
なもの)を示しているとは思わなかった。まさか、サブタイトルでネタを割ってしまう
とは、裏を掻かれたと言えば掻かれたです。
 それならそれで、もうちょっと“お化粧”させてやればいいのに。被害者はみんな女
性で“笑死”しているんだから、ついでに衣服も全員が黒だったことにすれば“ほほ笑
む黒衣の女”になり、視聴者には「サブタイトルは被害者達のことを表しているのね」
と一応の納得を与えられる。その上で、本来の種明かしである二段構えの真犯人及び真
犯人的なものを提示すれば、結構驚きがあったと思うんだけど。
 今回よかったのは、主人公の紳士探偵が初めて推理を間違った?と思わせる展開。探
偵役が完璧すぎると、作者がミスリードを仕掛けても探偵が首を縦に振らない限り、読
者は探偵に着いていく訳で、結局ミスリードにならないという問題が生じる。そこを回
避する手法の一つがこれだなと。ただし、真相が明らかになると探偵役は大筋では間違
っていなかったと分かり、「この主役は推理を誤らない」という視聴者の認識は結果的
にますます強まったとも言える。ジレンマ。
 あと、気になったのはキャラクター設定の変更があったのかと思うほど、探偵の探偵
方法が変化していること。確か最初の方のエピソードでは、心理学的な手法は信じな
い、だから使わないみたいな台詞を吐いていた紳士探偵が、今やばんばん使っている。
方針を変更したのならしたで、そうなるきっかけみたいなものを描くべきと思うんです
が、なかった気がする。ただ、心理学的手法の有効性を主張していたレギュラー陣が犯
罪者として逮捕される展開があったから、それと何らかの関係があるのかも。

 ではでは。




#1775/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/23  20:22  ( 27)
流行りと言えば流行りのネタ   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「ボディカメラ」(二〇一九年 米国)を録画視聴。すごく
ネタバレ注意です。
 WOWOWのサイトにあった紹介文から、ボディカメラなどの映像を駆使した犯罪捜
査アクション&サスペンスを期待して予約設定したのですが。観始めてしばらくする
と、首を傾げることに。
 出だし、警察官による黒人への尋問から発砲、死亡させた件の裁判で無罪判決がくだ
り、街の雰囲気がよくないことを伝えるニュースが流れ、有色人種である警察官も店の
人間から歓迎されていない様子が描写されます。これぞ社会派サスペンスと思わせる、
手堅いスタート。
 が……かなり序盤で、警察官の一人が死にます。パトカーの車載カメラが捉えていた
映像から、警察官は強大な力でボンネットに叩き付けられ、さらに一瞬で高く持ち上げ
られ、飛ばされ、電柱?に引っ掛かったまま絶命したと判明。もうこの段階で、おかし
い感じが漂う。人による目撃証言やら伝聞ならまだ、本格ミステリ的な物理トリックの
入り込む余地はあるでしょうが、カメラの映像となるといけない。どう考えても超常現
象、ホラーの領域です。
 その予感の通り話は進み、結局は警察官が不祥事を隠蔽するために黒人の少年が殺さ
れており、その少年の霊が復讐を果たしていたというのが真相。うーん。
 この筋書きなら、WOWOWのサイトの紹介でも、はっきりホラーと銘打って欲しか
った。確かに、微妙な言い回しで紹介文に一度、“ホラー”という単語が出て聞きます
けど、何かずるい。

 ボディカメラを活用したストーリー作りなら、もっとはっきりとミステリ寄りの作品
で、いいのができそうな気がする。もちろん、カメラ(データ)のすり替えが行えない
前提で進めないと何でもありになりかねない。そういったブレーキは必要でしょうけ
ど、叙述トリックネタで新機軸を打ち出せないかな。

 ではでは。




#1776/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/04/24  14:22  (104)
「二万人の目撃者」【ネタばれ】  朝霧
★内容
第16回「ミステリーズ!」受賞作ですが。
作者は、内田康夫ミステリー文学賞特別賞受賞、鮎川哲也賞候補など
輝かしい実績もあるのでどんなものかと思って読んだのだが。
全く大した事なかったですね。
ネタばれすると




















犯行の時刻、犯人はyoutubeライブをやっていたというアリバイがある
のだが、
実はそれはyoutubeライブではなく、4Kだかのディスプレイに写っているものを
ライブで放送しただけだった、というもので。
こういうのは、昔、「新黄金の7人」にあったのでは。
だから、古い発想だよなあ、と私は思ったのだが。
他の読者の感想を見ると(選考委員も)
「こういう新しいものはすぐに古くなってしまうものだが、
しかし技術革新などで新しいものが出てきたら、それが出てきた時代を
描写するのも小説の役割だ」みたいな事が書いてあって。
全然違うなー、と思ったのですが。
そもそも、youtubeというのはオンデマンドなんだから、
Aという時刻には〇〇をやっていたので他の事は出来ない、
というアリバイにはならない、
というのが”新しい”ところであって。
そういう新しい時間の流れの中にあって
youtubeライブというのは昔的な時間の流れであって、
新しいのは、オンデマンド的な時間の流れであって、
それはもはや従来のアリバイには使えない筈で。

そういうのが通用しなくなった時代が今の時代だと思うのですよねぇ。
例えば「容疑者Xの献身」でも、
その時間には映画館で映画を見ていた、というのがアリバイになっていたが、
今の時代、オンデマンドだから、
A時間には〇〇をしていたので他の事は出来ない
というのはアリバイにならない、というのが新しい感覚だと思うのですが。

それどころか、生まれた時から、オンデマンド的な環境で育った世代には、
そもそも、「Aという時間に〇〇をしていたから他の事が出来ない」という事すら
理解出来ないのではないか、と思ったのですが。


最近、アマゾンで電池とかシャンプーとか雑貨を買ったのですが、
注文は、コンピューターのシステムに向かってポチるだけだから、
夜の10時に電池をポチって、11時にシャンプーをポチってもいいのだけれども、
実際に運んでくる佐川のおじさんの苦労を考えると
なるべくまとめて注文した方がいい、と思ったのですが。
ところがそう思ってまとめて注文しても、
アマゾンの方で勝手に別便になっていたりする事がある。
受け取りはコンビニなのだが、段ボールが2つになっていて無駄だし、
運んでくる佐川のおじさんの苦労を考えると、
アマゾンで出荷を担当している人は、
段ボールのムダとか、佐川のおじさんの苦労とか、
そういう事は一切考えないんだろうなあ、とか思う。
更には、実はシャンプーを頼む積りがリンスインシャンプーを頼んでしまって、
それをキャンセルしたいのだが、
既に「出荷準備中」になっているのでキャンセル出来ない、
という場合に、
アマゾンのコールセンターの女にいうと
「だったら受け取らないで下さい。コンビニに2週間放置されると
勝手にこちらに送り返されてきて、キャンセル扱いになりますから」
と平気で言う。
そんな事をしたら、コンビニまで運ぶ佐川のおじさんの苦労はどうなるのか、
とか全然考えない。
そういう佐川のおじさんの苦労を考えない現代の若者はミステリーを
理解しないだろうなあ、と思ったのですが。

そもそも、ミステリーにおけるアリバイとは、
つーか、ミステリーに限らず、「出来る男」みたいな感じの人というのは、
なるべく合理的な行動をする、みたいな。
合理的とは、電池とシャンプーを同時に注文すれば、佐川のおじさんの苦労が減る
という事で。
ところが、コンピューターのシステムが何時でもポチればいいだけなので、
生まれた時からコンピューターのシステムを使っている現代の若者は、
そもそも合理的とは何か
という事自体理解していないんじゃないのか、
などと思ったのですよ。

だから、Aという時刻にはyoutubeライブを見ていた、だから犯行は出来ない、
という事が、そもそも理解出来ないのではないか。
昔の人は、時間でもなんでも合理的に使わないとムダになってしまう
と思って考えながら生きていたが、
今の人は、全てはオンデマンドであり、全てはシステムに向かってポチるだけなので、
そういう人は、ミステリーのアリバイもトリックも理解しないのでは。

もしミステリーに新しい何かがあるとしたら、そういう感覚ではないのか。
と愚考した次第です。
(なんとなく私の言っている事伝わります?。ちゃんとした文章になっていないが)。





#1777/3021 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #1776 ***
★タイトル (AZA     )  21/04/24  20:40  ( 33)
新感覚   永山
★内容
現代のアリバイ事情とか論理的行動とか>
 島田荘司が二十一世紀の(本格)ミステリーというのを提唱していたように思いま
す。書き込みを読んで、それを連想しました。
 一つのことをしていたからといってそれがアリバイとして認められないという見方
は、独創的だと思います。ミステリ作家としての武器になるくらいの独創性。
 世代間ギャップと言っていいのかどうか、たとえば中年男性がアリバイ作りのために
トリックを弄して自信満々で犯行を成し遂げ、同じ世代の刑事達にはその壁が崩せな
い。ところが警察官になったばかりの新米があっさり解いてしまう、ぐらいの展開は前
からあるかもしれません。でも捜査員全員が端から「そんなアリバイ、成り立たないよ
ね」と否定するとしたら、かなり衝撃的になりそう。読者がアリバイトリックだと認識
してくれないと話にならないという心配はありますが、もうしばらくは行けるでしょ
う。(^^;
 ただし、この手のものは一回使ったらそれまでで、以降はミステリ界隈に浸透してい
き、当たり前になるという可能性もそれなりにありそうですが。

 ミステリ、特に本格と称されるジャンルの登場人物はなるべく論理的な行動を取るこ
とを大前提にしている、という話がありますよね。本格推理・本格ミステリにおいて名
探偵がロジックを展開することが非常に煩雑になるから。犯人は馬鹿な失敗や思い込み
は犯さない、というのが暗黙の了解のように存在している。もし仮に犯人が馬鹿な失敗
や思い込みをしているときはその手掛かりを読者に分かるように提示すべき、というの
が基本的な考え方でしょう。
 もしもその前提・暗黙の了解が、時代が進むことで成り立たなくなるようだと、本格
ミステリにとって困った事態になるなあ……。

 推理作家の佐野洋がエッセイ『推理日記』(講談社文庫他)シリーズのどれかで、石沢
英太郎「退職刑事」シリーズの一短編について感想を述べていて、その作中でやくざの
親分の取る行動に疑問を呈していたと記憶しています。親分の選択が、最善の策とは思
えない、次善・三善としてもおかしいんじゃないかと、首を傾げる感じでした。
 単に作者が思い付かなかったとも、短編であるため書き切れなかったとも考えられま
すが、やはり前提を崩しての本格推理は成り立たない、読者との間に溝を作ることにな
りそう。

 ではでは。




#1778/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/26  19:56  ( 23)
全体のためのやむを得ないエピなのか否か   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第三話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 うーん、急にだめになってきた。平凡な出来。
 冒頭から風真がずる休みして、共感しづらい。爆弾脅迫事件の解決協力依頼をこっそ
り受けていたという事情があるにせよ、同僚にその件を隠す理由が弱いし、どうしても
秘密にしておきたいのなら有給休暇を取ってとなるんじゃないの。
 犯人の指示で、金を入れさせたバッグを一旦バスの外に落とし、後続の風真に拾わ
せ、改めて橋から放り投げさせるという一連の流れが意味不明。バスが橋を通過すると
きに直接、放り投げさせれば済む話なのでは。
 基準となる重量のプラスマイナス三十キログラムまではセーフの起爆装置って、犯人
はどんだけ優しいの。重さ約二十キロの札束を奪おうとしているのだから、基準重量の
マイナス二十五キログラムまではセーフ、増える分はせいぜい三キログラムまでとして
おけば事足りるだろうに、何で余裕を持たせた?
 重しとして乗せられた刑事らがバスから脱出する方法が、あまりに単純。数学が得意
なキャラクターを新たに登場させなくても、すぐに気付くレベルでしょう。
 そして今回も、警察が風真らに捜査情報をじゃんじゃん漏らす。こんな風にするのな
ら、第一話で余計なこと入れなきゃよかったのに。
 “すべての事件が最後の謎につながる”という趣向があるそうなので、上で挙げた瑕
疵と思える箇所も実は真っ当な理由があって、最後の謎に結び付いているのかもしれま
せん。が、それでも期待薄になった感がにわかに漂ってきたような……。
 いや。脚本協力かつ原作小説作者として名前の出ている推理作家の顔ぶれから言っ
て、このくらいで終わるはずがないと信じて待つ。(^^)

 ではでは。




#1779/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/27  20:16  ( 30)
鰈なる一族   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第二回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のポイント。
・次男銀平の結婚話がとんとん拍子に進められるも当人は乗り気でない。結婚話を含
め、万俵家のこと全てに関わってくる秘書の相子を憎んでいる。
・長男鉄平は溶鉱炉作りを実現するため奔走。許可が下り、金の工面にも見通しが立
つ。
・しかし父の大介は鉄平の力を認めない発言。自前の銀行からの融資も、はっきりOK
とは言わずに先延ばしにしている。拒むつもりでいる様子。
・大介は銀行の合併話に熱が入る。小が大を食らう合併を目指し、中堅四行の内情を知
るべく、娘婿の美馬に命じて極秘情報の奪取を目論む。
・美馬はかつて同僚だった検査部の男を酒に誘い、定年退職後の腰掛け先をエサとして
ちらつかせながら、情報を持ち出してくるように言う。男は迷いつつも結局はコピーし
た情報を美馬に渡す。
・美馬は大介にコピーを渡し、功績をアピール。と同時に相子にも、同じ立場の者同士
(ともに万俵家の外部の人間でありながら万俵家のために動いている)仲よくやろうと
接近する。
・大介は美馬の仕事能力測っているが、完全に信頼している訳ではない。
・前回に引き続き、鉄平が父の大介よりも祖父に似ていることが繰り返し強調される。
・大介の妻寧子は夫と相子の愛人関係を疎んじながらも、自身にも浮気した過去がある
のか、強く言えない(ことを大介が言ってる)。

 ……といった感じでした。登場人物が多くて、その肩書きを覚えるのがしんどいです
が、物語のいくつかの筋道が明確になってきたので、比例して整理されてきたかな。
 長男が父親から疎まれているというか厳しく当たられているのは、前回から明白でし
たが、次男はどうなんだろう。次男が思った以上に相子を嫌っており、意外と父親のこ
とも嫌悪の対象になっているのかな。
 そしてその父親・大介の銀行合併にかける意気込みの強さがよく表れていた。これは
本当に何でもありだな。

 ではでは。




#1780/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/28  20:06  ( 20)
定型文ながら面白味がある、みたいな   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第四話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 今回は「わざと引っ掛かりを覚えるように作ってるの?」っていう箇所がなかった、
気がする。(^^;) 細かいことを言い出したら、犯人の計画が十全じゃないにもかかわら
ずうまく行きすぎな気がするし、もっとうまくやる方法はあるんじゃないかいった疑問
がわかなくはない。
 けど、そういったことを枝葉の些細な点だと思えるくらい、今回は視聴者サービス?
として見所が多かった。ヒロインの妹が登場、ヒロインが初の裁判長、初の未成年事
案、本筋ではない序盤の裁判シーンで被告が遠藤憲一(ちょっとだけ出て終わり)等
々、面白くなる要素がたくさんあって、期待されることをちゃんと映像にしてくれた感
じ。
 面白さと言えば、毎回扱うメインの案件がどれも面白くなって当然の複雑さを有して
いるけれども、これが平々凡々な事件だったらどう描くのか、意地悪くも気になってし
まった。あるいは平凡じゃない、凶悪事件で被告人がどうしようもない悪人といった
ケースでもいい。いつもの「イチケイのカラス」に持って行けるのか、それとも普通に
処理して終わりにせざるを得ないのか。もちろんドラマとして作るのなら、強引にでも
面白い方に持って行くんでしょうけど、「イチケイのカラス」の裁判官達がこの手の事
件をどう裁くかという思考実験的な興味がわいたということで。

 ではでは。




#1781/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/29  20:06  ( 24)
古典的トリックを成立させる   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第三十一〜三十
五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のエピソードは『山頂の迷宮』というタイトルで、いかにも嵐の山荘ものを思わ
せます。実際、ケーブルカーの機械の破損により山頂の屋敷が閉鎖空間になり、そこで
人が死んでいく訳ですが、がちがちの本格推理とはちょっと違ったかな。それでも充分
に面白い筋になっていましたし、感動ネタを真正面から入れてきて、なかなかよかった
です。今回も主役の紳士探偵を演じる役者にとって、見せ場が多かった印象。
 絵の真相がいささか拍子抜けだったことと、死んだチャーリーの気持ち・感情を類推
して下した結論がちょっと独善的だったのはマイナスかな。もう少し時間があって、詳
しく描けたならよくなった気がして、惜しい。
 トリックは、現代では成り立たない、この時代ならではのものでした。ただ、当時だ
としても、こんなにうまく行くかどうかは分からない。犯人も事前に試しにくいだろう
し、ぶっつけ本番でたまたま成功したのかな。
 犯人指摘は一応ロジカルだったと思う。途中で絞り込まれ、指摘された(実際には探
偵とその仲間内で名前が挙がっただけだけど)人物が犯人だったら、「トリックを用い
たせいで犯人が特定される」という、何のためにトリックを弄したのか分からなくなる
展開だったので、それが否定されてほっとした。(^^;
 今回の事件が終わったあと、過去から続いている縦糸の事件の方もまたぞろ動き始め
た様子で、つなぎ方は多少強引なところはあったものの、充分に興味を引く形で直につ
なぐとなっていた。見事なクリフハンガー。
 しかも、捜査側の準レギュラーながら犯罪者として捕まった人物を出してくる辺り、
よく考えているなあと思わされます。

 ではでは。




#1782/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/01  20:14  ( 32)
言葉のTPO  永山
★内容
 多湖輝の『頭の体操』(光文社)の第何集だったかに、こんな感じの問題がありまし
た。「タイムマシンで過去に旅立った“僕”。着いた先では街が焼かれ、人々が逃げ惑
っていた。近くの人をつかまえ『何が起こったんですか?』と聞いてみると、『第一次
世界大戦が始まったんだよ!』との返事が。この話におかしなところはないか」
 とりあえず、タイムマシンの存在は肯定することが前提です。
 で、考えてまず辿り着くのが、「第一次世界大戦という言葉は、第二次世界大戦があ
ったからこそ存在するのだから、第一次世界大戦開始間もない頃に第一次世界大戦なん
て表現をする人がいるはずがない」というもの。
 なるほど確かにその通り。でも、タイムマシンの存在を忘れてはいけない。“僕”が
尋ねた相手もまたタイムトラベラーだったとすれば、第一次世界大戦という単語を使っ
てもおかしくない……これが答でした。

 上のパズルは特殊な状況ですが、物語(小説やアニメ、映像作品等)において、その
言葉を用いるのはどうなの?」と引っ掛かりを覚えることが時々あるかと思います。
 先日、たまたま観ていた深夜アニメ(作品名は覚えていません ^^;)で、どう見ても
日本とは縁のない世界観設定なのに、登場人物が台詞で「大和撫子」と言っていまし
た。
 これをどう見るか。おかしい!と言ってしまうのは簡単ですが、たとえば「異世界の
言葉を翻訳する過程で、日本の視聴者向けに分かり易いよう、“大和撫子”という表現
を当てはめた」と見なすと、一応成立します。そもそも、異世界の共通言語が何で日本
語なんだろう?なんて言い出したら、何も始まらないわけだし。

 では、パンダが知られる前の日本を舞台にしておきながら、「客寄せパンダ」という
表現を作中で用いるのはどうか。地の文なら許容範囲だが、台詞ではNG?
 「神経」という単語がなかった平安時代のお話を綴るに当たって、登場人物に「どう
いう神経しているの?」と言わせるのはどうか。そもそも当時の人の話し言葉を正確に
表現できるとは思えないので、これも翻訳されていると見なせる?

 ……てなことに引っ掛かったままでは物語にのめり込めないので、とりあえずは気に
しないようにしています(笑)。

 ではでは。




#1783/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/02  20:59  ( 27)
入れ替わりの不思議   永山
★内容                                         21/05/02 21:04 修正 第2版
 コロンボにだまされた。
 いや、正確に言うと、ドラマ「刑事コロンボ」シリーズをオンエアしていたスカパ
ー!のチャンネルの一つ、AXNミステリーにやられた。
 スカパー!開放に備えて録画機器の容量をちょっとでも増やしておこうと、だいぶ昔
に録画した番組をチェックしていて、ふと気付いた。
 コロンボ作品をいつでも気軽に観られるよう、HDDにシリーズ全六十九作を置いて
いるのですが、その一エピソードである「白鳥の歌」がだぶっている。
 NHK−BSで放送されたのとAXNミステリーチャンネルで放送されたのとがごっ
ちゃになっていますが、だぶらないように余分な物は削除したはず。
 おかしいなと思い、そのままダブりも含めて作品数をカウントしてみたところ、七十
とはならずに六十九だった。
 これはどれか一作、間違って削除してしまっているに違いない。嫌な作業ですけど、
確認してみた。結果、「愛情の計算」が見当たらなくなっていると判明。
 で、何で削除ミスを起こしてしまったのかを考えてみるに……本来、コロンボシリー
ズとしてのナンバリングでは、「愛情の計算」と「白鳥の歌」は23、24と連番にな
っている。隣り合っているがためにミスが起きた他可能性がある。
 このとき、不可解な点に気が付いた。録画した番組のタイトルが、コロンボ#23
「白鳥の歌」となっている。「白鳥の歌」は第二十四話のはずなのに、何故だかAXN
ミステリーでは一つずれている。もしかすると、23と24を入れ替えて番号付けして
放送したのではないか。
 録画当時そうとは気付かない私は、番組タイトルにある数字だけを見て、24とナン
バリングされた作品を、ダブりがあるものと信じて消してしまった。
 恐らくこういうことではないかと。
 AXNミステリーでの放送順が入れ替わっていたのだとしたら、その理由はまだ不明
なんですけど。

 ではでは。




#1784/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/03  20:03  ( 23)
オチテシスとオトシテシス   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第四話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 前よりはよくなったものの、見過ごせない大きな疑問点があるので低評価にとどめざ
るをえないなぁ。
 その疑問点。転落死と、高所からの落下物が頭部直撃したことによる死亡とでは、遺
体の状況がまったく異なるのでは? まともに検死解剖したのなら、絶対に混同するこ
とはないと思うんですが違うのかな。
 真っ昼間の犯行というのも気になる。外から目撃される恐れが充分にあるから、普通
なら今このタイミングで殺そうなんて考えるはずがないんだけど。事故か自殺による転
落死に見せ掛ける狙いで突き落とすのなら、犯人が目撃されないようにする手立てはあ
ると思うけど、一抱えもある重たいオブジェを落とす動作は、身の隠しようがないでし
ょう。狙いを定めるために、身を乗り出して下を覗き込む必要もあるし。
 また、オブジェを落とすタイミングにしても、スマホを拾い上げる動作なんて一瞬だ
し、高いところから見下ろせば“的”は小さいし、失敗するパーセンテージがかなり大
きいはず。とにかく計画犯罪としては最低レベルじゃないかと言いたくなるくらい。
 結局、今回の見所は百五十名ほどの関係者に対して、AIを駆使して短時間で事情聴
取して怪しい者を絞り込み、証言の矛盾から真相を浮かび上がらせる、さらには各人物
が何故嘘をついていたのかを推測するという辺りにあったんでしょう。そこ自体は面白
かったんだけど、鏡による誤認以外は人の心情に因るものばかりで、決定的じゃないか
らいまいち弱い印象がある。
 一つでも、“心理の足跡”と呼べるようなネタが放り込んであったなら、だいぶ評価
が違ってきたかも。

 ではでは。




#1785/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/04  20:07  ( 27)
1・2・3キッド   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第三回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 三話目のポイントは……
・大介が“小が大を食らう”合併の相手先として、情報収集を経て、一つに絞り込んだ
様子。
・長男鉄平の計画した溶鉱炉建設は、費用の四十パーセント(出資比率と同じ)を父親
大介の阪神銀行に頼んでいたが、三十パーセントしか出せないと告げられる。理由が漠
然としており、憤慨する鉄平。自宅では大介やその愛人相子を詰りまでする。
・相子は弟夫婦の元を尋ねて、昔を思い出すも、いつまでも万俵家にいるつもり。
・大介の妻寧子は相変わらず、大介と相子から辛い仕打ちを受ける。そのためか、一度
実家を訪れるが、現状をはっきりとは口にできない。迎えた兄もすまない気持ちは表明
するが、現実的に何かできる訳でなし。
・大介の長女で鉄平の妹二子が、鉄平を会社に訪ねた先で、顔見知りの一之瀬と再会
し、心惹かれた模様。

 こんなところかな。
 あと、今回初登場の阪神銀行の支店長が強い印象を残してました。大介の合併戦略の
一環として預金額を大台に乗せるために駆けずり回って、嫌な目にも遭いながら、いよ
いよ集計の日に数えてみると僅かだが足りない。その瞬間、胸を押さえて倒れる支店
長。そのまま心筋梗塞で死亡する。翌日この知らせを聞いた大介は「銀行員の鏡だ。葬
儀には出る」と会社人間としての言葉だけ述べた。直属の部下?が何とも言えない驚き
の表情をしたのも印象的。
 遅まきながら気付いたんですけど、大介の娘三人の名前が一子、二子、三子なのね。
これは大介が女性を企業活動の駒としか見ていないのが現れているのかな(大介が名付
けたとは限らないけれども、恐らくそうなんでしょう。でも祖父の線もないとは言い切
れないか?)。

 ではでは。




#1786/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/05  20:06  ( 24)
偶然の一致ケイ   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第五話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 前回にまして今回もベタな構造ではあったと思います。黄金パターンだから面白さは
保証されているも同然。配置された人物達がそれぞれ思いの込められた理由から動いて
いるので、感動につながる。
 思わせぶりな入間の態度について、最後に明かされる落ちはしょーもないレベルだっ
たけれども、まあ笑いの要素そのものは必要だと思うんで許容範囲でしょう。
 書記官・石倉の昔の恋バナ未満エピソードは、現在進行形の事件とのつながりがある
ので当然必要ですが、高校当時の石倉が将来の目標を持っていたのか、持っていたのな
ら何なのかまで具体的に示した方が、告白できなかったことに説得力を持たせられそ
う。ドラマに描かれた分だけでは、何で告白しなかったの?となるので。

 そういえば前々回のエピソードが、東野圭吾のガリレオシリーズの映画「容疑者Xの
献身」のネタと被っているという批判が一部で出ているみたいですが、正直言って牽強
付会にも程があるレベルだと思う。この程度で悪い意味の被りと取られては、他のこと
でも被りだらけにならないかな? たとえば極端なこと言えば「密室の謎を扱っている
ので被り」とか。

 で、今回のエピソードが二日前に放送されたドラマ「ドラゴン桜」のエピソードと被
ったと、ネットニュースに出てた。こちらはあくまでも偶然の一致を驚くというニュア
ンスですけど、ちょっとでも同じところがあったら似ているって話になるのね。そんな
言うほどのことかと。

 ではでは。




#1787/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/06  19:50  ( 23)
連続宙ぶらりん   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第三十六〜四十
回(最終回)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 まだまだ続くと思っていたら、最終エピソードでした(最終回視聴直前に知った)。
サブタイトルは「上海危機一髪」。
 前回のエピソードに対して見事なクリフハンガーと評しましたけれども、この最終回
もまさかクリフハンガーでした。そして前と違って、見事とは言えない、悪い意味での
クリフハンガー。解決を宙ぶらりんのまま投げ出してしまった感が強い。残り時間から
して、無理があるなあとは事前に想像できていましたが、これほどまでに強引に押し進
めるとは、これまた悪い意味で予想外。
 もちろん続きが描かれて、真っ当な結末を付けることは可能に違いありませんけれど
も、それにしてもこの最終回に詰め込みすぎだ。急に打ち切りが決まったかのようなド
タバタした舞台裏を感じさせるいびつな話になってた。これまでのエピソードでは終わ
る度に、ヒロインの刑事が故郷の親戚に手紙を綴る形で締めくくっていたのに、それも
なく、ただただぶった切った。
 さては続編がすでに作られているか、少なくとも制作が決定しているんだろうと期待
して検索してみましたが、ネット上でそれらしき情報には行き当たらず。
 主役の探偵がミスを犯したと思わせる描写、獄中で認知症と判断された悪党の意味あ
りげな笑みで唐突に幕。丹念に作れば面白くなりそうなのに、伏線が乏しく、問題とヒ
ントを出したらすぐに答合わせ、あるいは逆にヒントを過去のエピソードから引っ張っ
てくるという極端な構成になっていたのは残念。もうあと五話分を費やして、ちゃんと
した解決までまとめて示す必要があったストーリーだったと思う次第です。

 ではでは。




#1788/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/08  21:42  ( 25)
今さら?今だから?PDF   永山
★内容                                         21/05/08 21:51 修正 第2版
 メフィスト賞がネットから応募できるようになっていたのね。というか、郵送の受付
がなくなり、代わってネットからのみという風になったのかな。郵送受付のページもネ
ット上に残ってはいるんですけど、実際に郵送での応募を受け付けているのかどうかは
っきりとは分からないです。

 ※追記。その後、関連サイトに目を通していると、ウェブ応募のみになったとの文言
が出ていました。

 ともかく、年に二回、二月末と八月末を区切りとして作品を募り、会議するみたい。
 カクヨムコンにだいぶ時間を取られて、メフィスト賞のページをチェックするのを怠
っている間にこんな改変が行われていたとは、出遅れた。(^^; だからといって手元に
ある作品をすぐさま送り付けようという気にはまだならないのですが。

 応募要項を読んで気になったのは、指定されているファイル形式。PDF限定という
のは、私、初めて見ました。
 やり方を知らないので調べてみたら、とりあえず手元にある一太郎で変換できると分
かり、ほっ。(^^) ただ、行間などの書式スタイルがいまいち、思ったようにならない
のが目下の悩みの種。
 昔、とあるところからゲラとして送られてきたPDFファイルの書式がとても読みや
すいので参考にしたいんですけど、どういう設定をしているのかを知る方法が分からな
い……。一太郎の編集画面で試行錯誤すれば直せそうなんですが、PDFファイルとし
て表示すると、一太郎の画面とは印象が違ってくるので厄介。いちいち行き来して手直
しするのが非常に面倒だなぁ。(^^:

 ではでは。




#1789/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/09  17:27  ( 25)
ちゃんちゃんばらりのネタばらし   永山
★内容                                         21/05/09 17:27 修正 第2版
 BSフジで放送の松本清張ドラマ「異変街道」を録画視聴。一応、ネタバレ注意で
す。
 歴史小説というより時代小説寄りですね、この内容は。ミステリの体裁を取ってもい
るので、その視点で観るとちょっと厳しい。正直言って、展開が成り行き任せの行き当
たりばったりに感じられた。
 主人公や女性キャラがピンチに陥ると、何故か助けが入る。助っ人がそこにいること
の必然性が乏しい、あるいは皆無じゃないかと思えたんだけど、何か見落としてたか
な?
 登場人物の行動にも疑問符が付くことが多く、たとえば男女二人だけで残って金山を
守ると言うけれども、一体どうやって? 金について調べていた隠密も、「『金山の話
は夢幻でございました』ということにしておきます」って、(嘘の)報告だけで大丈夫な
のか? 賄賂として金を配っていたらしい人物とその仲間が大勢死んでいるのに? 絶
対に詳しい調査が入るだろうから、隠蔽するのが大変そう……。悪党は悪党で、さっさ
と鉄砲を撃てば片付くものを、何故か問答に時間を費やしてあっさり逆転を許すとい
う、脇の甘さを露呈してるし。
 あと、時代物かつ推理物では仕方がないんでしょうけれども、基本的に科学捜査がな
い分、証言に頼る部分が多く、しかも証言はほぼ鵜呑みにして問題なしというのが当た
り前。普通なら偽証や見間違い、あるいはダブルミーニングといったミステリ作法上の
テクニックもあり得るだろうに、至ってシンプルな流れに終始している。
 てな具合で、期待外れの感が大きかったです。途中、何度かあったチャンバラは割と
よかった気がしたのですが。
 小説で読むとまた違ったよさがあるんでしょうけれど、分量に見合わぬくらい色々な
要素を入れようとして、飽和状態になった結果かなあと、想像してみたり。

 ではでは。




#1790/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/10  19:43  ( 48)
ネメ寿司に飽きたら華麗もね   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ポイントだと感じたのは以下のようなところ。

・父から出資額を減らされるという予想外の事態で頓挫しかけた溶鉱炉建設だが、鉄平
は大同銀行頭取の三雲に頭を下げ、足りない分の融資を引き出すことに成功。
・大同銀行側は好機とみて、阪神特殊製鋼が阪神銀行を通じて取り引きしている企業の
いくつかを、こちらに回すように請願。恩義を感じている鉄平は周りに相談せずに即決
で応じる。
・阪神銀行が合併を目論んでいた相手行が、実は他の銀行との合併話が内々で進んでい
ると窺わせる自体に。大介が調べさせるとさらに政治家絡みで、当初の目論見は端から
無理だったと気付く。
・上の件で娘婿の美馬を責める大介。情報を当てにして計画を進めていたのに、さらに
別の情報を持っていながら隠していたと叱責。美馬も出せる情報と出せない情報がある
のだと抗弁するが、認められず。
・一連の流れを経て、大介は美馬を警戒するようになった模様。
・次男の銀平の挙式が行われる。出席者の間では式そっちのけで仕事の話が飛び交う。
・銀平の妻となった万樹子は万俵の屋敷で暮らすように。あるとき、相子を探して部屋
を覗いた万樹子は、その寝室にベッドが三つも入れてあることに驚く。そこへ相子が現
れ、万俵家の秘密――相子が大介の愛人で妻の寧子を含めた三人で同衾している等を明
言。その上で、この秘密を漏らすと大変な目ことになる、あなたの過去の行状を掴んで
いると匂わせて万樹子を脅す。
・万樹子は何も知らせなかった銀平を詰る。馬耳東風と聞き流していた銀平だが、母親
を悪く言われたときだけ激高し、万樹子に母親をけなす発言を禁じる。
・大介は当初考えていた合併を断念し、新たな相手探しを始める。さらに自分達の合併
が業界再編の最初の動きでなければならないとし、すでに進んでいる他行同士の合併話
を、どんな手を使ってもいいから絶対に潰せと部下に命じる。

 ……と、こんな具合でした。
 他に強いて挙げるのなら、長男の鉄平も母親に対する気遣いを見せて、銀平の披露宴
に相子は出席しないでくれと命令調で言ってました。でも大介の一声であっさり覆され
るんですけどね。
 その流れを受けて、ふてくされた鉄平が懇意にしている小料理屋?の大女将を相手に
痛飲。酔った勢いか、父親は祖父に嫉妬していて、だから祖父に似ている僕(鉄平)を
目の敵にするんじゃないかと言い、さらにもしかして自分は祖父とあなた(大女将)と
の間にできた子じゃないでしょうねと言い出す。大女将は軽くいなしていましたが、果
たして。
 ここまで視聴してきて感じるのは、非常に通俗的なのに、格調の高さをちらほらと感
じさせる物語だなあといったところかしらん。一時流行った昼ドラのドロドロした恋愛
模様+経済・金融ドラマ+親子の物語、みたいな。ほんと、“たわしのコロッケ”が出
て来ても不自然には見えないかも。(^^;
 鉄平と銀平の兄弟仲が、はっきりしないというか、積極的には描かれていないのがち
ょっと気になる。母親を大事にする想いは共通しているんだけど、共同戦線を張るでな
し。兄弟ならではのライバル心を燃やして、激しい出世争いをしている風でもない。完
全な創作ドラマなら最終的には兄弟で協力して相子を追い出す、みたいなのが定番でし
ょうけど、本作はある程度の現実に立脚してるみたいだから、そうはならないんだろう
な〜。

 ではでは。




#1791/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/11  17:22  ( 28)
そしてネメ寿司、もとい、ネメシス   永山
★内容
 前の書き込みタイトルは昔有名になったレトルトカレーのCMのキャッチフレーズの
パロディのつもりでしたけど(おせち料理を寿司にしたのはやむを得ず)、調べてみた
ら「おせちに飽きたらカレーもね」ではなく、「おせちもいいけどカレーもね」だっ
た。検索結果から推すと同じ勘違いをしている人が結構いるみたいで、何か原因がある
のかな。

 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第五話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 前回悪いなりに持ち直したのに、その分を台無しにする、これまでで一番つまらなか
ったエピソード。平凡なストーリーで、ミステリらしさを味わえなかった。そもそもミ
ステリとしての味付けがなされていたのかどうかはおくとして、薄味だったのは確かだ
と思います。
 これまでは、曲がりなりにも本格ミステリとしての謎の提示がなされており、対応し
て謎解きがあったから、それらに関する疑問などをあーだこーだ言えました。ところが
今回は、そういった疑問すら出す気がなくなるというか。
 登場人物の一人が漏らした台詞「ゲノム」がいかにもヒントっぽく扱われている辺
り、何か視聴者が馬鹿にされている気がする。ゲノムって、もう答じゃないの。これで
遺伝子関連ネタじゃなかったのなら、逆に拍手を送ったところですけど。
 遺伝子組み換えではなく、遺伝子編集技術でサーモンをいじったら、何がどういけな
いのか、法律はどうなっているのかを示さないと、何でこんな事件に発展したのかがピ
ンと来ない。被害者の怒り方が取って付けたみたいになっている。
 突き詰めれば事故死なのに、何であそこまで必死になって隠そうとしたのかも分かり
づらい。事故死が発端で殺人までやらかそうとしたら、それはもう救いようがないわけ
で。
 ヒロインが、暴走する車のタイヤに網を掛けて、腕力で引っ張ってストップさせるこ
とに一役買う。非現実的過ぎやしないか。ヒロインこそ実は遺伝子編集技術で超人的な
パワーの持ち主になっていたとかの展開になるのか。(^^;

 ではでは。




#1792/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/12  19:45  ( 22)
しんしゃくなしのばいじゃくひょう   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第六話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 入間が弁護士を辞め、裁判官に転じるきっかけとなった十二年前の件と因縁浅からぬ
人物が窃盗被害者の案件。それを入間が裁くことになる訳ですが、担当が回ってきたの
は偶然だとしても、過去の事情が明らかになればストップが掛かりそうな気がする。規
則上の問題がないとしても、そういう方面からの圧力はなかったのかなと。
 そこを除けばよくできたストーリーに仕上がっていたと思います。ある意味、理想主
義のファンタジーであって、現実にはこのような裁判官はまずいないんでしょうけど、
いてくれたらいいよなと思わせるだけの練り込みはしてある。
 このところ黄金パターン続きで、笑いの部分も含めて既視感は強いんすけど、まあし
ょうがない。数多ある弁護士物ではなく、裁判官物として描いたことに意味がある、多
分。
 あ、自転車の前かごに入れた荷物の重さを推測する実証実験、自転車を漕ぐのは被疑
者に体格が近い人よりも体力的に同等の人にしなきゃいけないんじゃないかと、疑問に
感じたんだった。その上、あれほど連続して実験を行わせたら、徐々に体力が落ちてふ
らつきも大きくなるような。結果、正しい数値の推測は無理なんじゃないのかと。でも
まああの場面は笑い担当みたいなものだから、文字通り笑ってスルーしておけばいいの
かな。重たい荷物を抱えて何度も走らされ、自転車を漕がされる書記官を演じた中村梅
雀、主人公に対して向ける視線と表情が「鬼か!」をよく表していて、よかった。この
役者さんに感心したのはこれが初めてです。(^^;

 ではでは。




#1793/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/14  16:57  ( 42)
DでもSでも   永山
★内容
 BSトゥエルビで放送の松本清張ドラマ「Dの複合」を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
 原作の同名小説は例によって未読ですが、タイトルの意味するところは何かで見聞き
した覚えがありました。たいしたものではなく、度数だの死だのを英語にしたときの頭
文字がDで共通しているというこじつけなのに何故か覚えている。線(経線・緯線)や
死をそのままローマ字にすればどちらもSが共通するから、「Sの複合」でもいいや
ん、とか思ったり。
 船舶をわざと遭難させて保険金を詐取していた会社。その秘密を知る機関士を始末す
る必要が生じた社長は、船員三名に命じて実行させる。周りが海で天候も荒れているの
に、わざわざ刺し殺してから投棄するという犯行手段がよく分からない。事故死に見せ
掛ける方がよほどいいだろうに。さらに言えば、悪事を知る一人の口を封じるために、
三人を悪事に巻き込むというのも本末転倒感があるような。で、その殺人の罪を船長に
着せる。船長には何ら恨みはないみたいだけど、何で濡れ衣を着せた? ほんと、事故
死に見せ掛ける方法を選択しなかったせいで、ややこしいことに。
 結果、実行犯の一人が自責の念から、墓前で会った船長の息子に真相を語り、息子は
仇討ちを果たそうとする。
 その復讐の段取りがまた迂遠で、こんな手間暇掛けるか?と疑問に感じるくらい。ま
ず、復讐相手の男が経営する出版社(グループ企業の一つ)に入社。これだけでも結構
大変だと思うけど、大きくはない出版社みたいだから何とかなるか。あるいは別のグ
ループ企業でもいいからとにかく潜り込めたらいいという考え方だったかも。
 それなりに名のある純文学作家を動かし、紀行文を書かせる。その際、社長へのメッ
セージとなるよう、テーマや取材先を誘導する。
 このあと船長の息子が元々はどうするつもりだったのかは不明。予想外の人物が絡ん
できて社長が思い違いから殺人を二件、起こしたため、計画は大なり小なり変更せざる
を得なかったはず。船長の息子は社長に対し自分の正体を明かし、船舶遭難の諸々と殺
人三件について告発すると脅す。孫娘の挙式が迫っていた社長は三日待ってくれと土下
座。孫娘の花嫁姿を見届けた跡、事故を装った自殺を遂げる。もちろん、船長の息子と
しては最初から自殺するよう、話を持って行った。
 ここでも疑問が。社長は過去の秘密を暴かれることを危惧して二人を殺しておいて、
三人目となる船長の息子に対しては殺そうとしなかったのか。船長の息子の方も、特に
対策していたようには見えなかったし。
 船長の息子が真相を知ってから四年経っているのですが、知った段階で生き証人を説
得して、社長を社会的に抹殺する方向もあったんじゃないかしらん? その一年後には
生き証人は心筋梗塞で亡くなるのですが、急げば間に合ったはず。と同時に、いくら真
相を白状してくれたとは言え、実行犯を完全に許したらしいのもちょっと解せないとこ
ろです。
 こんな具合で、いびつな印象を受けた物語でした。
 収穫は、数字に強い執着を持つ女性キャラの動かし方。サヴァン症候群的なこの人物
を、読者にそれと明かさずに動かすことでミステリアスさ以上の不気味さがあったし、
事件が思わぬ形で展開していったと言えます。

 ではでは。




#1794/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/16  14:45  ( 33)
捜査の彷徨、もとい、方向   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「さまよう刃」初回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作は東野圭吾の同名小説。例のごとく未読なのですが、代わりに?映画版「さまよ
う刃」を観たことがあります。そちらの方は寺尾聰主演でした。本ドラマの主演は竹野
内豊。映画版では寺尾聰を追う刑事役をやっていたとのこと。
 脱線しますが、竹野内豊は地上波で現在放送中の連ドラ「イチケイのカラス」の主役
ですね。同シーズンに放送される連続ドラマの主要出演者は、なるべく被らないように
するのが業界の習わしになっている、みたいな話を聞いた覚えがあるのですが、地上波
と衛星放送という風に違っていたら問題ないのかしらん。新型コロナ流行の影響を受け
て放送予定がずれ込んでやむを得ず、なんて可能性もありそうですが。
 それはさておき、内容の方を。大まかに言えば、高校生の娘を未成年の男連中(二人組
プラス巻き込まれた一人)に殺された父親が復讐を果たそうとする話。
 この犯人達が救いようのない悪、とてもじゃないが更生は見込めない輩として描かれ
ており、おかげで主人公に思う存分肩入れできます。(^^;
 いくつかの偶然が重なって、この第一回で父親が犯人の一人を殺すことに成功するの
ですが、その時点では父親はまだ復讐を果たそうなんて考えていない段階。にも関わら
ず、殺害に至る心情がよく理解できる。このタイミングならいきなり殺そうとしてもま
ったく不自然じゃない。見事な構成、段取りでした。
 ただし、細かいところでいくつか気になる点があったのも事実。たとえば、上に上げ
た復讐場面は真っ昼間のボロアパート(廃屋に近い?)なんですが、殺される犯人の男
はやたらと喚いており、近くに人がいれば絶対に気付くだろうというレベル。実際に
は、誰も気付かないんだから、近くに人はいなかったと思わざるを得ないんですけど、
ややご都合主義的な展開という印象を受けました。
 まあそういうのはいくらでも修正が効くからいいんです。これでいいのかなと疑問に
感じたのは、携帯端末の位置情報の扱い。扱いというか、扱われていないのが疑問なん
ですが。最初に主人公の娘が行方不明になって、その捜索に娘の携帯端末の位置情報を
調べようというくだりが出て来なかったと思います。その後、娘が遺体となって発見さ
れたあとも、携帯端末は身に付けていなかった(犯人の一人が持ったまま)ので、当然
位置情報の取得を試みるものだと思うのに、これまたノータッチ。今の時代に調べない
なんてことがあるのか、調べているけれども遺族には伝えていないとか?
 映画版ではその辺の扱いがどうなっていたのか、記憶にない(汗)。機会があったら
映画版を見直したいし、原作小説にも当たってみたいところです。

 ではでは。




#1795/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/17  19:58  ( 35)
良トリックにハテナな筋書き   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第六話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 逆トリック――犯人を追い詰めるためのトリックは素晴らしい。犯人像との対比も含
めて、テーマ性もあるよいアイディアでした。
 それと比べるとストーリーがやや破綻気味。犯人がバレバレなのは仕方がない面もあ
るのでしょうけど、一応かしこい設定であろう犯人が事態把握し臨機応変な対処してし
かるべきところを、あまりに無策で残念。アリバイトリックに気付かれていると理解し
た時点で、被害者が生きている可能性が高いことを瞬時に理解しないといけない。
 そもそも、いくら動画職人だからといって、親しい女性を助けに行くときに生配信で
自撮りを交えながら中継するってのは、怪しんでくださいって言ってるようなもので、
普通に知恵が働く人間なら中継なんてやめて必死になってみせるでしょ。本ドラマでは
そうじゃなかったけど、仮に素で生配信とかやめられないのなら、助けられた女性、そ
の動画職人をぶん殴るんじゃないの。
 最初に絶賛した逆トリックですが、犯人に言い逃れの余地がありそうなのはちょっと
気になる。「先立って郵便受けに差出人不明の脅迫文が投じられており、全てはお芝居
と分かった上で演技するように指示されていたから従ったまでだ。手紙も処分するよう
指示があったからその通りにした」と抗弁されれば、多少手こずるんじゃないかしら
ん。
 アリバイトリックの方は、ドラマに描かれた通りだと用意するのが早すぎない? 発
動前に外から見た人が気付いて、通報しそう。ドラム缶の穴にしたって、必ずしも一定
の割合で水が出るもんじゃないのでは? 残りの水の分量で水圧が変わるから。なの
で、計画的に実行するためには、何度か実験する必要があると思う。そのためにはあけ
る穴の大きさとか位置とかを精密にしなければならないだろうから、描かれたような雑
なやり方ではおかしい気がする。
 ヒロイン探偵が現場でドラム缶から流れる水量を計測し、トリックがいつ発動するか
を算出していましたが、あれも無理じゃないかなあ。上述の疑問の他にも、被害者の重
さの値が分かってないので。
 あと、“報道が虚偽だった、いややっぱり真実だった”という流れが軽いなあ。肝心
なところが簡単にひっくり返る世界。そんなに軽くていいのか。調べても調べても真偽
不明だったがこれこれこういうことをしてようやく分かった、的な段取りがないので、
登場人物の調査能力に疑問を感じるし、“真実”に対する意識の軽さが背景に感じら
れ、このあとのエピソードで有力な証拠が出て来てもころっと覆されそう。結果、安心
して観られなくなる。
 という具合に、長所と短所がはっきり出た、評価しづらい回でした。

 ではでは。




#1796/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/18  20:00  ( 21)
斜め上を行く決着   永山
★内容
 漫画家の星野架名が逝去。五十七歳。ご冥福をお祈りします。
 影響を受けた少女漫画の一つが、星野架名作品のとある短編でした。柊あおい「耳を
すませば」にも共通するあるテーマが響いたし、印象に残ったのかもしれない。調べて
みると、コミックス未収録。読み返すには関西に戻って古雑誌を探さなくちゃ。

 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第七話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 縦糸となるエピソードだと思っていた過去の事件が、拍子抜けするほどあっさりと決
着。それも主人公の活躍ではなく、敵対していた日高の判断によるものだから、何とな
く消化不良。途中までは最終回に向けて盛り上がって行く雰囲気に満ち満ちていたの
が、こういうオチでは最終回にはなり得ないわな〜。
 もし今回のようなことが現実に起きたとしたら、ドラマで描かれた以上の大騒ぎにな
るんじゃないかしらん。欧米の捜査ドラマなら、あの検事が関わった案件は全て調べ直
し!となるのが常道ですが、日本でも同じかどうか気になる。
 忖度した判決を出すよう指示した“上”と、主人公の入間らが対決するのが今後の縦
糸になって行くんでしょう。ただ、“上”の正体を突き止めるには、日高が今の段階で
はまだほっかむりを決め込んで、最高裁長官になった方が早かったんじゃないかしら
ん?(^^; 同じフジテレビ系列で放送されてきたドラマ「踊る大捜査線」で和久刑事が
言っていた「正しいことをしたければ偉くなれ」がそのまま当てはまりそう。

 ではでは。




#1797/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/19  20:21  ( 19)
消えた古畑任三郎あるいはしばしのお別れ   永山
★内容
 俳優の田村正和が逝去。七十七歳。ご冥福をお祈りします。
 自分の世代ならやっぱり、田村正和と言えば古畑任三郎シリーズとなってしまう訳で
すが、無理にでも他の作品に眼を向けると……眠狂四郎って最初にこの字を見たとき、
まさか眠が名字とは思わないので、読めなかったな。それ以前に、長いこと“眼”狂四
郎に見間違えていました。これならこれでどう読むんだってなりますけど。
 キャリア終盤の田村正和が出演した松本清張ドラマを何作か観ましたが、最晩年の作
品は声が細くなっていて聞き取りづらく、さすがに衰えたなあと淋しく感じたもので
す。古畑任三郎シリーズならかすれ声を笑いのシーンにつなげられたかもしれませんけ
ど、清張作品ではちょっと厳しい。
 古畑任三郎シリーズの功績の一つは、正味四十五分ほどでも面白い倒叙ミステリドラ
マを作れることを示した点だと思ってます。次いで、刑事コロンボシリーズ世代を少し
外れた世代に倒叙ミステリとはなんぞやってことを周知させた点かな。あと、コロンボ
と違って主役の刑事に特定の相棒をつけたのは、なかなかのタイムリーヒットではない
かと。
 コロンボを演じたピーター・フォークが亡くなったのがいつだったかしらと調べてみ
たら、ちょうど十年前でした。次なる倒叙ミステリの代名詞的映像作品が、早く現れて
ほしいなぁ。

 ではでは。




#1798/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/20  19:35  ( 27)
まさかの三日連続   永山
★内容
 漫画家の三浦建太郎が急性大動脈解離で死去。五十四歳。ご冥福をお祈りします。
 代表作の『ベルセルク』をリアルタイムで追い掛けなくなってもう長いんですけど、
それでも完結したら読もうと思ってました。
 私の父が肝臓か何か(記憶があやふや --;)の病気で入院していて、その見舞いに行
ったときに迷惑掛けてるから本でも買ってやるということになり、病院の売店で手に取
った漫画雑誌が「アニマルハウス」。分厚くて持つのが大変だった。(^^; これに掲載
されていた『王狼』にて、初めて三浦建太郎の名前を知ったような記憶があります。自
分は複数の作品が載っている雑誌があると、期待値の高い作品を後回しにするタイプで
して、三浦建太郎作品はこの段階で後回しにする方に仕分けした。(^^)
 あっ、『ベルセルク』の主人公が用いる武器の一つ、片手連射式箱形ボウガンが印象
的で、「これ使い勝手がいいやん」と自分の小説に取り入れたんですが……あとになっ
て詳しめに調べてみると実際にある武器ではないらしいと知り、困った(汗)。

詐欺まがい?>NTTの方向から来ました的な何か
 いかにもNTTと関連ありそうな企業を称して何かと契約させようとする電話は、こ
れまでにも幾度となく掛かってきているので、入口のところでシャットアウトし、簡単
には引っ掛からないつもりでいましたが、今日は危なかった。
 「七十五歳以上の利用者には、七十四歳以下の身内への説明と同意が必要」ってこと
で、私は途中から電話を替わったので、そもそもがよく分からないまま出たんですが。
 要するに、NTTからの電話連絡だと信じ込ませる切り出し方に始まり、「これまで
のプロバイダーの契約内容が少し変更され、安くなる」という言い方で、新規の契約を
させようと目論んでいた模様。たまたま、父がNTTに関連する他の契約で確認したこ
とがあり、それを尋ねた途端、向こうにボロが出始めた。で、おかしいと気付けたけ
ど、ほんと危なかった。入口を乗り越えられると自分達もまだまだ弱いと分かり、警戒
を新たにした次第。

 ではでは。




#1799/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/21  19:49  ( 36)
お疲れいなる一族   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のポイントと思しきエピソード。

・大介が専務に命じて調べさせた結果、産城銀行の不正融資のネタが持ち上がる。これ
を使って、産城銀行と平和銀行の決まりかけていた合併話を白紙に戻させた。
・ただし阪神銀行が表立って潰すのはまずい。大蔵大臣に探りを入れると大臣はスキャ
ンダルをすでに知っていたが、大蔵省が直接指導する性格の話ではないため、うまくや
ってくれというニュアンスの返事をもらう。
・結果、阪神銀行の専務は知己の新聞記者を通じて情報を流させた。
・次男の銀平は夫婦生活がうまく行かないまま、日々を送っていた。あるとき飲み屋で
知り合いの銀行員の言葉の端々から違和感を覚えたが、後日、上述の合併話を潰した件
を知り、これは親父(大介)の差し金ではないかと想像する。
・長男の鉄平は自前の高炉建設に邁進。昨今の情勢からみてなるべく急ぐのがよいと義
理の父から助言を受ける。そんな中、大口取り引き相手であるアメリカンベアリング社
から、次の輸出を遅らせるよう電報が。不審に思った鉄平は直接米国に乗り込み、交渉
するがらちがあかない。調べてみるとアメリカンベアリング社はLSVなるコングロマ
リットに吸収される見込みだと分かる。新体制になったあとも契約通りに買ってもらえ
るかは不明。LSV相手に新たに交渉しようと考える鉄平に、日本から国際電話が。応
援してくれていた義父が大動脈瘤破裂で倒れたという。
・鉄平の会社(阪神特殊鋼)のトラブルを、阪神特殊鋼常務が大介に“密告”する。
・次女の二子の結婚相手に、首相の遠戚の男が決まりかけ。でも二子は阪神特殊鋼の一
之瀬にご執心の模様。
・米国に飛んだ鉄平が現地で偶然、昔の知り合い小森章子と再会する。画家の卵。どち
らかというと銀平とより親しかった雰囲気。

 てなところで。
 サスペンスドラマならもう六名ぐらい人死んでるよねって、毎回思い、人数が増えて
いく(笑)。
 今回はこれまでに比べると、恋愛成分強めだったかも。のちのさらなるドロドロを想
像させる種があちこちに蒔かれて、芽吹きつつある感じ。
 大介が他行の合併を潰そうとするのは、インパクト重視で自分のところが最初にやり
たいという理屈で分かるんだけど、己のところ(阪神銀行)の新たな合併相手探しを同
時並行的にやっていないのは、ちょっと腑に落ちないかな。割けるマンパワーに限界が
あって、同時にこの重大事をうまく運ぶのは難しいってことかしらん。

 ではでは。




#1800/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/23  19:32  ( 40)
可能なら改変希望   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「さまよう刃」第二回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 主犯格の快児には目立った動き・描写はなし。共犯の伴崎が惨殺されたことをニュー
スで知り、どこかのペンションに隠れ潜んでいる模様。年上と思しき女を同道してい
る。
 娘の絵摩を殺された長峰は、伴崎に続いて復讐を果たすべく快児の行方を追う。家を
出払うだけでなく、猟銃を持ち出していた。
 刑事らは凶器にあった指紋から、伴崎殺しが長峰の仕業と確信。ひとまず公には発表
せずに長峰を探す。伴崎の周辺を当たる内に、長峰が次に快児を狙っていることも把握
し、快児の居場所も同時に探る。
 快児の母親に話を聞くも、金だけ与えて放任していたので何も知らない、連絡もない
と述べる。それどころか自身や快児は悪くないと言い訳ばかり。伴崎の遺族も自己憐憫
の言葉ばかり並び立てる。快児らにいいように使われていた中井誠は、父親から事件と
は関係ないんだなと詰問されて、車を貸したことを白状。允の父親はいずれ警察が来る
と踏み、想定問答を息子に覚えさせる。後日、自ら警察に出向いた中井父子は個別に事
情を聞かれ、用意しておいた話をする。絵摩を強引に浚った日も快児らがことに及ぶ前
に帰宅した、何も起きないと思っていた、だから自分(達)は無関係だと主張するも、
刑事の叱責を買う。
 長峰は一枚の写真を手掛かりに、快児の潜んでいそうなペンションを、ネットを使っ
てピックアップ。現地を自らの脚で訪ね歩き、快児を見掛けていないかを聞いて回る
が、空振りが続く。それとは別に警察へ決意表明とも言える手紙を出していた。
 かつて幼い息子を急な病で亡くしている木島和佳子は、子供の墓参りの帰り、車中で
ラジオのニュースに耳を留める。それによると、ちまたを騒がせた女子高生暴行殺害事
件と不良惨殺事件とはつながっているという。そして、局が独自ルートで入手したとす
る警察に届いた手紙が読み上げられる。娘を殺された父親による復讐殺人の告白。復讐
は自分一人で行っており、親族や知人友人の力を借りることはないので警察は彼らを聴
取して迷惑を掛けないで欲しいという訴え。さらに、もう一人の犯人を仕留めるまで自
分を追わないで欲しいという切々たる願い。事件は一気に全国に広まり、話題になる。
 手紙の入手に関わったと思しき週刊誌記者の小田切かおりは、反響の大きさに手応え
を感じ、ガッツポーズを取るのであった。
 ――あらすじはこんなところで。
 前回に引き続き、暴行殺人犯らのくずっぷりをこれでもかと描写して、視聴者を煽っ
てる感じ。当人だけでなく、家族もひどい人間だと示すことで、視聴者の処罰感情を燃
え立たせるとともに、こういう家庭環境だから子供も悪に育ったんだという、現実によ
く見られる理由付け・言い訳がちらほらと垣間見えるような。
 前回の感想で記したように、映画版を視聴済みですので、結末は多分ああなるんだろ
うなと意識しながら観ています。でもできることなら違う結末にしてもらいたい。結末
を変えると、原作の掲げたテーマから外れる可能性が大ですけど、そこをどうにかうま
く組み替えて。(^^;

 ではでは。




#1801/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/05/24  12:51  ( 28)
別に反ワクチンというわけではないのだが 朝霧
★内容                                         21/05/24 16:03 修正 第2版
前から、ばらばらの遺伝子なんて筋肉注射して平気なのだろうか、
遺伝子組み換え豆腐でさえやばいといわれているのに、
とは思っていたのですが。


https://www.youtube.com/watch?v=4rYZvP1n1yM&t=4s

https://www.youtube.com/watch?v=0jOOAtwKvaA&t=2s

↑こういう動画を見て、
やっぱり、遺伝子ワクチンは怖そうだから、
遺伝子組み換えワクチンを待った方がいい、
みたいな事を某所っで言ったら、
左翼のロハスなスローフードみたいなそういう人種と思われた。

今、ファイザーのワクチンを打たない人は非国民であるかのようですね。
ファシズムを感じますね。

知念実希人も、ワクチンをうたないやつは、みたいな感じの発言をしていますが。

というか、知念実希人とか海堂尊とか、は、
なんというか、
ジャーナリズム的というか、
ガチでないというか、
医師なのに医学的知識の中身について書いていない、みたいな感じがして。
もっと「パラサイト・イヴ」の様に(たとえあり得なくても)
中身について書いてほしい、と思うのですね。





#1802/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/24  20:10  ( 23)
二つの“疑惑”   永山
★内容
 BSトウェルビで放送された松本清張ドラマ「疑惑」一九九二年版及びテレビ朝日系
列で田村正和追悼番組として急遽放送された松本清張ドラマ「疑惑」二〇〇九年版をそ
れぞれ録画視聴。ネタバレ注意です。
 今さら感想を述べるほどのこともない有名作品だよなと思いつつも、二つの「疑惑」
は結構異なった部分があって、楽しめました。
 主に、佐原弁護士・球磨子・記者の設定の違いが顕著でしたね。
 佐原は一九九二年版では小林稔侍が演じ、基本的に穏やかで、相手を包み込むような
キャラクターだったのに対し、二〇〇九年版では田代正和が演じ、公明正大を前面に打
ち出した、冷静だけれどもときに熱さを見せるキャラになっていた。
 面白いのは、二〇〇九年版での被害者福太郎を演じているのが小林稔侍である点。何
かの狙いがあってキャスティングしたわけではないんでしょうけれど、面白い。
 さらに言えば、二〇〇九年版で球磨子を演じた沢口靖子は、かつて「古畑任三郎」シ
リーズの一作で、犯人役を務めている。これも面白い。
 沢口靖子の球磨子はその物語の構成と相まって、情のある女として一面が最後に出て
来てました。そこも含めて、多少“いい話”として締めくくろうとした感じ。一九九二
年版の球磨子はいしだあゆみが演じ、徹頭徹尾、悪女でした。無理心中をするよう仕向
けたのも球磨子の悪知恵で、これは完全犯罪ではないかと示唆するところで終わる。
 表面的に一番異なっていたのは、大々的に球磨子追及キャンペーンを張った記者。一
九九二年版では男性記者だったのが、二〇〇九年版では女性記者。これだけで感情の表
し方が随分と違ってくるもんですねえ。佐原をたぶらかして何とか矛先を収めさせよう
とするのも、女性記者ならではかな。

 ではでは。




#1803/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/25  20:36  ( 32)
不可解なりこの筋運び   永山
★内容                                         21/05/25 20:37 修正 第3版
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第七話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 『体育館の殺人』(東京創元社)等で知られる青崎有吾が脚本協力とあったので期待
大だったのですが、激しく期待外れ+肩すかし。トゥビーコンティニュ〜って次回に続
いたせいもあると思うんですけど、概略だけ見せられて肝心要の部分がまだ説明すらさ
れていない。推理小説好きは、この推理作家に、今回放映分で明かされたような小手先
のトリックなんか期待していないんじゃないかしらん。ロジックでごりごり押してくる
のが見たかった。

 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第八話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 前回は節目に当たる位置付けたっだし、今回、脇役キャラである書記官が痴漢の疑い
を掛けられるという場面でスタートしたので、箸休め的な、あるいはスピンオフに近い
書記官を主役に据えた回かなと想像しましたが、多少違ってました。書記官という職務
にスポットライトは当たったものの、個々のキャラクターを深く掘り下げるところまで
は行かなかった。エピソードの運びも、普段通りって感じ。
 ストーリーの方は、この手のドラマを見慣れている人にとっては、途中で、真相はこ
うなんじゃないかとある状況を想像し、視聴を続けると思います。そこに触れつつ、さ
らに一ひねりしてきたのはいい。このひねりにより、物語の奥行きが増した。
 それはいいんですが、ひねったせいで、ちょっと説明不足なところが出て来たよう
な。被害者が自ら石を握り、一時的に記憶障害を起こすほど強く自分の頭を打ち付ける
のは、大変でしょうけど、まあ可能なんでしょう。ただ、その石はどうなったのか。被
害者のすぐそばに落ちたのではないのか。だとしたら、警察が石を特定するのは比較的
容易ではないか。そして石を調べれば、被害者自身の指紋が付着していることが判明す
るのではないか。結果、入間裁判官を煩わせることなく、検察は最初の段階で真相を把
握できていたのではないか。
 そもそも不思議なのは、傷害事件の凶器は重要な物証になり得るのに、警察がその行
方や入手経路などを調べようとしないなんて、あるの?
 上に書いた疑問点を解消するには、被告が掴んだのと同じ石を被害者も見付けて手に
取り、自身を殴打。薄れゆく意識の中、凶器の石を川に放り込んだ……と、こうすれば
一応の辻褄は合うと思うんですけど。

 ではでは。




#1804/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/26  20:36  ( 37)
華麗なる進行   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第六回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のエピソードでポイントと思しき箇所。

・義理の父危篤の報に急遽帰国し、病床に駆け付ける鉄平だが、到着と同時に臨終に立
ち会うことに。力になってくれる支持者を失う。
・万俵家の正月恒例行事、猟が行われる。鉄平が鳥を狙って放った弾が、父大介の耳元
をかすめる。大介の怒りは尤もだが、心ない言葉で必要以上に鉄平をこき下ろした。
・父親に叱られるときは祖父絡みであることが多いと感じる鉄平。諸々の要素が重なっ
て、自分が大介の子ではなく、祖父の子ではないかと思い始める。
・アメリカンベアリング社との契約はキャンセルされ、資金繰りが一気に悪化。大介を
頼る鉄平だが、大介はビジネスに親子の情は関係ないとこれまでの言葉を繰り返す。
・次男の銀平は、鉄平から米国で小森章子とたまたま会ったとの話を聞き、さらに彼女
の名刺を渡される。元恋人のことを思い起こす銀平。
・次女の二子は偶然を装って首相の甥に当たる細川を紹介されるが、見合い相手とは全
然気付かず。あとでそうと知らされ、一層反発する。
・長女の夫である美馬からの情報で、大蔵省の銀行関連の局長が、業界再編について腹
案を持っていると分かる。大介が直に会って聞いてみると、局長は太平洋ベルトに位置
する阪神銀行を含めた五行で連合、将来的な合併統合を考えているという。大介は局長
を立ててその場では乗ったふりをするが、内心では五行連合のための話し合いの場を利
してさらなる情報収集をし、合併相手にふさわしい銀行の一本釣りを狙う。

 こんなところだったかな。他にもあったかもしれませんけど、エピソードがてんこ盛
りで、しかもそれぞれのラインが気になるだけに、追い掛けるのがしんどい。(^^;
 大介から警戒心を抱かれたように見えた美馬が、ここに来て再び忠実な協力者に戻っ
たのかな? でも秘書の相子にも相変わらず接近しているし、裏の狙いがあるのかどう
か。
 恋愛ネタの方は、ほぼ予想通りに進んでいる感じ。二子の反発がどこまで通じるの
か、銀平が今の妻を切って元恋人を取るのかどうか。そういうやきもき感を膨らませて
いくのは、恋愛物の定番のやり口ではありますけど、やっぱりうまい。
 それから、ここまで観て来て、案外古さを感じないなと。無論、家族の有り様という
観点からは、絶対君主のような家長に男尊女卑が前面に描かれており、“旧態依然とし
た”“前時代的な”といった形容詞を多数並べられそうなんですが、小道具などには違
和感があんまりない。海外とのやり取りで時刻を気にするなど電子メールが存在しない
ことで手間が掛かる場面はありますけど、物語がもたつくことなく進むのはいいです
ね。

 ではでは。




#1805/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/27  20:16  ( 14)
二歩も後退   永山
★内容
 今回は全然だめでした>ミステリーズ!新人賞。初戦敗退。ショックが大きいので、
書き込みは手短に(自嘲)。
 旧作を現代に合うように改稿した物でチャレンジしてみたけれど、やっぱり熱量が足
りなかったのかなと思ってしまう。論理的な分析ではないな。(^^; 応募総数が前回に
比べて百五十ぐらい増えて、一次通過数は一作増えただけなので、単純に、実力のある
作者の作品も増加したと考えるのが妥当か。うーん、もっと精進しないと。
 それでも、前回の最終に残ってた人の名前が、今回の一次通過に一つも見当たらない
というのはちょっと不思議な感じ。今回は応募を見送ったのか、筆名を変えたのか。

 雑誌「ミステリーズ!」そのものが休刊しており、来年以降も同賞があるのかどうか
分からないんですけど、たとえ名称が変わってもミステリ短編賞の形で存続するのであ
れば、これからも投稿を続けて行きたい。

 ではでは。




#1806/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/05/28  11:12  ( 41)
だめだった     朝霧
★内容
1次も通らないとは。
前回のコールドスリープの短編とは違って、
結構本格ミステリーしていると思ったのだが。

どっかの記事で
最近欧米で乱歩や横溝正史が静かなブームになっていて
(どうせ日本の出版社が仕掛けたんだろうが)
それは、
アッと驚く様な楽しみではなく、
チェスでも見る様な静かな緻密な楽しみ
とかなんとか。

拙作はそんなのとは程遠いし。
だいたい、そもそも本格ミステリーとか、そんなの好きでもないしなあ。


精神分析、脳科学、洗脳、などは好きなので、
条件反射トリック的な事は
今後も書くかも知れないが、
本格ミステリーにしようとは思わない。

今後の予定は、
乱歩賞
とか思ったが、
ああいうのは、落ちたらゴミ、になるので。
落ちた場合でも、何かの足しになるような方法で発表していきたいです。
例えば、ネットで発表して、少数でもいいから読者を得る、とか、
自分で印刷して回りの人に読んでもらう、とか、
落選しても次回作に使いまわし出来るとか、
そういう事が出来なくても、これだけは残しておきたかったもの、とか。

というんで、このミス大賞あたりがねらい目かな。
あと、(本格ミステリーは書かないといいながら)来年の鮎川哲也賞とか。

長編なら長老新人でも行けると、どっかで読んだ記憶があるので、
長編がいいのではないかと思いますね。
短編だと、作家を育てる感じがあるから、編集者も若い新人の方が使いやすいだろうか
ら。

まあ、今、ちょっと別の事に熱中していて、あんまりショックではないですけれども
ね。




#1807/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/28  20:38  ( 30)
マイナス2   永山
★内容
 久方ぶりになぞなぞを捻り出してみたです。

問.次の○に入る平仮名は何?

 め ○ し へ れ


 昭和の時代に、年号が二つ昔の明治の小説を書くと、その作品は歴史小説・時代小説
と呼ばれていたはず。
 てことは単純に当てはめるのであれば、令和の現代に、年号が二つ昔の昭和の小説を
書いたなら、その作品もまた歴史小説・時代小説にカテゴライズされるはず?(^^;

 てことで、なぞなぞの答は「た」。明治から令和までの年号の一文字目を並べたも
の。


 Twitterでミステリーズ!新人賞関連のつぶやきを検索してみると、いわゆる
“日常の謎”をテーマに書いて一次通過した人もいるみたいですし、がちがちの本格で
なければならないということはないと思います。私なんか、東京創元社と言えば日常の
謎のイメージがあるくらい。北村薫の諸作品とか、鯨統一朗とか(鯨作品は日常の謎と
はまた違うかもしれないけど)。
 前の書き込みでも触れたように、、雑誌「ミステリーズ!」が休刊になり、代わって
夏頃にジャンルを限定しない新たな小説誌が創刊されるとのこと。そうなると、本格ミ
ステリは減らされそうな気がしないでもなし。その新雑誌のカラーに合わせて、ミステ
リーズ!新人賞も広義のミステリーを採るようにした、なんてのは想像を逞しくしすぎ
かな。
 何にせよ、賞の名称を変えずに来年以降も開催を継続するのなら、このまま本格重視
で行ってほしいと、個人的には強く思います。

 ではでは。




#1808/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/30  20:12  ( 52)
実は題字は“ま”が裏返し   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「さまよう刃」第三回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 前回の感想で、快児と一緒にいる女は快児より年上に見える旨を書きましたが、今回
放送分で、十七歳の可能性が高いと分かりました。(^^; 濃い化粧のせいでまだ確定と
言えないんですが。
 それはさておき、あらすじ。
 長峰は木島和佳子の営むペンションに、ふりの客として泊まることに。宿帳には吉川
と記入した。釣り人として近隣のペンションに足を運び、快児の目撃情報を探し求め
る。
 警察では、伴崎殺しの凶器や犯行現場から指紋が出たことで長峰を全国指名手配にす
る。と同時に、快児の行方を突き止めようと、中井誠から話を聴く。が、誠も快児から
事件後に接触がなく、何も答えられない。刑しゅう事は誠の家を出てすぐに、中井誠の
携帯端末の使用情報などを取得するよう手配した。
 しばらくして、非通知で快児から誠へ電話が。警察に余計なことは一切しゃべるな、
しゃべったらどうなるか分かってるんだろうな的な脅しをして、電話は切られる。
 警察の調べて誠の携帯端末に非通知でかけてきた端末の位置情報は長野県、持ち主は
家出中の女子校生と判明。
 快児は同行している女に金を引き出させる等して、警戒を強めており、警察に捕まる
気も、長峰に復讐される気もさらさらない様子。その一方で、コンビニエンスストアの
駐車場で長時間一人遊びを続ける男の子に声を掛け、下ろしたばかりの金の中から万札
を一枚くれてやる。己の幼い頃と重ね合わせたらしい。
 長峰はネットを使って、ようやく確信の持てるペンションを突き止める。すぐにその
場所に向かったが、ペンションは一年前に取り壊されたあとだった。
 その頃、和佳子はテレビの報道で長峰の指名手配のニュースを目にする。長峰はスッ
キリしたサラリーマン風、宿泊客の“吉川”はひげ面の釣り人とあって、すぐには気付
かない。だが、二度三度と見る内に似ていると感じ始める。長峰が外出中に、マスター
キーで客室に入り込んだ和佳子は、彼の私物であるPCを起ち上げてみて、最初の起動
画面にローマ字でNAGAMINEと表示されたのを見て、疑惑を深める。さらに、デ
ィスクドライブに入っていた怪しげなDVDをたまたま再生してしまい、その中身に驚
嘆させられた。
 そこへ長峰が戻り、鉢合わせになったところで、次回に続く。
――と、このような具合でした。
 悪一辺倒だった快児が、幼い男児に自分を重ね合わせたと思しきシーンが、何か余計
な人情話に発展するのを予感させて、なかった方がいいんじゃないかと。快児が徹頭徹
尾、どうしようもない、ほんとに救いようがない悪人であるからこそ、本作のテーマが
生きるんじゃないかしらん。
 長峰が写真を頼りに快児の居場所を探すという流れは、そもそもそのペンションに快
児がずっと居るのかどうか疑問なので、元から無理があると思うんですが、今回一旦断
ち切られたことでリセットされて、まあよかったと言える。
 上記あらすじには書きませんでしたが、快児らの犠牲になり自殺に追い込まれた女子
校生がいて、その父親・タクシー運転手の鮎村が警察署で、娘が強姦される映像を見て
確認する場面があった。実際にこんなことさせるの?ってくらいにどうしようもない。
必要なら、部分的に顔だけ静止画にして確認すればいいんじゃないのかと。
 で、誠が拾ったままにしていた絵摩の携帯端末を届けようと、警察署に出向いたんだ
けど、タイミング悪く、映像を見た鮎村が「(犯人を)殺してやる!」と半狂乱になっ
て部屋を飛び出したところと出くわし、怖じ気づいて帰ってしまうというくだりは、偶
然が過ぎるけれどもまあうまい。
 あとは女性記者の小田切。長峰が快児を殺してくれたらもっと面白い記事が書けるの
になあと願う辺り、快児と双璧のくずとして描かれているなと。そして恐らく彼女は一
般大衆の最大公約数的な役割も担っており、個々人で程度の差こそあれドラマの視聴者
に跳ね返ってくるものがあるかな。

 ではでは。




#1809/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/31  19:45  ( 28)
姓であり名であり   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第八話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 世界初のゲノム編集ベイビー……確かに凄いことなんでしょう。だからってこんな大
騒動になる? なるんだったらなるで大騒ぎになる背景の説明が足りない。プライバ
シーのことのみクロースアップされ、説得力がなかった。体外受精や代理母、臓器移植
など何事にも最初はあって、好奇の目にさらされたようだけれども、今では当たり前に
なってきている。だからゲノム編集ベイビーにはそれ以外の問題点があるんだってこと
を明示しなくちゃいけない。
 次に、探偵が間抜け過ぎる。過去の不作為について色々反省していたけれども、今さ
らそれ言う?って感じ。その上、最後はアンナをさらわれ、いいとこなし。
 アンナのキャラクターが激変して不自然。出生に関わる秘密を知ったからと言って、
一般人のごく当たり前の反応しかしていない。まったく異なる反応をしてしかるべきな
キャラだったと思うんだけど。
 黒幕(というか敵側)だった朋美のやり方が、迂遠でよく分からない。こんなに待た
なくても、アンナと知り合って間もない時点でネックレスを奪うことくらい容易かった
気がする。また、風真を呼び出したときにネックレスを持って来るかどうか分からない
はず(確かに電話口で「俺が持っている」と言ったけど、それは「手元にある」って意
味かもしれない、というかそう解釈するのが普通)なのに、何故か身に付けていると確
信して計画を遂行しているし。

 ここからは作品に対する直接の疑問ではなく。
 聞き取りにくかった台詞を確認するために、ネット検索してレビューや考察している
ページを見たんですが、その中に朋美が探偵らとの電話で、「ヤマト? 誰ですかそ
れ。その男にさらわれたんですか」と返事したのは伏線だとする意見がありました。ヤ
マトを男だと知っている朋美が怪しい、と探偵があとから気付くというんですけど……
ヤマトと聞いて男だと思うのがそんなに変ですかね。名字ではなく下の名前だとした
ら、男性の名前としておかしくないでしょ……と思ったです。

 ではでは。




#1810/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/01  17:43  ( 43)
悪習はこびりつく   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第七回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のポイントと言えそうな箇所は――。

・五行連合の話し合いは様子見、腹の探り合いで始まり、なかなか進みそうにない。そ
んな中、阪神銀行の芥川はトイレに立った際、大同銀行の綿貫取締役と立ち話。阪神銀
行が阪神特殊鋼のメインバンクを降りるつもりでいるのか、特殊鋼の方に何か問題でも
あるのか気にしているのを知ると同時に、綿貫には自分達と同類のにおいを嗅いだ。
・芥川の報告を受け、大介は綿貫と一席設けることに決める。
・阪神特殊鋼はアメリカンベアリング社の契約打ち切りにより、資金調達の予定が大幅
に狂う。新たな需要を掘り起こそうにも、だぶついた製品を国内企業から安く買いたた
かれそうになっている。
・鉄平は大同銀行頭取の三雲に追加融資をお願いに上がり、それなりに色よい返事をも
らう。
・綿貫専務ら一部の役員は三雲頭取の方針に疑問を持っているが、表立っての反対はし
ていない。反対派の神戸支店支店長が追加融資の担当を任じられたこともあり、阪神特
殊鋼を訪ねて内情を探ろうとする。結果、かなり苦しい立場にあるのではないかという
感触を得る。
・銀平は妻から妊娠の報告を受けるが子供はいらない、自分みたいに性格のねじ曲がっ
た子供を世に送り出したくないとまで言う。
・二子は一之瀬への恋心をますます募らせる。しかし相子が“万俵家に生まれたからに
は結婚は思い通りにはいかない、そういうしきたりだ”として首相の親戚筋の細川をあ
てがおうとしてくる。反発を強め、行方をくらませる二子。相子は鉄平が二子を支持す
るからこうなるのだとして、余計な手出しはしないように釘を刺す。しかし鉄平も反発
する。
・阪神銀行に査察が入る。銀行側がマークすべきは、厳しいことで知られるベテラン捜
査官の法華。芥川は酒と女とを使ってうまく懐柔し、取り込みに成功する。
・大介は休みの日に海へヨットで出た折、次男の銀平に、阪神銀行のトップを占める野
心はないのかと水を向ける。現代の銀行において世襲じみたことをやっていては世間が
許さないでしょうと断る銀平は、一子の夫である美馬にでも天下ってもらえば言いじゃ
ないですかという。しかし大介は美馬を完全には信用しておらず、いざとなったら銀行
を放り出すことくらい気にも留めない奴だと警戒を強めていると分かる。

 以上のような具合でした。他にもあった気がするけれども、拾いきれない。
 ほぼ予想通りの展開に終始したと言ってもいいかな。意外性はなくても面白いのは、
王道を行っている証でしょう。一方で、融資の件は今後どう絡んでくるのか読みづら
い。大同銀行との合併話が持ち上がるのはほぼ確実だとして、そこから先が?
 五十年ぐらい前の時代を舞台にしたこのドラマで、二子が繰り返し「今どき、家のた
めの結婚なんて馬鹿げている」と主張します。想像するほかないんですけど、多分、当
時でもまだ当たり前に横行していたんだろうし、現代にも部分的に残っているんじゃな
いかしらん。歳月をどれだけ経ようとも、善し悪しとは関係なしに残るものは残るとい
う実情を知らしめるための台詞かもしれないなあ、なんて思ったり。

 ではでは。




#1811/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/02  19:49  ( 22)
三階から一階までは二階分とは言え   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第九話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 裁判員裁判を取り上げた回。そういえばこれまでそれなりに凶悪事件も扱っていたよ
うな気がしてましたけど、裁判員裁判ではなかったのだから、凶悪事件ではなかったか
第一審以外だったんですかね。その点を全然意識せずにこれまで観てきていたので、し
かと覚えていない(汗)。
 裁判員の気負った感じとか、荷の重さに苦悩する様とか、変節するところとか、いか
にもありそうなやり取りがあって興味深い。そして裁判官達が彼ら裁判員に対して、一
つ一つサポートしていくくだりは、とてもよかった。現実の裁判員裁判でもこうである
のなら、積極的に参加してみようかと思う人が増えるかも。
 本筋の裁判が終わったあと、考えが万人に伝わるものではないことを示したのは、作
り手のバランス感覚のなせる技か。これがあるとないのとでは、だいぶ印象が違ってく
ると思う。できすぎた話から現実味のある話になり、加えて、ヒロインの強さを示すこ
ともできた。
 あと、些細な疑問なんだけど、三階から一階の中庭までおよそ十五秒で駆け下り、出
て来られるものなのかしらん? 通常の住宅ならまだしも、結構大きな家だったので気
になった。踊り場がある階段だとしたら、一直線には走れない訳で。
 さらに、人が落ちたとなると、まずは上から下を覗くというワンクッションがあって
から、きびすを返して階段を駆け下りる、となりそうだから、実際に使える時間は十秒
ぐらいかも。

 ではでは。




#1812/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/03  20:04  ( 27)
温古畑知新   永山
★内容
 田村正和追悼企画として、ドラマ「古畑任三郎」第三シーズンの再放送がフジテレビ
系列で行われていると思います。視聴率が結構よいようで、私もこれまでに複数回見て
いるのに今回もわざわざ録画して(^^;視聴しています。
※以下、ネタバレ注意です。よろしくお願いします。
 古畑シリーズに限らず、よい作品は観る度に某かの発見があるんじゃないかな。で、
今回の視聴では、現代同じネタで作れるかどうかを基準に観ているのですが、さすがに
つらいなと。
 第一話の『若旦那の犯罪』では、犯人が被害者に化けて、老人ホームに落語をしに行
きます。軽く変装してはいるものの、見る人が見れば簡単にばれるレベル。被害者が無
名の落語家、観客はほぼお年寄りばかりという状況に加え、たまたま写真やビデオカメ
ラで撮影されることがなかった、録音はされていたがとても声紋をチェックできるレベ
ルではなかったという幸運が重なります。
 という風に、明らかに制作当時でも苦しい、綱渡りどころか運任せの犯行計画なの
で、現代ではとても無理。今どき、イベントに出演して、スマホで撮影されないなんて
ことはあり得ないでしょう。
 第二話『その男、多忙につき(忙しすぎる殺人者)』は、第一話ほど無理はないもの
の、アリバイトリックの携帯電話で第三者と話をしながら殺人を遂行する。その状況設
定がちょっと厳しくなったかな。犯人は時間を一秒たりとも無題にしたくないタイプだ
から、そんな人がいちいち携帯電話でずっと会話しているのは不自然になる。今なら音
声データだけまとめて送信すれば終わりそう。
 という風に難癖を付けようと思えば付けられるのですが、決して作品の評価を低める
ものではありませんので、あしからず。
 フジテレビは再放送の視聴率、特にスペシャル版の数字が高かったことに気をよくし
て、新キャストでの古畑新シリーズ制作を考え始めたとか。まだ噂レベルなんでしょう
けど、古畑任三郎役には阿部寛をと具体的な名前が挙がると、期待してしまいますね。

 ではでは。




#1813/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/06  19:54  ( 48)
サイドこそ重要?   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「さまよう刃」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 和佳子に正体を知られた長峰は、どうか通報は遅らせてください、あなたには迷惑を
掛けたくないと言い、そのまま部屋を出て行こうとする。だが、和佳子は彼を呼び止
め、車である場所まで送る。そこはしばらく誰も使っていない彼女の実家(多分)だっ
た。和佳子は長峰に通報しないことを約束し、自由に使ってくださいと住処を提供す
る。さらに、どうやって主犯の少年を探しているのかを問う。長峰が、長野のペンショ
ンにいるらしいとの情報があるだけだと答えると、和佳子はペンション情報誌も用意し
た。翌朝、食事を持って来た和佳子は、自分にも子供がいて、幼いときに病気で亡くし
てしまったことを打ち明ける。肺炎と気付かず、風邪だとばかり思っていた自分のせい
だと。そんな和佳子に長峰は問う。死にたいと思ったことはありますかと。
 警察の捜査は長峰と快児それぞれの行方を追わねばならないためか、なかなか進展が
見られないでいた。が、誠に掛かってきた非通知の電話を突破口に、誠を尋問し、また
家出少女の携帯端末の通話記録や、快児の母親のクレジットカード使用記録を調べるこ
とで、長野の小諸に快児は潜伏しているのではないかと当たりを付ける。
 誠は父親に、快児から電話があったことを警察に黙っていたことを叱責され、警察へ
の心証をよくするよう、快児の居場所に心当たりがないのか思い出せと言われる。その
後、父親とやり合ってから誠は夜の街に飛び出す。路上で唱っていたパフォーマーの歌
詞に、ふとあることを思い出した。快児が使っていそうな別荘に関する記憶が鮮明に甦
る。誠はスマホを取り出し、どこかに掛け始めた。
 長峰は仮の住処を得て、あいにくの雨も相まって、ペンション探しに没頭していた。
だが、本命だったペンションが取り壊しになっていたと分かった今、手掛かりはほぼゼ
ロとあって苦戦。そこへ匿名の非通知電話が掛かってくる。それは快児の居場所を具体
的に示唆する言葉だった。
 翌日、和佳子は長峰を訪ねるが不在。持ち物が片付いている。出て行ったのだと察し
た彼女は、長峰を探す。どうにか近所のバス停で待つ彼に追い付いた。長峰は有力なペ
ンションが見付かったのでこのまま言うつもりだと言うが、和佳子は警察が一帯に現
れ、手配書を渡しながら調べて回っていると伝え、明日なら時間があるから車で送って
いくと申し出る。長峰は提案を受け入れ、戻る。
 和佳子が経営するペンションに帰ると、調度地元警察の警官が来ていた。説明を聞い
た和佳子の父は、しばらくして思い出す。吉川と名乗って泊まっていた客に雰囲気が似
ていると。和佳子はどうすることもできない。夜になり、警視庁の刑事が改めて訪ねて
きた。そして、長峰が住処で猟銃の手入れをしていると、固定電話に電話が掛かってく
る。――以上のようなところが今回のあらすじ。
 全体的に見れば、この手のドラマらしい展開で、意外性は薄いけれども面白い。舞台
は整ったって感じでしょうか。
 今回は上に書いたメインからはちょっと外れたエピソードがポイントだったのかも。
たとえば、捜査主任が部下に、かつての未成年が起こした犯罪の顛末について語って、
部下が許せないという顔をすると、「長峰から復讐の機会を奪っていいのかと疑問に思
ってるのか?」と問う場面とか。潜伏中の快児が、箸の使い方を同道の女から直され、
ほのぼのしたシーンになったかと思ったら、いきなり快児が女をボコボコに殴って血塗
れにするとか。あるいは、誠の一家が崩壊しそうになっているとか、例の女性記者が娘
を自殺で亡くした運転手い接近し、焚きつけるようなことをしつつ取材した等々。全
部、テーマに大なり小なり関わってくるんだろうなと感じさせるものばかりで、観てい
る方はおなかいっぱい。(^^;
 そういった意味とは別に、観ていてしんどい、心が重たくなる作品。早く終わらない
かなと感じつつ、もっと深く知りたいという気持ちになる。

 ではでは。




#1814/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/07  20:12  ( 53)
勘ぐりすぎたかしらん   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第八回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のポイントになりそうなエピソードは次のような感じ。

・大同銀行は頭取の三雲に続いて、副頭取の座にも日本銀行からの天下りが就いた。生
え抜き派の綿貫専務らは状況打破を画策するも手詰まり。
・それを知った大介は芥川に命じて綿貫を接待。内情を聞き出し、利用できると踏む
と、自ら綿貫と会い、まずは綿貫の身内が経営する石鹸メーカーへの融資を、大同に代
わって阪神銀行が引き受けると約束。その代わりに、阪神特殊鋼への出資を増やすよう
に頼む。
・大介は鉄平を料理屋に呼び出し、久々に会食。その席で融資の件について、阪神銀行
では引き受けられないが、外国の企業に融資してもらうインパクトローンができるよ
う、外務省などに対して便宜を図ってやるからどうだと持ち掛ける。鉄平はありがたく
受ける。
・資金調達に目処が付いた鉄平は、高炉建設に関しても強気に出る。社内会議で難色を
示す経理部に対して、突貫工事をしてでも早く航路を完成させるべきだとそのメリット
を説き、社長の支持を取り付けた。
・大介は阪神特殊鋼の経理で、送り込んだスパイでもある銭高から内情を聞き、阪神銀
行から特殊鋼への融資は今後形だけにすると言い出す(※この辺り、説明がなくてよく
理解できず ^^;)。
・二子はお見合い話に全然乗り気でないことに、相子や大介からの非難が強まる。特に
大介は、兄の鉄平が二子を応援している事実を取り上げ、このまま二子が見合いを蹴っ
て、一之瀬と結ばれようとするのなら、鉄平を許せなくなるし、鉄平や一之瀬のいる阪
神特殊鋼がどうなるかも分からん、と不穏な空気を仄めかす。
・二子は鉄平に迷惑を掛けてしまうことの不安を、一之瀬には正直な気持ちをそれぞれ
伝えるが、兄はそんなことは起こらない、父は融資の面倒を見てくれると約束したと答
える。一之瀬は、ことの大きさと自分の無力さに無念を滲ませつつ、二子との交際をあ
きらめる口ぶりで答えた。
・次男の銀平の妻が流産(男児)し、母体は命は取り留めるも、二度と子を産めなくな
った可能性が高いと分かる。元々子を欲しがっていない銀平は気にせぬ素振りだった
が、大介から「阪神銀行を継ぐのはおまえだ。私はおまえの血が流れる孫を、それも男
の子を見てみたかった」と強い調子で言われて、動揺する。
・相子は子が産めないようならさっさと別れて、銀平に新たな嫁を取らせましょうかと
言うも、大介は即座に却下。じきに小山田家の力が必要になるとの理由だった。
・大同銀行の三雲頭取は、鉄平からの増資等の請願を、綿貫専務らの協力もあってス
ムーズに受け入れる。
・大介は長女の夫である美馬に、阪神特殊鋼のインパクトローンの話をできるだけ“遅
らせるよう”に言う。
・急ピッチで進められる高炉建設だったが、あるとき、突如爆破事故を起こした。それ
は死傷者が出るレベルの大爆発だった。

 こんなところで。
 最後の爆発事故シーンのあと、大介に電話で事故発生が伝えられるんですが、大介の
表情を見ると普通に驚きと焦りの色が浮かんでいたような。
 私なんかてっきり、大介の意を受けた工作による事故だと思いました。つまり、大同
銀行との合併を有利に運ぶべく、三雲頭取の責任で阪神特殊鋼へ融資させ、爆破事故で
融資がほぼ無駄になり、三雲は責任を取って頭取の座を降り、代わって綿貫が就く。綿
貫は大介には恩があるし、小さいながら弱味も握られているので、あとは言いなり……
というような流れになるんだとばかり。大介が真に驚いていたってことは、爆破事故は
あくまで事故なんでしょう。ここからどうなるのかが、俄然気になり出した。
 あと、次男銀平の恋愛沙汰もどうなるのやら。妻の流産を経て考え方が変わるとは思
えないし、元恋人も再登場を果たしていないから、何かあるんだろうけど。

 ではでは。




#1815/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/08  19:22  ( 36)
“節子、それ伏線やない”   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第九話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 うーん、いよいよだめだめになってきた感が強い。複数名の推理作家が関わってい
て、どうしてこうなるのか……悔しい気がしてくる。
 前回の感想で、それはあり得ないでしょと釘をさしておいた「ヤマト=男」云々が、
そのまんま使われていてがっかり。何で違う名字にしなかったんだろ? 佐藤や鈴木と
いったよくある名字でもいいし、二階堂とか綾小路とかでも問題ない。何故、よりによ
って大和にした?
 アンナの代わりに風真が推理を語る理由は、一応分かった。でもそもそも探偵をやる
必要があったのかと。アンナの父親の行方を探るため、色々なところをつながりを持つ
ことが必要だというのなら、随分とのんきで遠回りな話だ。少なくともアンナを人前に
出してはいけないレベルだろうに、現場に連れて来るというのは矛盾している。
 遠回りなのは敵側も同様で、アンナの身体とデータが目的であれば、さっさと誘拐し
て、邪魔ならば風真達は始末しちゃえば早かったんじゃないの。
 風真が、人に好かれることを特技だと言うんですけど、そういうキャラに仕上がって
ないのが痛い。ただただ役立たずのお荷物に見えてしまう。これで人脈が広がるとは思
えない。
 防犯カメラの映像と警察のNシステムを使って、敵のアジトを探そうとするくだり。
何か変なことやってる印象を受けた。個人的に使うのが極めて難しいNシステムがなく
ても、何とかなるんじゃないのかと。防犯カメラで敵の一人の姿を捉えることができた
んだから、とりあえず追えるところまで追おうとは思わないのか。
 アンナの父親・始を監禁し続ける理由って何? 研究を進めるのにどうしても協力が
必要って感じじゃないし、アンナをおびき出すための人質ってことでもなさそう。何の
ために監禁し続けているのかピンと来ない。
 ラストシーン、肝心な遺留品を主人公にだけ分かるように描く演出が、物語のチープ
さを際立たせているような。自信があるのなら視聴者にも分かるよう、堂々と映すこ
と。
 何がよくないかって、局の公式やネットニュースで“怒濤の伏線回収”と謳っている
点。どうしてこれでそんなに自信を持てるのかと疑問を通り越して、ある意味うらやま
しいかもしれない。日本テレビ系列のドラマで、笑いに関して勘違いしている作品は今
までにも割と目に付いたけど、ミステリについてここまで勘違いしているっぽいドラマ
は、ちょっとなかった気がする。序盤のいくつかのエピソードの方がよっぽど面白かっ
たなと、最終回が近付いて思わされるのでありました。(-_-)
 これで最終回にどんでん返しを決めてきて、おおっ!と唸らせてくれたら謝らなけれ
ばいけない。

 ではでは。




#1816/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/09  19:45  ( 26)
カラスはおもくろい   永山
★内容
↑実際には白いカラスもいるそうですけど。

 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第十話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 面白いんだけど、偶然が過ぎる、もしくは名無しの権兵衛の調査能力すげー、といっ
たところかしらん。
 過ぎると言えば、建築会社の人、顔や態度に出過ぎ(笑)。政治家と組んで悪いこと
するたまじゃないように見えた。あそこは図太く、身代わりの人物を用意すれば……で
も料理屋に予約を入れたみたいだから、そのあと三人で料理屋に行ってるんだろうな。
店員の証言を取られたらアウトか。予約した料理屋に関しても嘘を用意すれば、何とか
かんとかなるかもしれないけど、口止め料が高く付きそうだ。
 名無しの権兵衛のアリバイ、建築会社の人と会った場所に防犯カメラはなかったのか
なと思ったんですけど、建築会社の人はそのあと悪事の相談をするために政治家等と待
ち合わせをしてるのだから、カメラの目がないところを選ぶだろうなと、一人で納得。
(^^;
 今回、無資格医の医療行為が扱われていた訳ですが、ドラマ内で描かれたあの医療行
為のシーン、普通に第三者が目撃するパターンでも面白くなったと思う。知らない人が
見れば、名無しの権兵衛が被害者に暴力を振るっているように見えるだろうし、名無し
の権兵衛は資格を持ってないから現場から逃げるしかないし、ミステリとして仕立てや
すい道具立てになりそう。
 最終回につながる事件とのことで、どうつながるのかなと思っていたら、どうやら政
治家絡みの事件とリンクするようで。だったら名無しの権兵衛改め御手洗氏をきちんと
保護しておかないと、口封じされる恐れも? 幸か不幸か即座の釈放とはならなかった
みたいだから、襲撃に遭う可能性は低そうですが。

 ではでは。




#1817/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/10  20:18  ( 22)
応募せずにいてよかった?   永山
★内容
 メフィスト賞が最新の座談会(結果発表)を遅らせた上に、作品を一つも取り上げず
に、ふさわしい作品がなかったとしたことが波紋を呼んでいるみたい。座談会で議論し
たいほどの作品が一つもないなんてこれまで一度もなかったはず。そりゃもちろん、実
際に、議論すべき作品が皆無だったってことも起こらないとは言い切れないでしょうけ
ど、何か説得力に欠けるような。ネットの巨大掲示板などで見られる、“Web受付限
定に舵を切ったことで想定以上の数が集まり、読み切れなかったんじゃないの?”との
見方が出て来てもしょうがない感じ。
 一日経って、気になった作品としていくつか挙げたのだって“アリバイ作り”みたい
に捉えられて、逆効果。
 雑誌メフィストのスタイルを一新すると発表して、今まさに準備期間のはず。賞の方
も多忙さの狭間にあるんだろうから、今期(というか前期?)分の審査は端から無理が
あったんじゃないかという気がしてくる。結果論ですけど。
 内情の実際は分かりませんけど、座談会の内容をまともに受け止める人もいるはず
で、そういった投稿者にとってはきついなあと思う。

 メフィストの今後の執筆予定者を見ると、本格ミステリ寄りであることには変わりが
ないみたいなので、投稿先としての魅力・特色は多分、失われていない。今回の騒動で
ちょびっと下がった分を、いかに回復していくのか注目。
 ただ、メフィストが会員限定の有料Webマガジンスタイルになるとは……読者とし
てみれば敷居が高くなった印象を受けますね。

 ではでは。




#1818/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/11  20:18  ( 14)
エレキの代償   永山
★内容
 十八時四十分過ぎ頃から、久方ぶりに停電が発生。しかも珍しいことに、一時間半が
経過した今もまだ復旧していません。
 この書き込みは、自宅の発電機を稼働して、ネットにつないで行いました。
 スマホの類がないと、こういうときに大変だわ。(^^;
 てことで、自家発電機もずっと動かしていられるものではなく、ネットはもちろんパ
ソコンの使用も限られてくるため、本日は短めに。


 田村正和の出演しているドラマのことを、父が「古畑の出ているドラマ」と表現す
る。今、家のHDDレコーダーには「古畑任三郎」と「総理と呼ばないで」が入ってい
るため、どっちの作品を指しているのか分からず、時々混乱します。
 ……というネタぐらいしかない(笑)。

 ではでは。




#1819/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/12  20:04  ( 40)
ベタ降りはできない   永山
★内容                                         21/06/12 20:06 修正 第2版
 昨日の停電はあれから三十分後ぐらいに復旧しました。
 だいたい二時間ぐらい停電だったのかと思いつつ、検索して調べてみると公的な記録
ではおおよそ一時間半でした。停電になった時間も私の感覚とは十分ずれていた。時計
をずっと見ていた訳じゃないものの、三十分も違うとは我ながら呆れます(苦笑)。

 ネットの中古屋さん及びネットオークションで、書籍以外にも映像作品を購入するこ
とが時々あります。その際、メディアがDVDかフルーレイのソフトならほぼ問題なく
選べる(稀に外国製のソフトでリージョンコードが異なり、日本の機器では再生不可能
な物もあるので、“ほぼ”)のですが、ビデオテープのソフトとなるとちょっと躊躇す
ることが増える。と言うのも、九州と関西とを行き来する暮らしが続いていて、VHS
を再生できる機器が関西の方にしかないため。必然的に、九州にいる間に購入したVH
Sソフトは、関西に戻る際に持って行って観賞することになる。となると、あまり大量
には買えない。VHSのビデオテープ一本はさほど重たい物ではないけれども、かさば
る。愛用している大きめのリュックに入れられるのは、他の荷物との兼ね合いで四本が
せいぜいかな。郵送なり宅配なりを使えば大量に送れるけれども、余分な費用が発生す
るのが悔しい(^^;ので、使わない。
 ちなみに何年か前に、ずっと観たいと思っていたソフトがオークションに出ていて、
VHSじゃなくベータだったんですが、これを逃すとどうなるか分からないので、ソフ
トを落札したあとベータのビデオデッキもオークションで買った。ベータは九州の方に
置いている。
 で、二〇一九年までなら、このシステムで充分だったんですけど、昨今はまた少し事
情が変わってきた。新型コロナ流行のせいで関西と九州を行き来する頻度が減り、九州
の方でVHSソフトを買っても、視聴する機会・機械が長らくない。ついでに関西の方
に置いてあるVHS一体型のHDDレコーダーが壊れた(別のVHSビデオレコーダー
は健在)こともあり、これはもう年貢の納め時だなと判断。九州の方でも、VHS一体
型のHDDレコーダーをオークションで買った。
 初めてのメーカーで勝手の分からない部分があり、接続に苦戦しました。アナログな
接続だとデジタル映像が素直に表示されない仕組みになっている機種なんて、初めてお
目に掛かりました。取説の付属していない品だったため、ネット検索してデジタル取説
に目を通して、やっとこさ解決。見慣れぬボタンを長押しする必要があった。

 とにもかくにも、これで九州にいる間も、気にすることなくVHSソフトを買える…
…と行きたいところですが、中古屋さんはともかく、オークションだと悩ましい商品が
あります。それは、十数本から数十本単位でまとめ売りしている出品物。欲しいのはそ
の中の一本だけなのに、ばら売りをしていないからと全部送られてくる。不要なソフト
をため込んでもしょうがないので捨てる必要があるのですが、九州の方はゴミ収集のス
ペースに毎回当番の人が立つんですよね。ちゃんと分別されているか軽くチェックが入
るので、まとめてビデオソフトをゴミに出したら、目立つこと間違いなし(苦笑)。

 ではでは。




#1820/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/13  14:31  ( 29)
梅雨時とは関係なく   永山
★内容
 購入した中古のVHS一体型HDDレコーダーで、溜まっていたビデオソフトを観て
いると、ある一本で再生直後にすぐに停止してしまった。ビデオテープの録画可能時間
によっては物理的に回しきれないことが稀にあるので、今回もそうだろうと思って停止
から少し早送りをして、改めて再生ボタンを押した。けど、やっぱり同じ。何かおかし
いぞとビデオを出して、見てみると、窓から覗けるテープが粉を吹いたように白くなっ
てた。カビが生えていることに気付かず、機械に入れてた。やっちゃったなーと思いつ
つ、別の割とどうでもいいソフトを実験台にして再生してみると、可動はするものの映
像が砂嵐状態。ビデオのヘッドが汚れてしまった。こうなるともう使えない。購入一日
目にしてやらかしてしまった。
 クリーニングテープを使えば高確率で復活するので、探してみるも、今の時代、需要
が激減しているのね。まともな物がなかなか見当たらない。百円ショップで売られてい
たとの情報があったけど、それも数年前まで。ならばとネットオークションや中古ショ
ップを当たってみるも、割高な物や送料がやけに高いもの、あるいは動作保証していな
い物、湿式だとクリーニング液が切れている等、何らかの不具合・不都合がある物が多
い。でも必要だから買うしかないか〜と考えたけど、一応、近所の電器屋さんを覗いて
からにしようと。
 で、普段の買い物のついでに行ってみたら、電器屋にはカセットレコーダー用のク
リーニングテープはあったんですが、ビデオ用はなし。カセットの方が需要が上なの
か?
 しょうがないとあきらめ、帰宅したらネット注文だなと段取りを描きつつ、買い物を
済ませる。レジに並ぶ間際になって、そのスーパーマーケットは家電なども扱っている
ことを思い出し、だめ元で見に行ったら何と一種類だけ、乾式のクリーニングテープが
置いてあった。乾湿両方に対応しているのが理想だけど、贅沢は言ってられない。いそ
いそと買い物かごに入れた。
 そうして帰宅して、試してみたら、あっさり復活。これからはテープを入れる前にし
っかり確認するとともに、定期的にクリーニングして使おうと誓うのでありました。(^
^)

 ではでは。




#1821/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/14  19:23  ( 39)
なんちゃらタイマーかと   永山
★内容
 まだ続く、VHS一体型HDDレコーダーの話。
 というのも、購入二日目の夕方、起動しなくなったのです。電源を入れると起動し始
めるものの、途中でだめになり、電源が落ちる。そして“待機”という表示のあるラン
プが点滅し始める。取説に目を通すと、待機ランプが点滅中は電源が入らないとのこ
と。点灯に変わるまで待つようにと指示があった。けど、いつまで経っても点灯になら
ない。これはおかしいだろと思って、“故障かな?と思ったら”のFAQを調べる。本
体の電源ボタンを長押ししてリセットするとか、電源プラグを抜いて、一分ほど放置し
てから、改めてコンセントに差してみるといった対処法が書かれていた。その通りに試
してみたものの、いずれも復活には至らず。電源を切っているときにディスプレイに表
示されていた時刻表示が、単なる
横棒に変わったくらいで、たいした変化はなかった。
 典型的な安物買いの銭失いになってしまった〜、クレームNGだからどうしようもな
い……と思ったんですが、いくら何でも故障するタイミングがぴったりすぎるような。
「百年咲き続けるという花を買ってきたら翌日枯れてしまった、花屋に文句を言った
ら、ちょうど百年目だったんでしょうと答が返ってきた」みたいな。
 で、購入後に自分がやった行為で原因となり得る、僅かでも可能性がありそうなこと
がないかと思い返してみると……一度アンテナをつなげてチャンネルや時刻設定をして
ちゃんと動作することを確かめてから、どうせVHSの再生がメインだからとアンテナ
の接続を外したなと。
 待機ランプは何がどうなるのを待機する証なのか、取説には記載がなかったんです
が、想像するにプログラムや番組表のダウンロード及び時刻調節である可能性が高いん
じゃないか。
 待機に関する想像が正しいとすれば、時刻は地上波の教育テレビの時報を利して合わ
せる仕組みになっているから、アンテナを外したことで不具合が生じ、待機ランプがず
っと点滅し続けることになったのでは?
 そういう仮説を立て、だめ元で検証してみることに。アンテナをつなぎ直し、数時間
待ってから電源を入れてみると……だめだった。
 違ったか。いや、まだ分からない。時刻調節は日に三回、決まった時刻を起点に行わ
れるはず。だとしたら、私が検証した時間帯では、時刻調節のための時刻が過ぎていな
い可能性がある。もっと長時間、最低でも八時間以上は放置して再検証すべきだろうと
考え直し、改めてやってみた。
 一夜明けて、およそ十二時間、ほったらかしにしてから、リモコンで電源を入れる。
これでだめならおしまいだと期待よりもあきらめが大きいまま、機械の挙動を見守って
いると……起動した!
 HDDを見ると、試しに録画したNHKの番組がちゃんと残っている。再生も無事で
きた。VHSも同様。いや〜、助かった。それに出品者宛てに「二日目にして起動しな
くなりました。ありがとうございました」的な嫌味を送らなくてよかった。(^^;

 ではでは。




#1822/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/15  19:54  ( 22)
面白くなるポテンシャルはそこそこあったと思うのだが   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」最終回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 後始末の回で、謎解きの要素は場所探しとパスワード解読に集約される。特に際立っ
た新アイディアが用いられている訳ではなく、並。悪人達の組織の秘密のアジトにして
は、監視・防衛システムが案外ザルだなという印象。
 問題は、アンナの父・始を死なせたそもそもの発端は、風真が大和を自由にさせた結
果である点。ポンコツ探偵というキャラクター付けをされていたけれども、ここまでポ
ンコツでは救いようがない。また、その大きな失敗を、誰も責めていないのが腑に落ち
ない。
 始も拘束を解かれたのに、何でそこにぼーっと突っ立ったままでいるんだっていうレ
ベルなんですけど、そこはまあ長年の監禁生活で体力や判断力が衰えていたことにして
もいい。
 ゲノム編集で天才を生み出すことにより巨万の富を得ることを語った大和に対し、ア
ンナが「お父さんが研究を留めた理由が分かった。あなたみたいな人がいるからよ」と
糾弾してたけど、今回も説得力が弱い。これだと、製薬メーカーやそれに関わる研究者
などを否定しただけであり、それ以上でもそれ以下でもない。万人の支持を得られる理
屈にもなっていない。何がいけないのかをはっきり示すべきだった。

 本ドラマの続編や映画版を希望する人が多数いる、ってなニュアンスのネット記事を
いくつか見たんだけど、ほんとかなあ? 一定数いるかもしれないけど、多数はないん
じゃないの。少なくともこの設定のままでは。

 ではでは。




#1823/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/16  17:23  ( 33)
ミガケイのカラス   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」最終回三十分拡大を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 うまくまとまっていたし、伏線もそれなりに活きていたし、正義と悪とのコントラス
トがはっきり出ていて、勧善懲悪ものとしての面白さがより引き立ったと思う。反面、
最終回ならではの重厚さはやや物足りなかった。特別感があるのは、主人公の入間が裁
判官でいられなくなってしまうのかという点のみで、事件の方は政治家絡みで(世間的に
は)大ネタではあっても、構造そのものは至ってシンプル。
 そうそう、最終回らしさと言えば三十分の拡大ですが、少々水増し感があったのは残
念。冒頭から過去の回のシーンをプレイバックする演出が長く続いて、じれったかっ
た。実質十五分の拡大で収まっていたような気がしますが、まあ色々あるんでしょう。

 さて、一番問題だと感じたのは、本ドラマの各話で時折見られたおかしな点が、最終
回にてまた出て来たこと。
 自転車による衝突事故で、当時の現場の状況が問題になっていました。被告とされた
自転車乗りの証言だけでは当てにならないという論調でしたけど、被害に遭った子供の
両親は何にも見ていなかったのかな? まあ利益が相反するので、たとえ何かを目撃し
ていても証言しない可能性はあるとしましょう。では、他の目撃者は皆無だったのか。
子供が意識不明の重体になったのなら、当然、救急車を呼んだはず。救急車にはドライ
ブレコーダーが設置されており、そこに現場の状況がある程度録画されるんじゃないで
しょうか。そういった事柄に関して、検討する気配一つないのは妙だなと印象を持っ
た。
 あるいは救急車じゃなくてもいい。事故発生前後に、現場の道を通った自動車等はな
かったのか。各車両のドライブレコーダーに現場の様子は一切なかったのか。
 ないならないでいいんです。ただし、調査を経てその結論になったんですよというこ
とが示されないといけない。
 もちろん作り手が見落とすことは起こり得る。でも本ドラマは見落としの回数がちょ
っと多いんじゃないかと。これだけよい筋書きを作るのに何でこうなるのと不思議な感
じがします。

 続編を匂わせる展開がいくつか見られました。実現の暁には、よりブラッシュアップ
した脚本で、魅せてほしい。

 ではでは。




#1824/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/18  22:22  ( 28)
いつからが“古い”のか   永山
★内容
 自分の書いた感想をふと読み返したくなり、フレッシュボイス内で検索してみるも、
見付からない。UPしたかどうかは簡単な記録を付けているので、書き込んだことがあ
るのは間違いないのに……。
 気になって、心当たりのある他の書名でも検索してみるも、見付からない物がほとん
ど。“本の感想”で検索すると、以前に比べて数が減ったような……。
 で、フレボイの過去ログのボードがあったのを思い出して、そっちで検索してみたら
見付かりました。(^^; UPした年月日までは記録していなくて、まさか過去ログ扱い
になるほど古いとは思いもせず。
 過去ログのボードは、最も新しい書き込みで四年ほど前。私の感覚では充分に新しい
方に入る(汗)ため、そちらの方まで検索してみようという発想がなかなか浮かばなか
った次第です。

 それで思い付いたというか気になったのが、今、映像を見て「古いな〜」ってなるの
は何年以上前のものなんだろうってこと。世間的・一般的な感覚が知りたい。
 自分が子供のときは文字通り自分基準で、物心が付く前の出来事を映した映像はすべ
て古い、でした。
 歳を食うと多少は変化しましたが、それでも一九九〇年代はまだ古くはなく、一九八
〇年代半ば辺りでようやく迷いが生じるレベル。それだけこの頃の出来事が強く記憶に
残っているせいかもしれません。
 もしこの見方で当たっているとしたら、いつからが古い映像か?なんてことには一般
的な線の引きようがなく、それぞれの人のそれぞれの経験による、となるかしらん。
 何らかの大きな出来事によって線引きすると、戦前と戦後、昭和と平成、二十世紀と
二十一世紀といった分け方が考えられる。テレビ番組や論説で時代を分けるときはこう
いった基準が用いられますね。映像という点をクローズアップするなら、アナログ放送
とデジタル放送というのもありかもしれない。
 さて日本は元号が令和になり、これがまた新たな線引きとなるのかどうか。

 ではでは。




#1825/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/21  19:36  ( 56)
ここに来て詰め込み過多   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「さまよう刃」第五回を録画視聴。ネタバレ注意です。先週はテ
ニス中継のため放送休止で、二週間ぶりとなります。
 長峰に掛かってきた電話は、和佳子からのものだった。彼女は父親が警察に長峰とよ
く似た男がうちに泊まっていたことを伝え、東京からも刑事が来ていると教える。
 タクシー運転手の鮎村は、娘に関する記事が週刊誌に個人特定可能な形で掲載されて
いるのを知り、憤怒に駆られ、出版社の編集部に殴り込む。個人情報を伏せる条件で取
材に応じたのに、約束を守らなかった女性記者の小田切や編集長を責め立てるも、説得
されてしまう。それでも娘を襲った未成年者の情報を聞き出したらしく、後日、従犯格
の中井誠を見つけ出し、タクシー内に押し込んで暴行を振るい、主犯の快児の居所を吐
かせようとする。
 捜査本部の刑事達は長野県に潜伏していると思われる快児及び長峰を捕らえるべく、
地元警察と協力し、潰れたペンションを一軒ずつ訪ねて回る。やがて有力そうな物件に
行き当たり、踏み込んでみると、快児に同行していると目されていた家出少女が、顔面
などに大けがを負い、毛布にくるまった状態で隠れているのが見付かる。刑事に快児の
行方を問われた彼女は、唐突に花言葉について話した。ぴんと来た刑事が毛布を剥ぎ取
ると、彼女は携帯端末を隠し持って起動させており、刑事の来訪を快児に伝えていたの
だ。
 長峰は迷惑をこれ以上掛けられないとして、和佳子の助けを断るが、和佳子は長峰を
車で目的のペンションの近くまで送ると申し出る。途中、和佳子の父が娘の異変を察知
して、追い付いた。長峰は車を降りて和佳子の父に詫びる。和佳子の父は長峰に自首を
促すが、それだけはできないと固辞して去ろうとする長峰。和佳子は彼を追い掛けよう
とする。押しとどめる父に、自分は現場近くまで行って犯人(快児)と長峰を説得する
つもりだと言う。熱意に折れたか、父親は娘が長峰を送ることまでは許した。
 ペンションの近くまで車で来た長峰。和佳子は最後の説得を試みる。その最中、目と
鼻の先に、快児自身が飛び出してきた。どうやら家出少女からの連絡を受けて逃走を図
っている。快児は車内の長峰を見てその正体に気付く。長峰の方は出し抜けのタイミン
グに反応が一瞬遅れるも、猟銃を手に外へ飛び出した。そのまま山林に逃げ込んだ快児
を追う。アップダウンの激しい森の中、狙いを定めるのは困難で、ようやく発砲するも
近くの木に当たってしまった。続けて撃とうとした長峰は足元が疎かになり、小規模な
がら滑落。意識を失った。その間に快児は姿をくらます。
 銃声を聞きつけた刑事はとりあえず四名で森林に分け入り、快児と長峰を探す。しか
し見付からない。
 刑事の捜索をぎりぎりのところで回避した長峰は、森を抜けて山道に出たところ、ち
ょうど和佳子の車が来た。和佳子は手に深い傷を負った長峰の手当てをし、今度こそ自
首するようにと、あるノートを見せる。かつて長峰が妻や娘とともに和佳子のペンショ
ンに泊まった際、娘が書いていったものだった。それを読み、和佳子から生きてくださ
いと言われた長峰は徐々に折れる。鉄道の駅周辺に到着したときには、説得を受け入れ
て自首する気になっていた。携帯端末を持ち、捜査を指揮する刑事当てに連絡を取ろう
とする長峰。そこへ新着のメッセージが表示される。これまでも度々匿名で情報をもた
らしてくれたあれだ。快児は明日の夜、新宿公園に現れるという。長峰の復讐心に再び
火が着いてしまった。猟銃の入った袋だけ持って、車を飛び出た長峰は、和佳子を振り
払って駅へと消えていった。
 ――以上が今回のあらすじになります。
 佳境なので盛り上がる。ただ、反面、今回は偶然が多くて興ざめの感もありました。
車でペンション近くまで来た長峰の目の前に快児が飛び出してくるところとか、負傷し
た長峰が森を抜けるとすぐさま和佳子の車に拾われたり、自首を決めて連絡を取る寸前
に新情報がもたらされたり。恐らく内容が濃いため、詰め込むだけ詰め込んでもまだ足
りず、仕方なしに偶然の多様となったんだと思いますが、それにしてもあからさますぎ
た。幸運な偶然が起きるにしても、もうちょっと間隔を開けるなり、時間を掛けるなり
して描けば、違和感はさほどないのに。
 内容面で気になったのは、タクシー運転手に捕まった誠のその後。今回分では全然描
かれなかった。なので、そのまま拘束が続いているとしたら、誠が長峰に匿名で情報を
流すことはまず無理となり、じゃあ誰がっていう謎が生じる。その辺、強調されてはい
なかったと思うんですが、いいのかな。

 ではでは。




#1826/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/22  19:58  ( 55)
時代を感じさせる   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第九回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 こちらのドラマWも前回は放送がお休みで、二週間ぶりとなります。結構忘れていた
箇所がありましたが、言われればすぐに思い出すレベルだったので一安心。(^^;
 今回の話でポイントになりそうなのは次のような具合になりましょうか。

・阪神特殊鋼の爆発事故は、死者四名重軽傷者多数の大事故となった。警察などの大が
かりな調査が入るため、高炉建設は中断、少なくとも半年は計画が遅れる。ざっと見積
もっただけでも、九十億円の損失と五十億円の資金不足が想定された。鉄平は金策と被
害者や関係者へのお詫びとで駆けずり回る。
・相子は事故の件で鉄平を責める。万俵家の評判が悪くなり、今進めている縁談に悪い
影響が出かねないと。これには次男の銀平や次女の二子が強く反発。後日、二子は義姉
の早苗――鉄平の嫁――に自分が自由でありたいと訴え、協力を求める。早苗は一応、
承諾するも表情が冴えない。と言うのも、その食事の場に美馬とともに見合い相手の細
川をよかれと思って呼んでいたからであった。阪神特殊鋼の事故について、美馬や細川
はそもそも身の丈に合っていないことをしようとするから云々と、鉄平を批判する。二
子は思い切り反論して席を蹴って立ち去った。
・銀平の妻万樹子は、手術を受ければまた子供が産めるようになる可能性があるとの話
を聞き及び、その手術を受けたいと鉄平に申し出るも簡単に却下される。結婚生活にい
よいよ耐えられなくなり、実家の安田家に戻る仕度を始める。それを知った相子は万俵
家や安田家のような家に生まれた者の結婚はそう簡単に解消できない等と言って、やめ
させようとする。万樹子が、以前知った万俵の寝室の秘密を言えば父も味方してくれる
はずと言うと、相子は興信所に調べさせて、万樹子がかつて密かに堕胎手術を受けてい
たとの報告書を手にしているから、それをあなたの父上に見せると脅し返す(※万樹子
の反応は本当に身に覚えがないようにも見えました。もしかすると相子によるねつ造
?)。万樹子はそれでもいざとなったら秘密を暴露する覚悟だと決心を示して、荷物を
まとめて出て行く。
・事故の影響で、大同銀行では三雲頭取が窮地に。阪神特殊鋼への支援はサブメインバ
ンクとして維持することを基本に、様子見となり、ひとまず収まる。だが生え抜き派は
この機会に三雲を追い落とし、綿貫専務を頭取にしようと気運が高まる。
・大介は大同銀行との合併を狙って、綿貫に再接近。合併後のポストをちらつかせ、綿
貫に大同のトップになるよう仕向ける。その後、阪神特殊鋼の事故調査で、大介の意を
汲んだ綿貫が主導権を握る。
・一方、鉄平はいよいよ追い込まれる。一度目の不渡りに続き、月末までに四億円超の
金を用立てないと、会社が立ち行かなくなる事態に。万策尽きて父大介の阪神銀行に助
けを求めるが、大介は手厳しく批判して首を縦に振らない。粘る鉄平に大介は、阪神特
殊鋼が持ち直した場合の将来の利益について何パーセントかを渡す約束をすれば協力す
る商社があるだろう、その話をまとめられたならうちも金を出すと言い渡す。その条件
だと阪神特殊鋼にまたもしものことが何かあれば完全にアウト。鉄平は大いに逡巡する
が、大介から他に手があるのかと詰問され、仕方なく受けることにするのだった。

 長くなりましたが、こんなところで。
 他にも鉄平の出生に関わりそうな出来事があったのですが、視聴者としてどう解釈し
ていいのか迷うところもあり、書きづらかったので省いたです。(^^; 現時点で匂わせ
ていることが真相なら、あの人がこの人にその話をするだろうか、そんな訳ないだろう
って感じた。なので、何かまだ裏がありそうな気もします。
 綿貫専務は自分のところの内情を示す資料全てを持ち出して、大介側に渡すという行
動に。そこまで信じつつも、受取証として裏書きされた名刺をもらっておく辺りは、し
っかりしているのかな。受取証の文言が簡便すぎて、どうとでも解釈されそうな。
 大介からとかげの尻尾斬りされる恐れがありそうなのは、綿貫の他に、大介の命を受
けて阪神特殊鋼の経理担当役員になった銭高もかな。自分の会社がなくなったあとの待
遇が確かかどうか、はっきりさせといた方がいいじゃないかしらん。(^^)
 銀平の元恋人は今回も再登場なし。相子はそれなりにピンチのはずなんだけど、割と
余裕の態度だな。銀平を説得して子作りだけでもさせなきゃならんだろうに。

 ではでは。




#1827/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/23  19:31  ( 20)
珍しく読了済み   永山
★内容
 BSテレ東で放送のドラマ「天使が消えていく」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作は夏樹静子の同名小説で、既読です。読んだのはだいぶ昔で、記憶がおぼろげな
ところがありますが、古さはあるものの名作に数えてよいミステリだったかと。それに
比べると、ドラマ化に当たってだいぶ改変(改悪?)していたような。
 一番明確に違ったのは、原作で印象深かったとあるシーンがドラマでは描かれなかっ
たこと。ミステリにおけるダブルミーニング、あるいは心理の足跡の好例といっていい
エピソードなので、ぜひ取り入れて欲しかった。
 ミステリドラマとしてどうかというと、謎の描き方がちょっと淡泊だったかな。“刑
事が見張っていたから○○は犯人ではあり得ない”といった辺り、もっと強調して状況
を早めに視聴者に知らしめる方がいいと思った。
 また、細々とした点で情報不足を感じたです。シングルマザーでお金に苦労している
若い女性が、幼子の手術代をいかに工面したのかについて、想像はできるけどはっきり
したものがない。視聴者からすれば、犯罪絡みの可能性まで検討しなくちゃいけなくな
る。無関係であることを早めに提示すべきだったかと。
 あと、警察の動きが遅く感じる場面があった。上述の見張っているシーンで、主人公
が遺体を見付けてそれなりに騒いでいるのに、なかなか駆け付けない。ストーリーの都
合上、主人公が現場をじっくり見てあることに気付く必要があるとは言え、違和感が拭
えなかったように思えました。

 ではでは。




#1828/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/24  19:30  ( 23)
再び夏が来る   永山
★内容
 BS朝日で放送のドラマ「訃報は午後二時に届く」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作は夏樹静子の同名小説で、私は未読です。観終わってからタイトルの意味を考え
るも、ピンと来なかった。時間・時刻を強調した絵面がほとんどなかったと思う。
 内容の方は、可もなく不可もなく。夏樹静子という名前に対する期待感から言えば、
不出来な方じゃないかしらん。凝った構成を取っているけれども、ミステリ・推理物と
しては物足りない。手掛かりや伏線はそれなりにあるものの、決め手を欠くため、視聴
者が推理して解けるタイプではなく、(一応の)意外性のあるストーリーがただただ
次々と明らかになっていく感じ。
 先日の「天使が消えていく」に続いて、本ドラマでも警察の動きが遅いシーンが。宅
配で切断された人の小指が届き、家人が悲鳴を上げたのに、張り込んでいる刑事は一向
に現れない。家人から電話をもらってやって来た人物の提案で、警察に知らせてようや
く事態を把握するという流れ。端から刑事が飛び込んで来ても前後のストーリーに影響
が及ぶとは思えず、謎の構成です。
 古めの作品ということもあり、トリックの面ではやや苦しい。現代の視聴者なら容易
に気付くだろう点が多かった。他の作者が使っている事例も知っていました。ちなみ
に、夏樹静子作品の方が先に出ています。
 終盤の犯人確保のための小芝居は、どう考えても必要がない(その前の時点で充分に
逮捕できる)のですが、映像的に入れたかったんだろうなあ。
 一方、捜査の過程で、スナックに現れたという目の不自由な女性の存在を確認しない
のは、非常に不自然。容疑者の言葉が正しいかどうかを計る大事な要素なんだから、少
なくとも調べようとするはずだろうに、全然探さないなんて、ねえ。

 ではでは。




#1829/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/25  21:07  ( 18)
消失?   永山
★内容
 ワープロソフトとマイクロソフトエッジをいつものように同時に開いて使っていた
ら、カーソル操作でたまたま変なことをしてしまったらしく、使用中のソフトが消え
て、見えなくなった。
 正確には、再びワープロソフト及びエッジを起動することはできるけれども、前のも
起動したまま残っている模様。というのも、書いている途中のワープロ文書と同じテキ
ストを読み込もうとすると、すでに開いていますとのメッセージが出るので。
 ネット検索でざっと調べてみるも、症状そのものをどう表現するのがいいのか難しい
こともあってか、同じ事例は見付けられず。原因不明のまま、一旦電源を落とそうかど
うしようか迷っています。ワープロがちゃんと機能しているなら、“保存していない文
章があるから保存しますか?”的な警告を出してくれるはずですが、もし機能していな
かったら、書きかけの文章はだめになる可能性が高そう。(--; 悩みどころです。

 てことで、今日の書き込み分も途中まで書いて、宙ぶらりん状態。
 自作の中で、他人様の作品のトリックに言及したいとき、どういう風にやるのが適切
なんだろう?ってな感じのテーマで、思い付きを列挙してたところでしたが、思い出し
て新たに書く気力に乏しい。(^^;

 ではでは。




#1830/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/26  19:27  ( 27)
どこまで書くか   永山
★内容
 自分の作品の中で、他人様の作品に登場したネタに触れておきたい場合がたまにあり
ます、よね? もしかするとミステリのジャンルで特に多いのかもしれませんが。
 たとえば密室トリックを扱ったとして、その謎の状況に対し、ミステリをある程度読
み込んだ読者なら真っ先に思い付くであろう方法が既存作品にあるのだとしたら、そう
ではないんですよということを示すため、つまり可能性を潰すために、過去のトリック
を試した結果、密室が成立しない様を描写する必要がある。いやまあ、作中人物にとっ
ちゃあ前例のあるトリックであろうが何だろうが、謎が解ければいいんですけど、読者
に対しては別のトリックが用意視されているんだと示唆した方が、楽しみになるでしょ
う。(^^)
 で、そのようなときに、どこまで書くのが適切なのか。過去のトリックが使われてい
た作品名から作者から出版社名や書籍コードに至るまで懇切丁寧に情報を記述する、と
いうのもありかもしれません。ただし、ネタバレ注意を充分に行った上で。そうする
と、ネタバレしている箇所を飛ばしても物語が違和感なく続いているように書くべきな
んですが、結構な困難を伴うので、既存作品にトリックがあるでは今回の密室はできま
せんよ的なことを匂わせて、あるいははっきり書いた上でスルー、というケースが多い
かも。詳しいことは注釈にて、という形にして。
 他のジャンルで同様なことはないかなと思っていたところ、ギャンブルのシーンを描
いていて、ああこれもあるなと。そう、ギャンブルのイカサマです。そもそも近いっち
ゃあ近いんですけどね、ミステリのトリックとギャンブルのイカサマ。
 私がそのとき書いていたのはサイコロを用いたギャンブルで、とあるギャンブル漫画
のイカサマないしは解決方法が、自分の書いている場面に当てはまらなくはない。これ
を読んであの漫画を連想するかどうか微妙だし、わざわざ言及するほどではないかもし
れないが、一応触れておくのがいいかなと考え、結局、作中人物がその漫画を以前読ん
だということにして、作品名は出さずにちらと触れました。“ネタバレ注意”の本来期
待される機能からすれば、作品名を記すべきなのは間違いないんですが……。

 ではでは。




#1831/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/27  19:35  ( 23)
戸惑う記憶   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「さまよう刃」最終回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 最終回のあらすじは省きます。
 クライマックスシーン、映画版では昼日中だったような気がしてたんだけど、違った
かな。このドラマでは夜だった。最終回を観終わってから検索して、映画版について記
憶を補完したところ、やはり昼でした。あと、以前の感想でも記した通り、ドラマ版で
長峰を演じた竹野内豊は、映画版では長峰を追う刑事の一人だったんですが、刑事の中
でも織部だったのね。絶対に狙ってのキャスティングだ。(^^)
 その他、ドラマと映画とで細かな改変はありましたが、結末はやはりいじられること
なく、テーマを粛々と打ち出した感じ。
 長峰への情報提供者に関する物語上の仕掛けについては、映画版に比べれば作者の意
図が伝わりやすくなった印象。というか映画版のレビューの中には、情報提供者につい
ての仕掛けに触れずに済ませているのが多々ある。もしかして、情報提供者のネタは映
画版では採用されなかったのかしらん? 記憶が……。(^^;;
 他にも、ペンションの父娘で長峰に共感するのが、映画とドラマとでは入れ違ってい
たり、長峰に同情的な刑事が映画では織部だったのが、ドラマでは違う刑事だったり
と、ほんと細かい。
 一番異なったのは、長峰の銃に込められていた弾でしょう。ドラマ版の方が原作小説
に忠実らしい。テーマとの整合性から言って、そりゃそうだわなと納得。
 こうなってくると、どうして映画版はあの筋書きでゴーサインが出たのかが不思議。
テーマを問うのにできる限りマイルドにしようとしたのかもしれないけど、それにして
も変えちゃいけない部分まで変えている。

 ではでは。




#1832/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/28  21:20  ( 42)
しない不思議   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第十回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 前回のポイント列挙が長くなったので、今回は短めになるよう心掛けます。(^^)

・阪神特殊鋼の現状を精査し、阪神銀行をはじめとする数校は手を引くことを示唆。大
同銀行の三雲は食い下がるも、メインバンクである阪神銀行と出資比率の順位が逆転し
ていたことを知り、疑心暗鬼に。阪神銀行の大介は特殊鋼の銭高の独断でこうなったん
だろうと、自らの関与を否定(実際は銭高に命じてやらせた)。
・鉄平は資金繰りなどで奔走。だが三雲に経理面での弱さを指摘され、うまく弁明でき
ない。出資比率の件も三雲から聞かされて初めて知る。銭高に「親父(大介)に指示さ
れたのではないか」と疑いを向けるも、銭高はあくまで自分の独断だと証言。
・苦境にありながら阪神特殊鋼の高炉建設再開。二子は思いを寄せる一之瀬に改めて告
白(事故前の段階で、高炉が完成するまで待つとしていたため)。一之瀬も受ける。
・大介はそんなことお構いなしに二子と細川の結婚話を進め、首相に披露宴に招待する
旨を伝える。銀行合併の話についても、大蔵大臣になら好きなように物を言っていいと
のお墨付きを得る。
・実家に戻った万樹子は銀平自ら来ることを期待しているが、銀平にその気なし。
・大同銀行の綿貫専務は多数派工作のため組合に接近。生え抜き派の代表として日銀進
駐軍(天下り派)と対決姿勢であることを表明し、支持を得る。
・三雲は阪神特殊鋼を救うべく、日銀総裁に日銀決済をしてくれるよう直談判。本来、
銀行を救うためのものである日銀決済は適用できないと反対され、三雲は特殊鋼の窮地
は大同銀行にとって大いなる危機だと訴える。が、結局は断られる。
・阪神特殊鋼に対してどうするか最終判断を伝える場で、大介は鉄平に会社更生法の適
用を提案。あとは帝国製鉄の関連会社に引き取ってもらうプランであるとも告げる。鉄
平は懊悩の果てに自分は責任を取って辞めるが、阪神特殊鋼だけは会社として残してく
ださいと頼み込む。だだ大介は拒否。会社更生法の適用は提案ではなく、宣告であっ
た。

 こんなところが今回のポイントでした。
 銭高が不安を覚えながらも大介の指示に従っているのが、喜劇めいているなあ。そも
そも、独断で帳簿操作していたという銭高を、阪神特殊鋼は会社として告訴することは
ないのかしらん? 現状でそんなことすれば世評が悪くなって、まずいからしないのか
な?
 何もしていないと言えば、実家に引っ込んだ万樹子。てっきり、万俵家の秘密を実の
両親に打ち明けている物だと思ったら、そうじゃなかった。連れ戻しに来た相子の前
で、夫・銀平に対する不平不満は言いたい放題だったけれども、その他は口外していな
い模様。相子は相変わらず酷くて、子供を産めなくなった責任の半分はあなた(万樹
子)にあると強い調子で言い捨てる。万樹子の母親がいる前で、こうも強く出られるも
のなのか。
 それから、鉄平と銀平が二人で酒を酌み交わすシーンが印象的。物語に劇的な変化を
もたらすものではないようでしたが、後々じわりと効いてきそうな?

 ではでは。




#1833/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/06/29  13:56  ( 15)
感想未満 「レッドアウト」     朝霞
★内容                                         21/06/29 15:10 修正 第2版
どういう場合に赤が認識できないかと考えていて
ふと思い出したのですが
昔、朝霞コマなるストリップ劇場にはまっていたのですが
そこには個室サービスなるサービスがあって
金5000円で一発やらせてくれるというサービスなのですが。
ステージのタッチショーで「このこならよさそうだ」というのを選んで
個室に行くのですが。
ステージだと蛍光灯にピンクのセロハンがまいてあるので、
乳首の色があんまり分からないんですね。
で、個室でセロハンのない蛍光灯の下で見ると結構メラニン色素が沈着していて
なんだ経産婦か、と萎えた記憶があります。


ところでみなさん
ファイザー製のワクチン、接種します?




#1834/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/29  20:45  ( 29)
三十七年前の掘り返し   永山
★内容                                         21/07/02 19:31 修正 第3版
 スカパー!お試しを利して、ホームドラマチャンネルで放送の松本清張ドラマ「地の
骨」を録画視聴。一応、ネタバレ注意です。
 原作小説は未読で、ミステリだとばかり思っていましたが、蓋を開けてみると大学教
授の座を巡る暗闘、というか表立ってのばちばちもありましたが、とにかくミステリの
要素は薄い。田村正和演じる反主流派の川西助教授が首尾よく教授の座を射止められる
かどうかが興味の焦点。ただ、このドラマにおける田村正和は、徹頭徹尾正義の人とい
う役ではなく、教授選に勝つためにはちょこちょこと悪いことにも手を染めます。主流
派の連中はそれよりもひどい悪事をやっているのだから、それを正すためには多少の不
正は許される、という意味のことを嘯きます。
 本ドラマの制作は一九八四年とあります。田村正和もさすがに若いことは若いです
が、近年の姿とあんまり変わっていないとも言える。見た目よりも、声がだいぶ違って
いたんですね。後年のようにかすれておらず、多少粗野な単語を口にしても不釣り合い
にならない。
 主流派の理事長がなかなかの切れ者で、川西助教授が頑張ってかき集めた不正の証拠
を、簡単に跳ね返す。一敗地にまみれる田村正和というのは、あんまり見た記憶がない
です。ついでに言うと、ベッドシーンも滅多にないのでは。このドラマで初めて見た気
が。
 古畑任三郎を演じ出した頃の田村正和では、大物感というか貫禄がつき始めているの
で、この助教授役は難しかった、もしくは似合わなかったかもしれません。四十年近く
前の若き田村正和が演じたからこそ、ぴたりとはまった気がします。
 クライマックスが過ぎ去り、ラスト近くで飲み屋のママさんが言った台詞のしたたか
さが効いている。結局は踊らされていただけなんだなあ、と。まあ視聴者にもっと分か
り易く明示してくれた方が、盛り上がる演出にはなったと思う。
 あと、タイトルの意味がよく分からない。と感じたので検索してみたら、なるほど 
地骨”という言葉があるのね。知らなかった。

 ではでは。

 あ、朝霧さん、拙作を読んでくださり、ありがとうございます。




#1835/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/06/30  20:12  ( 20)
首イコール頭   永山
★内容                                         21/07/02 19:31 修正 第2版
 朝霧さんの書き込みを読んで、見間違えるトリックの話。
 なるべく換えの利かない物を見間違えるという状況が成立すれば、入れ替えトリック
なりアリバイトリックなりができると思ってます。
 で、乳首。
 一卵性の双子を見分けるのに、乳首の色の違いしか差がない、というのはちょっと面
白いかも。双子が男性なら大勢の目に触れる機会もあるでしょうけど、女性なら一気に
限られてくる。
 思い付きで、筋書きをでっち上げてみると……。
 殺人事件発生、被害者は女性。一卵性双生児の片割れだと思われた。状況から、殺さ
れたのは姉の方だと警察は判断したが、実は妹の方だと知っている人物が一人だけい
た。犯人ではないのに警察に名乗り出ないのは、肉体関係を持っていたことが露見する
と困る立場にいる男だから。たとえば妻子持ちの警察官Aで、事件発覚よりも前に犯行
現場に来て遺体を見付けていた、とか。
 悩み抜いた挙げ句、正直に名乗り出るも、科学的に死んだのは姉だと分かっていると
される。Aは遺体を赤い光の下で見掛けたため、乳首の色を見間違え、結果、姉か妹か
の判断も誤ってしまった。
 ……といった感じで骨組みを作り、肉付けしていけば、ちょっと奇妙な味の変格ミス
テリ短編に仕上がるかも?

 ではでは。




#1836/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/01  20:30  ( 15)
棚卸しではなく   永山
★内容
 何となく書き込みを考える時間がなかった。
 でもパズルを捻り出す時間はあったので。

久々のなぞなぞ>
問48.

 以下の意味不明な文は暗号です。解読してくださいますか。

   「カレーが瑠璃を伏せ、釣りが手すり、てかる」


 ヒントはどうしましょう。うーん、手掛かりはなしってことで。


 ではでは。




#1837/3021 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #1836 ***
★タイトル (sab     )  21/07/02  17:26  (  5)
クイズの答え     朝霧
★内容
クイズの答えです

レールを敷設する

ではまた。




#1838/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/02  19:30  ( 28)
季違いじゃが   永山
★内容                                         21/07/02 19:34 修正 第3版
なぞなぞ>問48.の答
 朝霧さん、正解です。
 “手掛かり”はなし、ということは、暗号文から「て・が・か・り」を取り除くこと
を示唆していました。
 というかこの暗号って、ヒントがなかったら解きようがないかも。(^^;

エイティ>
 スカパー!お試しを利して、ファミリー劇場で放送の特撮「ウルトラマン80」を観
てみた。最初の放送のときもリアルタイムで何話か観た覚えがあるんですが、ほとんど
覚えていないや。ただ、オープニング曲は印象に残る名曲だと思う。
 今回視聴できたのは二十九話と三十話。ネタバレ注意ってことでお願いします。
 まずは、地方の村が、村に伝わる怪獣伝説を信じて、怪獣を村おこしの目玉にしよう
とするエピソード。ふ〜ん、とスルーしそうになったんですけど、ちょっと考えたら、
毎週、怪獣や宇宙人が出現する世界で、今さら珍しくないであろう怪獣が観光客を惹き
つけるものになり得るのかと。
 その次の回では、冒頭のナレーションの“侵略者がその恐ろしい魔の手を差し伸べる
”という表現が気になった。辞書的な意味では間違いではないけれども、“差し伸べる
”って、助けるニュアンスが強いでしょ。
 それと、寒中マラソンにおける先輩との思い出を語っておきながらそのときの模様を
表す映像が、野山や田畑が青々とした景色というのはいただけない。宇宙人が先輩に化
けていることの手掛かりとして、偽先輩が「あのときは暑かったな」と言い、後輩の方
が「先輩、勘違いしてらあ」って思うくだりがあったんですけど、映像が夏っぽいのは
結構ひどいミスではないかと。

 ではでは。

※ここ三回ほど、朝霧さんの名前を朝霞さんと誤って書いていました。すみません。
朝霧さんの書き込み中に朝霞コマとあったため、つられてしまったようです(汗)。




#1839/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/03  20:48  ( 26)
枠を十二分に活用できたか   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「IP〜サイバー捜査班」初回二時間SPを録画視聴。
ネタバレ注意です。
 テレ朝系ではよくあることのようですが、二時間と謳いつつ、実際は一時間四十八
分。一時間五十四分ぐらい枠を取ってあるのならまだしも、十二分も少なくて二時間と
言われると違和感があるなぁ。(^^;
 で、十二分も短いにもかかわらず、長く感じた。特に序盤から中盤に掛けてのテンポ
が悪くて、なかなか乗れなかったです。初回でたっぷり時間をもらったからって、キャ
ラ紹介と状況設定紹介に費やし、さらにお約束の警察内部の縄張り争いを長々と描いて
いた感じ。お約束はお約束だらこそ安定した面白さを有している場合もありますが、本
ドラマのこれは冗長かつ視聴者を苛々させる要素が強かったように思う。京都府警の
データーベースにウイルス感染させる原因を作ったくせに、全然反省しないとか。実際
の京都府警から抗議が来るんじゃないかと思えるくらいのレベルに描かれていたので
は。
 ネット関連の部分は、いくらかファンタジーな内容が混じっている気がしましたが、
まあ、その辺りから展開がスピードアップしたのだから、あれこれ言うまい。それで
も、一介の主婦然として登場した人が、ここまで技術に通じているのはさすがにずるっ
こい(^^;ような。たとえば、「一般人がどうやって毒薬を入手できたんだ?」に対する
答が、「息子の復讐のため、死ぬ気になってやれば手に入れられるさ」ならまだ納得で
きる余地があるけれども、本ドラマではその域を超えているのではないかと。それと
も、裏社会で便利なグッズが売られているのだろうか。“明日から君もハッカーだ!”
的なセットが。
 事件だけを取り出してみると凝った構成で面白みはあったんですが、偶然が割と大き
な役割を果たしているのがマイナス。しかも複数。こういうの抜きで、今回レベルの謎
を構築できるようであれば、視聴継続して様子見したい。

 ではでは。




#1840/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/04  20:58  ( 29)
“伊藤トメさんを英語圏の方に紹介してください”   永山
★内容
 一日にトマトの実20個を食べるのは大変だろうけど、ミニトマトならその倍でも
楽々入る、ということが分かった今日。(^^;

 ミステリのダイイングメッセージネタで、殺人事件の被害者がトマトを握りしめてい
たので、犯人の名前は上から読んでも下から読んでも同じ読みになる市井だ!とするよ
うなタイプが昔、よくありました。主に小学生向けの雑誌や本に載っていたクイズの類
ですけど。
 いくら子供相手とは言え、これでよく納得させていたなあと不思議に感じる。他の容
疑者として、赤坂(トマトの色)とか八尾弥助(やおやすけ……野菜に通じる)、丸山
(トマトの形状)なんて名前の人物を揃えておきながら、どうして市井に決め付けるか
の説明が皆無だった。
 昔、そういう不足を補ったダイイングメッセージ物を試みたことがありましたが、あ
まりうまくいったとは言えない出来に終わったなあ。上の例で述べると、順に、他にも
赤い物があるのにトマトを取っている、他にも野菜があるのにトマトを取っている、他
にも丸い物があるのにトマトを取っている、という風に仮説を潰していく訳ですが、結
局は無理がある。というのも、死にかけの被害者がそこまで考えて選び取ったかの証明
ができないため。ダイイングメッセージを間違った方向に解釈されないよう、熟慮して
トマトを選んだなんて、常識的にはないと判断される訳だし。
 さらに付け足すなら、ダイイングメッセージ物は原則的に答合わせができない謎なの
で、こうなるのは当たり前と言えなくもない。
 で、ふわっと思い付いたのが、答合わせできる設定にするのはどうだろうかと。ギャ
グテイストにして、名探偵がダイイングメッセージの謎を含めて、全てを解決したあ
と、霊的存在になった被害者に、ダイイングメッセージの意図を尋ねに行くという…
…。かなり短い分量で済むでしょうから、数を増やして短編集の体裁にしなくちゃいけ
ないかな。バリエーションが少なそうなのがネック。わざわざ聞きに行くからには、探
偵は誤答しており、被害者自身の口から意外な正解が語られる、というパターンはほぼ
固定でしょうから、他にどこで差を出せるのか……うーん。

 ではでは。




#1841/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/05  19:06  ( 38)
拾われていない伏線が多いような   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第十一回を録画視聴。ネタバレ注意です。

・阪神特殊鋼の会社更生法の適用申請が受理され、倒産が決まる。
・納得が行かない鉄平は、父大介に対して、「非常勤の社外取締役にもかかわらず、故
意に阪神特殊鋼を倒産するよう仕向けた」として、告訴する。
・親子間で告訴合戦になるのを避けたい大介は、鉄平を訪ねて、帝国製鉄への身売りを
撤回できるよう取り計らうことを条件に、告訴を取り下げるように頼む。鉄平は受け入
れるが、実際に撤回が決まらない内は告訴の取り下げはしない。
・鉄平への譲歩は大介にとって時間稼ぎに過ぎず、阪神特殊鋼の管財人として帝国製鉄
の人間を送り込む工作をする。
・結果、鉄平は取締役専務を解任され、会社を追われる。一之瀬ら鉄平を慕う社員多
数。一緒に辞めるとまで言い出す彼らを押しとどめる。
・一之瀬は二子に会い、阪神特殊鋼を辞めたと告げる。米国に渡り、鉄の仕事を続けた
い、目処が立ったら迎えに来ていいかと言う彼に対し、二子は応じる。
・鉄平は父からもらった邸宅には居られないとして、引っ越しを決意。退去する日を目
前に、家族らに挨拶して回る。両親それぞれにかねてから疑問だった己の出生(母と祖
父との間の子ではないのか?)について問うと、父からは否定されたが、母は暗に認め
る反応。
・鉄平の去り際、銀平が呼び止める。(父の策略を事前に知りながら)力になれなかっ
たことを詫びる弟に対し、鉄平は(事情を知らない故か)「落ち着いたらまたいつか一
緒に酒を酌み交わそう」と約束して去る。
・大同銀行の綿貫は阪神銀行との合併に舵を切るべく、この合併が自行に有利なものだ
と説き、同志を集める。連判状をこしらえ結束した後、大介のセッティングで大蔵大臣
の使いの者と会い、覚悟の程を示す。

 以上が今回のポイントだったと思います。
 展開予想を外すことがどうも多くなったなぁ。(^^; 切り捨てられるとみていた銭高
については、画面にちらと映ることはあっても、出番なし。鉄平の元恋人にしても、存
在を忘れられたかのようにスルー。このまま何もないのなら、演出にやや問題あるんじ
ゃないかと言いたくなる(笑)。
 鉄平の出生に関して、弟の銀平も父の兄に対する扱いが余りに厳しく酷いことを不審
がり、理由を問う場面がありました。ここでも大介は「長男だからだ」として、真実?
を認めないけど、銀平は父親に対して割と物言う感じになっているのね。
 次週で最終回。一家庭での出来事に過ぎない、でも壮大な物語にどんな決着をしてみ
せるのか、期待が高まります。ハッピーエンドの予感がまったくしない。けど、予想が
ここまでよく外れているので、案外か?

 ではでは。




#1842/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/06  17:19  ( 27)
視聴計画重複回避至極困難   永山
★内容
 スカパー!お試しを利して、日本映画チャンネルで放送の松本清張ドラマ「知られざ
る動機」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作小説は松本清張「新開地の事件」とのことで、未読です。タイトル変更の理由が
ちょっと気になる。
 元々は、地上波の日本テレビ系列、火曜サスペンス劇場枠で一九八三年に放送された
ものらしいです。
 さすがに古めかしいかと思ったけれども、それは全体の雰囲気だけで、物語としては
さほど違和感なし。携帯電話の類がないことを除けば、充分に鑑賞に堪えうる。
 ただし、お茶の間的には、今の時代、ちょっと厳しいかもしれない。これといったア
ダルトシーンがある訳ではないんですが、夫と母親が肉体関係を持っているという設定
が、結構生々しく描かれており、しかもねちっこい。母親役の俳優の演技と相まって、
生理的にとても嫌な感じ。
 この母親が自己中心で気分屋で、自分のためになら平気で嘘をつく。行動原理も一見
すると支離滅裂で、何考えているのか理解しがたい場面も幾度かあった。殺人が起きな
い方がおかしいぐらい。
 事件の構成、謎の設定は現代のミステリに慣れた視聴者目線で言うと、シンプルな方
でしょう。根拠はなくても想像が付きやすい真相でしたので、驚きは薄い。作中の刑事
が述べた手掛かり・根拠は面白かった。
 翻って、ドラマのタイトル「知られざる動機」ですが、ぴんと来ません。確かに動機
は、作中人物にとっては知らないものだったでしょうけど、視聴者には分かり切ったこ
となので。そんなこと言い出したら、犯行動機の大半は知られざるものになる。
 いや、もちろん、ある人物がある行動を取ることによって利益を得ており、ここを差
して知られざる動機と呼ぶのは、分からなくもありませんが……それでもやはり弱いと
思う。
 「知られざる犯意」か「殺意は幾重にも重なる」ぐらいが適当じゃないかなと。

 ではでは。




#1843/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/07  20:00  ( 43)
すっぱいスパイ酢   永山
★内容
 スカパー!お試しを利して、日本映画チャンネルで放送の松本清張ドラマ「風の息」
を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作小説は松本清張の同名小説で、未読です。有名な飛行機事故を扱った作品だとし
て概略を知っていた程度。
 昭和二十七年四月に発生した日本航空もく星号墜落事故を題材に取った謀略サスペン
ス物になるのかな。事故から十三年が経った昭和四十年。当時航空管制を受け持ってい
たジョンソン基地の管制官が、もく星号に対して、高さ約二千五百フィートの大島に向
けて高度二千フィートで飛行する指示を出素という不可解な事実に端を発し、調査を進
める男女。程なくして、米軍による隠蔽・陰謀があったのではないかとの仮説に至る。
だがすでに、この事故の真相を追った者達や重要な目撃者・証人たり得る人物らが、揃
って事故死を遂げている。主役二人も、証拠を求めて関係者に当たっていく内に、危険
が迫る。
 と、あらすじを記すとざっとこんな具合になります。
 正直なところ、出だしの事実に基づく部分は、不可解な点を分かり易く提示してお
り、引き込まれるのですが、その後の展開がいけない。一介の大学院生が大島を旅し
て、墜落現場でアクセサリーを拾う。それを趣味仲間の記者や古書店主に見せると、事
故の犠牲者で唯一の女性客の持ち物かもしれないと言い出す。さらに古書店に飛行機関
連の書物ばかりをまとめて売りに来た女性の話になって、その中にもく星号事故に関係
するメモ書きがあった。――ここまででもかなり偶然が働いています。
 大学院生は記者と店主に言われ、同様の書籍がもっとないかを聞きに、売主の家を訪
れる。そこでたまたま女が追い返される場面に出くわす。女はもく星号事故の真相解明
に執念を燃やしており、何年も調べている。
 で、大学院生も何故か本格的な調査を開始。最初は女に翻弄されるも、いつしか共に
行動するようになっていった。この辺の大学院生の行動原理が分からない。身近な人や
親戚が同事故で亡くなっているとかでなく、単なる興味らしい。一応、もく星号に取り
憑かれたと表現していたけど。最初から新聞記者か何か職業的な理由で調査する立場の
人間にしておけばいいのに、どうして大学院生を主役として動かしたんだろう?
 また、調査の過程で日本のあちこちを回るんですが、何だか恣意的なものを感じたで
す。各地を満遍なく出しておこう、みたいな。この手法ならいくらでも分量を稼げそ
う。
 もしかすると、本作は全国紙誌の連載小説で読者サービスとして各地を出したのか
な、と思ったんですが、調べてみると本作は連載は連載でも、「赤旗」に掲載されてい
たとか。読者サービスとは無縁そう? うーん。
 もう一点、感心しなかったのは、サスペンス感があんまり伝わって来なかった点。主
役二人が、怪しい影に気付いて緊張した面持ちで警戒を高めるんですが、それがほとん
ど視聴者には届いていないのではと思えた。型にはまったスリラーってな色合いが濃
く、いまいち乗れなかったな。
 CIA・米国のスパイは外国人とは限らない、日本人にもいる、という話を台詞に出
してきたから、当然、意外な日本人スパイの正体が終盤になって明かされるんだろうと
思ってました。が、スパイの出て来る気配は一切なく、終わった。暗示じゃなかった
のー?(^^;と逆に騙された気分になってしまった。

 ではでは。




#1844/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/08  20:17  ( 21)
七人vs七人   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「刑事7人」第七シーズン初回十分拡大を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 タイトルを見て、もう七シーズンもやってるのねと驚き。東山紀之をはじめとするレ
ギュラー陣が、あんまり老けていってないように見える。
 そうしたメンバー固定ながらも手を替え品を替え、刑事達の所属する部署を変えての
シリーズ継続は、次はどんな形で来るのかとちょっと楽しみ。
 という風な本ドラマのファンの期待に応じるかのように、今回は前回までの班が解体
されて、別々の部署に配属されていたレギュラーメンバー達が、どういう境遇にあっ
て、いかにして再結集するかまでに力を入れた感じ。ちょっとした仕掛けもあって、視
聴者をもてなそうと工夫を凝らしているのが伝わってきた。好感が持てます。
 並行して描かれる事件も、まずまず。独りでいるときも仮面を被った犯人ていうの
は、ちょっと戯画的に過ぎますが。
 その犯人が現場にのこのこ現れたのに対し、取り逃がす警察という構図は、このエピ
ソードを次回に続くとするからにはお約束ではあるけれども、もう少し何とかならなか
ったのかと。警察をあまりにもだめに描くと、刑事ドラマそのものが成り立たなくなる
ので要注意。
 その伝で言えば、効率化を掲げてやたらと偉そうにしている新部署の六人、特に班長
が口ほどにもなくてしらける。しかも事件そのものに絡んでいそうな、意味ありげなカ
ットがあったから、早々に退場かしらん?

 ではでは。




#1845/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/09  19:14  ( 22)
IPと打つと連想変換でアドレスと続く   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「IP〜サイバー捜査班」第二回を録画視聴。ネタバレ
注意です。
 ミステリ的には謎の設定、解決ともに平均的で、初回に比べると凝り具合が乏しく、
早くも下降線を辿り出したかもしれない。捜査一課の刑事は相変わらずぼんくらで、現
実の警察から抗議が来てんじゃないのってレベルだし。(犯人ではない)容疑者の容疑
を深めるのに、偶然を用いたのも減点要素。父親が正当防衛に近い傷害致死を起こした
ってことが、後の脅迫のネタになるというのも納得が行かない。悪い風潮の助長って気
がする。
 唯一の見所と言ったら失礼になるかもしれないけれども、動機の設定がよかったと感
じました。殺人の方じゃなくて、写真をネットに流出させた動機ね。本エピソードでは
いわゆる“いい話”にまでにはならなかったですが、持って行きようによっては“いい
話”になるでしょう。自分も同じ構造の動機を使って、『そばいる』絡みの短編で使い
たい。(^^)
 初回では自転車に乗って移動していた主役が、今回は移動するのに自転車を使った描
写なし。もしかして花街では自転車乗り入れ禁止? 調べてみたけど、よく分からなか
った。
 縦軸となりそうな、主役と女性刑事との親子関係ネタですが、とりあえずDNA鑑定
しろよと思ってたので、この流れは歓迎。次回で判明して、一応、血縁ありとなった上
で、次の展開を迎えるというのが典型的ではありますが、物語のテーマを掘り下げるに
は合っているかな。

 ではでは。




#1846/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/10  16:44  ( 22)
追加分の有効な使い方   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「緊急取調室」第4シーズン初回十分拡大を録画視聴。
ネタバレ注意です。
 俳優陣がなかなかの顔ぶれ。特に、桃井かおりを一回きりで終わらせないよねと思っ
ていたら、案の定、次回に続く、だった。通常枠を拡大してのドラマ作りにあまりよい
印象を持っていませんが、今回の本ドラマのような構成なら納得できそう。※一応、続
きの次回を観てからでないと断定はしない。(^^)
 その桃井が演じたのは、往年の革命活動家。存在感は抜群。さすがに声の張りにちょ
っぴり陰りがあるかなと時折思ったものの、“往年の”革命活動家の役なんだから、別
に問題ない、むしろ声に波がある方が合っている。元々、気だるい雰囲気でしたしね。
 初回にしていきなり組織の闇を匂わせる展開が繰り広げられ、脚本への力の入れ具合
が伝わって来ます。そして刑事部部長のむかつくことと言ったらないな。(^^; それだ
け演技が巧みってことなんでしょうけど、顔芸も込みなところが今っぽい。
 それにしても組織側も隠蔽するならするで、全力で隠すようにしなければならないの
では。偽物だと思われる爆発物なのに、爆弾処理班が爆発したと言い張り、でも通常な
ら記録のために映像に残すものなのに今回に限って映像がないとか、明らかに手落ちで
しょ。ここは別の爆発物を用意して、映像をこしらえるべきだった。まあ、そうする
と、隠蔽・陰謀を疑う端緒が失われて、ドラマの進行に支障が出るのですが。
 かつてのキントリ(緊急事案対応取調班)メンバーだった大杉漣演じる中田善次郎の
息子、山上義春が登場。これまた今回限りで終わらずに、レギュラー的扱いになる期待
感が膨らみます。

 ではでは。




#1847/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/11  19:34  ( 33)
源に雨が降ると   永山
★内容
 天気は快晴なのに、お試し中のスカパーが映らなくなって、まだ期限を迎えていない
はずなのに何で? 壊れた?と軽く焦る。Twitterで“スカパー”と検索を掛け
てみると、全国的に同様の症状が発生していると分かる、ある意味安心できた。(^^)
 どうやら配信元の機器を置いている地域に豪雨が降ったのが原因だったとかで、全国
規模のトラブルになったみたい。

 スカパー!お試しを利して、ホームドラマチャンネルで放送された松本清張ドラマ
「状況曲線」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 以前、地上波かBSで観た覚えがあるんですけど、内容をほぼ覚えていなかったので
再視聴。ところが半分以上観ても、全然思い出せないというていたらく。(^^;
 観ている間に感じていたのは、人の命が軽いなあってこと。公共工事だの談合だのの
ために、人が次々と簡単に殺されていく。しかも関わった連中の誰もが恐れ戦いたり、
悩んだり、良心の呵責に潰されそうになったりなんてしていない。当たり前のごとく、
利益を追い求めて行動している。そして身を守るためなら、共犯関係にある者でも始末
しようとする。そこまであっさり殺すのなら、いっそ単独捜査している刑事を殺した方
が、口封じになって手間が省けるんじゃないかと思えたくらい。
 で、最後のシーンで、取り調べを受ける主犯の男(実行犯として動いたのは一度きり
でしかも未遂に終わる)が急に自分が人殺しだと認識して、反省を口にするんですよ。
この場面のために、それまでずっと人命を軽く扱ってきたのかな? だとしても、随分
と極端なやり方だと感じましたが。
 当初の思惑が狂って、別の犯行にスライドしていくのは意外とうまく運んでいるなと
思った。計画通りに進まないのって普通、ぐだぐだになりそうなもんだけど、ターゲッ
トを変更して、あたかも計画通りだったみたいに進んでいたのは、ストーリー作りの観
点からも興味深い。
 序盤から中盤に掛けては、財津一郎演じる専務が身に覚えのない殺人の犯人に仕立て
られていく様がメインなんですが、他のキャラクターの視点を取っている映像なので、
完全にはのめり込めない。それどころか、実際にはこいつが怪しいんじゃないかという
のが露呈しやすくなっているのでは? なので中盤までは財津一郎演じる専務の視点を
取り、スリラー調で絵作りした方が効果的だったんじゃないかなあ。ヒッチコック作品
ぽくなりそうだけど、松本清張の小説をヒッチコック風にという組み合わせ自体が売り
になるのでは。

 ではでは。




#1848/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/12  17:23  ( 34)
外れても面白い   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」最終回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 最終回のときの倣いで、あらすじ・ポイントの列挙は省略します。

 ここに至るまで、あれやこれやとストーリー展開を予想していたんですが、大きく外
れました。
 まず、何らか他の形でハッピーエンドと呼べるものがあるんじゃないかと思っていた
のに、ほぼゼロだった。あそこであの人物が出て来ればとか、ここであの人物が斃れれ
ばとか、多少なりともハッピーエンドに持って行く分岐点はあっただろうに、そういっ
た偶然は起こらなかった。ご都合主義的な展開をなるべく排除して、現実味重視で書か
れたのが伝わってくる。
 次に、人物の登場に関連して、再登場してしかるべきと思っていた次男・銀平の元恋
人が、結局最後まで出番なし。あれれ? じゃあ何のために一度登場させたんだろう?
 銀平の心境に変化を与えたと言えば与えたかもしれないけれども、元から妻とはうま
くやる気がなかったみたいだし。
 また、とかげの尻尾切りされるに違いないと踏んでいた、銭高も最終回は登場なし。
ただし、こちらの方は大介が架空融資の件を、銭高独りの責任とする旨を議会で証言し
たので、切り捨てられたことを言外に読み取るようにということかもしれません。
 あとは、大介がここまで劇的な事柄に直面してもなお、芯はほとんど変わっていな
い、ちょっぴり揺らいだ程度で元に戻ったのも驚き。普通はもっと、人が変わったよう
なことになっても不自然じゃないくらいなのに。
 そして主要人物の一人が死を迎えます。これまでの十一話分、何度となく、ここで人
が死んでもおかしくない、サスペンスドラマだったらすでに2、3人は死んでいる等と
思っていましたが、最後に来て初めて一人が命を落とすことでとても重みのある物にな
っていた。ラストの食卓シーンと併せて、本作の見せ所、重点はここにあったんだろう
な〜。

 本筋とは無関係ですが、検索して発見した?こと。大介が部屋に飾ってある父親の肖
像画が、老け作りした木村拓哉に似ている気がしてましたが、二〇〇七年放映のテレビ
ドラマ「華麗なる一族」にて、キムタクは万俵鉄平を演じているんですねえ。そこを含
んで、肖像画をキムタクに似るよう寄せたのかなと、妄想してしまう。(^^)
 ただ、世評的には「あの肖像画は(本作の鉄平役の)向井理に髭を描き足しただけ」
という感想らしい。確かにそうでもあるけれども。(^^;

 ではでは。




#1849/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/13  20:05  ( 26)
声ワダカマリン   永山
★内容
 スカパー!お試しを利してホームドラマチャンネルで放送の松本清張ドラマ「声」を
録画視聴。ネタバレ注意です。
 時代を感じさせる作りでした。サスペンスと言うよりかスリラーです。その点は流行
り廃りがあるでしょうし、別にかまわないんです。気になったのは、あまりにも偶然多
用のお手軽な筋書きにしてあること。電話交換手A女が、殺人がまさに行われている家
へ電話する、その電話に犯人が何故か出る、犯人一味とAの夫とは仕事上のつながりが
ある、犯人はAを始末しようと勤め先まで行き、Aの同僚がAの分もタイムカードをパ
ンチするところを目撃する、記者と称して接してきた犯人にAの同僚はAを名乗る、ス
キー旅行先でAとAの同僚がたまたま同じ宿に泊まる等々、偶然のオンパレード。多少
の偶然なら物語作りに取り入れざるを得ないことはいくらでもあるでしょう。けれど
も、本作はやり過ぎの部類に入ると思う。正直言って、手を抜いているな〜って感じた
くらい。
 理由もなく次から次に不運に見舞われるタイプの物語は確かにありますけど、その場
合、そこはかとなく理不尽さを演出として匂わせるのが常道だと思います。が、本ドラ
マではそれが一切ない。ひょっとしたら大真面目なシリアス物として制作したのかもし
れません。だとしたら、だいぶ工夫が足りないな〜と。偶然を多用する場合は、せめて
視聴者(読者)にそのことをなるべく気付かせないだけの工夫が必要だと、前々から考
えております。
 よかったのは、説明的な描写が少ないこと。いや、場面によっては説明的なこともあ
りましたが、総体に必要最低限の描写で済ませている。これでも充分理解できるし、緊
張感を保てるのがいいですね。その緊張感も、先述の偶然過多のおかげで、つっこみの
連続になってしまったのが残念。
 まあ、松本清張もこんな通俗的な物を書いていたんだ(原作は未読ですが)という風
に受け止めれば、珍品を観ることができたな〜となるかも。

 ではでは。




#1850/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/14  20:12  ( 22)
幼い頃には怖く見えた   永山
★内容
 スカパー!お試しを利して、日本映画専門チャンネルで放送の松本清張ドラマ「帝銀
事件・大量殺人獄中32年の死刑囚」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 むか〜し、小学生の頃に一度地上波で観た覚えがあります。それだけ印象的だった証
で、特にラストに画面いっぱいに映る、平沢貞通の顔を表したイラストがひどく恐ろし
げなものとして記憶に残っていたので。今回、改めて見てみると、シンプルに恐ろしい
というよりも、幽鬼のようで見方によってはぞくりとする絵でした。
 内容の方もだいぶ忘れていましたが、大筋はもちろん覚えており、記憶を補完しなが
ら観ている感じになりました。当初は中毒発生と思われたため現場が荒らされてしまっ
たことによる弊害、田中邦衛演じる刑事の強い思い込みによる捜査、GHQの要請によ
る731部隊関連の捜査打ち切り、物的証拠ほぼ皆無、首実検の結果や犯人の用いた品
(とされる物)の恣意的な解釈、アリバイ証言無視と、誤審を疑われる要素に溢れてい
る。特に最後に記したアリバイに関しては、検察側が主張する犯人の行動だと、駅と犯
行現場近くに同時に現れることになるのに、証人(米軍関係者)を呼ぼうとしない。証
人は数ヶ月後に帰国(させられたとドラマ内では表現)して、それっきり。真相を究明
する気はなく、GHQの顔色を窺って決めた着地点という印象が強く残る構成でした。
 その一方で、平沢貞通に対する疑問も一通り示してはいたかな。黙秘を通した金の出
所についての仮説は省かれていたけど。
 現実を基にしているとは言えここまで重厚な作品を書く一方で、前回感想を記した
『声』みたいなのも書けるとは、松本清張の創作姿勢は相当柔軟なのかもしれない。(^
^;

 ではでは。




#1851/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/15  17:04  ( 28)
出オチにならぬよう   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「刑事7人」シーズン7第二話を録画視聴。ネタバレ注
意です。
 前後編の後編。解決編に当たる訳で盛り上がるはずなんだけど、前編で膨らんだ期待
感がちょっとしぼんだような出来映えだった。
 東山演じる天樹の推理がほとんど閃きや直感に支えられているのか、飛躍が過ぎる。
そしてそれがまた当たっている。視聴者に対して伏せられたデータが多いというのもあ
る、こういう状況だと、見ている側はああそうですかと納得するほかなくなる訳で。
 ライバル班の班長は過去の事件捜査も含めて、判断ミスを重ねている。なのに、上か
らお咎めは何もなかったのか、その類の描写はゼロ。次回以降、普通にライバル然とし
て登場したら笑ってしまうかもしれない。(^^;
 紙媒体としての捜査資料の意味がちゃんと活かされていた。また、被害者一家の次男
が美術を得意にしていることが事件解決に役立っていた。さらに、その次男が転々とし
ていた勤め先の意味。これらの点はよく行き届いていたと思います。ただ、後者の目撃
証言の方は夜、外灯のみを頼りに暗がりを見下ろすという状況下では、だいぶ無理があ
るような。
 一家殺害事件の方で、犯人は脇腹を刺され、そこそこの出血を見ている。それこそ玄
蕃に滴下血痕として残って当然なぐらいの。なのに一連の捜査で、現場から見付かった
血痕云々という話は出てこず、不思議。謎解き場面で天城が、「犯人は現場の証拠を消
してから逃走」という意味の台詞をさらっと言ったけれども、まさか血痕全てを消して
いけるとは思えない(現場は被害者の血が散乱・付着しており、犯人自身の血と区別で
きるはずがない)。結局、犯人は物凄く幸運だったことになる。が、それで済ませてい
ては、刑事ドラマや推理物は成り立たないんじゃないかなぁ。
 あとは……前回、同棲している風な描写のあった刑事二人が、実はルームシェアして
いるだけというオチがありました。とはいえ単なるルームシェアである証拠なんてある
はずもなく、どっちつかずのまま、ファンをやきもきさせながら話を進めて行くにはも
ってこいの設定になったなと。

 ではでは。




#1852/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/16  13:18  ( 22)
小説とドラマとでは違うだろうけど   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「IP〜サイバー捜査班」第三話を録画視聴。ネタバレ
注意です。
 縦軸となると思われる親子関係ネタ、まさかのDNA鑑定せず、娘が独力で判断する
ことを決意するという展開。何それ。予想を悪い意味で裏切られた気がする。ベースは
ノーマルで行った方がいいと思うのだけれど、こういう展開にすることによってのみ成
り立つ某かの秘策、見せ所でも用意してあるのだろうか。
 事件の方はネット上からスタートしたなりすまし。で、サブタイトルも「なりすま
し」。題の付け方に芸がないどころか、サブタイトルでネタバレになっているレベルだ
から問題だと思う。振り返ってみれば、第一話と第二話も似たような感じだった気がす
る。
 本エピソードの序盤の謎は、「何年間も無視され続けた女性から、急に好意的な返信
をもらい、結婚に至る。が、女性は結婚一週間で失踪する」の部分だから、これを言い
表すか暗示するようなサブタイトルが望ましい。自分なら&これが小説なら、『へんし
ん』もしくは『レスとロスと』ぐらいを付けたいところですが、テレビドラマだとこん
なふわっとしたのではだめだろうから……「移り気な新妻」辺りでどうかしらん。
 それにしても今回のエピソード、感動ネタに持っていこうとしているものの、感情移
入できる要素が不充分で、とても無理。犯罪から逃れるために犯罪を起こす構図は、う
まく処理しないと視聴者(読者)の共感を得られない、という事例の一つになった感。
 事件の捜査は携帯端末で居所を特定できるときとできないときがあるみたいで、違い
が分かるように描写して欲しい。

 ではでは。




#1853/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/17  19:50  ( 22)
桃は香り続ける   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「緊急取調室」第4シーズン第二話を録画視聴。ネタバ
レ注意です。
 前後編の後編で、桃井かおりの出番も今回までかと思いきや、どうやらこの最初のエ
ピソードがそのまま今シーズンの縦軸になる模様。となると、桃井演じる大國の終盤で
の再登場は充分にある(政治家が刑事部長を前にして、『大國が病死してくれたらいい
んだけどな〜』的な発言をしていたから、死んだという報告だけで済まされる線もない
とは言えないかな)。
 事件の方は、予想通りのところと予想外のところが混在していて結構面白い。大國が
支援者を殺したのってそんな動機?とやや拍子抜けだったけれども、考えてみると、同
局で一時間前にオンエアされたドラマ「IP〜サイバー捜査班」第三話と、意図的に似
せてきていた? どちらも、結婚と身分を隠すという二つの要素を含んでいる。もちろ
ん、単なる偶然である可能性の方が大きいとは思います。
 大國が小園の遺体をアパートから山中まで、どうやって運んだのかの説明がなかっ
た。車は小園の乗ってきた物があるとしても、アパートの部屋から車まで遺体を移動さ
せるのに人目を避けるのが大変そうだし、そのあと山中に穴を掘って埋めるのも大仕
事。果たして大國一人で実行できたのか。今後の展開でその辺は言及されるのか。(^^;
 前回の感想で、隠蔽する側の準備不足的なことに疑問を呈してみましたが、今回もよ
く分からない点が一つ。刑事部長は何故、取り調べの映像をわざわざあそこまで広範囲
に見られるようにしたのか。やばい話が出てくるのは予想が付くでしょうに。公明正大
なふりをする必要でもあったの?

 ではでは。




#1854/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/07/19  12:36  ( 11)
感想>「アイは朧気」【ネタバレ注意】 朝霧
★内容

最初、新藤と小百合は同級生かと思いますよね。50歳同士で。
そして、同級生の利穗子が事件をきっかけに接触してきた、と。
ところがそうではなく、生徒と先生だった。
ここらへんから、目がくらんできて、これって叙述か?と思ったのですが。
まあ、オチとしては、そういう事でしたか。
歌野晶午「葉桜の季節に君を想うということ」ってこんな感じなのだろうか
などと思いました。未読ですが。


ではまた。




#1855/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/07/19  20:09  ( 19)
『葉桜の季節に君を想うということ』も一応ネタバレ注意  永山
★内容
感想レス>『アイは朧気』 ※一応、ネタバレ注意
 朝霧さん、拙作を読んでくださり、ありがとうございます。

 本作を書いたのがだいぶ昔と言うこともあり、私自身、再読時の途中、ちょっぴり混
乱したというか戸惑いました(汗)。ややこしめの叙述トリックを仕掛けたら、自分の
作品でも楽しみながら読める場合があるという……。(^^;

 ちなみに、歌野晶午『葉桜・』はもっともっと凝った叙述トリックでした。私も実は
未読なんですけど、ミステリ関係の検索をしていたらたまたまネタバレ評論している
ページが表示され、つい目が行ってしまった。で、もうあきらめて、その評論を全部読
んだので、どういう仕掛けをしているのかざっくりと把握している次第。これくらいは
書いてもいいと思いますので書きますと……確か、四つ(四種類)の錯誤を実現してい
ました。それでいてちゃんと作中の事件もミステリとして解決している模様です。作中
の事件そのものの解説はなかった(別ページにあるのかもしれません)ため、どうして
これで一見、恋愛小説のように読めるとされているのかが分からない。なので、いずれ
本編を読むつもりでいます。願わくば、この叙述トリックの詳細も忘れられたら、『葉
桜・』を思う存分味わえるだろうなぁ(笑)。

 ではでは。




「◇フレッシュボイス2」一覧



オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE