AWC ◇フレッシュボイス2



#1696/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/01/31  19:48  ( 40)
答を知りたがる理由の答を知りたい   永山
★内容                                         21/01/31 22:16 修正 第2版
『カクヨムコンのどんでん返し部門に参加してみたら、最終章だけ読んでいく人がいる
とです。』――ヒロシです風に。(^^;
 章題にちゃんと“終”と付してあるので、クライマックスと分かっているはず。なの
に何で最後のみ読もうとするのか、理由を想像してみるに……まあ、大雑把に言って二
つしかないんじゃないでしょうか。

・手っ取り早くオチだけ知ろうとした。部門が「どんでん返し」だし。

・間違えてクリックした。


 後者はともかくとして、前者の場合、ではどうして全体を読まずにオチだけ知りたが
るのか。

 ・素人の作品なんて頭っからちんたら読んでいられるかいっ、オチだけ分かれば充
分。
 ・パクりか否かチェックするため。
 ・自作のネタと被っていないか確認するため。

 これぐらいかな?
 いずれにしたって、どんなネタなのかを知ろうと思ったら、最低限一つ前の章から読
まないと恐らく意味が分からない。作者の腹づもりとしては、いい場面で切って、次の
章でどんでん返しになるように配分したから。ただ、ラストを読めばそういう構成であ
ることは明白なので、一つ前に戻って読むのが普通だろうに、その形跡なし。
 そこで新たに思い付いた理由。

・自作への投票(カクヨムコンだと星を投げることが一番ウェイトが大きいのかな?)
を誘発するために、手頃な参加作品を探していた。

 ここでいう手頃とは、コメントを付けやすい作品かつライバルになり得ない作品とな
りましょうか。そのためにはラストだけでも読んで、内容を大まかに把握する必要があ
る。
 実際には星も何も付けられていないので、内容把握が難しい、コメントしにくいと判
断して敬遠したのかな、なんて妄想が膨らむ。(^^;

 そういえば一昨年の今頃、カクヨムコンの選考方法を読んで、“読者選考”とあるの
を最初勘違いしたのを思い出します。一人何票権利があって、どこに投票ボタンがある
んだろうって。

 ではでは。




#1697/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/01  19:51  ( 28)
あるいは主人公症候群   永山
★内容
 NHKBSプレミアムで放送のドラマ「明治開化 新十郎探偵帖」第七話『終局の一
手』を録画視聴。ネタバレ注意です。
 うーん。このドラマ自体にどうも期待しすぎていたのかもしれないと、ここに来て不
安になってきたです。今回のエピソードはミステリとしては最低レベルと言えそう。と
いうのも、捜査の過程で大きな見落としがあるように思えてならないので。
 友人を訪ねた警察の大警視が囲碁を打っていると、茶節を出され、ともに口を付け
る。その後、友人は死亡。検査の結果、茶節からは毒物が検出された。友人宅の台所を
調べると、茶節の材料を入れる小さな容器に毒の実が混ぜられていたと判明。――ここ
で考えて当然なのは、署長も同じ毒を摂取してしまったのではないか?ということのは
ず。警察官は真っ先に署長の身を案じなければならないだろうに、そんな様子は皆無で
で、それどころか署長の取り調べに精を出している。署長自身も身の潔白を証明するの
に必死で、ある意味のんきなものです。
 でもまあ、そんな可能性に署長や警察官が気付かないことも、起こり得ないとは言い
切れない。なので私、この点はスルーして、署長には毒が渡らず、被害者にだけ毒が渡
るようにするトリックがあるのかと考え始めたのですが……やがて明かされた真相で
は、被害者に恨みを持つ者が台所に忍び込んで、容器にこっそり毒を入れたことになっ
ていました。じゃあつまり、署長が毒で死なないどころか、まったく被害を蒙らなかっ
たのは単なる偶然、幸運? ミステリでそれはないでしょう、と力の抜ける内容でし
た。
 他には、毒殺されて最後のメッセージが犯人の名前ではなく、財産の隠し場所を示す
としていたというのは、これだけではありきたりかもしれませんけど、西郷隆盛のため
に使って欲しいという背景があるのがこの時代ならではの動機と言えそうでよかった。

 なお、原作に当たるらしい坂口安吾「石の下」もこんな出来映えなのかな、信じられ
んと思いまして、調べてみると青空文庫に入っていてネットで読めました。で、別物と
言っていいくらい小説とドラマとで違うやん。

 ではでは。




#1698/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/02  20:27  ( 30)
大金巡って小銭愛(こぜりあい)   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第三回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 初回で住専問題の大まかな説明、第二回で主要登場人物をそれぞれ描いて、ドラマと
しては今回からがいよいよ本番という位置付けかな? 主に時間を割いて描かれたの
は、トッカイ内部でのいざこざ。銀行から出向してきた面々と、旧住専から移された
面々との間には見えない壁みたいなものがあって、銀行側は住専が引き起こした問題を
俺達が(銀行から外に出されてまで)何で尻拭いしなきゃいけないんだと思っているの
に対し、旧住専の社員だった側はそもそも銀行がカバーしきれないところに融資してい
たのが住専でその結果、破綻したのだから銀行にも責任があるというスタンス。現実の
住専問題でも似たようなことが起きていたに違いないと思わせる、リアルさを伴った流
れでした。付随して、銀行から出されている社員は、トッカイを含む管理機構の動きを
レポートにして提出せよと密かに命じられているケースもあったようで。そのような行
為は利益相反でだめなんだけど、銀行側も出しているからには旨味がないとやっていら
れないといったところでしょうか。
 次いで描かれたのは、大口の負債先のいわゆる暴力団の存在。真っ当な企業の担保物
権であるビルを暴力団が占拠して、立ち退きに応じない。それどころか主人公らの説明
や要請を一切無視して、「うちには金返すぐらいやったら人一人殺す方が手っ取り早い
と考える奴がなんぼでもおる」と脅してくる。
 萩原聖人演じる銀行出身の副班長がやる気のないキャラで、「暴力団とまともにやり
合っても意味がない住専問題なんかで命を落としてたらそれこそ犬死にでしょ」云々と
主人公に言い放つ。主人公は先輩を殺されているから一瞬激高して副班長に詰め寄る
も、矛を収める。この辺のシーンはとてもよかった。
 仲村トオル演じる“京都の怪商”とあだ名される男が初回から登場していて、土地転
がしやビル転がしで儲けたのはもちろん、古都税廃止にも一枚噛んで力を得た模様。そ
して今度はガソリンに関する規制緩和を利して儲けようと企んでいる。男にとって全て
はゲーム。トッカイが相手なら楽しませてくれるだろうと嘯く……んですが、ここでど
うしてトッカイが相手になるのかの説明がないので詳細が分からない(汗)。切れ者っ
ぽい雰囲気が格好いい。(^^;

 ではでは。




#1699/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/03  19:51  ( 28)
共通点はなんだろな   永山
★内容
 唐沢寿明と香取慎吾の芸能的共通点を挙げよと言われたら?
 ドラマ「古畑任三郎」シリーズ、ドラマ「探偵ガリレオ」シリーズの双方で犯人役を
務めた。
 というのをふと考え付いたんですけど、他にもこの条件に当てはまる人っているのか
な?
 ちなみに山城新伍は「古畑任三郎」シリーズで犯人役を務め、かつ、ドラマ「刑事コ
ロンボ」シリーズで犯人役の日本語吹き替えをやった唯一の人、らしいです。


 BSテレ東などで放送のドラマ「あなた犯人じゃありません」第三回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 初回よりも第二回、第二回よりも今回(第三回)と、よくなっているのは分かる。初
回は状況説明やキャラ紹介でごちゃごちゃしていたのがマイナスになったのかもしれ
ず。
 ストーリーに捻りを入れてきたかと思った告発でしたが、告発された者がすぐに自供
するので、結局いつもと同じになったのは残念。まあ、コンセプトに忠実とも言えます
が。
 (今回の自称犯人が)偽りの自供をする理由の説明もありましたが、これで警察が納
得するのがあり得ない。偽りの自供は罪だという認識を欠いたまま物語を作っているよ
うな。
 犯人否定のロジックは特段、凄いって訳ではないものの堅実なネタ。どこかで見た雰
囲気だと感じて思い起こしてみると、「安楽椅子探偵」シリーズの証拠探しに似ている
かも。動画をじーっと目を皿のようにしておかしなところを見付けて真実を導き出す。
 自分の耳の聞こえが悪くなったせいなのか、台詞がひどく聞き取りづらいし、音楽が
動画撮影時のものなのか後から編集で付け足したBGMなのか、それともドラマ自体の
BGMなのか、はっきりしないのはストレスだった。

 ではでは。




#1700/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/05  21:24  ( 16)
今日は短め   永山
★内容
 Windowsのアップデートに掛かる時間がえらく長い。最近は短めのばかりだっ
たから久々、というかどこか具合がおかしいんじゃないかと。

 パソコンの具合がおかしいと言えば、使用中、急にタッチパネルが反応しなくなる現
象が出るようになった。複数の窓を開いてる状態で、ある一つだけ反応しなくなる。他
の窓ではちゃんと反応するし、問題の生じている窓を閉じて新たに開いた分は、正常に
反応する。
 広告か何かの読み込みに失敗して、何度も読み込みを繰り返すせいかとも思って観察
してたんですが、どうも違う気がする。

 もう済んだことだけどスニーカー大賞の応募フォーム。
 某巨大掲示板での関係するスレッドで、問い合わせた人がいてその問い合わせから程
なくして直ったみたい。
 てことは、公式ツイッターに呟き質問しても見逃されるケースが多い? ^^;)

 ではでは。




#1701/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/06  19:45  ( 23)
レジェンドが多すぎる   永山
★内容
 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」第三回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 長州力に加えて武藤敬司と蝶野正洋が参戦、じゃなくて出演。ただ単に(元)プロレ
スラーを出演させただけじゃなく、曲がりなりにもストーリーに絡めてきたところは凄
く頑張っている。プロレスラー達の役者としての演技は、やっぱり本職の人達と比べる
と何枚も格落ちしますが、仕方がない。第一話で見た長州なんかは、「おお、自然な感
じになっている」と感心したのですが、初回ってことでハードルが下がっていたのと、
聞き取りづらいことで有名な長州のしゃべりが聞き取れただけでも凄い、と思ってしま
ったのかもしれず。(^^;
 内容の方は、ほぼ予想通り、介護を放り出してしまっていた長瀬が責められる流れ。
だけどそこは割とあっさり目に終わったのは意外。もっとネチネチ?と描くものとばか
り。
 本ドラマの状況を身近に感じられる人ほど、のめり込めるタイプの物語だと思うんで
すけど、それ以外も取り込もうとしてなのか、プロレスの他にも色々とぶち込んできて
いる感じ。ある登場人物の過去が語られたり、お笑い要員と思われていたキャラがちょ
っと重要な役を果たしたりと、視聴者をもてなすために細部に神経を行き届かせようと
している意志も感じられるし。
 人間国宝や後妻業介護ヘルパーの心情をたまにしか描写しないのも、物語を引っ張っ
ていく重要な点だからなんでしょう。ミステリでサスペンスを盛り上げるために、自由
自在に描写視点を選択すると、ともすれば楽をしてるな〜と感じることがあるんですけ
れど、このドラマに置いてはそういう印象は一切受けない。ジャンルの違いを加味して
も、やっぱりうまいんだと思う。

 ではでは。




#1702/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/07  19:58  ( 22)
最後までに開化したか?   永山
★内容
 NHKBSプレミアムで放送のドラマ「明治開化 新十郎探偵帖」最終話『維新の遺
言』を録画視聴。ネタバレ注意です。
 このエピソードは原作にはなく、原案の形としてもないオリジナルだそうです。
 だからという訳でもないのでしょうが、これまでに比べると真相が見えやすくなって
いる気がした。謎の設定及びその解決がシンプルにすぎる。現場に残る足跡が洋靴のそ
れだったことから、主役で探偵の新十郎に容疑が掛けられますが、まあ犯人ではあり得
ない。となると、他に洋靴を履いていた人物は一人しかいないので、そいつが犯人で決
まり、という……。せめて靴を密かに持ち出して、足跡を付けたのちに戻したという可
能性も示唆して欲しかった。
 映像のつなぎ方、構成にも問題があって、真相が非常に見えやすくなっていた。“そ
こで場面転換して、次がこれでは、芝居なんだろうなあ”って感じ。
 もう一点、さいごうたかもりを暗殺するためにやって来た人物をあぶり出すために芝
居を打ったんですが、それが分かっているんだったらもうちょっと防御を固めておくべ
きではないかと。狙撃手が狙いを付けたところへ、野球ボール大の石を投げつけて阻止
するって、あまりにも危険な橋を渡っていないかと不思議に感じます。
 新十郎の相棒・泉山が西郷隆盛に傾倒して、薩摩に残ると言い出すも、西郷からさと
されて江戸に帰る。後日、西南の役が勃発してご存知の通りの結果になるのですが、そ
のことに関して泉山が何らかの心情を語るのが流れというものだと思うんだけど、そう
いったシーンがなく、がっかり。「あのとき江戸に帰らされて、命拾いした」なんて茶
化すようなコメントはできないでしょうけど、それにしても何にもなしはないわ〜。

 ではでは。




#1703/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/08  19:35  ( 28)
135なら子午線だけど   永山
★内容                                         21/02/08 19:46 修正 第2版
 カクヨムコンの読者選考期間が二月七日で終了。
 戦前に覚悟していた以上に厳しい結果でした。壁は厚い。

 そんな泡沫候補にもならないレベルでとやかく言うのもなんですが。
 読者選考期間中の全参加作品の動向(星やPV、しおりにハートの数など)を部門別
に追った分析が、作品として挙げられているのを知って、終盤、ちらちら見ていまし
た。
 投じた自作の一つが、読者選考締め切り前々日までは分量の下限である十万字以上を
達成していると認定されていたのに、最終日の分を見てみたら、一転してクリアしてい
ないことに変わっていた。ん?となって、その前の日の分を見ているとやはり字数不足
にされている。
 何でだ? 一月三十一日までの更新分で十万字を越えていたのは間違いないし、その
後、手直しをちょっと入れたけれど文字数は増えこそすれ、減ってはいない。何が原因
でこんな計算結果が出るのか、皆目見当が付きません。ただ、上述の手直しをしたのが
二月六日だったからその影響が出ているような感じはします。
 他の人の作品でも似たような誤判定を出されているのがあるのかなと、ざっと調べて
みるも見付からず。十万文字に元から届いていない人でさらに字数が減ってる人は一人
いたかな? その人の場合、どうせ字数が足りないのだからと作品の一部を削除した可
能性もないとはいえないので、統計での不具合か否かも分からない。

 同データについては他に、最終日前日分のラブコメ部門はデータそのものがUPされ
ていない、最終日分の恋愛部門のデータが一部抜け落ちてる(下位の方)、といった点
も気付いたのだけれど、作成者の方に応援コメントか何かの形で知らせるべきなのかど
うか。
 次のコンテストでもデータのとりまとめをなさるのであれば、何らかのエラーが起き
ているのかもしれないので知らせる意味はあるんだろうけど。

 ではでは。




#1704/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/09  16:40  ( 55)
お金の話   永山
★内容
 やっとこさ“令和”の刻まれた硬貨を手にしたよ。(^^; 令和二年の十円玉だった。
“平成”はもっと早かったような印象がある。
 大都会は別として、九州とか関西とか住んでいる地域関係なしに、電子決済が広まっ
たがために、お釣りとしての硬貨の流れが以前よりも鈍くなり、手元に来るまでこんな
に年月を要したのかな。

 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第四回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 いよいよ不良債権回収本格化の巻。
 前回登場した担保物権のビルに居座っているヤクザを、法律に基づいて退去させよう
というのが今回のメイン。主人公達が動く以前にも、やはり法律に基づいて競売《けい
ばい》にかける準備を進めていたのだけれども、ヤクザの抵抗・嫌がらせもあって、建
物の資産価値ががた落ちし、入札ゼロ、競売が不成立といういきさつがあったと明かさ
れる。
 さらに退去させるには建物の所有者とのやり取りするのが法律で定められている、ヤ
クザとやり合っても意味がない――という話を副班長がするんだけど、これに対して班
長が、国が住専問題に合わせて法改正をしていることを指摘する。曰く、建物の占有者
も話し合いの対象になる云々かんぬん。
 で、思ったんだけど。いくら副班長がやる気なさげなキャラクターとして描かれてい
るからって、この法律改正を知らないなんてこと、あるのかしらん? 住専問題解決の
ための改正だろうに。だから上で記したヤクザを相手にしても仕方ないよ的発言は、こ
ういう危険な仕事はやりたくない副班長が、わざと古い法律を持ち出したのかなとも勘
ぐったんですがが……他の面々も知らなかったみたいなので、成り立たないなと。
 それはさておき、法律を執行するためには、占有している人物全員の特定が必要との
こと。問題のビルには二十一人が居住しており、どこの誰が何号室にいるかを調べ上げ
ねばならない。この難題を、身元調査する技術も経験も権限もないトッカイのメンバー
が、必死になってやり遂げる。張り込みや聞き込み、ビルに出入りした出前の人までつ
かまえて話を聞く。
 そうしてようやく全員の特定ができて、裁判所に足を運び、執行の段取りを決める。
その席には執行官の他に警察もいる。民間の案件だけどヤクザ相手なので警察が特別に
協力するという体を取るそうな。人数等から退去に通常四日はかかるという執行官に対
して、班長は数日かけていたらヤクザは仲間を呼ぶなどして難しくなりかねない、一日
でやり遂げたいと訴える。渋る執行官を刑事が説得。「素人さんがここまで調べ上げた
のに、我々が応えんでどうするっちゅうんですかいう話ですわ」大阪の刑事なので関西
弁です。この刑事のキャラがまたいい。見覚えのない男優ですが、インパクトのある格
好よさです。
 そして本番当日。午前九時に着手して日付が変わるまでに終わらせる計画で臨むトッ
カイ。ビルに乗り込むと当然ヤクザがわらわら出て来るも、さっきの刑事が強い。手慣
れた様子であしらい、どんどん進んで行く。何名かを公務執行妨害で逮捕しながら、一
部屋ずつ回って処理。最後に組長のところに到達。前回、班長を散々脅して追い返した
強面武闘派です。今度は班長も一歩も引き下がらない。ドスを机に突き立てた組長に、
あなたの胸一つで若い衆がこれ以上捕まらないで済む等、説得する。前と違ってびびら
ない班長を見直したのか、組長が折れる。ただし一つだけ条件を出してきた。こう見え
ても信心深い、神棚を持って行くから神主を呼べと。トッカイの二人が神社に飛んで行
き、神主を強引に連れて来る。(^^; そして午後十時、無事に執行完了。例の刑事が班
長に「あんたとはまた仕事することになりそうやからそんときはよろしく」みたいな挨
拶をして去って行く。約六億の債権回収につながる今回の作戦だったが、全体から見れ
ばまだ千分の一にも満たない額。それでもトッカイの面々は一時の祝杯をあげるのでし
た。
 他にも副班長が立ち退きの際に荷物を保管する場所やトラックを手配して、ちょっと
はやる気を見せたり、班長が前の銀行から求められていたレポートの提出に応じるもそ
こには「特記なし」と書いてあって元の上司が激怒したりと見所が多かった。東坊社長
が言った漢字“理”の成り立ちの話はあんまり響かなかったけど。

 ではでは。




#1705/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/10  19:32  ( 27)
“市松模様ズ”まである世界   永山
★内容
↑言うまでもないかもしれませんが、チェッカーズのこと。

 替え歌で“ちっちゃな頃から金持ちで 15で富豪と呼ばれたよ”をふと思い付い
て、検索してみたら一件だけヒットした。先に考えた人がいると分かるのも痛し痒し。
 次にTwitterで調べるともう山ほどヒットする。何でも、タレントの東MAX
がネタにしていたそうで。全然知らなかった。
 んで、もしやと思って下ネタに振り切った“不能と呼ばれたよ”や特定の髪型の人を
揶揄する“不毛と呼ばれたよ”で調べたら、これまた山ほど出て来る。ギザギザハート
鉱脈は掘り尽くされている感があるな。

 以前に言及したカクヨムコンの統計データ作品、ちゃんと訂正されていた。
 当然と言えば当然ながら私の他にもデータの変なとこに気付いた人がいて、制作者に
報告したみたい。やはり動かないといけませんな。(^^;

 BSテレ東などで放送のドラマ「あなた犯人じゃありません」第四回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 うーん、弱含みながら上向きだったのが失速したかも。今回放映分は、次回予告も含
めて警察のだめさ加減が再び露わになって、推理ドラマとしての基板を崩壊させている
ような。
 あんな場所にあった凶器を見付けられないなんて、あり得ないにも程がある。
 次回予告では刺殺ではなく毒殺だった、という流れになるらしいし、もう作中の何に
も信用がおけない。
 今回エピソードのロジックについても、視聴者には感知しづらい代物で、一緒に推理
する醍醐味が失われているとしか思えない。においを手掛かりにするとアンフェア感が
ましますけれど、手触りも同様だということが分かったのは収穫(皮肉)。

 ではでは。




#1706/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/11  21:46  ( 41)
拾ってきたお題でつらつらと   永山
★内容
 書き込みのネタが浮かばないので何かないかなと、ネットのあちこちをうろついてい
たら、小説投稿サイト関連の掲示板で、文章力・筆力の話題が出てた。
 某巨大掲示板からの引用はどこまでしていいのか把握してないので、ちょっと言い直
す形にすると、苦労せずにすらすら読めるのが「筆力のある文章」とか。
 それは確かにうなずける意見であり、一つの見識だとは思うけれども、それだけで片
付けてよいのか。気になったため、さらに検索してみると色々出て来て、まとまらなら
ない。筆力(のある文章)という単語一つ取っても、こんなにも幅があるのかと驚ける
くらい。
 私自身、改めて問われてずばりと返答できるほどの考えは持ち合わせていないんです
が、とりあえず思い浮かんだのは、リーダビリティと筆力は一緒なのか異なるのか(ちな
みに私は、今のところ「異なる派」ですね)。
 もう一点。小説関連の掲示板で筆力と出て来れば、小説の文章について言ってるのは
当然として、小説とそれ以外の文章とで言う筆力が違うのかどうか。たとえば、新聞記
事と弁論大会の原稿と小説とでは筆力の意味するところが多少重なりつつも、完全一致
からはほど遠くて、異なっているような気がする。
 話をいたずらにややこしくしてもしんどいので、小説の文章に限定した上で、リーダ
ビリティと筆力は同じか否か? これを考えようとしてふと思い出したのが、ここフレ
ッシュボイスで昔読んだ書き込み。
 (確か)リーベルGさんの諸作に関して、(確か)青木無常さんが、“読者が鼻面に
縄を通されてぐいぐい引きずり回されるような”とリーベルGさんの作品の持つリーダ
ビリティを言い表してたような……違っていたらすみません。その書き込みを読んだ当
時、非常に納得感があって印象に残ったので、ニュアンスはそう外れていないと思いま
す。(^^;
 で、それくらい読者をぐいぐい引っ張っていく文章を、“筆力”だけで片付けていい
のかどうか、ちょっと不安に駆られます。リーダビリティの方がぴんと来る感じ。あく
までも感覚的なことですが……無理にでも差を付けるとしたら、

 ・筆力のある文章:読みやすい、分かり易い文章。
 ・リーダビリティのある文章:読みやすく、分かり易く、面白く読める文章

 とするのは強弁かしらん?

 「鼻をかむためにボックスティッシュから一枚、ちり紙を抜き取った」という行為を
描写して、読者に面白く感じさせたらリーダビリティがある……いや、違うなあ。
 多分……一つ一つの文だけでなく、構成を含めて物語としての文章がよくできている
からリーダビリティが高くなる。その構成のことを筆力の範疇に含めるか否かで、捉え
方が変わってくるように思えてきました。

 さして考察せず、思い浮かぶままに書きましたので意見は変わるかもしれず。

 ではでは。




#1707/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/12  20:29  ( 34)
凍った事件の熱い展開   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「コールドケース3〜真実の扉〜」、いわゆる「日本版コールド
ケース」を継続視聴しているのですが、今シーズンは出色の出来映えという気がしてき
た。
 ここ三回ほど続けざまに傑作と感じられるエピソードが続いて、でもその一方で、所
詮は本家である米国版「コールドケース」のエピソードの翻案的なストーリーだからな
あ、どこまで評価していいのやら難しい……と思っていました。
 ですが先週放送の第九話は久しぶりの日本版オリジナルで、扱った事件が帰国した中
国残留孤児が殺されるというもの。※以下第九話『故郷』のネタバレ注意です。
 現代を(も)舞台とするドラマにおいて、今、中国残留孤児をテーマとして取り上げる
のはある意味、とてもタイムリーである一方、元来軽々しく扱えないこととも言えまし
ょう。殺人事件が起きたのは一九九七年で、未解決のまま歳月が経ち、再び事件が動き
出すのが二〇二一年。この、時の経過によるすさまじく大きな変化を、いかにドラマに
溶け込ませるのか。そんな観点から視聴していたのですが、途中からそんな分析的な目
では観られなくなった。事件が起きたのは一九九七年で、未解決のまま歳月が経ち、再
び事件が動き出すのが二〇二一年。いかに溶け込ませているかなんていうこちらの嫌ら
しいハードルは悠々(かどうかは分かりませんが ^^;)クリアしていた。
 被害者は、中国にいる間は“日本人”と罵られ、帰国を果たしてからは“中国人”と
蔑まれるという目に遭い、報われぬまま命を落とした。一方、被害者の息子は、事件発
生当時はマイナスでしかなかった中国育ちという経歴が、今やプラスに転じて成功を収
めている。まさに隔世の感。息子はこの成功により、かつて父子で暮らしていた団地の
祭り復活に援助の資金を出す、という流れがあとで効いてくる。団地も四半世紀ほどを
経て様変わりした部分とそうでない部分とがあって、今は外国人居住者の方が多いとい
う状況。そんな中、日本で暮らしてきた側の心情にも時間を割いて触れ、いまだに解決
していない問題を浮き彫りにする。
 このエピソードがいいのは、ミステリとしてもよくできていると思えた点。論理的に
犯人を指摘できるというほどではありませんが、充分に納得のできる犯人、状況、動機
が用意されていました。ちなみに犯人が誰なのかは、二時間サスペンスドラマに慣れて
いる人なら、ドラマの作り方の法則?から、始まって少しすれば想像がつくでしょう。
(^^;) それでも面白かったのだから、謎の難しさだけがミステリではない証ですね。
 さらに、解決を迎えた後のもうひと捻り。これが素晴らしい。物語を明るくする物で
はありません。むしろ逆。スパイスのようなもの。この捻りにより、一層引き締まった
作品になったなと感嘆しました。

 ではでは。




#1708/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/13  20:52  ( 23)
道成寺の鐘の中から出現するプロレスラー   永山
★内容
 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回は少しばかりエピソードを盛りすぎで、おなかいっぱいっていうやつ。しかもち
ょっとした捻りを最後になって入れてきて、解決しないまま次回に続くとなったから、
なおのこと。
 多分、最後の捻りは視聴者をちょっと驚かせようという仕掛けのつもりで入れてきた
のだと思います。大げさに言えばミステリのトリックみたいなもの。最後まで騙し通そ
うというつもりはなく、逆にちょっとでも早く察しが付くようにヒントをどかんと分か
り易く出してくれている。なので、視聴者サービスの一つなのかもしれないけれども、
このエピソード過多の回に入れなくてもいいじゃないかって、思わないでもないです。
 歌舞伎の小道具も取り入れてきて、先述のようにラストのエピソードのポイントにも
なっているのは心憎い、と言うべきかな。
 エピソード盛り込みすぎのあおりを食らったか、プロレスの場面は少なめで、大物の
業界関係者の出演もなし。その分、長瀬演じる寿一がレスラーとして覆面を付けた状態
で、親父と後妻業介護ヘルパーと遭遇する、という視聴者が見たいであろう展開を入れ
た。もっとハラハラドキドキを長引かせ、煽れたと思うんだけど、意外と短かった。こ
のあとも似たような展開があるんでしょう、多分。リアリティどうこうで言えば、覆面
を脱ぐ余裕もないなんてあり得ないでしょ!ってなるんだけど、恐らくそこはもう気に
したら負け、なのだ(笑)。

 次回予告を見ると、今回思い切りシリアスにフェイドアウトしたのに、かなりコミカ
ルなシーンがあったような。シリアスさとコミカルさのバランスを取るのか?

 ではでは。




#1709/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/14  20:00  ( 27)
いわゆる側転、もとい、則天武后   永山
★内容
 BS11で火〜土曜の朝四時からやっている中国ドラマ「武則天‐The Empress‐」
を、少し前から観るようになって。
 長い連続物のドラマを途中から視聴習慣づけるには、物語が凄く面白くて先が気にな
ったとしても、オンエア済みの展開を調べるのが難しいと挫折することもありましょ
う。ネットの時代になって、ストーリーを調べるというのはとても楽になったのは間違
いありません。公式サイトの粗筋は全てを書いてくれている訳ではないので、作品のフ
ァンが書いた感想ブログ、あるいはデータベース的なサイトの方がより流れを終えて分
かり易い。ありがたいこってす。
 物語の中身は恐らく虚実入り交じっているんでしょうけど、帝の後継争いや後宮内外
での女の戦い、国同士の戦争、さらに恋愛要素も入って、昔の昼ドラ的面白さが強く出
ている印象。のちに中国唯一の女帝になる武則天が、若いときはこんなに応援したくな
るキャラクターだったとは、ちょっと信じられん。(^^; 武則天を陥れようとする連中
が大勢いて、そいつらがいかに排除されていくのかを見届けるために、視聴者はドラマ
を観続ける、みたいなところがきっとあります。小説投稿サイトで「ざまぁ」物が人気
を博した(博している、なのかな?)のも、悪役が酷い目に遭うところを読んで、ざま
あみろと快哉を叫びたい読者心理のなせる技なんでしょうけど、共通しているなと。
 で、そもそも何でこんな時間帯のドラマに気付いて観るようになったかというと、明
け方にたまたま目が覚めてテレビを付けて、チャンネルを切り替えていたら、このドラ
マのオープニング映像が映ったんですね。
 そこに映るやや歳を食った武則天(と知るのはあとで調べてからですが)が、どう見
てもデヴィ夫人なんです。ネット検索したら同意見が多数あり、安心した(笑)。それ
でまあ出演してるはずないと分かりながら、ついつい観てしまった次第。
 ちなみに念のため調べてみると、デヴィ夫人は出演していなかったけれど、日本の男
性俳優が出ているそうな。ちょうどその人が出始めた回から観ているようなんですが、
全然分からなかった。

 ではでは。




#1710/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/15  19:46  ( 22)
特別公開も略せばトッカイ?   永山
★内容
 期間限定公開していた拙作はひとまず仮閉じ(そんな言葉があるのか知らないが)し
ます。非公開風に。

 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第五回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 今回はトッカイのメンバーの一人である岩永が、住専社員だったときに中抜きの示唆
をしたんじゃないか?と兵庫県警から容疑を掛けられ、取り調べられるのがメイン。仲
間達は岩永のために本来業務もそこそこに(ってだめじゃん ^^;)、無実を証明する手
立てを考え、動く。ずっと“やる気なし男”だった副班長も、自分のいた銀行が、中抜
き行為の舞台となった取り引きの引き金を引いたかもしれないと感じたためか、一番重
要な情報を持って来た。自分のいた(そして戻るつもりでいる)銀行が、犯罪行為では
ないとは言え、こんなことに加担していたのかと情けなくなる辺り、心境が変わってい
くきっかけとなるみたいで、なかなか丁寧な造り。
 債権回収の方は序盤で、不良債権化したビルの一角で焼き肉屋を営んでいる一家を立
ち退かせる話があって、これは借りていた一家の方も被害者、こういう被害者が実際に
は山ほどいたんだろうなと想像させられる。
 また、次の山場となるであろう、金丸の動きがちらほらと。拘置所にいたのが十五億
円の保釈金を用意して出て来て、何やら自宅?の敷地にたんまりある金を埋めたみた
い。マスコミが張り付いていそうなもんだけど、仮釈放そのものを伏せたみたいなの
で、うまくやったということなんでしょう。

 ではでは。




#1711/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/17  19:43  ( 24)
チリアーノでもなくチアリでもなく   永山
★内容
 BSテレ東などで放送のドラマ「あなた犯人じゃありません」第五回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 冒頭から急展開。これまで刺殺だと思われていた死因が、毒殺だったと判明する。何
で分かったかというと、遺体にチアノーゼが見られたから……。
 ん? 確か“チアノーゼが出た”イコール“毒殺”ではないと思うんだけど。その他
諸々調べて毒殺だと分かったんだとしたら、毒物そのものについてもある程度は判明し
ていないとおかしいのに、言及なし。
 そもそも五日も経ってそんな死因が変更になるって、捜査方針ぐちゃぐちゃで大混乱
になる。チアノーゼの有無くらいなら、五日もかからず、遺体を現場で見た段階でわか
りそうなものだし。
 で、話は前後しますが、もっとびっくりしたのが“捜査五日目”とテロップに出てる
のを五話目にして気付いたんですけど、もう五日も経っているの?と。捜査の進展が薄
い! お日様が高いときだけ捜査しているんだろうかってぐらいに。
 だいたい警察なら、虚偽の自白をした者に対して罪に問えるってことを示して、何な
ら実際に逮捕して、このふざけた状況の終結を図る可能性が極めて大と思うんだけど、
そういった動きもない。
 ここまであちこち歪みが生じてくると、辻褄を合わせるには全てお芝居でした、が一
番手っ取り早い気がする。
 実際のところ、今回までに偽りの自白をした面々は全員つながっている、一人の人物
からの命令に従って振る舞っていることは仄めかされているものの、それがお芝居とな
るとこれまた辻褄が合わないから、何か別の納得できる裏があるんだろうな、なければ
おかしい。期待してるぞ(圧力)。 

 ではでは。




#1712/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/18  22:04  ( 32)
アナクロなアナログ   永山
★内容
 録画機器の無線リモコンで、赤外線を使う方式のその一つ前のタイプってあったのか
しらん?
 子供の頃、テレビや録画機器を買い換える度に、付属のリモコンを使って、ガラス越
しでもちゃんと反応するのか、一度は試したものでした。
 そのときのおぼろげな記憶を手繰ってみると、初期の頃は効かなかったような気がす
るんです。で、少し月日が経って新しく買ったテレビのリモコンが初めてガラス越しに
でも反応した。それからはずっと効くようになって、一度だけ効かなかったことがあっ
たような……うーん、はっきりしない。メーカーや型番を覚えておらず、仮に写真など
を見て思い出したとしても、今度はどの機種どんな反応をしていたのかが、しかと覚え
ていない。(^^;
 例によってネット検索でざっと調べてみたものの、何かふわっとした書き方でしか記
載がなくて、よく分からなかった。
 それなりに世間に普及した製品で、ガラス越しには効かない無線リモコンを付属して
いたテレビもしくは録画機器があれば、ミステリの小ネタに使えると思ったので、こん
なこと調べ始めた次第。

 ミステリに使えるかもしれないと思っているもの、もう一つは、時計。
 これは将来そうなるかもしれないということで……アナログ時計を知らない世代が現
れるかどうかにかかっています。
 スマホには、デジタル表示される時計とは別に、アナログ時計の文字盤風に時刻を示
すアプリがあるそうですが、世間からアナログ時計が減っているのは間違いない流れだ
と思います。
 アナログ時計でなければならない物って何があるのか、ちょっと考えるだけでは特に
思い付かない……学校にある時計も変えていいだろうし、そもそもみんながスマホを持
てば、大勢が一度に見られるような大きな時計を設置する必要もなくなってくるかも。
 床屋の時計は鏡に映して初めて正常に読める物がありますけど、あれとて、デジタル
方式でも、スイッチ一つで鏡文字の表示切り替えできる物が作られたらいい訳で。
 ああ、でも障害者対応の時計には、針に直に触れて時刻を知るタイプがありますね。
他にもいくつかの方式があるようですが、時間を触覚で知るにはアナログ時計が一番分
かり易いかも?

 ではでは。




#1713/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/19  20:36  ( 28)
勧善懲悪叙述トリック   永山
★内容
 カクヨムで開催中のコンテスト「電撃の新文芸」、四つの“挑戦状”が部門として挙
げられているんですけど、一つ、理解しづらいものが。
 以下、要項の一部を引用。

【スカッと爽快、勧善懲悪!】
悪役令嬢、叙述トリック、コンゲーム、詐欺師etc。
胸糞悪い悪辣非道な奴らをさらなる力&知恵&悪で踏みつぶす!
舞台設定はオールジャンル、現代でもファンタジーでもゲーム世界でもどんとこい!
読み終わった後に驚いてスカッとする物語が読みたい!

 こんな風になっているのですが。
 挙例されている四つの内、悪役令嬢、コンゲーム、詐欺師はまあ分かる。勧善懲悪
の、スカッとした物語になる。コンゲームと詐欺師はめちゃくちゃ近い要素だけど、そ
こは気にしない。
 残る一つ、叙述トリックが何でここに入っているのかがよく分からない。スカッとす
る場合はあるかもしれないけれども、叙述トリックが見事に決まった作品はどちらかと
いうと、読者が唖然呆然となるか、「そうだったのか!」と膝を打つかじゃないのかし
らん。
 勧善懲悪でスカッとする叙述トリックとなると、状況がかなり限定されそう。主人公
が最悪の状況に追い詰められるも、最終盤に来てこれまで最悪と思えた諸々の状況(の
記述)が、それぞれ実は別の意味を持っていて、大逆転勝利!みたいな。うーん、財産
分与のシーンとかかな。相続を受ける実子の中で、最年長の男性なら全財産の半分を相
続できるが、女性ならたとえ相続者が一人であっても十分の一しか受け取れない的な法
律のある世界を舞台にした物語で、男女トリックを仕込めば一応成立するか。この法律
だと自分が最年長者になるべく殺し合いが起きる余地があるから、自衛のために性別を
偽るのはありだろう。このまんまだと、あんまり面白くはなさそうだけど。

 ではでは。




#1714/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/20  20:49  ( 23)
着なさいと着ちゃだめ   永山
★内容
 小説投稿サイトで作品を読んでいると、「校則で、制服を校外で着てはならないと定
められている」という意味の記述にぶつかりました。学校は中学校です。※“校外”は
“郊外”になっていたのですが、恐らく誤変換だろうと判断。
 現実の中学や高校でも、こういう校則が当たり前にあるんでしょうか? 私はその小
説で読んだのが初めてだったので結構びっくりした次第。学校の外でも制服を着なけれ
ばいけないというのは、いくらでも見聞きした覚えがありますが……。


 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」第五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回も前回に似てエピソードが多い気がするんだけど、前回よりはまとまりがあるよ
うにも感じられて、よかった。小ネタ的な物が多かったことと、一家が旅行に行けるの
かどうかという目標が示されていたことが要因として大きかったのかなと思われ。覆面
レスラーとしての正体がばれそうになっている流れで、別人を世阿弥マシンに仕立てる
というアイディアが、あっさり看破される場面は笑った。
 その一方で、前回ラストから続く次男・寿限無がこじらせてしまった件は、決着付か
ず、さらに長引きそう。ことがことだけに、簡単には収まらない案件なのは分かってい
る。ただ、そのおかげで寿限無が他のキャラクターと絡む場面が減ってしまうのは、何
だかもったいない。色々と絡んでやり取りしながら、解決に向けて進むって訳には行か
ないものかしらん。まあ、父親には新たに付き合っていた女性の存在が明かされただけ
に、なかなか丸く収まりそうにないな。
 プロレスのシーンは依然としてきっちり作ってる。本気度が窺えて嬉しい限り。(^^)

 ではでは。




#1715/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/21  21:45  ( 29)
気分的に握力ゼロ   永山
★内容
 父が斬った一本で一抱えほどの丸太を、しいたけのコマ(種みたいな物)を打ち込む
“ほだ木”として使うので、毎年のように移動しております。今年は作業に昼の四十分
を費やしたんですが、今日みたいな気温の高い日にやると、いつもの倍疲れた心地にな
る。こんな短時間でへとへとになるのは、歳を取ったせいもあるんでしょうけど、とに
かく暑かった。
 なお、運搬は猫車を使うんですが、ほだ木を載せるとだいぶはみ出すので、バランス
が取りづらく、毎度悪戦苦闘してます。今日も握力がふにゃふにゃに抜けてしまった感
覚に襲われました。

 夜の七時半頃にネット接続しようとしたら、アクセスできない。有線LANを使って
いるんで、とりあえず手元のジャックを抜き差ししてみた。が、状態は同じ。久しぶり
にルーターの不調かなと思って、機器を確かめるとランプの明滅具合から何ら問題は起
きていなさそう。
 念のため、父のパソコンを起動・接続してみると、これはうまく行く。父のパソコン
は無線LAN接続。もしかするとケーブルに不具合が起きているのかもしれない。
 でもその前にパソコンを再起動させてみようと思って触れようとしたとき、ケーブル
が差し込み口からちょっと浮いていることに気付く。はめ方が甘かったかなと、改めて
抜き差しを試みると……何か手応えがいつもと違うことに、遅まきながら気付く。
 何だろうと思って差し込み口をよく見ると、小さな紙切れが入り込んでいました。ち
ょうど差し込み口に入り込むサイズ。これが邪魔をして、接続されない状態を作り出し
ていたのはほぼ確定。
 爪楊枝を使って紙切れを慎重に引っ張り出し、ケーブルを差し込むと、やっといつも
のように接続できました。
 この紙切れがいつ入り込んだのかは不明ですが、もし仮に、入り込んだ状態のままネ
ット接続できていたんだとしたら、もっと長い間紙に気付かないまま使い続け、やがて
本格的な故障につながっていた恐れも?
 パソコン回りも時々、掃除しておかなければいけないなと感じた次第。

 ではでは。




#1716/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/22  19:56  ( 42)
家政婦は見られた!   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第六回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 今回は、物語作りの技巧という観点から見れば平凡な出来映えだったとしなければな
らないかも。というのも、今回のエピソードでキーポイントとなる出来事が、ある偶然
に端を発しているように描いてあったので。
 トッカイは、金丸に関する金の動きを全て追い、隠し資産があることを確信する。し
かも金丸のこれまで垣間見られた性格から、国内の自ら所有する土地建物のどこかに大
金を隠している公算が非常に強い。では一体どこに? すでに査察部により、捜索は行
われているのだ。金丸の自宅や所有するビル、土地などを徹底的に調べたが、金はどこ
からも出て来なかった。これでは、おいそれと二度目の調査を実行に移せるものでな
い。
 そんな折、班長らは金丸邸の住み込み家政婦に、屋外で接触(家政婦は食材を買いに
来ていた)。喫茶店にて話を聞けることになった。家政婦が言うには、金丸が仮出所す
る前日、腹心の安藤が指揮する形で大金が屋敷に運び込まれ、札束を黒いゴミ袋に小分
けして、裏庭の大きな池に次々放り込むのを見たという。そこは査察部が一度浚った池
だったが、家政婦のこの証言があれば再捜索が可能だ。翌朝にも決行する段取りを整え
た。これで金丸を潰せると思いきや、当日になって家政婦から電話。今朝早々に安藤ら
が池から金を持ち出してどこかへ運び去ったという。何故勘付かれたのか?
 実は喫茶店で班長と家政婦が話し込む様子を、店の外から目撃した安藤が店内にこっ
そり入って、班長と家政婦の会話内容に聞き耳を立てていたから。先手を打たれた班長
は、後先考えずに金丸の会社の社長室を訪れ、どこに隠したんだと詰め寄る。当然とぼ
ける金丸は、柴崎(班長)のことも覚えており、「あんたんとこの上司が百億借りてく
れって頭を下げて来よったんや。頼みもせえへんのに。あんたらとわいは同じ穴の狢
や」と喚き散らす。
 ――メインの粗筋はこんな感じなんですが、上に記した通り、喫茶店のくだりが粗
い。安藤が喫茶店の中に家政婦を見付けたのは偶然以外のなにものでもないでしょう。
もし仮に安藤が運転手役で、家政婦の買い物をサポートしていたのであれば、柴崎らは
もっと注意深く家政婦から話を聞こうとするはずだし、家政婦にしても帰途、どんな顔
をして安藤運転の車に乗ったんだろう?ってことになる。
 もちろん物語なんだから、「その偶然があったからこそこんな流れになった」という
のはあり。反面、書き手には節度が必要で、なるべく偶然を少なくするのが腕の見せ所
だとも思っています。あるいは偶然を使うにしても、できる限り偶然ぽく見せない工夫
をするのがいいんじゃないかしらん。さらにバランスを取ることも大事かな。

 よかったのは、家政婦が金丸の不利になることを話そうと思った動機。金丸は泥棒に
入られて二百万円が入った手提げ金庫を持ち去られても、ことが公になれば金があるの
が分かって債権者が押し掛けるからと、警察に届けなかった。一方、家政婦は両親が故
郷で店をやっていたが、不況で苦しくなり最後は二百万円の借金が返せなくて廃業に追
い込まれ、父親は病に倒れていた。この二百万円に対する感覚の差が、どうしても許せ
なかったという。こういう細部の設定が効いてくるのは観ていて心地いい。

 ではでは。




#1717/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/24  20:10  ( 24)
五十歩百二十五歩、ではない   永山
★内容
 BS日テレで再放送のドラマ「球形の荒野」を録画視聴。ネタバレ注意です。ドラマ
は二〇一四年版。
 主演が木村佳乃、その彼氏役で副主人公に武田真治という、現代はじけているキャラ
の二人が揃ったためか、シリアスな場面であっても絵面に緊張感がないというか。凄く
頑張っているのは分かるんだけど、周りがベテラン俳優ばかりのおかげで荷が重かった
のでは。そもそも本ドラマは“BS日テレの火曜サスペンス枠”第一回作品だったそう
で、脇を固める俳優陣を見ると力が入っているのが分かるキャスティング。てことは二
〇一四年当時は木村佳乃と武田真治も、この顔ぶれに入れておかしくない人気・実力俳
優と見なされていたってことか。(^^;
 内容で気になったところを一点だけ。父親は娘には一目会いたい気持ちを抑えきれな
かったのに、妻に対してはそうでないのは何か腑に落ちない感が。

 BSテレ東などで放送のドラマ「あなた犯人じゃありません」第六回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 もう悪い意味で泥沼にはまってる。で、制作側は泥が着いてても気にしないし、視聴
者も気にならないぐらいになってきてる。個人的には、しゃべりが出演者のほぼ全員、
聞き取れない(やむなくテレビの音量を普段の五倍近くにして視聴。他のドラマなら聞き
取りにくてもせいぜい二倍で充分)。本職の俳優は二人だけ? 今回「ぼそぼそしゃべる
な」って台詞があったんですが、私ゃもっと前から言いたかったよ(苦笑)。
 いつもの捜査じゃなく、展開を捻ってきたことだけ評価できます。今回は犯人否定の
ロジックも完全に後出しだったし、単なるドラマとして観るべきエピソードだったかな
と。

 ではでは。




#1718/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/25  20:50  ( 48)
どんでん返しと意外な**   永山
★内容                                         21/02/25 20:50 修正 第2版
 カクヨムコンのいわゆる“読者投票”が本当に作品の面白さと比例しているか、その
傾向を見るべく、ここ三週間ほどちまちまと読んでいるのですが。
 全部読むのは無理なので、絞ってみた。
 具体的には、部門はどんでん返し部門、ジャンルはミステリー及びホラー。文字数は
下限の十万字をクリアしていること。
 部門の特質から言って、完結していなければならないだろうってことで、完結済みも
条件に入れる。
 これでもまだ多いので、第6回カクヨムコンの募集要項が告知(二〇二〇年九月二十
四日)されて以降、少なくとも一度は更新されていることも条件に加えてみる。どんで
ん返し部門なんていう特殊な部門なんだから、旧作をそのまま応募するのではなく、何
らかの工夫を施してしかるべきなんじゃないかと、強引に理由付けしたです。(^^; こ
の条件の検索だと、期日以降に新規で一挙公開して一度も更新してない作品を弾いてし
まうのかどうか分からないのですが、とりあえず三桁を切る数に絞り込めました。
 こうして絞った作品を人気順に上から読んでいく……つもりでしたが、好みの文体・
設定の物とそうでない物とが当然ありますし、文字数を見て「うわ、しんどいな」って
感じたのは後回しにしがちに。さらにミステリーはホラーのちょうど倍あったので、半
分にすれば同じ数になるな、よし半数を目標にしようとなった(苦笑)。
 そこまで減らしても読めたのはやっとこさ、四分の一ぐらい。雑感を書くと、終盤に
おける意外な展開をどんでん返しとしている作品が多く、ちょっとずれている気がす
る。例えやすいのでミステリで言うなら、意外な犯人がどんでん返しと言われたら、い
や違うだろうとなるはず。私が考えるミステリにおけるどんでん返しは、

 1.された結論がきれいにひっくり返る
 2.読者が信じていた物事が小説技術でひっくり返る

 この二つが代表格かなと。
 2に「小説技術で」と記したのは、書いておかないと何でもありになってしまうか
ら。何の伏線もなしに、最後に来て「主人公は男だと思っていたでしょうけど実は女で
した」「物語の舞台、実は月でした」、あるいは「ハッピーエンドで締めくくると思い
きや、直後に火山が爆発して全員安否不明」なんて風に持って行かれても、それはどん
でん返しとは認めないよと。

 そういった個人的基準で見ていった結果、ちゃんとどんでん返しが仕込んであり、な
おかつ面白い作品はミステリでは二つ。ホラーではまだ見当たらず。
 どんでん返しがない、もしくは容易に看破できるけれども、作品はまあまあ面白いと
いうのももちろんあるんですけどね。
 なるべく上位から読んでいるので、四分の一ほどを読んだ段階で二作、いいと思える
物が出てきたのだから、人気と面白さは比例していると言ってもいいのかもしれません
が、明らかに「これ、どんでん返しが弱いだろう」って作品が、選んだ二つよりも上位
に来ているので、微妙なところ。
 ここからは逆に、下位から読む方が人気と面白さの関連性を解釈するにはいいのか
も。

 あと、部門どうこうとは関係なしに、文章がうまいのか下手なのか分からない人がい
るのね。“会話文は達者なのに、地の文が物凄く単調”とか。狙いがあってわざと淡々
と書いている風ではないみたいだし。

 ではでは。




#1719/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/26  19:53  ( 20)
ヒンズー台風の善行   永山
★内容
 往年の悪役レスラー、タイガー・ジェット・シンの財団が、日本政府から表彰され
る。東日本大震災で被害を受けた子供らへの支援他。
 プロレスファンからすれば嬉しいニュースなのですが。
 このニュースを報じるサイトのコメント欄が、「悪役レスラーが実生活ではいい人・
紳士なのは(プロレスファンの間では)有名」という旨の書き込みで溢れているのに
は、ちょっと違和感が。一部にしか知られていないのならまだしも、最早有名になった
話を何でわざわざ書くの。他の人が書いていないんだったら、一つや二つこの手の書き
込みがあっていい、なければいけないと思う反面、猫も杓子も状態だと辟易する。
 プロレスファンとして書き込むのなら、ここは「騙された!」とか「子供の人気取り
に走ったか」、あるいは「表彰の時だけ善人面しやがって!」といった風にやる方がい
いんじゃないかと。

 ソニーが“いきものがかり”のCDの帯の印刷が「いきものかがり」となってしまっ
たミスを謝罪。郵送・宅配で応交換とのこと。
 思い出した。むか〜し、書店で何気なく目を留めたJポップの楽譜の一つが、「米米
CLUB/君がいるだけげ」というタイトルになっていた。もちろん正しくは「君がい
るだけで」。いくつか置かれていたんだけど、誤りがあったのは一冊だけだったような
記憶が。買っておけばよかった?(^^;

 ではでは。




#1720/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/27  20:36  ( 21)
旅情は感じづらいものの   永山
★内容
 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」第六回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 いきなりプロレスシーンがゼロになった……と悲観することではなく、今回は旅情編
と銘打って、家族旅行の道中や出掛けた先での諸々を描いていたため。プロレスのシー
ンがなくて当たり前。入れようと思えば、プロレス団体の地方巡業ってことにして、入
れられるだろうけど。今のご時世、いかにもローカルな体育館やあるいは野外試合の絵
をこしらえるにしても、色々と制約があった大変なんだろうなと、勝手に想像。(^^;
 プロレスがない代わりに、温泉アイドル“純烈”ならぬ“純沢”を投入してきたのか
な。主人公達が負けたと思えるほどのエンターテインメント性は描けていなかった気が
するけど、まあいいか。ちゃんとストーリーに活かされていたんだし。
 その他のエピソードでは、次男の怒りが継続中で、しかも時折小爆発する程度で、解
決の糸口がなかなか見えてこない。やきもきする一方で、こんな状態でよく家族旅行に
行こうと思えるなあと。雪解けの萌芽となりそうな場面もちらほらあるけれど、解決方
法の提示があった訳でなし、時間の経過が何となく解決してしまう流れ。でもまあ、本
ドラマではちゃんと描く気がする。
 あとは、この旅行、人間国宝の全国女性行脚だったのね、どうしようもない人間性と
いうか女好きというか、よく表現されてるんだけど、腹が立つわ〜(笑)。
 最後は雨降って地固まるじゃないけれども、よく分からん内に勢いで力を合わせるこ
とになり、修復の兆候が見られて終わり。
 でも次回予告を見ると、まだまだ引っ張りそうですが。

 ではでは。




#1721/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/02/28  22:50  ( 30)
自作を漁っていたら遅くなった   永山
★内容
 何度かここフレボイの書き込みでも触れてきたことですが……小説を書くとき、年月
を経てもできる限り読者に違和感を抱かせずに読めるよう心掛けています。もちろん、
ものには限度がありますが、できれば十年二十年後に読んで、古いな〜と思われないよ
うに書けたら嬉しい。
 そんな風にしてきたつもりですが、ここに来てやはり厳しくなってきたと痛感するの
は、携帯端末の存在ですね。昔の作品にはまず出て来ない。登場人物皆が持っていると
したら「この場面で、何でわざわざ公衆電話ボックスに入るの?」「えっ、自宅の固定
電話にかけるのは何で?」となってしまう。
 もう一つ、IT関連で厳しいのは、パソコン通信をしている場面。当時は「割と新し
いことを取り上げてやったぜ!」的な気持ちもちょっとありながら書いていたシーン
が、今や違和感の塊、邪魔で邪魔でしょうがないという皮肉。(^^;
 ミステリを好んで書いてきた私にとっては、初期の拙作にはDNA鑑定がない。これ
もどうしようもないですね。血痕を採取できたのに、血液型を調べてだけで終わりって
……手直しして済むレベルじゃないなあ。血液や汗や爪や毛髪などが事件の真相解明に
関係していないのであれば、バッサリその場面を切り捨てるというやり方もできなくは
ないですけど、流れがややおかしくなりがちだし、分量も減る。そもそも、わざわざ血
液型に触れるからには、事件の手掛かりの一つになっていることが多く、血液型は判明
するもDNA鑑定は不調に終わった、としたくなるくらい。
 そんな風に、時間の経過は作品に厳しいダメージを与えるケースがほとんどでしょう
けど、たまに、手直しなしに行けるのがある。異世界ファンタジーや未来を舞台にした
作品はたいていこれに当てはまるでしょうが、他にも、時間の錯覚を利した叙述トリッ
クを用いた作品は、意外と手直しせずに現代でも通用するかもしれないと気付いた。た
だし使える年代はある程度狭められる。平成元年だと思わせておいて一九七〇年代と
か。このくらいの組み合わせなら、作中に出て来る色んな事どもを同じ言葉で表現して
もおかしくない。当然ながら、作中の“現代”と読者の“現代”は重ならないので、違
和感だらけになりますが、そこはもう昔のことなんだよと読者に承知してもらうしかな
い。叙述トリックが明かされたときに、ああこの時代設定でなければいけなかったんだ
な、と理解してもらえるはず。

 ではでは。




#1722/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/01  19:32  ( 32)
トッカイの不可解   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第七回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 前回の感想で偶然が過ぎる、ご都合主義ではないかとの趣旨で記した点について、フ
ォローがありました。泥棒の件で通報があったことで内部の人間を怪しみ、安藤が家政
婦に目を付けて尾行していたという経緯。
 うーん、そこは納得できたけれども、そのタイミングで家政婦にトッカイの面々が声
を掛け、喫茶店に入って、割と大きな声でやり取りした結果、安藤に情報が漏れたとい
う流れは、やっぱりご都合主義が多少残っているなあと言わざるを得ず。でもまあ、話
の道行きが込み入って面白くなったのだから、この程度ならよしとしなければいけない
のかも。
 さて、メインの粗筋は――金丸が隠し資産をどこへどう隠し直したかに焦点が移り、
金丸と取り引きのあった借主らに聞き込みを続けて行くと、割引債による支払いをやけ
に勧めてきたと分かる。普通に考えると金丸側にメリットはないのに。すると割引債を
よく扱っていた副班長が見解を述べる。割引債は無記名で自由に購入が可能なため、本
人が表に出なくて済む。また、資産としてかさが減って隠しやすくなる。これらの“利
点”から、金丸は池に沈めていた金を割引債に換えてどこかに隠したものと思われた。
金丸の会社に乗り込んでいったトッカイメンバーが、デスクに販促グッズがあったこと
から、一つの銀行に着目。その支店を片っ端から当たることで、金丸が社員達に割引債
を買いに行かせていたという裏付けが取れた(誰もが自由に買える割引債だが、悪用さ
れるケースもあるので各行とも割引債を買いに来たお客の特徴を覚え、メモしておくと
いう)。では割引債をどこへ隠したのか? 金丸がかつて建築基準法違反で捕まったこ
とがあると知った班長は、自らの体験も照らし合わせ、金丸興産の旧本社ビルに隠し部
屋を作り、割引債を隠したのではないかと思い至る――こんな具合。なかなか推理小説
的で面白かった。知らなかったこともたくさん出て来て、勉強になった感じ。
 金丸はこれで退場かと思いきや、一千億以上あると見込まれる資産のやっと半分を回
収しただけ。長い戦いになるのね。
 東坊社長は債権回収の成果が報じられ、国民からの人気が高まり、次期首相にとの声
も。これ以上調子づかせてはまずいと、東坊を動きづらくさせようと、国の公的な機関
と合併させる計画が進行中。穏やかでない。というか、国は現実でもこんな足を引っ張
るような真似をしていたのかしらん?

 ではでは。




#1723/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/03/02  00:27  ( 21)
不義理をしています  朝霧三郎
★内容
今年度で今のパート先が閉鎖される、
とか
仕事面でも窮地にあり、
年金はもらええても国民年金で
満額でもなく
しかしいっそのこと生活保護
という覚悟もなく
ここで資格でも取ろうか
など考えていて
ここへの書き込みから遠ざかっています。

永山さんの短編(ダイイングメッセージもの)
など読んでいるのですが
感想を書く程にはよみこめておりまでん。
期間限定のは途中まで読んだところで
期間が切れてしまいました。

とにかく歳も歳だし、
仕事はないし
いろいろブルーな日々を送っています。





#1724/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/02  19:20  ( 17)
ぎりぎりのふふ   永山
★内容
 皆さんの(外部の)作品を読めていないという意味では、私も不義理をしている訳で、
心苦しくあります。
 今は前にも触れたように、カクヨムコンの長編作品を五十編ぐらい読むつもりでいる
のですが、好みに合わない作品や、自由すぎる書きっぷりの作品が続くと、さすがにし
んどく、自分の年齢を感じます。(^^; それ以前に、どんでん返しがあると分かって作
品を読むのは、作者にとっても読者にとってもいいことないよな〜と改めて痛感してる
とこ。

 ところで期間限定を含む、拙作の“非公開風状態”ですが、“風”と付してあります
ように、あくまでも非公開にしたかのように見せているだけで、読もうと思えば読める
はずです。ページの右上辺りに「前の版」とある箇所をクリックすれば、表示されるか
と思います。

 ……というようなことをはっきり明記してしまうと、“非公開風状態”の体をなさな
くなるので、この書き込み自体も折を見て、違う文章に差し替えようかしらん。(^^)

 ではでは。




#1725/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/03  19:58  ( 15)
誰が犯人じゃなくてもいいやって気にならないために   永山
★内容
 BSテレ東などで放送のドラマ「あなた犯人じゃありません」第七回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 辻褄合わせ気味の正解に見せ掛けて、やっぱり嘘の解答なのはまあ、バレバレなんで
すけど、今回がピークな気がする。次回最終回で、これ以上の展開ができるとは考えづ
らいんですよね。次回への布石として出て来たのであろう、記憶をなくしているとか、
ご都合主義にしか感じられないので、評価が低くならざるを得ない予感。
 今回制作サイドがやりたかったことに限れば、それなりによくできたストーリーだっ
たと思います。だからこそ視聴者にとっても推理が容易であるという皮肉。あっ、疑似
タピオカの材料の話は初耳でした。
 これまでの自称犯人が勢揃いして登場しましたが、恐ろしいことにほとんど区別が付
かない(汗)。声がことごとく聞き取りづらいだけじゃなく、外見まで区別できないと
なると、いよいよ着いて行けない感じですが、あと一回だけだし、頑張って視聴する。
(^^;

 ではでは。




#1726/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/05  22:10  ( 31)
どんでんでんねん   永山
★内容
 日本版コールドケース3の最終回を観て、登場人物の死で「えっ?」となったの久し
ぶりだなと気付く。
 自分は、「登場人物の誰が――たとえレギュラーキャラクターであろうが何であろう
が――死のうと、所詮は物語の中の出来事、作者がそう決めたんだから」と、割と受け
入れる方なんですが、上記のドラマ最終回は、ほんと久々にびっくりしたし、何でここ
で死なせるの?と理不尽さも感じた。
 そんな風に感じた原因を考えてみるも、よく分からない。唐突さは多少あるものの、
それまでの仄めかしからするとあってもおかしくない範疇だし。
 とにかく、ある種のどんでん返しを食らった心地。

 カクヨムコンどんでん返し部門の作品読みを続けていたところ、とある作品のページ
がなくなっていた。
 えっと、これが噂に聞く“声かけ”か? 途中まで読んだ限りでは、狭い意味でのど
んでん返しよりも、意外な事実が最後に判明するタイプのような気配があったので、ど
んでん返し部門では拾えない、だけど別口で採用するよってことかしら……などと想像
したのですが、実際は違ってた。同時期に開催されている公募の(ネットではない)賞
の一次選考を通過したので、カクヨムコンの方の応募を取り消したものみたい(Twit
ter上で検索することを覚えた ^^;)。
 こういう、多重応募していても状況に合わせて取り下げればOK、というのがいいこ
となのか悪いことなのかの是非はどうなるんだろ。たとえ賞の応募規約で多重投降も認
めますよ、受賞が決まったときに取り下げればいいですよとなっていたとしても、文芸
というジャンル全体では衰退への一歩になりかねない? ネット投降ができるようにな
って投稿作品の使い回しは確実に増大したでしょうし、そこに加えて、多重応募もあり
となったら、ますます使い回しに拍車が掛かる、かも。少なくとも、下読み委員の人が
同じ作品を読まされる羽目になる確率は高くなったはず。
 その一方で、よい面を考えるなら、作品一つに対する可能性が広がったこと、になる
のかしらん。こちらの賞のカラーには合わなかったけれども、あちらの賞では受賞とい
うマッチングが起こり得る、ていうか実際に起きているみたいだし。なので一概にだめ
とはしづらい気もします。

 ではでは。




#1727/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/03/06  16:32  ( 31)
感想>『凶器は嵐の夜に飛ぶ』【ネタバレ注意】朝霧三郎
★内容

うーむ。
「実は交換殺人だった」とか、
「実は犯人はファンだった」とかが、
捜査関係者からぽろっと出てきてしまう感じがしました。

「実は…」に関する伏線があって、かつ、謎の提示が明確だと、
読者も謎解きに参加できるのでは。

或いは、ミステリーマニアは十分に伏線を読み取っているのかも知れませんが。
私の様な読みの浅い者には、もっと明確に、
「何で被害者は”すずき”なんて知っているんだ、なんでだ。何でぇー?」
と謎を提示されて、かつ伏線がないと、なんとなくスッキリしないのですが。

冒頭の刃こぼれした刺殺、の後に、行間をあけて、
何が別の殺人が描写されているのか、というのはなんとなく分かったのですが。
それが「交換殺人」の伏線といえばそうなのかも知れません。

ps
『遅延 〜 早く故郷に帰りたい』は結構面白かったですね。

職場にビットコインで”億り人”になったやつがいて
(実際にはいくらもっているのか分からないんですが
1ビットコイン230万の時に「”億り人”になりたいっす」とか言っていて
とうとう1ビットコイン500万を超えた時に
「日本にいたら税金が高すぎて現金に出来ない」などと言っていたので、
多分”億り人”(推定2億ぐらいもっているのでは)だと思うのですが)
そいつが、半年以上海外に居れば課税を免れる、だの言っていたのを思い出しました。


ではまた。




#1728/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/06  16:38  ( 24)
誰かの家の話   永山
★内容
 あ、朝霧さん、拙作を読んでくださってありがとうございます。(^^) レスはまた後
日ということで。


 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」第七回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 プロレス関連のシーン復活。(^^) ただ、ラストを除いてあんまり活かせてなかった
感じがする。後輩プロレスラーがスランプを脱するために体幹を鍛えたくて観山家に来
たのに、修練の場面は全くなし。コメディに振ろうと思えばいくらでも振れるネタだっ
たろうに、ちょっともったいない気が。今回も他に描くべきエピソードが多くて、盛り
込みすぎだったってことかも。
 あと、一部、意味不明なやり取りがあったんだけど、次回以降でフォローされるのか
しらん? 人間国宝が時価百万円以上とされる面を昔の愛人にプレゼントしちゃったこ
とを忘れてしまったかのように振る舞いつつ、終盤になって「あれはわざとだよ」と言
ったけれども、何のためにそんな芝居をしなくちゃいけないのか? 本当に泥棒が盗み
出していることとは全然関係がないような。さらに、息子の一人が弁護士なんだから、
「よしそれなら取り戻そう」って法的措置に動いたらどうするつもりだったんだろ?
 そして一番ピンと来なかったのは、殺気。寿一の放つ殺気がすごいって、今回急に出
て来た印象を受けた。これまでに寿一の殺気で周りの人達がたじろいだり怯んだりする
シーンが、一度でもあったっけ? ここは伏線・暗示がほしかった。
 上述の点を除けば、今回はよくできたお話だったかと思います。笑いあり泣かせあ
り、そしてお遊びも入れてきてと、お手本のよう。まあベタなんだけど、今という時代
の流行りやテクノロジーを取り入れてネタにしている辺り、うまいと思う。

 ではでは。




#1729/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/07  17:34  ( 26)
またぎりぎりに   永山
★内容
感想レス>朝霧さん
 拙作『凶器は嵐の夜に飛ぶ』並びに『遅延 〜 早く故郷に帰りたい』を読んでくださ
り、ありがとうございます。このレスは当然、前者の自作についてになります。

※以下、ネタバレ注意でお願いします。

 「実は……」と終盤で明かされる部分の伏線がないのはご指摘の通りで、力量不足・
時間不足が主な原因だろうと自己分析しています。
 ミステリとしての主眼は――最有力容疑者は北海道にいたというアリバイ、でも凶器
からは指紋が検出、まさか本当に題名通り、北海道から凶器が飛んできて刺殺したんじ
ゃあるまいし――といったところに置いたので、実は交換殺人でしたという答には読者
が想像で辿り着ければいいかなと、執筆中は思った次第です。想像するに、ミステリの
謎解きというよりは、単なる物語みたいな形になったのが、落選の大きな理由の一つか
もしれません。(関西弁風に)知らんけど。(^^;
 蛇足になりますが、構想していた段階では、包丁を剥き出しのまま逃走した犯人が交
通事故で跳ね飛ばされ、その弾みで橋の下に落ちた包丁が、たまたまそこにいた第三者
の首筋に刺さって、もう一人犠牲者が出る、しかもその遺体は川の流れに乗って遙か下
流で発見され、まったく別の事件と見なされるという、より込み入った状況にできない
かと模索していました。

 今年も同賞に、新しく自作を投じるつもりでいたのに、書き上がらないまま、気が付
いてみればもうこんな時期。自分の傾向に合うジャンルの小説投稿サイト系コンテスト
が一時期に固まりすぎているため、目移りしてしまう。それがよくないのは分かってい
るんだけど。

 ではでは。




#1730/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/08  20:34  ( 25)
昔なら成り立ったのか   永山
★内容
 BS日テレで放送の松本清張ドラマ「留守宅の事件」を録画視聴。ネタバレ注意。
 古谷一行演じる主人公の行動原理が、どうもおかしい。従姉妹に対してそこまで恋愛
感情を持っているという特殊設定が、何のためなのかが分からない。従姉妹である必要
が感じられないので、何か変だなと思って検索してみたら、同じ清張作品『箱根心中』
の設定を組み入れたとのこと。これで不可解な設定になっている理由は分かったけれど
も、何でその設定を導入したのかが分からない。初放送時(一九九六年)の流行とかじ
ゃないよね、近親相姦?
 ミステリとしては、アリバイトリックが主眼。東北を回っていた男が東京にいる妻を
どうやって殺害したのか。答――妻を密かに呼びつけて、東北で殺し、車で少しずつ東
京に運んでいった。
 で、車は盗難車というのが引っかかる。森の中みたいな場所に遺体を積んだまま放置
しておくんだけど、見つかるリスクが結構ありそう。加えて、いくら冬が近い季節だか
らといって、遺体への影響が懸念される訳だし。

 このアリバイトリック、現代あるいは放送された一九九六年の目線で眺めるからおか
しく感じるのか、それともそもそも無理があるのか? 原作小説が書かれた(連載ス
タートした)一九七一年当時なら、何の心配もなしに成立するのかというと、首を傾げ
ざるを得ないような。たとえば世の中を走っている車の台数に違いがあるんだろうけ
ど、少なければ盗難車両も目立つだろうし、多ければ車の盗難犯罪も比例して増え、結
果それだけ警戒されるだろうからやはり目に付きやすいのではないか。途中まではとて
もよくできた作品と思えただけに、もやもやするのはもったいない。
 まあ、現代にアレンジするのはともかくとして、謎の従姉妹関係設定については大い
に疑問でした。

 ではでは。




#1731/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/09  19:44  ( 35)
債権回収ドラマの伏線回収中   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第八回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 出向期間を終えて副班長・塚野が勤め先の銀行に戻ることになったが、その直後、銀
行が破綻し、経営陣が損失隠しをしていたことが明るみに出る。塚野はこれまで、トッ
カイの同僚で住専の元社員だった面々を「潰れるような会社にしか入れない人間」など
と散々見下してきた。それだけにショックは大きく、トッカイに残れるものの姿を見せ
なくなる。妻からは「私は一流銀行マンの妻になったのであって、取り立て屋の妻にな
った覚えはない」と罵られ、子を連れて出て行かれる始末。
 班長の柴崎は、本来の所属先であるあおば銀行の上司及び頭取から呼び出され、東坊
社長が銀行の責任を問うて賠償金の形で債権回収の穴埋めをしようとしていることを問
い質される。その時点で何の情報も持ち合わせていなかったこともあり、柴崎は何も言
えない。頭取は柴崎に何か分かったら知らせるようにと命じた。
 トッカイを統べる社長・東坊は、政府が推し進めようとする官民合併の詳細に憤慨し
て、官僚に直に物申しに行く。その際付き添った柴崎は、東坊が社員の今後の職のこと
まで考えて動いてくれていると知り、感じ入る。さらに塚野ら帰る銀行を失った社員を
サポートするよう、柴崎に頼んできた東坊に、柴崎は頭取からの命令を聞かないと決め
た。あおば銀行に退職届けを出した柴崎に、彼の妻は非難することなく、受け入れる。
 柴崎は何度か塚野を尋ね、状況を把握。帰る場所がなくなってしまったと嘆く塚野に
対し、東坊や自分自身の考えを伝え、トッカイで一緒に働こうと呼び掛ける。
 ――久々にちゃんとした粗筋を書いてみた。(^^; 塚野が戻って来るところで次回に
続く、と思いきや、官僚・政府サイドでは東坊が国民から人気のある内は支えるが、い
つでも下ろせるように策略を巡らせる、みたいな感じで続く。
 台詞には出て来なかったけれども、トッカイが塚野にとっての新たな帰る場所になる
ように、という心情が伝わってきた。妻の取る態度の差もコントラストが明確で、象徴
的。ただまあ、塚野の妻の反応を問答無用で非難する気にはならない。父親が銀行マン
でなくなる小さな子供の受験に響きかねないから怒っている様子なので。実際に会った
としたら、残念な人だなとは思うかも。
 気になったのは、実際にもこんなことが起きていたのかなという点。政府側の面々が
悪人過ぎるし、演じる人達もみんな悪人面。(^^; 住専問題解決のための新会社を、天
下り先がまた一つできて結構なことだと考えていたのなら、この描かれ方も当然ですけ
ど。

 ではでは。






#1732/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/10  19:27  ( 29)
青春物としてなら及第点   永山
★内容
 BSテレ東などで放送のドラマ「あなた犯人じゃありません」最終回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 うーん……想像していたラインよりはずっとよかったんですが、やっぱりミステリと
してはだめかなあ。
 前の感想にも記したように、探偵役の記憶喪失がご都合主義で、“意外な真相”のた
めの道具と化している。同じ作り手の立場から言えば、「楽してるな〜」という思いが
一番に来てしまう。せめて丹念な伏線があれば救われるのですが、主人公の記憶喪失を
示す手掛かりは皆無だったような。
 伏線と言えば、真相に至るための伏線もいささか不足気味。こちらは皆無とは言いま
せんが、脆弱な感じを受けた。伏線があっても手掛かりのレベルではなく、答を知って
から「ああ、あの場面はそうとも解釈できるね」止まりだったかなと。
 そして記憶喪失設定と並んで問題ありと思ったのは、“犯人”が最善の行動を選択し
ておらず、それ故に成り立つストーリーであること。もちろん、(犯人に限らず)登場人
物が最善の行動を採らねばならないとは言いませんが、次善か三善ぐらいに収まるレベ
ルの行動を選択してもらいたいものです。そうでないと、常識外れな登場人物のおかげ
で不可解な状況ができあがることを是認しなければならず、ミステリにならない。
 ついでに、この真相だと、警察が被害者の周辺や自宅を調べた段階で、真相につなが
る傍証がわんさかと出て来るでしょう。その意味でも成り立ちそうにない物語だった。
尤も、本ドラマに登場した警察は刑事一人だけで、本当に機能しているのかどうか非常
に怪しいんですけど。
 あと、本作の何が困るかって、“関係者が偽りの自白をするも探偵がロジックで否定
する”というユニークな設定を、こんな形で消費してしまったことじゃないかしらん。
今後、同工異曲の設定で優れたミステリが世に出ても、とりあえず「『あな犯』の真似
だね」と思われる可能性が高いのは、何となく嫌(汗)。
 別個の事件からなる連作短編にして、嘘の自白をする理由を六つぐらい創案できた
ら、シリーズ物になると思うんで、先行作品が推理小説になければ書いてみるかもしれ
ない。

 ではでは。




#1733/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/11  19:38  ( 24)
そういえば『ポワ朗』の続きが出ないなぁ   永山
★内容
 スカパー!開放を利して、ドラマ「古畑任三郎」シリーズの第一シーズンを六話ほど
視聴できた。
 その中の第二話、堺正章が犯人役の回で、今泉刑事が犯人に対して言う台詞「古畑さ
んが奈落の底で待ってます」って、結構ぞくっとするなと今さらながら感じたです。

 フジテレビ系列で放送のドラマ「名探偵勝呂武尊・死との約束」を録画視聴。ネタバ
レ注意です。
 原作はアガサ・クリスティによる一九三八年の小説「死との約束」。英国制作のドラ
マ化シリーズで、同作を観た覚えがあります。
 なので、記憶はおぼろげながら作者の企みについては覚えていました。その状態で観
ても楽しめるようになっていたかと思います。特に、原作にない天狗の要素を入れたの
は、随分と冒険したものだなと感じましたが、独自色のアップに貢献していたかと。ア
ガサ・クリスティの作品世界に、横溝正史のテイストを加えようとした感じ。うまく行
ったかどうかと問われると否と答えざるを得ません。クリスティの作品世界の方が強
く、天狗だの何だのが児戯にも等しくなってしまった。
 仮に原作を知らない、真っ新な状態で観ても、犯人が誰なのかはだいぶ分かり易い造
りになっていたようなのも気になります。手掛かりとなるヒントの配置があからさま
で、それによりある人物のアリバイがあやふやになる。これを余らせたまま解決となら
ないことは明白なので、自ずとそのある人物が容疑者の枠に入ってくる。これでは台無
しです。原作者が巧みに隠そうとした真犯人だろうに、早い段階で日の当たる場所に引
っ張り出される形になる。“一般お茶の間にも分かり易いミステリ”を目指したのかも
しれないけれど、視聴者を甘く見すぎじゃないかしらんと心配になった。

 ではでは。




#1734/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/12  17:35  ( 26)
まだまだどんでん返し   永山
★内容
 カクヨムコンどんでん返し部門の作品をまだ読んでます。ここのところ畑作業が増え
てて、一日に読める分量が減ったので時間が掛かってる。(^^;
 それはさておき、読んでいる作品のいくつかには応援コメントが寄せられており、参
考がてら私も目を通しているのですが、どんでん返しと呼びづらいネタの作品にも、ど
んでん返しを絶賛するコメントが多く書かれているのには違和感を覚えてしまいます。
信者的読者や互助組合的作者による読者コメントだから評価が甘いのか、それとも本当
に世間一般の思い描くどんでん返しはこのくらいでいいのか、どっちなんでしょ?
 一応、どんでん返しと言うからには、読者が信じた某かをひっくり返す必要があると
思うんですけど、単なる「意外な犯人・意外な真実」で終わっている作品がそこそこあ
る(実は私も最初、その程度でいいと思って作品を出してしまいました。その後、カクヨ
ム側から“ご注意”が出たので、きちんとしたどんでん返しで行くべきなんだと認識を
改めた次第)。ひっくり返すと言っても、平凡な見せかけの解決を一旦提示しておいて
ひっくり返すのでは弱い。説得力充分な解決を提示した後にさらなる真相が暴かれるの
ならどんでん返しと呼んで恥ずかしくない。

 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第一回を録画視
聴。ネタバレ注意です。
 三十一分番組なんですが、かなり濃密。初回なので制作サイドも気合いが入っていた
証かもしれませんが、なかなか楽しめそう。シャーロック・ホームズの話でよくある、
些細な事柄から隠されていることを言い当てる、あれの連打というスタイルを採ってい
ましたが、まさか第二回以降もこうなのかしらん? だとしたらネタがすぐに尽きそ
う。
 作品としてはオーソドックスな部類だと思いますが、まだ本格的な謎解きシーンにお
目手に掛かってないですし、どこかで独自色を出してきそうな気はする。

 ではでは。




#1735/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/13  16:59  ( 29)
ハラハラは、点でバラバラ   永山
★内容
 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」第八回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 一家がばらばらになる過程を描くというのは、なかなか難しい作業だと思う。家族の
人数が多ければ多いほど、それだけ家を離れる理由を用意する必要があるから。しかも
門出のようなハレの出来事ではなく、マイナスイメージの出来事でなければならない。
さらに、頭数の分だけ理由をこしらえたとして、今度はどうしてそれらがほぼ同時に起
きたのかを説明し、読者・視聴者を納得させなければいけない。普通、同時にいくつも
重なって起きやしないと見なすのが常識というものだから。
(※話は若干逸れますが、たった一つの出来事でばらばらになる展開なら、まだ比較的
描き易いかもしれない。主にサスペンスの手法かな。そうした場合、家族それぞれの立
場の違いを浮き彫りにするのは難しくなってくる気がする)
 そういう意味で、今回のエピソードは、理由はちゃんと揃っていたものの、同時に起
きた点については説明がなかった。別に、がちがちに理論武装して同時に起きたことを
説明し尽くせるようにとは言わない(実際、無理だし)。ただ、何らかの理由付けは示
して欲しかった。偶然じゃないか! ご都合主義だ!と見ている者に思われにくくする
だけでいいから。
 で、そういうところを除けば、楽しめる。あるあると思わされたり、小ネタが効いて
いたり、泣きや笑い、やるせなさや無力感といったものが詰め込んであって、いい。

 あと、ストーリーとは関係ないんでしょうけど、本ドラマの主役・長瀬が着ている服
が、アメリカンフットボール・NFLに所属するチームのジャケットであることが多い
ような。全然詳しくない私でも、ブロンコス、49ers、レイダースと分かるチーム
がいっぱい。
 長瀬演じる寿一がプロレスラーとして憧れていたのがブルーザー・ブロディで、その
ブロディがプロレスデビュー前に、NFLのワシントン・レッドスキンズ(現在はワシ
ントン・フットボールチームだそうな)に所属していたけれども、ブロディへのリスペ
クトを表すためのNFL衣装連発? いや考えすぎですね、リスペクトならレッドスキ
ンズ関連の物だけを身に付ければいい。

 ではでは。




#1736/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/15  22:31  ( 20)
大きいのも考え物   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第九回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 もう九回も観たんだっけ?と驚いた。かなり重厚で、濃いドラマなのにここまで視聴
してきて早いと感じるのは、内容が充実している証拠かな?
 毎回、密度の濃いストーリーが繰り広げられてきたと思うのですが、今回はそれに輪
を掛けて濃かった気がする。と言いますのも、これまでも同時並行的に三つぐらいの話
が進められることはあったのですが、メインは一つで、あとの二つはサブの位置付けだ
なというのが分かるようになっていたと思うんです。それがこの第九回では、三つが三
つとも重要、今後が非常に気になる流れになっていたように感じました。どれに軸足を
置いて追い掛ければいいのか、迷ってしまうほど。そのおかげで、いつも以上に濃厚な
ドラマに感じられたんじゃないかと分析。
 ストーリー以外でちょっと注文を付けてみると、主役の柴崎を演じる伊藤英明、身長
がありすぎるような気がしてきました。がたいがよくて背が高いため、たいていの場
合、相手を威圧している感じがどうしても出てしまうような。目の位置が高いし、圧も
力強さがある。これでは折角の“悪役”が登場しても、柴崎と相対すると多かれ少なか
れ小物に見えてしまうように感じられてなりません。キャスティングの失敗とは言いま
せんけど、この役者を起用するのであれば、敵と相対するシーンでは多少工夫を凝らす
必要があるんじゃないかと愚考する次第。

 ではでは。




#1737/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/16  19:46  ( 19)
探偵でLと聞くとアレを連想してしまうが   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第二、三回を録
画視聴。ネタバレ注意です。
 えらく単純な事件だなーと思っていたら、続いてくれてよかった。(^^; 初回のとき
に目立っていた探偵の小推理のオンパレードは影を潜めてしまい、残念。やっぱりあれ
は初回だからこそのキャラクターを印象づけるためのものだったのね。
 それでも、主役たる紳士探偵の過去が少しずつ紐解かれ、妹が犯罪に巻き込まれて悲
劇的な死を迎えている辺り、オーソドックスな設定で来たなあ。ただ、犯罪者に妹を殺
されているのに、主人公は武器を携帯しない主義のようで、丸腰で捜査に出向く。何か
違和感あるなぁ。
 一方で、ヒロインの上司である警察署長のキャラが立ってきた。第三回において特に
顕著で、“怒ってみせるも演技だと見透かされていて全然怖がられない”という、警察
のえらいさんにしては珍しいキャラクターかも。根は優しいってやつですかね。
 肝心の殺人事件の方は、捜査が進んでいるようなそうでもないような。遺体が見付か
ったものの、ドラマの舞台が現代ではない(一九三〇年代の上海とのこと)ので、科学
捜査で身元が特定できず、遺体の腐敗が進んでいるせいで指紋も採れない。着ている服
や小物で判断するレベル。これは別人の可能性を示唆しているのか、それともこれ自体
が引っ掛けなのか。

 ではでは。




#1738/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/17  20:23  ( 23)
外しの名探偵   永山
★内容
 四日に渡ってネット配信される東京創元社の新刊ラインナップ説明会を、ほぼリアル
タイムで視聴してます。ライブ配信じゃないんだけど、公開されるとほぼ同時に観始め
ているという意味で“リアルタイム”。
 配信するスタイルになったのは昨今の新型コロナ渦のせいですが、この方が私にはあ
りがたい気もする。(^^; それまでは会場開催で、一般読者は応募して抽選で当たらな
いと行けなかったはず。病の流行が収まって以降は、会場開催しつつ、動画配信もして
くれると嬉しい。ライブは無理だろうけど。
 配信は一日ごとにテーマ(ジャンル)が決まっていて、昨日三月十六日配信分は、国内
ミステリ編でした。
 その中で、すでに刊行済みの犯人当てアンソロジー『あなたも名探偵』に関して、執
筆者の法月綸太郎及び麻耶雄嵩が対談形式で語るVTRが流されたんで、興味津々で観
てました。
 というのも、この『あなたも名探偵』は雑誌「ミステリーズ」で行われていた犯人当
てをまとめて編んだ物。そう、私もせっせと挑戦していたあれです。結果、二度“名探
偵”に選ばれたものの、二度とも大なり小なり真相からずれているという、迷探偵でも
あるのですが。(^^;
 各作者がどのくらいの難易度のつもりで書いたのかが気になっていたので、その一端
を聞けたのはよかった。
 配信では他との兼ね合いで短めにカットされていた対談でしたが、実際には一時間ほ
ど語り合ったとのこと。それ全部観たい!と思ったら、期日未定ながら完全版を配信す
る予定があるそうな。これまたありがたい。鶴首して待ちます。(^^)

 ではでは。




#1739/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/18  20:13  ( 24)
おまけが外れ   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第四、五回を録
画視聴。ネタバレ注意です。
 もうちょっと観てからにしようかと思ってたのですが、ちょうど事件が解決を見て切
れ目を迎えたので。
 複雑になる流れだったのに、結局は単純な解決を迎えて、肩すかしを食らった気分で
す。それも、恐らく視聴者の大半が考え付くであろう“証拠”が決め手になるという展
開で、がっかり感も半端ないです。
 また、そもそも真犯人が誰かと考えてみるに、こいつしかいないだろうってくらいに
初登場時から怪しかったんですよね。まさかこのキャラが犯人じゃないだろうなという
くらい、割とありがちな設定だったので、肩すかし感に拍車が掛かったと言えるかもし
れません。
 ここからの巻き返しに期待。

 事件解決後に、“小劇場”と銘打って何か始まったのですが、意味がよく分からない
……。本編の裏話とかパロディとかになっているのは、アニメで時折見掛けますが、ド
ラマでは初めて見たです。しかもその中身が、上述の裏話やパロディではなく、レギュ
ラーキャラの掘り下げでもない。ただ単に、ヒロインが今のアパートに来る直前の話
で、ひったくり犯か何かを追い掛けて掴まえるだけ。面白くも何ともないし、キャラク
ターの意外な一面が示された訳でもない。ほんと、ただただ余った時間を埋めるための
映像にしか見えませんでした。
 このコーナー、次の区切りでもあるのかな? 特にネタがないのならやらない方いい
ような。

 ではでは。




#1740/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/19  20:07  ( 22)
車道を走るシャドー・カー   永山
★内容
 BS−TBSで放送の松本清張ドラマ「影の車」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 観始めてしばらくして、昔観たことあるやつだと思い出す。(^^; 調べてみると、二
〇〇一年二月十九日に地上波TBSで放送された模様。
 内容もだいたい覚えていたのですが、初見時には感じなかった感想としては、まずタ
イトルの意味がよく分からないこと。バスが序盤の舞台になっているものの、影の車と
いう雰囲気ではない。これも検索の結果、副産物として分かったんですけど、短編集
『影の車』に収録の「潜在光景」という作品をドラマ化したものとのこと。「潜在光
景」ならば、内容にぴたっとはまっている。主人公がかつて起こした出来事の記憶を忘
れていたのが、あることをきっかけに甦るという流れ。
 ドラマのタイトルを「潜在光景」にしなかったのは、ドラマの内容を知らずに題名だ
け見せられてもぴんと来ない、面白さを感じづらいというのがあったのかな? でもだ
からといって、短編集のタイトルをそのまま付けるのもどうかと思いますが。そもそ
も、短編集のタイトルが「影の車」というのもよく分からない。収録作品の一つという
訳ではないですし。
 内容に則しつつ、いかにもサスペンスドラマらしいタイトルを付けるとしたら……
「幼い斧」ぐらいでどうかしらん。
 もう一点、再視聴して感じたのは、これって予備知識なしに観れば「世にも奇妙な物
語」のロングバージョンのようだなと。ぎゅっと圧縮することは可能だと思うし、そう
してコンパクトにした物を「世にも奇妙な物語」の一編としてオンエアすれば、違和感
ないんじゃないかな。

 ではでは。




#1741/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/20  21:19  ( 31)
ホームドラマ作法?   永山
★内容
 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」第九回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ばらばらになった家族が戻ってきてまた一つになる回、というのは前回放送の予告を
見るまでもなく想像がついたんで、どういう過程で一人ずつ戻って来るのかに注目して
観ました。
 結果……制作サイドは過程をさほど重視していないのか、テロップで「六ヶ月後」と
入れて、何だかんだあったことを視聴者に想像させたとはいえ、一家のメンバーはわら
わらと戻って来たように描かれてた。え、それで済ませるの?的な。
 でも、肩すかしとは思わないし、期待外れでもない。というのも、一家がばらばらに
なるには当然、いくつかの問題があったからこそなんですけど、それらの問題がほとん
ど解決していない、あるいは解決したところを場面として見せないまま、このドラマは
どんどん進むんです。完全な解決は見ないけれども、わだかまりは大なり小なり残って
いるけれども、何となく元の鞘に収まる。これが逆にいいのではないかという境地に至
った。(^^) 実際、家族ではこういうことよくあるよねっていうリアル。

 さてそれとは別に、次週最終回に向けて物語は佳境に入っていったのですが、どうや
ら世間的には主人公である寿一が死んじゃうんじゃないか?という観測が当然のように
出ているらしく、びっくりした。私が、ホームドラマの作法をよく知らないせいもある
んでしょうけど、この流れで主人公が死ぬかもしれないって。いや、確かに不吉なワー
ドや暗示らしき演出はありましたけど、それをそのまま受け取るの?っていう。
 仮に次週最終回で主人公が死ぬ、もしくは死ぬような目に遭うとしたら、その原因は
プロレスであってはならないと、プロレスファンである私なんかは考える訳で。現役・
引退を問わずプロレスラーやプロレス団体が制作に協力したドラマで、そりゃないよと
がっくりくる。
 野球漫画で野球が原因で死んだり、ボクシング漫画でボクシングが原因で死んだりと
いった展開が有名作品にありますけど、あれはそこから物語がまたつながっていくから
許容されると思う。もし本ドラマ最終回で主人公が死を迎えるなら、物語はつながらな
いまま死でもって終わる可能性が高い訳で、そういう観点から釈然としないものがあり
ます。
 てことで、少なくとも主人公がプロレスで死ぬことはない、に一票。

 ではでは。




#1742/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/22  21:09  ( 37)
それぞれのキャラ   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第十回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 官民合併して会社名は新しくなるも、やるべき仕事は同じという、通常のドラマでも
結構あるあるな展開。(^^; 現実でも似たようなものだったんでしょうから、おかみが
いかに無駄なことをやっているのか、あるいは天下り先を増やすことにかけては労力を
惜しまないかの証なのかも。
 仕事は変わらないと書きましたが、社長の東坊は別の仕事も抱え込もうとしていた。
優れた技術を有する町工場を守るためには、単に債権回収するだけでなく、よりよい解
決策を考えていかねばならない。そもそも住専問題で苦しんでいる町工場の多くは、バ
ブルが周りで勝手に膨らんで、勝手にはじけて、恩恵には何ら浴することなく、悪影響
ばかり被ってしまった。これを見捨てていては日本の未来はない、との信念に基づく行
動。これが班長にも伝播していく流れは、視聴者の共感を得やすい、うまい作り。
 巨額回収先である仁科は外国へ金を移しており、追跡が困難。そこへ、トッカイのメ
ンバーの一人(女性)が、不正に使われる可能性の高い海外の銀行のリストを持って来
る。かつて信金勤めだったときに加担させられた“飛ばし”で使っていた海外の銀行だ
という。自らの汚点を明かしてまでも回収に力を尽くす姿勢に、みんな感じ入る。これ
を発端にして、徐々に糸口らしき物が見えてくる。
 この、ドラマの本筋から派生して、もう一つ別の流れにつながってくるのもうまい。
女性メンバーに好意を抱いている若手男性メンバーが、彼女が気概を見せた場面では一
緒に奮起するでなく、暗くて硬い表情をしていた。これに気付いた副班長が若手男性に
どうしたんだ?と直に問い質す場面があり(結局そこでは白状しないが)、ただの錆び
た鉄骨だけの建物を十億円分の価値があるものとして回収に紛れ込ませていた件につな
がっていく。ここの何がいいって、若手男性メンバーのちょっとした異変に気付くのが
副班長である点。班長が気付くことにしても物語の流れに影響はないでしょうけど、あ
の班長のキャラでは男女の恋愛的な仲がどうこういう機微には長けていないのが明ら
か。副班長にこそぴったりの役目だと思いました。
 あと、細かいところで、え?っとなったのは、以前登場した大阪の刑事が警察を辞め
て、
合併後の新回収会社に勤めることになった点。実際にもそんなことあったんだろうかと
気になる〜。
 もう一つ。序盤の頃の感想で、専門用語の説明がない、少ない旨を記していたと思い
ますが、今回のエピソード内では「タックスヘイブン」を説明していました。タックス
ヘイブンなら世間一般にも広く知られていると思うんですが、何でまたこの用語をドラ
マ内で、専門家であるはずのトッカイメンバーの一人が他のメンバーに尋ねるという形
で説明したのやら。作り手のバランス感覚がよく分からない。

 ではでは。




#1743/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/23  20:09  ( 26)
ほぼ旧作だったとは言え   永山
★内容                                         21/03/23 20:36 修正 第2版
 カクヨムコンの中間発表がありましたが、拙作は枕を並べての撃沈でした。(TT) い
かに大惨敗だったか、数だけでも記そうかと思ったんですが、そうすると有志の方が書
いているカクヨムコンデータに当たることで、私のカクヨムでのユーザー名が特定でき
てしまいそうなので、やめます。(^^;
 読者ポイントによる選考オンリーらしい長編はまだしも、短編賞でも引っ掛からない
のは悔しい。落選作を使い回す方々の気持ちが分かってきた。
 選考に関して一つだけ腑に落ちないというか、納得できないのは、どんでん返し部門
で未完(連載中)の作品がいくつか通過していること。どんでん返しという言葉の持つ
意味合いやイメージから言って、完結した作品だけが評価の対象になると思うんです
が。
 なお、通読してどんでん返しがなかった作品も突破しているので、読者ポイントのみ
で判定し、内容は多分勘案していないであろうことは分かります。


 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第六〜八回を録
画視聴。ネタバレ注意です。
 第二のエピソードに入っているのですが、前の話に比べて謎の設定はより明確になっ
た感があり、よかった。密室状態の部屋に出現する脅迫状というのは、古典的ではある
けれども本格ミステリっぽくて好み。
 一方、暗殺者?によるライフルによる狙撃は、いくら何でもスゴ腕過ぎる感じ。現代
でなら最新の銃があれば容易にこなせるのかもしれませんが、ドラマの時代では正体を
見られずに、あそこまで長々と狙撃を続けられるとはちょっと信じられない。
 むしろこの狙撃は、ヒーローがヒロインを助け出すシーンを描きたいがために用意し
た気がする。

 ではでは。




#1744/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/24  20:21  ( 37)
アトランタ   永山
★内容
 バルセロナオリンピックで金メダルを獲得、アトランタオリンピックでは銀メダルに
終わった柔道家・古賀稔彦のご冥福をお祈りします。

 WOWOWで放送の映画「リチャード・ジュエル」(二〇一九年 米国)を録画視
聴。ネタバレ注意です。
 一九九六年に開催されたアトランタオリンピック。その関連する野外コンサート会場
で起きた爆破事件。死者二名、負傷者百十一名を出したが、一人の警備員が早めに気付
いたおかげで、被害は最小限に抑えられたとされる。ところが数日後、容疑者として取
り調べを受け、大々的に報じられたのは英雄扱いされていた警備員その人だった。正義
感の強い男が巻き込まれた悪夢のような数十日を、クリント・イーストウッド監督が描
いた伝記ドラマ映画。
 アトランタオリンピックで爆破事件が発生したのは覚えていましたが、こんな展開を
見せていたとはまったく記憶になかったです。爆発したのもくず入れに投じられた時限
式爆弾だと思い込んでいましたが、全然違った。
 事件のあらましだけを取り出すと、主人公で警備員のジュエルを一度は怪しむ位はし
ょうがないかなとも思える。勘がよくて、爆発の瞬間には安全圏におり、無傷。かつて
警察関係者だった頃にやり過ぎて面倒ごとを起こしている。元の職への復帰願望、さら
には英雄願望がある。銃器類をコレクションしている。爆発現場のベンチの破片を拾っ
て持って帰っていた。逮捕歴あり……尤も、これらのほとんどは事情聴取を受けたあと
になって判明するのですが。
 捜査に主導的に当たったFBIは、ジュエルを疑っているとの内部情報が漏れたこと
で焦ったのか、描かれた捜査手法が無茶苦茶に過ぎると感じた。何でこんなだまし討ち
みたいなことをする必要があるのか、ちっとも分からない。
 一方、ジュエルは捜査官をはじめとする“法の執行者”に対する憧れが強すぎるよう
で、自分が疑われているというのに捜査官を立てるような言動ばかりする。そりゃあジ
ュエルに付いた弁護士でなくたって、いらいらします。終盤に来てジュエルが捜査手法
に呆れて、ようやく憧れを捨てるまで長かった。捜査を指揮したFBI捜査官は、ジュ
エルを捜査対象から外すことになったと告げに来た際も、「あんたがやったと思ってい
る」と捨て台詞を残して行くほど、思い込みが強かったようですが、事実なら真犯人逮
捕(六年後)をどう感じたんだろう?
 同じく、最初に警備員が怪しいと報じた女性記者も、どうなったのやら。作品の中で
は終盤に来てジュエルに犯行は無理だと分かって宗旨替えしたようでしたが、変わり身
が早いとも映る微妙な描き方だったな。
 何人かのキャラクターにスポットライトを当てて、数本のストーリーラインが用意し
ておきながら、それぞれの処理がちょっと残念な感じ。

 ではでは。




#1745/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/25  19:35  ( 27)
インフルエンスざんす   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「インフルエンス」初回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
 原作は近藤史恵による同名小説。未読です。一応本格畑の作家と認識しているので期
待して観始めたのですが、視聴後、読書メーターなどでの原作小説の評判を見ると、あ
んまり芳しくないみたい。でも先入観を持たないようにして視聴を続けます。
 女性作家の及川が戸塚友梨という女性読者からのファンレターの内容に惹かれて、会
って話を聞きに行くことに。友梨が言うには三十五年間秘密にしていたことで、関係す
る一人がすい臓癌に罹ったのをきっかけにこの話を残しておきたい、できれば及川に小
説にして欲しいという。その秘密とは、高校時代、転校してきて仲よくなった友達の真
帆を助けるために暴漢を刺したことと、その翌日、殺人犯として逮捕されたのは昔仲の
よかった友達の里子だったこと……。
 話が長引いたのでまた会うことを約束して、その日は別れる。及川は帰宅後、高校の
卒業アルバムを引っ張り出して調べる。戸塚友梨という名に何となく覚えがあったの
だ。その記憶は正しく、クラスは別だったが、確かに同じ学年に戸塚友梨、坂崎真帆、
日野里子がいた。
 ――大まかなあらすじはこんなところです。里子の背景が家庭の事情と絡んでかなり
複雑で、ちゃんと書くと物凄く長くなりそう。いわゆる不良になってしまった里子に対
し、友梨は多少の負い目を感じている、とだけ把握していれば今のところいいのかな。
 第一話では正当防衛に近い形での犯行?と、その翌日の意外な逮捕(自首)が描かれ
て、つかみはOKといったことでしょうか。ここに加えて、三十五年経った今、小説家
に語るというスタイルで描いた意味も気になります。
 ところで、同じ学校のしかも同学年の生徒が殺人で逮捕されたとなると、三十五年経
過していようが覚えていそうに思うんですが、及川は話を聞くまで、というか話を聞い
たあとしばらく経ってようやく思い出した様子。いかにマンモス校であっても、この反
応はないんじゃないかと。

 ではでは。




#1746/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/26  19:53  ( 25)
一九三〇年代のネット事情   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第九〜十一回を
録画視聴。ネタバレ注意です。
 第十回で事件は一区切り付いたんですけど、一番期待していた密室に出現する予告状
の謎が、未解決のまま先送りになるという、悪い意味でまさかの展開。別のエピソード
に持ち越して引っ張るのって、何かおかしいような。第二の事件そのものが解決してい
ないことになりはしないかと思う。
 そして第十一回から第三の事件に入ったけれども、密室の謎が続いているような雰囲
気はほとんど感じられず。ほとんどというからにはちょっとはあった訳で、新聞記者が
紳士探偵に(第二の事件として描かれた)前の事件の真相を教えてくれたらこちらも情
報を渡す、と持ち掛けるくだりがあった。あそこから発展していくのだろうか。
 第三の事件そのものは、その曲を演奏した人が死んでしまうというオカルトな設定の
謎を掲げており、まともに解決されるのであればなかなか魅力的。依頼人が探偵を試す
ところも面白い、上海らしい暗号だった。
 ラブコメ要素も明らかに狙って増しているなあ、これ。事件解決の暗示や伏線、手掛
かりになっているのであればいいんだけど、そうじゃないラブコメ要素をあんまり入れ
すぎると興ざめにつながりかねないので心配です。
 エピソードの切れ目、第十回の末尾にまたもや小劇場のコーナーがありました。ヒロ
インがいけ好かない刑事とネット配信の受信料何年分かを賭けて腕相撲をし、ヒロイン
が勝利するという他愛ないネタ。そして内容以上に、ハテナ?」となったのは、ネット
配信云々。一九三〇年代の上海では、インターネットが普及していて動画配信されてい
たのか……なんてことはあるはずないので、単なるジョークなのか、撮影の舞台裏とい
う体なのか、あるいはネット用語としての中国語と、当時から使われている中国語とで
何か共通する物でもあるのか。どれにせよ、分かりにくい。

 ではでは。




#1747/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/27  19:47  ( 26)
完全に裏   永山 
★内容
 TBS系で放送のドラマ「俺の家の話」最終回十五分拡大を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 はい、という訳で前回の感想で書いた予想というか希望が大外れ。そのまんまでし
た。
多くの(きっとこの手のドラマに慣れている)視聴者には先週の時点で予想できていた
ことになるこの展開。つまりコアなファンにはバレバレで、私みたいなライトなファン
は納得いかないという感想を持たれるのであれば、ある意味、失敗とも言えるのではと
心配になる。(^^; 脚本のクドカン的にどうなのと。
 プロレスファンとしての個人的には残念な作品になってしまった本作。ならば純粋に
ドラマとしてみればよい作品だったのか。まあ、力のこもった感動作ではあったけれど
も。
 前回までは『俺の家の話』は視聴者の多くにとって「私の家の話」でもあったと思う
んです。現在進行形かやがて来る近い将来かは分からないけれども、身につまされた
り、あるあるだったり。
 それが最終回に幽霊を持って来たことで、「私の家の話」ではなくなった感があっ
て、その意味でも残念。最終回だから許されるってのはあるだろうけれど。介護に最も
主体的に関わって大部分を担っていた長男が亡くなったにもかかわらず、こんなにうま
く収まるのは絵空事、夢物語に見えるっていう人も一杯いるんじゃないかしらん。普通
こうはならないだろうという展開の箇所は、コメディだからとごまかしている気がしな
いでもないし。亡くなった人とこうして死後会話できたら、(実際の暮らしでも物語作
り的にも)楽だよねって思ってしまう。そういう夢を晒す場としての機能が最終回の役
目?
 そういった点を除けば、俳優陣の熱演もあって、観てよかったと思えるだけの作品に
なっていたと思います。

 ではでは。




#1748/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/28  20:12  ( 37)
ざんす・ざます言いそうな   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「インフルエンス」第二回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 自首をした意図が不明のまま、里子は少年院に入って、学校に来なくなる。真帆を助
けるために男を刺した友梨は、ことある毎にその瞬間が思い出されて苦しむ。最寄りの
交番へ出向いて自首しようかというタイミングで、真帆に止められる。友梨を説得する
真帆。自首はやめた友梨だったが、真帆とはそのまま疎遠になって行く。
 事件から一年と少しが経過した一九八六年一月、里子が学校に戻ってくる。死んだ男
の車から拘束具などが見付かっており、情状酌量で早めに出て来られたらしい。友梨は
里子に自首した意図を問う。里子は祖父からの性的虐待がまだ続いており、家を離れた
かったこと、そして友梨を守ってあげたんだから今度は代わりに祖父を殺してくれと頼
んでくる。さらに友梨が小学生のとき、里子の置かれた状況を知ったにもかかわらず何
もしてくれなかったのに対し、まほがおそわれたときはすぐにたすけんだねと詰る。友
梨は迷った挙げ句、引き受けることに。里子が歯医者に行ってアリバイ作りしている間
に、友梨が里子の部屋(団地の五階)を訪ね、一人で留守番をしている祖父を、隙を見
て窓から突き落とすという計画。うまく行くかに見えたが、ちょっとしたタイミングの
ずれで失敗。二度目にかける。だが、失敗した友梨がもう投げ出すんじゃないかと不安
を感じた里子は、事の次第を真帆に話し、友梨が実行しない場合は友梨が男を刺したこ
とを警察にしゃべると脅す。真帆は友梨を家に呼んで真実かどうか確認。友梨に翻意す
る気がないと知ると、友梨自身のアリバイ作りに協力すると言い出す。そして二度目の
決行日。団地の近くまで友梨が行くと、何やら騒がしい。ターゲットである里子の祖父
が、すでに転落死していた。急いでその場を離れた友梨は真帆の部屋に直行。何も聞か
れない内から、真帆は「どちらが実行して、どちらがアリバイ証人になっても同じ。だ
から私が代わりに殺した」と告げる。
 ――メインのストーリーの粗筋はこんなところでした。これは言わば、強制的交換殺
人ですね。つながってはいるんですけれど、やはり実行を決断するハードルが高そう
で、やや絵空事感が強いかなあ。
 ただ、これはあくまでも三十五年経った現在、友梨(と称する女性)が作家の及川を
相手に語った話の内容であって、真実かどうかはまた別なんですよね。どう転ぶか分か
らない、予想しがたいという意味で引き込まれます。
 主軸のストリー以外では、真帆の母親が、家に来た友梨に対してふすま越しとはいえ
聞こえよがしに「あんな子と付き合ってはいけません」と真帆に言う辺り、この親もた
いがいなんだなと。里子の親は言うに及ばず、友梨の親にしたって里子の家の事情を知
りながら何の手立ても打たない。家族・親子がテーマの一つになっているのは分かるん
ですけど、表面上だけでもお手本となる家族や親子関係が出て来ないのね。
 傷害致死で少年院に入っていた、里子の彼氏?も院を出て来てた。里子は相互依存の
関係なのかな。このキャラも今後どう関わってくるのか……。

 ではでは。




#1749/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/29  19:30  ( 30)
イーストウッド作品二つ続けて   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「トゥルー・クライム」(一九九九年 米国)を録画視聴。
ネタバレ注意です。
 米国の小説『真夜中の死線』の映像化作品だそうです。ごく簡単に書くと、殺人事件
で死刑判決が下った黒人男性が六年後に死刑執行前日を迎える。たまたま執行の模様を
取材を代理で引き受けることになった新聞記者が、関係者の話を聞く内に疑問を抱き、
無罪なんじゃないかと信じて行動を起こす、という話。これをアメリカ風のエンターテ
インメント作品にしたという体だからか、隔靴掻痒感満載でも最後はハッピーエンドに
終わる。
 序盤、記者が代理で取材するそもそもの原因となる女性記者の交通事故死が、やけに
丁寧に事故を起こす場面から描かれて、何かバランス悪いなあと思った。終盤に来て、
その事故を起こした地点が一応ストーリーに絡んでくるので、あれは伏線のつもりだっ
たのかと納得。やり過ぎな気もしたけれど。

 WOWOWで放送の映画「ミスティック・リバー」(二〇〇三年 米国)を録画視
聴。ネタバレ注意です。
 シンプルに表現するなら、救いのない物語。もうちょっと冷静に、慎重にやろうよっ
て言いたいところですけど、それは第三者の視点であって、当事者からすれば視野狭窄
に陥っているんだろうな。悲劇が“回避できたに違いない悲劇”である点がちょっと納
得しがたくて、“避けようがなかった悲劇”となるようにして欲しかった。それと偶然
の多用も気になるかも。同じ日に二件の殺人が起きて、関連する人物同士が結構近い関
係にある。その内の一つの事件の遺体及び過去の事件の遺体で死体が見付かっていな
い。さらにいえば、最終盤の悲劇後の死体一つも見付からないまま、とりあえず映画は
終わる。これほど死体の見付からない町って、どんな場所よ。
 警察の捜査も(あまり描かれていないせいもありますが)、ちゃんとやってるのかな
と。被害者に近い人間がいつも持ち歩いていたスティックをこの頃持たなくなった、な
んてことを捜査でもし聞き込んでいたら、まずはそいつを調べてみるはず。
 名作との評価が定まっているようですが、まだまだ磨けば(エンタメとして)よくな
る物語じゃないかしらん。

 ではでは。




#1750/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/30  21:32  ( 46)
誰も逃亡しない   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」第十一回を録画視聴。
ネタバレ注意です。
 トッカイの若い男性メンバーが処理した案件が詐欺に当たるとして、検察が動く。社
長の東坊はまったく関知していないことであったが、書類に押印しており、監督責任に
とどまらない様子。
 誰が情報を検察に漏らしたのか。不正な取り引きに関わっていない限り、知りようが
ない。調べていくと、債権回収先の会社社長が別の罪で捕まった際に、交換材料として
録音していたテープの中身を聞かせたものらしい。本来、回収される側からすればトッ
カイ憎しの感情もあって、今度の動きになったと思われた。
 ただしテープには改竄した(切って中を抜いてつなげた)痕跡があり、証拠能力とし
ては甚だ弱い。検察側も決め手を欠いているが、一度拳を振り上げたからには黙って降
ろす訳にも行かず、落としどころを探っている。そのことを仄めかされた東坊は、自ら
の首を差し出すことで丸く収めるように頼んだ。
 その後、東坊と若手メンバーは起訴見送りで釈放。東坊は回収機構の社長を辞するだ
けでなく、弁護士資格も失うことになった。
 これにほくそ笑んでいたのが政府。東坊は国民人気が高く、次期首相候補とまで囁か
れていたが、政府与党にとって目の上のたんこぶとなっていた。さらに、役所や銀行と
真っ向対立するようなやり方をされるのも困る。実際、脆弱なテープの証拠で検察が動
いたのは、政府の意向が働いたのかもしれない……。
 それからしばらく経って、柴崎班長の元へ電話が入る。東坊が心筋梗塞を起こし、そ
のまま亡くなったという。絶句するトッカイの面々。
 通夜と葬儀が執り行われ、トッカイメンバーも皆で手伝う。政府からも与党からも弔
問どころか、花一つ届けられなかった。そんな中、辞職願を出すも自宅待機扱いになっ
ていた若手メンバーが弔問に来るも、入りづらそうにしている。気付いた元の仲間に呼
び入れられ、男性メンバーは遺影の前で土下座をして不義理を詫びた。
 翌日、班長は住専問題処理を主導してきた役人を待ち構え、花一つ出さないのは何故
なのかと問い質す。上面だけの悔やみを述べる役人に、班長は東坊の遺志を継いで仕事
をやり遂げると宣言して立ち去った。
 回収業務はいよいよ“京都の怪商”仁科の金の流れを掴みつつあった。カナダの金融
機関を利用し、タックスヘイブン制度のあるケイマンに置いた六つものペーパーカンパ
ニーに分散し、香港を経由した上で、仁科が高校時代の友人にやらせているガソリンス
タンドへ増資名目で戻って来ている。だが、その金が、仁科が借りた金である確かな証
拠がない。仁科と仁科の旧友との関係を聞いた班長は、嫌々やらされているのではない
かと踏んで、その旧友を直に攻める作戦に出た。その結果、保管してあった書類のコ
ピーから、証拠として使えそうな物が見付かる。これで仁科を逮捕できる!
 しかし帰国した仁科は、警察に捕まっても余裕の笑みを見せるのであった。
 ――以上が粗筋になります。次で最終回とあって、佳境に入ってきた感、盛り上がり
が凄い。東坊の死は実に情感に訴える描き方をしてあって、感動ものでした。
 どこまで事実に即しているのか、気になる。モデルとなった弁護士も人気があって、
国民からの支持も高かったけれども、晩節を汚したイメージが強かったんですが。実際
にはこんなことが起きてたのかしらん。
 前にも触れた専門用語を知らないメンバーが、今回も似たようなやり取りをしてまし
た。ここまで繰り返されて、ようやく合点が行った。これ、ネタとしてわざとやってる
のね。そう捉えるなら笑える……と言えなくもない。(^^;

 ではでは。




#1751/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/03/31  21:51  ( 22)
“せいしょくしゃ”にいかなる漢字を当てましょか   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「スポットライト 世紀のスクープ」(二〇一五年 米国)
を録画視聴。ネタバレ注意です。
 カトリック教会における聖職者が何百人もの幼い子供に対して性的虐待をしていたと
いう一大事件の発端となった、米国はボストンでの事実に基づく映画だそうです。詳し
い粗筋は省きますが、驚くべき内容と言っていいかと。
 何に驚いたかって、映画序盤における無力感。何をやっても教会から圧力が掛かっ
て、あるいは周囲の人間が勝手に忖度して、ことを隠そうとする、なかったものにしよ
うとしている感がきつい。しかも聖職者特権で、時効は三年、たとえ有罪になっても賠
償金は最大で二万ドルまでというまさに特別扱い。こんなのがまかり通るのね。
 これに異を唱えて追い込んでいくのだから痛快なストーリーになってもいいんだけ
ど、そこはやはり現実に立脚した話だからそうもいかず。被害に遭ったかつての子供達
が大人になってから声を上げることがどれだけ大変かが繰り返し言及されていて、一筋
縄でいかないのが分かる。
 一聖職者の過ちに終わらせず、多くの聖職者が同じような犯行を秘密裏に行ってお
り、教会全体でも事案を把握していながら隠し通していたことを問題にしようとする新
聞社側の粘りも凄い。時おりしも9.11テロが発生し、教会の言葉が力を持っていた
時期に重なり、さらにはクリスマスシーズンになってしまい、記事の公表がどんどん先
延ばしになるのがもどかしい。努力が実を結んで、ボストン地区での責任者たる枢機卿
は辞任に追い込まれるも、ローマの大教会へ何故か栄転したことが最後の最後にテロッ
プで示されて、もやもやが残った。ほんと、何でそんな処置に?

 ではでは。




#1752/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/01  19:44  ( 25)
“もう嘘なんてつかないなんて言わないよ絶対”という嘘  永山
★内容
 エイプリルフールネタを考えるのを忘れてた。
 世間的にも、去年は自粛故かぱっとしたのが見当たらなかった気がする。今年のエイ
プリルフールネタの出来具合で、これからの世情が読めるかも?

 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第十二〜十五回
を録画視聴。ネタバレ注意です。
 『彼岸花』事件が一区切り。で、恒例になっていた小劇場が今回はなかった。まあ、
エピソードの終わり方からして、その直後にコントをやれる雰囲気ではなかったから、
賢明な判断と言えるでしょう。(^^;
 前の事件で未解決に終わっている密室の謎は触れられることなく物語は進行し、今回
のエピソードで出て来た密室殺人の方のトリックはちゃんと解明された。何でこんな解
いたり解かなかったりという構成を取っているのかと疑問だったんですが、どうやらキ
ャプテンと称する人物がボスの犯罪集団がいて、その暗躍を示唆しているんだなとよう
やく飲み込めました。
 それとは別に、今回のエピソードはなかなか凝っていて、悪くなかったです。昔なが
らの本格推理っぽい作りで、先にも記した密室トリックが機械的であるのもレトロだ
し、意外な人物が犯人というのもちゃんと用意してあった。ただ、この意外な犯人、残
ったのはこの人物だけだからあんまり意外性は感じられないし、山勘とはいえ途中で想
像が付いてしまうのですが。
 何にせよ、今回のエピソードは三十分×5のスタイルではなく、二時間物としてきっ
ちり作り込んだ方がよくなった気がする。容疑者となる登場人物を増やして、視聴者に
考える暇を与えない(笑)スピーディな展開にするだけでも違ってくるんじゃないか
と。

 ではでは。




#1753/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/02  19:24  ( 42)
恐ろしき四月二日   永山
★内容
 乱歩の短編に『恐ろしき四月馬鹿』というのがありますが、それとは関係ありませ
ん。何となく思い付いた書き込みタイトル。

 光文社から出ているミステリ雑誌に「ジャーロ」というのがあり、時折買っていたん
ですが、何年か前に完全電子化して、紙製本した物はなくなりました(執筆者や関係者
には紙製本版が届けられるようですが、少なくとも一般の読者には手に入らなくなった
模様)。
 そのジャーロの公式ツイッターをたまに読みに行ってまして、今日四月二日も見に行
きました。
 すると、「ジャーロ」の隔月刊化を記念して、今年から紙製本版を数量限定で販売す
ることになった旨を記述してありました。“購入はこちら”と矢印でURLも指定して
ある。
 私、これを見て、ははんと思ったんですよね。

 これはエイプリルフールのネタに違いない、と。

 URLをクリックして飛んだ先で種明かしという寸法だろう。結構気が利いている。
 で、クリックする前にミステリファン界隈での反応はどんなものなのか調べてみよう
とネット検索したのですが……何にも出て来ない。おっかしいな〜。出版社の名前の割
にはマイナーな雑誌かもしれないけれど、ここまで話題にならないとは変だぞ。
 そういえば公式ツイッターのくだんのつぶやきに、四月二日になったあとも、エイプ
リルフールのネタであることを匂わせるツイートが付いてないな。これはもしかして、
とURLをクリックしてみたら、販売サイトがちゃんとありました。光文社の書籍やグ
ッズなどを販売する自前のサイトみたい。
 いや、でもまだ分からない。自前のサイトだからこそ、こうしたお遊びを仕掛ける余
地があると言える。商品の一つとして並べてある「ジャーロ」の書影をクリックすれ
ば、その先で「エイプリルフールでした〜」となるに違いない……。
 そう信じて、クリックした。

 ちゃんと注文伝票的なページになった。

 ネタじゃなかった!
 だまされてないのにびっくりしました。(^^;



 さてここまで書いてきた中で、意図的な嘘が一つあります。それはどこ? 書き込み
は四月二日ですがお許しを。

 ではでは。

※『恐ろしき四月馬鹿』は江戸川乱歩ではなく、横溝正史の作品です。




#1754/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/03  20:53  ( 27)
避難部屋ではなく   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「エスケープ・ルーム」(二〇一九年 米国)を録画視聴。
ネタバレ注意です。
 ざっくり言えば、映画「CUBE」「SAW」の系統の作品。数人の男女が賞金目当
てにゲームに参加するつもりで集まってみたら、ほんとの命懸けのゲームだった。生き
残るにはどうすれば?的な。同じ邦題で二〇一七年制作のがあるとかで、そっちに比べ
て本作は“面白い方”として認識されているそうな。
 そういう評判をまったく知らず、粗筋だけ読んでまあ観てみるかぐらいの気持ちでタ
イマーセットをしました。で、観終わった感想は、可もなく不可もなし。
 この手の作品にしては珍しいことだと思うんですけど、ラストまでにほぼほぼ全てを
説明し尽くしている。主催者は何のためにやっているのか、どうやって世間にばれずに
いるのか、集められた者達に共通点はあるのか&あるのならそれは何か、遺体をどう処
理しているのか、生き残った一人に賞金を払ったらその後露見する恐れはないのか等
々。こういったことに説明を付けた上で、続編を作る気ありの終わらせ方をしている
(あとで調べてみたところ、作られているらしい)。このスタイルが凄く真っ当で、型
破りなところが感じられない。何か優等生なシチュエーションスリラーって感じ。
 脱出ゲームの謎解きは、視聴している側が同時進行で解けるタイプではなく、参加者
が解いていくのを見ておくしかない。感心するほどの謎解きでもないため、そこに面白
さはあまりないです。膝を打つような伏線が少なくとも二つほどあれば、また印象が変
わってくるかもしれませんが。スリルはまずまずある。
 ラストの手前、生き残る人数に関して、どんでん返しのつもりなのかもしれないけ
ど、冒頭で“ああいった”シーンを先行公開的に見せられると容易に想像が付くので、
驚きはなかった。構成がマイナスに働いています。
 やり方をもっと工夫すれば面白くなる……と言いたいけど、映像では無理かも。むし
ろ、小説向きのネタ、ずばり叙述トリックに適した話でした。たださい、文章にすると
スリルや迫力が失われそうで、痛し痒し。

 ではでは。




#1755/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/04  19:56  ( 41)
いわゆる“信用できない語り手”   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「インフルエンス」第三回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 真帆が友梨に代わって里子の祖父を密かに転落死させた件は、事故と判断された。里
子は有利に礼を言うが、友梨は自分は手を下していない、あれは事故だと押し通す。そ
の後、三人は深く関わり合いを持つことなく卒業を迎えるが、直後に不審に思った里子
が、友梨と真帆を呼び出して問い詰める。真帆は里子の祖父殺害を認め、友梨のために
やったことだ、あなた(里子)は目的が達成できたんだから文句ないでしょうと言い放
ち、さらには友梨が自分のために殺人をしてくれなかったことが悔しいんでしょうと里
子へのライバル心を露わにする。里子は真帆が犯行時に落としたと思しきボタンを保管
しており、それを持って警察に行くことを匂わせる。険悪なムードになった二人を仲裁
し、友梨はこんな目に遭った私達三人が幸せにならないのはおかしい、幸せになると約
束しようと言ってその場を収めた。別れ際、真帆は友梨に「里子が私に何か仕掛けてき
たらあなたが里子を殺して」と言い置いて行った。
 それから六年後、書店で働くようになっていた友梨は、本の在庫の有無を聞かれたの
をきっかけに、男性公務員の夏目と親しくなる。だが、友梨はかつて真帆を助けるため
に男を刺した体験故、今でも包丁を使えず、料理で切る必要があるときはハサミを使っ
ている。そんな女が幸せな結婚生活を送れるはずがないと思い、交際に踏み切れないで
いた。そんな折、里子から連絡があって、久しぶりに会ってみるとホステスをしていた
ときに知り合ったと年上の男性と結婚し、子供もいるとのこと。
 里子が幸せになっている様を目の当たりにして、友梨の心にも変化が生じた。夏目の
誘いに応じて、デートから始める。
 と、今度は真帆から連絡があって、久々の再会を友梨の自宅で果たす。真帆は小さな
女の子を連れてきていた。彼女によれば結婚して子供も生まれたがDVに遭って困って
いるという。そして友梨に、夫を殺してくれるように頼んできた。六年前の記憶が甦っ
た友梨は、真帆の幸せを守るためと自身に言い聞かせるようにして引き受ける。
 真帆が子を連れて実家に戻っている間に、友梨は真帆から預かった鍵を使って家に侵
入し、夫を刺殺する。ところが現場から立ち去り、バスに乗り込んだ友梨は窓の外、道
路の向こうに立つ真帆と目が合った。アリバイ作りで実家に帰っているのではなかった
のか? その後、友梨は実家に帰ったとき、母親から真帆についての話を聞く。真帆は
結婚せずにばりばり働いているらしいのだ。では友梨が殺した男は一体誰?
――以上のようなところが今回の粗筋でした。
 俄然、面白くなってきた。反面、無理もたくさん通している筋書きですが、まあ勢い
で気にならないくらいになってきたかも。
 前にも触れた通り、ドラマの大部分は現在の友梨(と称する女性)が語る過去、とい
う形でしかなく、どこにも事実である証拠はありません。今回は話を聞いている及川が
裏付けを取るべく、当時友梨ら三人の女子生徒が暮らしていた団地を訪れるも、里子及
び真帆の家族は引っ越したあと、友梨の家の表札は出ていたが住人とコンタクトを取る
前に、友梨からの電話が入ってうやむやに。この辺の匂わせ、思わせぶりが終盤でどう
効いてくるのか楽しみにしてるんですが、一方でハードルを高くしすぎるのもよくない
だろうと予感が働いております。(^^;

 ではでは。




#1756/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/05  21:07  ( 37)
トッカイの最終回収   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」最終回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 前回までは、史実になるべく沿っているという雰囲気があったんですけど、今回はラ
ストとあってか、物語性がだいぶ人工的になっていた気がする。思い込みかもしれませ
んが。
 最大の標的で難物である仁科をどう攻略するかがポイントでしたが、肩すかしを食ら
った気がします。
 というのも――仁科自身は逮捕されることをも計画通りで、四十億の金を捨てて六百
億の金をうまく隠しきるつもりでいた。どうすれば崩せるのか、頑張ってもなかなか光
明は見えない。そんな折、仁科の秘書をずっと務めている早百合をマークしていた捜査
員が、彼女が銀行の貸金庫を利用するところに踏み込み、隠してあったノートを押さえ
る。そこには仁科の海外での金の動きがコンパクトに手書きされていた。仁科はどうし
てそんなノートを残していたのか、疑問を持つ柴崎。もしや仁科はノートの存在を知ら
なかったのではないか。早百合が事情聴取から解放されたとの報を聞きつけ、トッカイ
のメンバー達は彼女に話を聞きに行く。が、口を割らない。それでも粘り強く話す内
に、早百合は仁科が自分を使い捨てのコマのようにしか見なしていなかったことを知っ
たときから、記録を急いで書き記した話す。この結果、仁科は法廷戦術の変更を迫られ
たのか、一転して罪状を認めて刑に服す態度を見せた。だがこれは起訴された四十億円
分に限った話。六百億を隠しきるために仮釈放を勝ち取って、香港の銀行からさらによ
そへ移すつもりでいる。そう予測した柴崎らは日本の法律では無理でも外国の法律でな
ら仁科の行動を縛れるかもしれないと、必死になって調べる。
 そうして出て来たのが、マルーヴァ型資産凍結命令。これの適用されている国・地域
では犯罪などの不穏な動きを見せる人物の口座をまとめて差し押さえることが可能とさ
れる。香港はその地域に該当していた。これにより仁科の悪行は息の根を止められた―
―となったのですが、どうも変だ。
 そこまで用意周到な仁科が、その法律が香港で適用されるとは知らなかった、なんて
ことはないはず。事実、収監中から法律の存在を知っていたシーンもありましたし。
 だったら、そもそも香港の銀行を使わなければよかったのでは。物凄く計画的で頭の
よい犯罪者という設定なのに、何故こんな下手を打ったのかが分からなかった。
 極論すれば、物語を終わらせるために、登場人物が本来のキャラ設定に似合わない行
動を取らされた、という印象を受けたです。
 他の点では、泣かせどころや笑いを適度に織り交ぜ、バランスよく仕上がっていたと
感じました。惜しいのは大蔵省役人が実は東坊社長を云々という流れが、ちょっと唐突
に映ったこと。伏線・暗示らしき物はありましたが、振り返ってみればあの無言の表情
がそうだったのかなという程度で、弱かったように思えたです。

 ではでは。




#1757/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/06  19:29  ( 27)
『ガリレオ』の万年助手役   永山
★内容                                         21/04/13 19:48 修正 第2版
↑それは渡辺いっけい。

 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」初回三十分拡大を録画視聴。ネタ
バレ注意です。
 同じ系列でかつて放映された木村拓哉主演のドラマ「HERO」の線を狙った感があ
りありですが、本ドラマは原作漫画に基づく作品なんですね。これは意外……と思った
ら、キャラクターの設定をかなり変えてきているらしく、原作では脇役だった入間を主
役に据え、外見も眼鏡を掛けた小太りの中年男性から、髭を生やしたスマートなイケメ
ンに変更しているそうな。てことはやっぱりドラマ制作サイドに「HERO」に寄せよ
うという意思があるのは確かかと。(^^; その上で、裁判官と検察官は視点が全然違う
という風な推理作家のエッセイを読んだ覚えがありますし、別物と捉えるべきなんでし
ょう。
 フジテレビらしいドラマ、と言えるほどドラマを観て来てはいませんけど、予備知識
なしにこの作品を観たとしたら、フジテレビのドラマだろうなときっと思う。軽妙なや
り取りに小ネタの効いたギャグ、キャラ付けが似た雰囲気を漂わせている。それは悪い
ことじゃないし、面白さに貢献しているから。今後、どの辺りで本作の独自色を出して
いくかに注目です。
 初回とあってキャラクターの紹介と、過去の因縁話にもちょっと時間を割き、それで
いて扱う事案は内容のあるしっかりした物かつきっちり解決するという条件が必須なん
でしょうけど、今回はそれらを充分に満たしていたと感じました。
 一点だけ、踏切事故の件で、運転士は亡くなった男性だけ目撃していたようですが、
後に明かされる真相に沿うのなら、小学生の女の子も見つけていないとおかしいので
は。あの見通しのよい真っ直ぐな線路で、運転士が(確かピンク色の服を着ていた)女
の子を見落とすのは変じゃないのかと。音が聞こえなかった点を解明した主人公なら、
この見えなかった点に関しても解き明かしてもらいたかったです。

 ではでは。




#1758/3021 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #1757 ***
★タイトル (sab     )  21/04/07  02:20  ( 15)
「イチケイのカラス」をつられて見ましたが 朝霧
★内容

運転士が女の子に気が付かなかったのは、
その様に偽証しろとあの議員に脅かされていたからではないですかね。
母親、運転士、その他あの事故を見ていた全ての人に偽証させた
という事になりますが、
とりあえず、脚本を書く上では、
代表として母親に偽証させればいいか、と。

もっとも、線路に落っこちたおはじきの様なものを拾っていたのだから
運転士には遠くからあの女の子が見えた筈で
そうだとすれば、ブレーキをかけた筈で、
と、色々疑問は出てきますが。
その程度の脚本なんじゃないですかね。

ではまた。




#1759/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/07  21:59  ( 27)
慟哭に次ぐ衝撃   永山
★内容
「イチケイのカラス」>
 運転士にまで偽証させたというのは真っ先に思い付きますけど、それならそれでちゃ
んと描かないといかんと思う次第です。
 ただ、せっかく物語を構築するんだったら、偽証ばかりじゃ芸がない。運転士が見落
とした理由を用意してくれていたら、評価がちょっと上がるのに。
 たとえば、子供の着ていた服の色や柄が、踏切内の線路に酷似していた、とか……無
理があるけど。


 WOWOWで放送の映画「愚行録」(二〇一七年 日本)を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 貫井徳郎による同名小説が原作とのこと。未読です。
 幸せな親子三人の一家全員を殺害する事件が起きてからおよそ一年。未解決のまま、
徐々に忘れられようとしている。週刊誌記者の田中は改めて掘り下げようと取材を開始
すると、関係者の語る被害者夫婦の人物像が、当初言われていた理想の家族とはだいぶ
ずれていることに気が付く。
 出だしから陰鬱な雰囲気。声もぼそぼそ気味で聞き取りにくいけど、わざとなのかも
しれない。
 てことで序盤を辛抱して見続けていると、結構引き込まれました。面白いというのと
はちょっと違って、これどうなるの的な興味が大きかったように思います。ジャンルで
言えば嫌ミスというのに分類されるでしょうから、すっきり感は著しく乏しい。だけど
新本格派に分類されるミステリ作家の作だけあって、ちゃんと仕掛けはあります。同氏
のデビュー作『慟哭』(東京創元社)よりは弱いでしょうが、それでも充分衝撃的。そ
の衝撃が、本作を嫌ミスとしての良作にしているかと。欲を言えば伏線がもう少し欲し
いところ。

 ではでは。




#1760/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/08  17:34  ( 25)
万年青(おもと)った以上に青い   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第十六〜二十回
を録画視聴。ネタバレ注意です。
 五話分で一エピソードの区切りはきちんと守っていくようで。その区切りの度に挿入
されるのかと思っていた小劇場は、前のエピソード終わりと同様、なかった。よい傾向
じゃないでしょうか。
 今回の事件「怒れる花海棠」はミステリよりも物語性に重きを置いた感じでした。感
情に訴えるストーリーで、役者も演じ甲斐があったのでは。それでいて細かいところで
ちゃんと探偵物になっており、悪くない。
 そんな中、役柄的に酷かったのが女性刑事の先輩で、いっつもろくな仕事をしていな
い葉常青刑事。今回は特に酷かった。被害者の夫を犯人と決め付けて取り調べるのはま
だましで、拳銃をちらつかせるのは異常。さらにその夫を怒らせてしまい、拳銃を奪わ
れて八方され、逃亡を許すという大失態をしでかしておきながら、隠そうとする。さら
にさらに上司の部長への釈明には嘘を並べ立てる、主人公の探偵のあとをこっそり付け
て手掛かりを得る、挙げ句に逃亡した夫を捕まえてこれで犯人は確保したからと、主人
公が手配しておいた監視役の刑事を勝手な判断で引き上げさせ、その結果死者が増える
という有様。これはもう免職レベルじゃないのかと。コメディリリーフならドラマとし
てありでしょうけど、ここまでお粗末な捜査だと、物語の成り行きそのものを左右する
からよくない。極言すれば、こいつのミスのせいで不可思議な謎ができあがってしまっ
た、なんて脚本も作れる訳で、物語が成立しなくなりかねない。いくら名前が“葉っぱ
は常に青い”であろうと、刑事としての仕事までずっと青二才では困る。
 一方、主人公は終盤で冷酷っぽいところを垣間見せるも、その裏でちゃんとフォロー
していたという、キャラ的にも役者的にも美味しい筋書きが用意されており、恵まれて
います。(^^; もうちょっとバランスは取れないものか。

 ではでは。




#1761/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/04/09  13:44  ( 27)
「愚行録」を見ました 朝霧
★内容                                         21/04/09 13:45 修正 第2版
慶応大学的格差社会が設定に使われていたが。
結構私はこういうのに敏感で。
湘南あたりの別荘で学生がパーティーをする、
なんていうシーンで、ムカついたりする。

しかし、その手のハイソなイメージには
ミステリーオタクは鈍感なんじゃないかと思うのだが。
貫井徳郎自身もそういう感じではないし。

昔、「白夜行」で、上流階級の学生が社交ダンスをする、というのを見て、
なんか違うなあ、と感じたものだが。
なんか、あれって、
本格ミステリーに登場する金持ちが、
ガウンを着てブランデーグラス片手にペルシャ猫を撫でているみたいな感じで。

「愚行録」で描かれるハイソなイメージは、
まあそんなにはリアルとズレてはいないのだろうが。
リアルにおけるハイソなイメージも
半グレ的なものになってしまったし。
「愚行録」の輪姦みたいなシーンもそういう感じか。

貫井徳郎はそういうハイソなイメージに敏感なんだろうか。
ただ、設定として借用してきただけなのだろうか。
謎です。


ではまた。




#1762/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/09  20:52  ( 25)
ナウでヤングなイマい題材   永山
★内容
ミステリにおけるお金持ちの表現>
 他のジャンルはよく知らないので分かりませんが、推理作家の中には、金持ちキャラ
に限らず、敢えて型に填めたキャラクターを設定する場合もあるみたいで。理由は、そ
うした方が本格ミステリを成立させるためのコマとして、動かしやすいという背景があ
ると何かのエッセイで読んだ覚えが。※誰のエッセイだったか忘れているほど記憶が定
かでなく、だいぶ意訳しているかもしれません。あしからず。


ドラマの感想>
 BS12で再放送の松本清張ドラマ「薄化粧の男」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 むかーし、地上波で放送されたときの分を観た覚えがあるのですが、筋を半分以上忘
れていたので楽しめました。(^^;
 このタイトル、放送当時ならそれなりにインパクトがありそうだし、原作小説発表の
頃ならもっと強烈な印象を発していたんじゃないかしらん。今や隔世の感?
 風間杜夫演じる被害者男性が、実に現代風の設定だなと感心したです。普段は人当た
りのいいまともそうな人間なのに、ちょっと深い関係になると自己肯定感が非常に強く
て、周りのことを考えない、他人の迷惑を顧みないサイコパスを思わせるキャラクター
に転じる。原作小説でもこのような描き方をしているのか、気になった。
 一応、ミステリとしての肝はアリバイトリックと、刑事の用意した引っ掛けでしょ
う。このうちの前者は、ミステリのジャンルで幾度となく使われてきた手法で、ここだ
け取り出すと同じ例が後にも先にも多数挙がると思います。でもそれが問題視されたと
いう話は聞かないので、このアリバイトリックも(中心に毒を仕込んだ氷のように)と
うの昔から普遍的なトリック扱いしていいんだろうなあ、多分。

 ではでは。




#1763/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/11  19:54  ( 54)
ほぼあらすじ   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「インフルエンス」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 真帆が現場近くにいたことで混乱する友梨。実家でアリバイ作りするという話はどう
なったのか。新聞に載った男の顔写真と山下という名前を見ても、友梨には誰なのか分
からない。真帆に電話してものらりくらりとかわされるだけ。
 悶々とした日々を送っていると、職場である書店に友梨を刑事が尋ねてくる。仕事の
休憩時間まで待ってもらって、待ち合わせ場所の喫茶店に出向くと、そこには尋ねてき
た刑事ともう一人、夏目がいた。公務員と称していた夏目は刑事だった。
 だが彼は友梨を怪しんだから接近したのではなく、たまたまそういう巡り合わせにな
ったらしい。アパートで山下が殺害された件で、警察は真帆を疑い、知り合い全員に当
たっているという。何でも、真帆はアパートの持ち主で、さっさと建て替えたがってい
たが、山下が立ち退きに応じず揉めていた。山下が死んだことで立ち退き料をまったく
払わずに、立て替えが叶うため、動機ありと目されていた。ただし真帆自身にはアリバ
イがあり、そのため警察は共犯者を探している模様。友梨は当然、白を切り通す。
 そのすぐあと、友梨は街で里子に声を掛けられ、家に呼ぶ。里子は友梨に最後のお別
れを言いに来たという。住む世界が違うとか何とか、理由がよく分からないが、友梨は
連絡先を聞くだけ聞いて、里子を送り出した。
 その後、登記簿を調べて真帆の居場所を突き止めた友梨は直に乗り込んでいき、嘘を
言って殺しを行わせた真意を問い質す。真帆の答はDVで酷い目に遭っているというこ
とにした方があなたもやりやすいだろう、だった。
 夏目が身分を刑事と明かしたあとも、友梨と彼とのライトなお付き合いは続いてい
た。友梨には捜査状況を知りたいという理由もあった。当初は言い渋っていた夏目も、
本部の捜査方針と自分の見立てとのズレに不満があるのか、たまに熱く語って、情報を
漏らす。それによれば、被害者の妻は里子であり、DVに苦しんでいた。事件が起きる
前にはアパートを出ており、アリバイがある。これを知り、友梨は里子に連絡を取ろう
とするが、前に教えられた住所や電話番号はでたらめだった。ならばと危険な行為と分
かりつつ、真帆の家を訪ねる。彼女は里子に脅されて山下殺しを引き受け、その役を友
梨にやらせたという。これで里子は友梨のために暴漢にとどめを刺し、真帆は里子を性
的逆呈していたその祖父を転落死させ、友梨は里子のDVD夫を排除した。お互い様に
なったという。
 何日かあと、しこたま酔った夏目が、友梨のマンションを訪ねてくる。顔を見たくな
ったという。やがて眠り込んだ夏目の隙を見て、彼の手帖を盗み見る友梨。そこには里
子の住所があり、友梨は密かにメモを取る。
 里子を訪ねに行くとちょうど留守。引き返そうとしたとき、戻って来る里子が見え
た。里子はかつて不良仲間だった緒方と家庭を築いていた。友梨はそのまま立ち去る。
 ……と、話を聞いていた作家・及川のスマートフォンが鳴る。席を外して電話に出て
みると書店員から。及川は話を持ち込んできた友梨についても調べていた。書店勤めと
いう話自体は本当だったが、既に亡くなっているとの返事に驚く及川。では話をしてい
るあの女は一体?
 ――これが第四回の粗筋になります。中盤から終盤に掛けて俄然、面白くなってき
た。死者が幽霊になって話を持って来ていた、なんて展開にはならないはず。推理物と
してのきっちりした解決に期待するぞ、次週最終回。
 珍しく予想をしてみると……根拠はないけど、及川は高校時代の出来事で真帆か里子
に弱味を握られており、作家として名をなそうかというときに脅迫を受けた。今後の障
害になるとして、脅迫者を殺害。ところが及川は気付かないでいたが、それは脅迫者の
身代わりになった友梨だった。
 身代わりにした友梨の死に、脅迫者は当然、及川を怪しむ。そこで人を雇って友梨を
名乗らせ、過去の話を小説にしてくれないかと持ち掛ける体で、及川に接近する。本来
の目的は、及川の友梨殺しを暴くためだった。
 ……こう考えれば、それなりにつながる気がしないでもない……。当たっているとし
たら、過去の話のどこまでが本当で、どこからが嘘なのかという問題が出て来そう。原
作の評判が余り高くないことも合わせると、何らかの無理筋があるんだとも思います
が、果たして。

 ではでは。




#1764/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/12  19:56  ( 29)
認めながらも突っ込むという醍醐味   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第一話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ゆるい雰囲気の物語なのに、警察が事件関係者に重要なことを漏らすことはないと
か、では何で私立探偵の主人公達は堂々と事件現場に出入りできているのかとか、突っ
込みどころは満載。それでいてトリック(ロジック)の部分だけはしっかりしていると
いう、いびつなドラマ(笑)。キャラクター強めの本格ミステリを忠実に実写化すれ
ば、だいたいこうなるのかもしれませんが。
 純粋にミステリの部分だけを取り出してみれば、充分に面白かったと言えます。反
面、ドラマの部分がかなりだめなので、評価を決めにくい。とりあえず視聴は継続しま
す。
 初回での突っ込みをもう少し。
 櫻井翔演じる風真はポンコツのくせして名探偵のふりをする、実際に推理しているの
はほぼ助手のアンナ――この構図は「名探偵コナン」の毛利小五郎とコナンの関係を想
起させます。それはいいんでですが、「コナン」ではコナンが小五郎の口を借りて推理
を語るのにはある程度の必要性があるのに対し、本ドラマでは必要性が感じられなかっ
た。案が推理を語って、解決してはいけないのか? その説明が第一話でなされないっ
てことは、後々説明される可能性も低そう。
 長すぎるダイイングメッセージにしても問題ありますよね。複数の関係者が別個に、
偽装のためにダイイングメッセージを書き足していくという構図そのものはユニーク。
だけれども、一般常識のある大人なら、こんな細工をしても無意味だと気付くのが道理
というもの。長すぎて被害者が書いたものではないとバレバレなのに、委細かまわず足
していくのは無理筋でしょう。
 なかなかきれいな展開を見せた犯人絞り込みのロジックについても、突っ込もうと思
えば突っ込めるかな。容疑者の内、ダイイングメッセージの最終形を知ることができる
のは最後に書き足した人物と第一発見者と犯人だけ、として論理展開をしていました
が、最後に書き足した人物が陥れたい人物をさらに追い込むために、他の容疑者達にぽ
ろっとしゃべってしまうというケースが抜け落ちているのでは? 確認は簡単だと思う
のでそのくだりをしっかり描いて欲しかったです。

 ではでは。




#1765/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/13  20:09  ( 31)
イチケイのカラスのヨケイなギャグ?   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第二話十五分拡大を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 初回の三十分拡大は、それなりに意味のある拡大になっていたと思いました。キャラ
クター紹介と裁判を充分に描こうとすればそれくらいはやっぱり必要だろうなと。
 一方、今回の十五分拡大は、若干お遊びが目立ったかなという気がする。くさやのく
だりなんていらないでしょう。面白いやり取りだったんですけどね。他に笑いの箇所が
皆無なのであれば、くさやの場面があることでアクセントになりますけど、他にも笑い
のあるシーンがいくつかあった。となると、くさやのくだりは省いていいと思ったんで
すけど、何か大事な寓意が込められでもしていたんでしょうか?
 裁判の方は、初回視聴時に感じたような大きめの疑問点はなく、問題意識の溢れるス
トーリーで、かつ、なかなか感動的に仕上げていました。強いて疑問を挙げるのなら、
ドイツのその分野の世界的権威の医者が最終的に下した判断を、日本国内の医者は十名
集まっておいて誰一人として想定しなかったのか? 一人でも思い付いていたのならち
ゃんと証言してくれよ〜ってなところ。無論、法廷で問われたことにのみ答える、とい
うスタンスなら、おかしくないのかもしれません。揺さぶったせいか落下のせいかなん
て、あの時点では関係ないとも言えるのだから。
 それ以上に気になったのは、関係者のその後。疑いの晴れた女性を、旦那と姑が子供
を連れて迎えますが、そんな簡単にわだかまりが解けるものなの? 嫁の言い分に耳を
貸さず、あれだけ攻撃していた夫・姑と、今後うまくやっていけるという絵が描けない
……。
 自らの下した判断が覆らぬよう、方々に圧力を掛けた裁判官に対する処分もあんな軽
いものなんですかね。謹慎が解ければ戻って来るのかな。まあ、出世の道は断たれたも
のと思いたい。
 あと、触れられなかったですけど、重要な事実を伏せていた医者がどうなったのかが
気になる。心を入れ替えて自ら可能性を探り、正しい証言をしたとは言え、それでプラ
マイゼロになるのかというと無理がありそう。どういった処分に落ち着くのかその目安
を示してくれると、ありがたかったんですけど。
 次週の第三話でやっと通常枠の放送になるみたい。どういったフォーマットを見せて
くれるのか楽しみです。

 ではでは。




#1766/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/14  20:11  ( 30)
二本映画観た内の一本は日本映画   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「影踏み」(二〇一九年 日本)を録画視聴。一応ネタバレ
注意です。
 横山秀夫の同名小説が原作とのこと。未読ですが、横山秀夫作品なら期待値は高くな
ります。
 で、ハードルが上がった分、いまいちに感じられてしまったかもしれません。同作者
の原作に基づく二時間サスペンスはたいてい、緊張感がずっとあったように思うんです
が、本映画は余り感じられず。主軸となり得るストーリーラインが三つ、並行している
風に描かれていて、散漫になった印象を受けました。小説でじっくり読むと、またイ
メージが異なってきそう。
 ミステリ的な趣向としては、大技だけど目新しくはないものが一つ使われていて、あ
とは登場人物に関する伏せられていた設定による意外感かな。後者は伏線の張りようが
ない事柄かも。だから「やられた!」という騙される爽快さには欠けます。
 双子がテーマの一つだと思うんですが、終盤で兄が弟と会話するくだり、それって兄
の独り善がりというかこうあって欲しいという願望なのではないのかと。それで解決し
た、みたいにしていいのか。意図がよく分からない?

 WOWOWで放送の映画「トンネル 9000メートルの闘い」(二〇一九年 ノルウ
ェー)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ノルウェーの山岳地帯で実際に起きた火災事故の数々に着想を得て、映画化した物と
のこと。当然、完全に実話そのまんまというのではないのでしょう。だからなのか、や
けにトラブルの数が多く、しかもうまく列をなして順番に起きているような作り物っぽ
さがあったような。特に終盤。
 レスキュー隊員が“準備が整ってから突入する”という点を強調しておいて、“でも
身内や知り合いがトンネル内に閉じ込められているから無茶をして出ても入る”という
流れが何度か出て来ます。これって家族愛などを描くのにはまあいいんでしょうけど、
裏を返せば親しい人間がいるから助けに行く、とも受け取れる訳で、職業としてレスキ
ューをやっている人がそれでいいのかと。成功すれば結果オーライだとして、失敗した
場合はどうなるんだろ?

 ではでは。




#1767/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/15  19:22  ( 27)
エッセンスのてんこ盛り   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第二十一〜二十
五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のエピソード『連続放火』は、そのタイトルの平凡さとは反対に、ミステリとして
よくできた話になっていたと思います。本ドラマのこれまで観た中で一番の出来映えじ
ゃないかしらん。
 提示される謎の魅力はまずまず怪異姓があるし、真相に辿り着くまでにいくつかのよ
い意味での寄り道があって視聴者を惑わせるし、当初からは思いも寄らぬ着地点に至っ
た上に、トリックはなかなかロジカルで面白く(しかし凄く手間の掛かる)、しかも意
外な犯人まで用意されている。
 ただし、最後の意外な犯人については、暗示が露骨でしたから、かなり早い段階で
「あれ? こいつがもしかして……?」と勘付いてしまう人が多いかもしれない。それ
を補って余りあるだけの意外性があると言えばあるんでしょうけど、できることならも
っとシリーズを積み重ねてからの方が効果的だったろうから、もったいない。
 そして何よりも話の緊密さを増し、流れをスムーズにしたのは、これまで何度か苦言
を呈したぼんくら刑事の出番がほとんどなかったおかげじゃないかと思います。(^^) 
あいつが射ないだけでこんなにもすっきりしたミステリになるなんて。逆説的に効果抜
群だ。
 もちろん、いくつかの小さな瑕疵は見られます。たとえば物語の中でも出て来ました
けど、こんな長期に渡る計画なんだから、犯人グループは関与した仲間の中に亡くなる
者が出てくるケースを当然想定していなければならないでしょう。なのに何の対策もし
ていなかったようで、複雑なトリックを弄した割に、抜けている連中だなと。
 あと、上で記した意外な犯人こそが主人公の追っている犯罪者“キャプテン”当人か
もしくはその重要な仲間だと思っていたのですが、違っていたようで。似たようなポジ
ションにイケメン俳優ばかり揃えるから、初期の段階から何か意味があるとは思ってい
たんですけど、勘ぐりが過ぎたようで。

 ではでは。




#1768/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/16  22:23  ( 29)
えんもたけなわ、よろこびもひとしお   永山
★内容
 BSトゥウェルブで放送の松本清張ドラマ「火と汐」を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
 元は一九九六年にフジテレビ系列で地上波放映された物。観たことがあるようなない
ような。(^^; アリバイトリックで有名な作品で、ある意味知れ渡っているため、原作
は未読です。
 推理作家としては社会派として評価の高い松本清張が、いかにも本格推理に出て来そ
うなアリバイトリックを用いた作品……と、こう書くと、松本清張がトリックのある作
品を滅多に書かないみたいに聞こえるかもしれませんが、実際は逆。社会派推理と呼ば
れた作家の中で比べるなら、松本清張はいかにもなトリックをたくさん案出していると
されています。
 なので、清張ドラマに本格推理に似合いそうな謎・トリックが出て来ても、さほど驚
くことではない。のですが、そこを差し引いても、伊豆沖でヨットレースに参加中の夫
が、京都で置きた妻殺しの犯人、という謎の提示は、かなり魅力的で吸引力があると思
います。
 倒叙ミステリの形式を採ってはいないため、最初から夫が怪しい、とはならないので
すが、舞台や道具立て、人物配置などから犯人は夫であると早期に予想が付く。ほぼ倒
叙ミステリと言っていいでしょう。
 犯人が用意したアリバイトリックは、複雑ではありませんが下準備と費用が掛かり、
体力的にもきつい。しかも悪天候になれば中止せざるを得ず、手伝わせた人物を口封じ
に(それも、同じトリックの計画をまだ続けるつもりならば中止にした場合でも)始末し
なければいけない……とメリットが少ない。私ならこの計画で行こうとは思わないです
(笑)。
 でも謎としての形も含めて、本格推理らしさがあって惜しい。本格心をくすぐるの
か、他のプロ作家によってより完璧に近いトリックの物が創案されているみたいです。
 あとは出演者について、悪役というか犯人役があまり似合わなそうな神田正輝が、本
ドラマでは精一杯やっていたように感じました。もう少し吹っ切れた演技が必要なシー
ンがあれば、新境地開拓レベルのものが見られたかも。

 ではでは。




#1769/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/17  20:57  ( 36)
色々と怖い話   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「マネー・ショート 華麗なる大逆転」(二〇一五年 米
国)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 二〇〇八年、リーマンショックにより世界の経済が壊滅的な打撃を受けたその裏で、
経済が破綻する可能性が高いと早くから予見し、逆手に取ることで大金を得た四人(四
組)の男達がいた――というノンフィクションを基にした映画ですが、全部が全部事実
をありのままにって訳じゃないみたいです。
 というのも、作中で登場人物が突如カメラ目線になって、「ここは虚構だ。資料を拾
った事実はない」みたいな台詞を吐く場面がいくつも出て来るので。他にも、二〇〇八
年以降の視点で語るくだりがあったり、あちらの著名人らしき人達が(恐らく畑違い
の)経済の仕組みを説明したりと、明らかに作り物の箇所がありますし。メタフィクシ
ョンというよりは、西洋流ブラックユーモアのように感じられました。
 この手の経済ドラマ作品によくあるように、本作も専門用語が飛び交い、しかもその
多くは丁寧な説明なしに、どんどん進みます。加えて、当時の出来事や流行が当たり前
のように挿入され、ネタとして会話に取り入れられもしているので、十全に楽しむため
にはそういった辺りも知識として持っている方がいいんでしょうけど、まあ全部を把握
するなんてどだい無理な話。私の場合、観ながら気になった事柄だけさっとネット検索
して、補っていました。※ざっと検索しただけでは理解できないものも一部あった。企
業が債務不履行や破綻することで利益を得る金融商品て、どこからその利益が生まれる
のやら?
 で、分からないなりに面白いんですが、タイトルにある“華麗なる大逆転”という印
象は全くなかった。
 我々観る側は、顛末を知っていることもあって、一部の銀行・投資会社・格付け会社
なんかがいい加減な仕事をして(あるいは仕事をせずに)、いかに“Shit”であっ
たかがよく分かるし、リーマンショックによってそういった連中がどえらい目に遭う姿
に、ざまあみろと快哉を叫ぶ訳ですが、当時の感覚では結果的に大金を得ることになる
面々の方が“頭のおかしい人達”だったんでしょう。大いに稼いだ人達も大なり小なり
苦悩していたことも描かれていて、非常に興味深かった。世界経済が大ダメージを負っ
て数え切れない人達が破産して路頭に迷うと分かっていて、自分達は大金を掴むという
構図ですね。
 その後、金融業界に国のより強い規制が入って、改善されたように見える反面、似た
ような商品を作り出しては危うい取り引きを煽っているという、結局は変わってないん
じゃないかという空気で幕。
 日本国内で地上波放送されたことあるのかしらん? 放送すれば翌日からしばらく金
融商品が売れなくなるかも。(^^;

 ではでは。




#1770/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/18  20:38  ( 26)
交換殺人は友情で成り立つか   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「インフルエンス」最終回を録画視聴。念のためネタバレ注意で
す。最終回なので例によってあらすじは省きます。
 えー、安心してください、前回の感想で書いた予想は激しく外れていました。(^^;
 うーん、今までの感想で挙げていた疑問に一応答えてくれる内容ではあったものの、
隠されていた真相!ってなタイプの展開ではなく、単なる説明をつけたという感じだっ
た。ふうんそうだったねで終わりそうな。理屈は通っていても、観たい(読みたい)の
はそうじゃないんだよなあ、とでも言えばいいのかしらん。三人の“友情”を描いたと
いう観点で見れば、それなりに評価できると思うんですが、ミステリとしては期待して
いたものではなかった。
 感想からちょっと離れて、この作品に出て来たエッセンスの一つを取り出して、装飾
を取り去ってみると、強制的交換殺人というのが現れると思います。※本作で描かれた
殺人は結局のところ顔見知り同士の犯行故、厳密には交換殺人のメリットに浴せません
が。
 しかとは記憶に残っていませんが、これまで交換殺人を描いたミステリにおいて、強
制的にやらせる、巻き込むというのがなかったとは言えないと思います。ただ、数は凄
く少ない気がする。
 だから今後有望な“鉱脈”になる、とは言えません。たいていは脅しの要素が入って
きて、バリエーションに乏しく、パターンが型にはまってしまうのが大きい。が、デジ
タル機器の発達などにより、多少は違いを出せるのではないかと仄かな期待感、なきに
しもあらずといったところ。
 そんな中、意外と狙い目になるかも?と思い付いたのが、館ミステリでの交換殺人。
アリバイを完璧にしておけば動機を有する者と被害者との距離がどんなに近かろうが関
係ない、ならばいっそ館ものでもいいだろ、ってな発想です。いずれ書くかも、でもすで
に書かれているかもしれず。

 ではでは。




#1771/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/19  19:50  ( 23)
差が大きくて捻れる   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第二話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 うーん、平凡。初回は力が入っていたのがよかったのかな。それに比べて今回は本格
度が著しく落ちたような。特に、犯人特定の決め手が弱い、かつ、少ない。当然、物証
頼みになり、その物証は確実な代物だけど、警察が令状なしに銃をぶっ放して金庫を開
けて回収って……いくら「あぶない刑事」に似せたキャラ二人を出していても、だめな
ものはだめ。初回で「捜査の内容は関係者に漏らさない」って真っ当なことを掲げたの
に、第二話でこれをやっちゃあだめでしょ。物語の世界観がぶれる。一話と二話とで、
脚本協力した推理作家が異なるのが原因かもしれないけれど、そこら辺も含めて矛盾が
ないようにする監修する人がいるもんじゃないのかしらん。
 今回の殺人犯人、刺殺という手段を選んでおきながら、靴が汚れる可能性を考えてい
なかったのか? よく分からん行動を取っている。偽の証拠として残したアウターにし
ても、犯人自身のDNA等が採取できるのでは?
 分からんと言えば、探偵側の行動もいまいちぴんと来ない。電話詐欺と分かっていて
応対の際に本物のお金を用意する意味は何なんだろう? 詐欺グループのアジトを突き
止めるのは依頼内容にないんだから、行方知れずになっていた人物の確保だけに集中す
ればいいのでは? その上、確保する前に変装を明かすし、お金を渡してから確保しよ
うとして逃げられるし、やることがいちいち抜けているのは何で。
 行方をくらましていた男、最後に「何でもっと早く相談しなかった」と言われていた
けれども、ほんとそれ。理由が語られることなく終わってしまった。
 てことで今回分は評価できません。突っ込みどころはたくさんありつつも本格ミステ
リとして面白いってのを期待してるんで、次は復調しますように。

 ではでは。




#1772/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/20  16:35  ( 27)
イチケイのガラス職人   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第三話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 三回目にしてやっと通常枠での放送となりましたが、まるで時間が足りなかったかの
ような構成に首を傾げることに。
 というのは、始まってしばらくしてから出て来たアインシュタインだのサーダーアン
ダキーだののやり取りは、これまでの二回にあったクイズ的なものだと思っていたの
に、答が示されず、宙ぶらりん。まさか本当に時間が足りなくて答を示せなかった訳で
はないだろうけれども、変な感じがしました。
 事件の方はこれまで映画やドラマ、小説に漫画と色んな形で描かれたであろうタイプ
の型にはまった物で、予想通りの展開を見せました。当然、驚きは薄かったけれど、定
番中の定番だけに面白さは保証されています。
 気になったのは、ガラス工房で娘が我を失ったみたいに暴れて、置いてあったガラス
工芸品を次から次へと壊していったシーン。最初の時点では一応、“娘は父親を殺した
ガラス職人が憎くてガラス工芸品を壊した”という構図だったけど、実際は違っていた
訳で。犯人じゃないと分かっている(娘自身が犯人だから)のに、どうして工芸品を壊
すのか。裁判官や検察らがいるから、怪しまれないように芝居を打ったのか? だとし
ても、母娘は裁判官達が工房に来ることを事前に把握していなければならない。裁判官
らが入る前に、がちゃーんて音がして始まったから、タイミングを計っていたようにも
見えるけれども、再検証の日時って外部に公表されるものなのか。母親は警察官だか
ら、その線で知ったとか? この辺り、補足説明がほしかった。
 職人が遺体を燃やした理由も、通常のドラマなら説明が入りそうな気がするけど、何
にもなかったなぁ。多分、死亡推定時刻のずれ(実際に死んだのは夕方頃で、職人が犯
人であろうとすると夜十時以降にせざるを得ない)を隠すために、遺体を完全に焼却し
たんだと思う。でもまあ、こちらの方はわざわざ説明してなくても、視聴者が察してく
れればそれでいいぐらいの気持ちで製作されている印象を受けたです。

 ではでは。




#1773/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/21  19:47  ( 35)
あんまり華麗でない   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」初回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作は山崎豊子の同名小説。作品名だけ知っていて、中身を全然知らない。(^^; 第
一回を観た限りでは、早くもどろどろしたものが見え隠れして、華麗なるどころではな
いよう相を呈している。
 本作もあらすじを書くのが難しそう。前の「トッカイ」は専門用語が説明なしに頻出
するので書きづらいと判断しましたが、今回は登場人物の多さに二の足を踏んでしま
う。
 とりあえず、
・時は一九六七年初頭。政府主導の銀行業界再編の動きが表面化しつつあった。
・万俵コンツェルンと呼ぶべき企業グループがあり、そのトップが阪神銀行頭取の万俵
大介。その子供として、長男鉄平(阪神特殊製鋼)、次男銀平(阪神銀行貸付二課課
長)他、娘もいる。
・大介は企業人としては大変有能だが、家庭人としてはそうでなく、妻の寧子を蔑ろに
して、家庭教師として雇った高須相子を愛人にして住まわせている。寧子は京都の良家
の出で仕事は何もできない。相子は正反対で仕事に口を挟むこともあれば、大介の子供
らの縁談をも取り仕切る。大介の子供らは程度の差こそあれ、相子によい感情は持って
いない模様。
・大介は銀平を後継者にと考えている。鉄平の出自を疑っている節あり。
・鉄平は製鉄会社からの納入頼みの生産体制が不安定で操業が止まることもあるのを懸
念し、自社での溶鉱炉所有を思い立つ。建設及び稼働には諸々併せて二百五十億円ほど
かかる見込み。資本金の四倍ほどの大博打に、阪神特殊製鋼の内部は二つに割れる気
配。反対派は特に資金面を不安視する声が大きい。鉄平は父にその半額を融資してくれ
るよう頼む。
・大介は銀行再編について、政府特に大蔵省(当時)の意向を知るべく、あれこれ探り
を入れる。そして小が大を飲み込む合併もありだと認識していることを知り、そのため
に計画を練り始める。
 ……といったところを押さえれば、何とかなるかと。多いな(笑)。
 まだ始まったばかりですが、思わせぶりな描写がいくつかあって興味をそそる。今の
ところはっきりとした目標を持って動いているのは鉄平だけ。大介は目標・目的ははっ
きりしているけれど、具体的にどう動くかはこれから。
 二時間サスペンスならすでに二人くらい不審死を遂げていそうな人物配置と滑り出し
ですが、そうはならないはず。(^^; 話の広げ方にも注目しつつ、楽しみたいもので
す。

 ではでは。




#1774/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/22  20:09  ( 24)
宗旨替え探偵?   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第二十六〜三十
回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のエピソードタイトルは『ほほ笑む黒衣の女』。これがそのまんま、真犯人(的
なもの)を示しているとは思わなかった。まさか、サブタイトルでネタを割ってしまう
とは、裏を掻かれたと言えば掻かれたです。
 それならそれで、もうちょっと“お化粧”させてやればいいのに。被害者はみんな女
性で“笑死”しているんだから、ついでに衣服も全員が黒だったことにすれば“ほほ笑
む黒衣の女”になり、視聴者には「サブタイトルは被害者達のことを表しているのね」
と一応の納得を与えられる。その上で、本来の種明かしである二段構えの真犯人及び真
犯人的なものを提示すれば、結構驚きがあったと思うんだけど。
 今回よかったのは、主人公の紳士探偵が初めて推理を間違った?と思わせる展開。探
偵役が完璧すぎると、作者がミスリードを仕掛けても探偵が首を縦に振らない限り、読
者は探偵に着いていく訳で、結局ミスリードにならないという問題が生じる。そこを回
避する手法の一つがこれだなと。ただし、真相が明らかになると探偵役は大筋では間違
っていなかったと分かり、「この主役は推理を誤らない」という視聴者の認識は結果的
にますます強まったとも言える。ジレンマ。
 あと、気になったのはキャラクター設定の変更があったのかと思うほど、探偵の探偵
方法が変化していること。確か最初の方のエピソードでは、心理学的な手法は信じな
い、だから使わないみたいな台詞を吐いていた紳士探偵が、今やばんばん使っている。
方針を変更したのならしたで、そうなるきっかけみたいなものを描くべきと思うんです
が、なかった気がする。ただ、心理学的手法の有効性を主張していたレギュラー陣が犯
罪者として逮捕される展開があったから、それと何らかの関係があるのかも。

 ではでは。




#1775/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/23  20:22  ( 27)
流行りと言えば流行りのネタ   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「ボディカメラ」(二〇一九年 米国)を録画視聴。すごく
ネタバレ注意です。
 WOWOWのサイトにあった紹介文から、ボディカメラなどの映像を駆使した犯罪捜
査アクション&サスペンスを期待して予約設定したのですが。観始めてしばらくする
と、首を傾げることに。
 出だし、警察官による黒人への尋問から発砲、死亡させた件の裁判で無罪判決がくだ
り、街の雰囲気がよくないことを伝えるニュースが流れ、有色人種である警察官も店の
人間から歓迎されていない様子が描写されます。これぞ社会派サスペンスと思わせる、
手堅いスタート。
 が……かなり序盤で、警察官の一人が死にます。パトカーの車載カメラが捉えていた
映像から、警察官は強大な力でボンネットに叩き付けられ、さらに一瞬で高く持ち上げ
られ、飛ばされ、電柱?に引っ掛かったまま絶命したと判明。もうこの段階で、おかし
い感じが漂う。人による目撃証言やら伝聞ならまだ、本格ミステリ的な物理トリックの
入り込む余地はあるでしょうが、カメラの映像となるといけない。どう考えても超常現
象、ホラーの領域です。
 その予感の通り話は進み、結局は警察官が不祥事を隠蔽するために黒人の少年が殺さ
れており、その少年の霊が復讐を果たしていたというのが真相。うーん。
 この筋書きなら、WOWOWのサイトの紹介でも、はっきりホラーと銘打って欲しか
った。確かに、微妙な言い回しで紹介文に一度、“ホラー”という単語が出て聞きます
けど、何かずるい。

 ボディカメラを活用したストーリー作りなら、もっとはっきりとミステリ寄りの作品
で、いいのができそうな気がする。もちろん、カメラ(データ)のすり替えが行えない
前提で進めないと何でもありになりかねない。そういったブレーキは必要でしょうけ
ど、叙述トリックネタで新機軸を打ち出せないかな。

 ではでは。




#1776/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  21/04/24  14:22  (104)
「二万人の目撃者」【ネタばれ】  朝霧
★内容
第16回「ミステリーズ!」受賞作ですが。
作者は、内田康夫ミステリー文学賞特別賞受賞、鮎川哲也賞候補など
輝かしい実績もあるのでどんなものかと思って読んだのだが。
全く大した事なかったですね。
ネタばれすると




















犯行の時刻、犯人はyoutubeライブをやっていたというアリバイがある
のだが、
実はそれはyoutubeライブではなく、4Kだかのディスプレイに写っているものを
ライブで放送しただけだった、というもので。
こういうのは、昔、「新黄金の7人」にあったのでは。
だから、古い発想だよなあ、と私は思ったのだが。
他の読者の感想を見ると(選考委員も)
「こういう新しいものはすぐに古くなってしまうものだが、
しかし技術革新などで新しいものが出てきたら、それが出てきた時代を
描写するのも小説の役割だ」みたいな事が書いてあって。
全然違うなー、と思ったのですが。
そもそも、youtubeというのはオンデマンドなんだから、
Aという時刻には〇〇をやっていたので他の事は出来ない、
というアリバイにはならない、
というのが”新しい”ところであって。
そういう新しい時間の流れの中にあって
youtubeライブというのは昔的な時間の流れであって、
新しいのは、オンデマンド的な時間の流れであって、
それはもはや従来のアリバイには使えない筈で。

そういうのが通用しなくなった時代が今の時代だと思うのですよねぇ。
例えば「容疑者Xの献身」でも、
その時間には映画館で映画を見ていた、というのがアリバイになっていたが、
今の時代、オンデマンドだから、
A時間には〇〇をしていたので他の事は出来ない
というのはアリバイにならない、というのが新しい感覚だと思うのですが。

それどころか、生まれた時から、オンデマンド的な環境で育った世代には、
そもそも、「Aという時間に〇〇をしていたから他の事が出来ない」という事すら
理解出来ないのではないか、と思ったのですが。


最近、アマゾンで電池とかシャンプーとか雑貨を買ったのですが、
注文は、コンピューターのシステムに向かってポチるだけだから、
夜の10時に電池をポチって、11時にシャンプーをポチってもいいのだけれども、
実際に運んでくる佐川のおじさんの苦労を考えると
なるべくまとめて注文した方がいい、と思ったのですが。
ところがそう思ってまとめて注文しても、
アマゾンの方で勝手に別便になっていたりする事がある。
受け取りはコンビニなのだが、段ボールが2つになっていて無駄だし、
運んでくる佐川のおじさんの苦労を考えると、
アマゾンで出荷を担当している人は、
段ボールのムダとか、佐川のおじさんの苦労とか、
そういう事は一切考えないんだろうなあ、とか思う。
更には、実はシャンプーを頼む積りがリンスインシャンプーを頼んでしまって、
それをキャンセルしたいのだが、
既に「出荷準備中」になっているのでキャンセル出来ない、
という場合に、
アマゾンのコールセンターの女にいうと
「だったら受け取らないで下さい。コンビニに2週間放置されると
勝手にこちらに送り返されてきて、キャンセル扱いになりますから」
と平気で言う。
そんな事をしたら、コンビニまで運ぶ佐川のおじさんの苦労はどうなるのか、
とか全然考えない。
そういう佐川のおじさんの苦労を考えない現代の若者はミステリーを
理解しないだろうなあ、と思ったのですが。

そもそも、ミステリーにおけるアリバイとは、
つーか、ミステリーに限らず、「出来る男」みたいな感じの人というのは、
なるべく合理的な行動をする、みたいな。
合理的とは、電池とシャンプーを同時に注文すれば、佐川のおじさんの苦労が減る
という事で。
ところが、コンピューターのシステムが何時でもポチればいいだけなので、
生まれた時からコンピューターのシステムを使っている現代の若者は、
そもそも合理的とは何か
という事自体理解していないんじゃないのか、
などと思ったのですよ。

だから、Aという時刻にはyoutubeライブを見ていた、だから犯行は出来ない、
という事が、そもそも理解出来ないのではないか。
昔の人は、時間でもなんでも合理的に使わないとムダになってしまう
と思って考えながら生きていたが、
今の人は、全てはオンデマンドであり、全てはシステムに向かってポチるだけなので、
そういう人は、ミステリーのアリバイもトリックも理解しないのでは。

もしミステリーに新しい何かがあるとしたら、そういう感覚ではないのか。
と愚考した次第です。
(なんとなく私の言っている事伝わります?。ちゃんとした文章になっていないが)。





#1777/3021 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #1776 ***
★タイトル (AZA     )  21/04/24  20:40  ( 33)
新感覚   永山
★内容
現代のアリバイ事情とか論理的行動とか>
 島田荘司が二十一世紀の(本格)ミステリーというのを提唱していたように思いま
す。書き込みを読んで、それを連想しました。
 一つのことをしていたからといってそれがアリバイとして認められないという見方
は、独創的だと思います。ミステリ作家としての武器になるくらいの独創性。
 世代間ギャップと言っていいのかどうか、たとえば中年男性がアリバイ作りのために
トリックを弄して自信満々で犯行を成し遂げ、同じ世代の刑事達にはその壁が崩せな
い。ところが警察官になったばかりの新米があっさり解いてしまう、ぐらいの展開は前
からあるかもしれません。でも捜査員全員が端から「そんなアリバイ、成り立たないよ
ね」と否定するとしたら、かなり衝撃的になりそう。読者がアリバイトリックだと認識
してくれないと話にならないという心配はありますが、もうしばらくは行けるでしょ
う。(^^;
 ただし、この手のものは一回使ったらそれまでで、以降はミステリ界隈に浸透してい
き、当たり前になるという可能性もそれなりにありそうですが。

 ミステリ、特に本格と称されるジャンルの登場人物はなるべく論理的な行動を取るこ
とを大前提にしている、という話がありますよね。本格推理・本格ミステリにおいて名
探偵がロジックを展開することが非常に煩雑になるから。犯人は馬鹿な失敗や思い込み
は犯さない、というのが暗黙の了解のように存在している。もし仮に犯人が馬鹿な失敗
や思い込みをしているときはその手掛かりを読者に分かるように提示すべき、というの
が基本的な考え方でしょう。
 もしもその前提・暗黙の了解が、時代が進むことで成り立たなくなるようだと、本格
ミステリにとって困った事態になるなあ……。

 推理作家の佐野洋がエッセイ『推理日記』(講談社文庫他)シリーズのどれかで、石沢
英太郎「退職刑事」シリーズの一短編について感想を述べていて、その作中でやくざの
親分の取る行動に疑問を呈していたと記憶しています。親分の選択が、最善の策とは思
えない、次善・三善としてもおかしいんじゃないかと、首を傾げる感じでした。
 単に作者が思い付かなかったとも、短編であるため書き切れなかったとも考えられま
すが、やはり前提を崩しての本格推理は成り立たない、読者との間に溝を作ることにな
りそう。

 ではでは。




#1778/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/26  19:56  ( 23)
全体のためのやむを得ないエピなのか否か   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第三話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 うーん、急にだめになってきた。平凡な出来。
 冒頭から風真がずる休みして、共感しづらい。爆弾脅迫事件の解決協力依頼をこっそ
り受けていたという事情があるにせよ、同僚にその件を隠す理由が弱いし、どうしても
秘密にしておきたいのなら有給休暇を取ってとなるんじゃないの。
 犯人の指示で、金を入れさせたバッグを一旦バスの外に落とし、後続の風真に拾わ
せ、改めて橋から放り投げさせるという一連の流れが意味不明。バスが橋を通過すると
きに直接、放り投げさせれば済む話なのでは。
 基準となる重量のプラスマイナス三十キログラムまではセーフの起爆装置って、犯人
はどんだけ優しいの。重さ約二十キロの札束を奪おうとしているのだから、基準重量の
マイナス二十五キログラムまではセーフ、増える分はせいぜい三キログラムまでとして
おけば事足りるだろうに、何で余裕を持たせた?
 重しとして乗せられた刑事らがバスから脱出する方法が、あまりに単純。数学が得意
なキャラクターを新たに登場させなくても、すぐに気付くレベルでしょう。
 そして今回も、警察が風真らに捜査情報をじゃんじゃん漏らす。こんな風にするのな
ら、第一話で余計なこと入れなきゃよかったのに。
 “すべての事件が最後の謎につながる”という趣向があるそうなので、上で挙げた瑕
疵と思える箇所も実は真っ当な理由があって、最後の謎に結び付いているのかもしれま
せん。が、それでも期待薄になった感がにわかに漂ってきたような……。
 いや。脚本協力かつ原作小説作者として名前の出ている推理作家の顔ぶれから言っ
て、このくらいで終わるはずがないと信じて待つ。(^^)

 ではでは。




#1779/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/27  20:16  ( 30)
鰈なる一族   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第二回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のポイント。
・次男銀平の結婚話がとんとん拍子に進められるも当人は乗り気でない。結婚話を含
め、万俵家のこと全てに関わってくる秘書の相子を憎んでいる。
・長男鉄平は溶鉱炉作りを実現するため奔走。許可が下り、金の工面にも見通しが立
つ。
・しかし父の大介は鉄平の力を認めない発言。自前の銀行からの融資も、はっきりOK
とは言わずに先延ばしにしている。拒むつもりでいる様子。
・大介は銀行の合併話に熱が入る。小が大を食らう合併を目指し、中堅四行の内情を知
るべく、娘婿の美馬に命じて極秘情報の奪取を目論む。
・美馬はかつて同僚だった検査部の男を酒に誘い、定年退職後の腰掛け先をエサとして
ちらつかせながら、情報を持ち出してくるように言う。男は迷いつつも結局はコピーし
た情報を美馬に渡す。
・美馬は大介にコピーを渡し、功績をアピール。と同時に相子にも、同じ立場の者同士
(ともに万俵家の外部の人間でありながら万俵家のために動いている)仲よくやろうと
接近する。
・大介は美馬の仕事能力測っているが、完全に信頼している訳ではない。
・前回に引き続き、鉄平が父の大介よりも祖父に似ていることが繰り返し強調される。
・大介の妻寧子は夫と相子の愛人関係を疎んじながらも、自身にも浮気した過去がある
のか、強く言えない(ことを大介が言ってる)。

 ……といった感じでした。登場人物が多くて、その肩書きを覚えるのがしんどいです
が、物語のいくつかの筋道が明確になってきたので、比例して整理されてきたかな。
 長男が父親から疎まれているというか厳しく当たられているのは、前回から明白でし
たが、次男はどうなんだろう。次男が思った以上に相子を嫌っており、意外と父親のこ
とも嫌悪の対象になっているのかな。
 そしてその父親・大介の銀行合併にかける意気込みの強さがよく表れていた。これは
本当に何でもありだな。

 ではでは。




#1780/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/28  20:06  ( 20)
定型文ながら面白味がある、みたいな   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第四話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 今回は「わざと引っ掛かりを覚えるように作ってるの?」っていう箇所がなかった、
気がする。(^^;) 細かいことを言い出したら、犯人の計画が十全じゃないにもかかわら
ずうまく行きすぎな気がするし、もっとうまくやる方法はあるんじゃないかいった疑問
がわかなくはない。
 けど、そういったことを枝葉の些細な点だと思えるくらい、今回は視聴者サービス?
として見所が多かった。ヒロインの妹が登場、ヒロインが初の裁判長、初の未成年事
案、本筋ではない序盤の裁判シーンで被告が遠藤憲一(ちょっとだけ出て終わり)等
々、面白くなる要素がたくさんあって、期待されることをちゃんと映像にしてくれた感
じ。
 面白さと言えば、毎回扱うメインの案件がどれも面白くなって当然の複雑さを有して
いるけれども、これが平々凡々な事件だったらどう描くのか、意地悪くも気になってし
まった。あるいは平凡じゃない、凶悪事件で被告人がどうしようもない悪人といった
ケースでもいい。いつもの「イチケイのカラス」に持って行けるのか、それとも普通に
処理して終わりにせざるを得ないのか。もちろんドラマとして作るのなら、強引にでも
面白い方に持って行くんでしょうけど、「イチケイのカラス」の裁判官達がこの手の事
件をどう裁くかという思考実験的な興味がわいたということで。

 ではでは。




#1781/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/29  20:06  ( 24)
古典的トリックを成立させる   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第三十一〜三十
五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 今回のエピソードは『山頂の迷宮』というタイトルで、いかにも嵐の山荘ものを思わ
せます。実際、ケーブルカーの機械の破損により山頂の屋敷が閉鎖空間になり、そこで
人が死んでいく訳ですが、がちがちの本格推理とはちょっと違ったかな。それでも充分
に面白い筋になっていましたし、感動ネタを真正面から入れてきて、なかなかよかった
です。今回も主役の紳士探偵を演じる役者にとって、見せ場が多かった印象。
 絵の真相がいささか拍子抜けだったことと、死んだチャーリーの気持ち・感情を類推
して下した結論がちょっと独善的だったのはマイナスかな。もう少し時間があって、詳
しく描けたならよくなった気がして、惜しい。
 トリックは、現代では成り立たない、この時代ならではのものでした。ただ、当時だ
としても、こんなにうまく行くかどうかは分からない。犯人も事前に試しにくいだろう
し、ぶっつけ本番でたまたま成功したのかな。
 犯人指摘は一応ロジカルだったと思う。途中で絞り込まれ、指摘された(実際には探
偵とその仲間内で名前が挙がっただけだけど)人物が犯人だったら、「トリックを用い
たせいで犯人が特定される」という、何のためにトリックを弄したのか分からなくなる
展開だったので、それが否定されてほっとした。(^^;
 今回の事件が終わったあと、過去から続いている縦糸の事件の方もまたぞろ動き始め
た様子で、つなぎ方は多少強引なところはあったものの、充分に興味を引く形で直につ
なぐとなっていた。見事なクリフハンガー。
 しかも、捜査側の準レギュラーながら犯罪者として捕まった人物を出してくる辺り、
よく考えているなあと思わされます。

 ではでは。




#1782/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/01  20:14  ( 32)
言葉のTPO  永山
★内容
 多湖輝の『頭の体操』(光文社)の第何集だったかに、こんな感じの問題がありまし
た。「タイムマシンで過去に旅立った“僕”。着いた先では街が焼かれ、人々が逃げ惑
っていた。近くの人をつかまえ『何が起こったんですか?』と聞いてみると、『第一次
世界大戦が始まったんだよ!』との返事が。この話におかしなところはないか」
 とりあえず、タイムマシンの存在は肯定することが前提です。
 で、考えてまず辿り着くのが、「第一次世界大戦という言葉は、第二次世界大戦があ
ったからこそ存在するのだから、第一次世界大戦開始間もない頃に第一次世界大戦なん
て表現をする人がいるはずがない」というもの。
 なるほど確かにその通り。でも、タイムマシンの存在を忘れてはいけない。“僕”が
尋ねた相手もまたタイムトラベラーだったとすれば、第一次世界大戦という単語を使っ
てもおかしくない……これが答でした。

 上のパズルは特殊な状況ですが、物語(小説やアニメ、映像作品等)において、その
言葉を用いるのはどうなの?」と引っ掛かりを覚えることが時々あるかと思います。
 先日、たまたま観ていた深夜アニメ(作品名は覚えていません ^^;)で、どう見ても
日本とは縁のない世界観設定なのに、登場人物が台詞で「大和撫子」と言っていまし
た。
 これをどう見るか。おかしい!と言ってしまうのは簡単ですが、たとえば「異世界の
言葉を翻訳する過程で、日本の視聴者向けに分かり易いよう、“大和撫子”という表現
を当てはめた」と見なすと、一応成立します。そもそも、異世界の共通言語が何で日本
語なんだろう?なんて言い出したら、何も始まらないわけだし。

 では、パンダが知られる前の日本を舞台にしておきながら、「客寄せパンダ」という
表現を作中で用いるのはどうか。地の文なら許容範囲だが、台詞ではNG?
 「神経」という単語がなかった平安時代のお話を綴るに当たって、登場人物に「どう
いう神経しているの?」と言わせるのはどうか。そもそも当時の人の話し言葉を正確に
表現できるとは思えないので、これも翻訳されていると見なせる?

 ……てなことに引っ掛かったままでは物語にのめり込めないので、とりあえずは気に
しないようにしています(笑)。

 ではでは。




#1783/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/02  20:59  ( 27)
入れ替わりの不思議   永山
★内容                                         21/05/02 21:04 修正 第2版
 コロンボにだまされた。
 いや、正確に言うと、ドラマ「刑事コロンボ」シリーズをオンエアしていたスカパ
ー!のチャンネルの一つ、AXNミステリーにやられた。
 スカパー!開放に備えて録画機器の容量をちょっとでも増やしておこうと、だいぶ昔
に録画した番組をチェックしていて、ふと気付いた。
 コロンボ作品をいつでも気軽に観られるよう、HDDにシリーズ全六十九作を置いて
いるのですが、その一エピソードである「白鳥の歌」がだぶっている。
 NHK−BSで放送されたのとAXNミステリーチャンネルで放送されたのとがごっ
ちゃになっていますが、だぶらないように余分な物は削除したはず。
 おかしいなと思い、そのままダブりも含めて作品数をカウントしてみたところ、七十
とはならずに六十九だった。
 これはどれか一作、間違って削除してしまっているに違いない。嫌な作業ですけど、
確認してみた。結果、「愛情の計算」が見当たらなくなっていると判明。
 で、何で削除ミスを起こしてしまったのかを考えてみるに……本来、コロンボシリー
ズとしてのナンバリングでは、「愛情の計算」と「白鳥の歌」は23、24と連番にな
っている。隣り合っているがためにミスが起きた他可能性がある。
 このとき、不可解な点に気が付いた。録画した番組のタイトルが、コロンボ#23
「白鳥の歌」となっている。「白鳥の歌」は第二十四話のはずなのに、何故だかAXN
ミステリーでは一つずれている。もしかすると、23と24を入れ替えて番号付けして
放送したのではないか。
 録画当時そうとは気付かない私は、番組タイトルにある数字だけを見て、24とナン
バリングされた作品を、ダブりがあるものと信じて消してしまった。
 恐らくこういうことではないかと。
 AXNミステリーでの放送順が入れ替わっていたのだとしたら、その理由はまだ不明
なんですけど。

 ではでは。




#1784/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/03  20:03  ( 23)
オチテシスとオトシテシス   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第四話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 前よりはよくなったものの、見過ごせない大きな疑問点があるので低評価にとどめざ
るをえないなぁ。
 その疑問点。転落死と、高所からの落下物が頭部直撃したことによる死亡とでは、遺
体の状況がまったく異なるのでは? まともに検死解剖したのなら、絶対に混同するこ
とはないと思うんですが違うのかな。
 真っ昼間の犯行というのも気になる。外から目撃される恐れが充分にあるから、普通
なら今このタイミングで殺そうなんて考えるはずがないんだけど。事故か自殺による転
落死に見せ掛ける狙いで突き落とすのなら、犯人が目撃されないようにする手立てはあ
ると思うけど、一抱えもある重たいオブジェを落とす動作は、身の隠しようがないでし
ょう。狙いを定めるために、身を乗り出して下を覗き込む必要もあるし。
 また、オブジェを落とすタイミングにしても、スマホを拾い上げる動作なんて一瞬だ
し、高いところから見下ろせば“的”は小さいし、失敗するパーセンテージがかなり大
きいはず。とにかく計画犯罪としては最低レベルじゃないかと言いたくなるくらい。
 結局、今回の見所は百五十名ほどの関係者に対して、AIを駆使して短時間で事情聴
取して怪しい者を絞り込み、証言の矛盾から真相を浮かび上がらせる、さらには各人物
が何故嘘をついていたのかを推測するという辺りにあったんでしょう。そこ自体は面白
かったんだけど、鏡による誤認以外は人の心情に因るものばかりで、決定的じゃないか
らいまいち弱い印象がある。
 一つでも、“心理の足跡”と呼べるようなネタが放り込んであったなら、だいぶ評価
が違ってきたかも。

 ではでは。




#1785/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/04  20:07  ( 27)
1・2・3キッド   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第三回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 三話目のポイントは……
・大介が“小が大を食らう”合併の相手先として、情報収集を経て、一つに絞り込んだ
様子。
・長男鉄平の計画した溶鉱炉建設は、費用の四十パーセント(出資比率と同じ)を父親
大介の阪神銀行に頼んでいたが、三十パーセントしか出せないと告げられる。理由が漠
然としており、憤慨する鉄平。自宅では大介やその愛人相子を詰りまでする。
・相子は弟夫婦の元を尋ねて、昔を思い出すも、いつまでも万俵家にいるつもり。
・大介の妻寧子は相変わらず、大介と相子から辛い仕打ちを受ける。そのためか、一度
実家を訪れるが、現状をはっきりとは口にできない。迎えた兄もすまない気持ちは表明
するが、現実的に何かできる訳でなし。
・大介の長女で鉄平の妹二子が、鉄平を会社に訪ねた先で、顔見知りの一之瀬と再会
し、心惹かれた模様。

 こんなところかな。
 あと、今回初登場の阪神銀行の支店長が強い印象を残してました。大介の合併戦略の
一環として預金額を大台に乗せるために駆けずり回って、嫌な目にも遭いながら、いよ
いよ集計の日に数えてみると僅かだが足りない。その瞬間、胸を押さえて倒れる支店
長。そのまま心筋梗塞で死亡する。翌日この知らせを聞いた大介は「銀行員の鏡だ。葬
儀には出る」と会社人間としての言葉だけ述べた。直属の部下?が何とも言えない驚き
の表情をしたのも印象的。
 遅まきながら気付いたんですけど、大介の娘三人の名前が一子、二子、三子なのね。
これは大介が女性を企業活動の駒としか見ていないのが現れているのかな(大介が名付
けたとは限らないけれども、恐らくそうなんでしょう。でも祖父の線もないとは言い切
れないか?)。

 ではでは。




#1786/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/05  20:06  ( 24)
偶然の一致ケイ   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第五話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 前回にまして今回もベタな構造ではあったと思います。黄金パターンだから面白さは
保証されているも同然。配置された人物達がそれぞれ思いの込められた理由から動いて
いるので、感動につながる。
 思わせぶりな入間の態度について、最後に明かされる落ちはしょーもないレベルだっ
たけれども、まあ笑いの要素そのものは必要だと思うんで許容範囲でしょう。
 書記官・石倉の昔の恋バナ未満エピソードは、現在進行形の事件とのつながりがある
ので当然必要ですが、高校当時の石倉が将来の目標を持っていたのか、持っていたのな
ら何なのかまで具体的に示した方が、告白できなかったことに説得力を持たせられそ
う。ドラマに描かれた分だけでは、何で告白しなかったの?となるので。

 そういえば前々回のエピソードが、東野圭吾のガリレオシリーズの映画「容疑者Xの
献身」のネタと被っているという批判が一部で出ているみたいですが、正直言って牽強
付会にも程があるレベルだと思う。この程度で悪い意味の被りと取られては、他のこと
でも被りだらけにならないかな? たとえば極端なこと言えば「密室の謎を扱っている
ので被り」とか。

 で、今回のエピソードが二日前に放送されたドラマ「ドラゴン桜」のエピソードと被
ったと、ネットニュースに出てた。こちらはあくまでも偶然の一致を驚くというニュア
ンスですけど、ちょっとでも同じところがあったら似ているって話になるのね。そんな
言うほどのことかと。

 ではでは。




#1787/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/06  19:50  ( 23)
連続宙ぶらりん   永山
★内容
 BS11で放送の海外ドラマ「紳士探偵L〜魔都・上海の事件録〜」第三十六〜四十
回(最終回)を録画視聴。ネタバレ注意です。
 まだまだ続くと思っていたら、最終エピソードでした(最終回視聴直前に知った)。
サブタイトルは「上海危機一髪」。
 前回のエピソードに対して見事なクリフハンガーと評しましたけれども、この最終回
もまさかクリフハンガーでした。そして前と違って、見事とは言えない、悪い意味での
クリフハンガー。解決を宙ぶらりんのまま投げ出してしまった感が強い。残り時間から
して、無理があるなあとは事前に想像できていましたが、これほどまでに強引に押し進
めるとは、これまた悪い意味で予想外。
 もちろん続きが描かれて、真っ当な結末を付けることは可能に違いありませんけれど
も、それにしてもこの最終回に詰め込みすぎだ。急に打ち切りが決まったかのようなド
タバタした舞台裏を感じさせるいびつな話になってた。これまでのエピソードでは終わ
る度に、ヒロインの刑事が故郷の親戚に手紙を綴る形で締めくくっていたのに、それも
なく、ただただぶった切った。
 さては続編がすでに作られているか、少なくとも制作が決定しているんだろうと期待
して検索してみましたが、ネット上でそれらしき情報には行き当たらず。
 主役の探偵がミスを犯したと思わせる描写、獄中で認知症と判断された悪党の意味あ
りげな笑みで唐突に幕。丹念に作れば面白くなりそうなのに、伏線が乏しく、問題とヒ
ントを出したらすぐに答合わせ、あるいは逆にヒントを過去のエピソードから引っ張っ
てくるという極端な構成になっていたのは残念。もうあと五話分を費やして、ちゃんと
した解決までまとめて示す必要があったストーリーだったと思う次第です。

 ではでは。




#1788/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/08  21:42  ( 25)
今さら?今だから?PDF   永山
★内容                                         21/05/08 21:51 修正 第2版
 メフィスト賞がネットから応募できるようになっていたのね。というか、郵送の受付
がなくなり、代わってネットからのみという風になったのかな。郵送受付のページもネ
ット上に残ってはいるんですけど、実際に郵送での応募を受け付けているのかどうかは
っきりとは分からないです。

 ※追記。その後、関連サイトに目を通していると、ウェブ応募のみになったとの文言
が出ていました。

 ともかく、年に二回、二月末と八月末を区切りとして作品を募り、会議するみたい。
 カクヨムコンにだいぶ時間を取られて、メフィスト賞のページをチェックするのを怠
っている間にこんな改変が行われていたとは、出遅れた。(^^; だからといって手元に
ある作品をすぐさま送り付けようという気にはまだならないのですが。

 応募要項を読んで気になったのは、指定されているファイル形式。PDF限定という
のは、私、初めて見ました。
 やり方を知らないので調べてみたら、とりあえず手元にある一太郎で変換できると分
かり、ほっ。(^^) ただ、行間などの書式スタイルがいまいち、思ったようにならない
のが目下の悩みの種。
 昔、とあるところからゲラとして送られてきたPDFファイルの書式がとても読みや
すいので参考にしたいんですけど、どういう設定をしているのかを知る方法が分からな
い……。一太郎の編集画面で試行錯誤すれば直せそうなんですが、PDFファイルとし
て表示すると、一太郎の画面とは印象が違ってくるので厄介。いちいち行き来して手直
しするのが非常に面倒だなぁ。(^^:

 ではでは。




#1789/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/09  17:27  ( 25)
ちゃんちゃんばらりのネタばらし   永山
★内容                                         21/05/09 17:27 修正 第2版
 BSフジで放送の松本清張ドラマ「異変街道」を録画視聴。一応、ネタバレ注意で
す。
 歴史小説というより時代小説寄りですね、この内容は。ミステリの体裁を取ってもい
るので、その視点で観るとちょっと厳しい。正直言って、展開が成り行き任せの行き当
たりばったりに感じられた。
 主人公や女性キャラがピンチに陥ると、何故か助けが入る。助っ人がそこにいること
の必然性が乏しい、あるいは皆無じゃないかと思えたんだけど、何か見落としてたか
な?
 登場人物の行動にも疑問符が付くことが多く、たとえば男女二人だけで残って金山を
守ると言うけれども、一体どうやって? 金について調べていた隠密も、「『金山の話
は夢幻でございました』ということにしておきます」って、(嘘の)報告だけで大丈夫な
のか? 賄賂として金を配っていたらしい人物とその仲間が大勢死んでいるのに? 絶
対に詳しい調査が入るだろうから、隠蔽するのが大変そう……。悪党は悪党で、さっさ
と鉄砲を撃てば片付くものを、何故か問答に時間を費やしてあっさり逆転を許すとい
う、脇の甘さを露呈してるし。
 あと、時代物かつ推理物では仕方がないんでしょうけれども、基本的に科学捜査がな
い分、証言に頼る部分が多く、しかも証言はほぼ鵜呑みにして問題なしというのが当た
り前。普通なら偽証や見間違い、あるいはダブルミーニングといったミステリ作法上の
テクニックもあり得るだろうに、至ってシンプルな流れに終始している。
 てな具合で、期待外れの感が大きかったです。途中、何度かあったチャンバラは割と
よかった気がしたのですが。
 小説で読むとまた違ったよさがあるんでしょうけれど、分量に見合わぬくらい色々な
要素を入れようとして、飽和状態になった結果かなあと、想像してみたり。

 ではでは。




#1790/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/10  19:43  ( 48)
ネメ寿司に飽きたら華麗もね   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「華麗なる一族」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ポイントだと感じたのは以下のようなところ。

・父から出資額を減らされるという予想外の事態で頓挫しかけた溶鉱炉建設だが、鉄平
は大同銀行頭取の三雲に頭を下げ、足りない分の融資を引き出すことに成功。
・大同銀行側は好機とみて、阪神特殊製鋼が阪神銀行を通じて取り引きしている企業の
いくつかを、こちらに回すように請願。恩義を感じている鉄平は周りに相談せずに即決
で応じる。
・阪神銀行が合併を目論んでいた相手行が、実は他の銀行との合併話が内々で進んでい
ると窺わせる自体に。大介が調べさせるとさらに政治家絡みで、当初の目論見は端から
無理だったと気付く。
・上の件で娘婿の美馬を責める大介。情報を当てにして計画を進めていたのに、さらに
別の情報を持っていながら隠していたと叱責。美馬も出せる情報と出せない情報がある
のだと抗弁するが、認められず。
・一連の流れを経て、大介は美馬を警戒するようになった模様。
・次男の銀平の挙式が行われる。出席者の間では式そっちのけで仕事の話が飛び交う。
・銀平の妻となった万樹子は万俵の屋敷で暮らすように。あるとき、相子を探して部屋
を覗いた万樹子は、その寝室にベッドが三つも入れてあることに驚く。そこへ相子が現
れ、万俵家の秘密――相子が大介の愛人で妻の寧子を含めた三人で同衾している等を明
言。その上で、この秘密を漏らすと大変な目ことになる、あなたの過去の行状を掴んで
いると匂わせて万樹子を脅す。
・万樹子は何も知らせなかった銀平を詰る。馬耳東風と聞き流していた銀平だが、母親
を悪く言われたときだけ激高し、万樹子に母親をけなす発言を禁じる。
・大介は当初考えていた合併を断念し、新たな相手探しを始める。さらに自分達の合併
が業界再編の最初の動きでなければならないとし、すでに進んでいる他行同士の合併話
を、どんな手を使ってもいいから絶対に潰せと部下に命じる。

 ……と、こんな具合でした。
 他に強いて挙げるのなら、長男の鉄平も母親に対する気遣いを見せて、銀平の披露宴
に相子は出席しないでくれと命令調で言ってました。でも大介の一声であっさり覆され
るんですけどね。
 その流れを受けて、ふてくされた鉄平が懇意にしている小料理屋?の大女将を相手に
痛飲。酔った勢いか、父親は祖父に嫉妬していて、だから祖父に似ている僕(鉄平)を
目の敵にするんじゃないかと言い、さらにもしかして自分は祖父とあなた(大女将)と
の間にできた子じゃないでしょうねと言い出す。大女将は軽くいなしていましたが、果
たして。
 ここまで視聴してきて感じるのは、非常に通俗的なのに、格調の高さをちらほらと感
じさせる物語だなあといったところかしらん。一時流行った昼ドラのドロドロした恋愛
模様+経済・金融ドラマ+親子の物語、みたいな。ほんと、“たわしのコロッケ”が出
て来ても不自然には見えないかも。(^^;
 鉄平と銀平の兄弟仲が、はっきりしないというか、積極的には描かれていないのがち
ょっと気になる。母親を大事にする想いは共通しているんだけど、共同戦線を張るでな
し。兄弟ならではのライバル心を燃やして、激しい出世争いをしている風でもない。完
全な創作ドラマなら最終的には兄弟で協力して相子を追い出す、みたいなのが定番でし
ょうけど、本作はある程度の現実に立脚してるみたいだから、そうはならないんだろう
な〜。

 ではでは。




#1791/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/11  17:22  ( 28)
そしてネメ寿司、もとい、ネメシス   永山
★内容
 前の書き込みタイトルは昔有名になったレトルトカレーのCMのキャッチフレーズの
パロディのつもりでしたけど(おせち料理を寿司にしたのはやむを得ず)、調べてみた
ら「おせちに飽きたらカレーもね」ではなく、「おせちもいいけどカレーもね」だっ
た。検索結果から推すと同じ勘違いをしている人が結構いるみたいで、何か原因がある
のかな。

 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第五話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 前回悪いなりに持ち直したのに、その分を台無しにする、これまでで一番つまらなか
ったエピソード。平凡なストーリーで、ミステリらしさを味わえなかった。そもそもミ
ステリとしての味付けがなされていたのかどうかはおくとして、薄味だったのは確かだ
と思います。
 これまでは、曲がりなりにも本格ミステリとしての謎の提示がなされており、対応し
て謎解きがあったから、それらに関する疑問などをあーだこーだ言えました。ところが
今回は、そういった疑問すら出す気がなくなるというか。
 登場人物の一人が漏らした台詞「ゲノム」がいかにもヒントっぽく扱われている辺
り、何か視聴者が馬鹿にされている気がする。ゲノムって、もう答じゃないの。これで
遺伝子関連ネタじゃなかったのなら、逆に拍手を送ったところですけど。
 遺伝子組み換えではなく、遺伝子編集技術でサーモンをいじったら、何がどういけな
いのか、法律はどうなっているのかを示さないと、何でこんな事件に発展したのかがピ
ンと来ない。被害者の怒り方が取って付けたみたいになっている。
 突き詰めれば事故死なのに、何であそこまで必死になって隠そうとしたのかも分かり
づらい。事故死が発端で殺人までやらかそうとしたら、それはもう救いようがないわけ
で。
 ヒロインが、暴走する車のタイヤに網を掛けて、腕力で引っ張ってストップさせるこ
とに一役買う。非現実的過ぎやしないか。ヒロインこそ実は遺伝子編集技術で超人的な
パワーの持ち主になっていたとかの展開になるのか。(^^;

 ではでは。




#1792/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/12  19:45  ( 22)
しんしゃくなしのばいじゃくひょう   永山
★内容
 フジテレビ系で放送のドラマ「イチケイのカラス」第六話を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 入間が弁護士を辞め、裁判官に転じるきっかけとなった十二年前の件と因縁浅からぬ
人物が窃盗被害者の案件。それを入間が裁くことになる訳ですが、担当が回ってきたの
は偶然だとしても、過去の事情が明らかになればストップが掛かりそうな気がする。規
則上の問題がないとしても、そういう方面からの圧力はなかったのかなと。
 そこを除けばよくできたストーリーに仕上がっていたと思います。ある意味、理想主
義のファンタジーであって、現実にはこのような裁判官はまずいないんでしょうけど、
いてくれたらいいよなと思わせるだけの練り込みはしてある。
 このところ黄金パターン続きで、笑いの部分も含めて既視感は強いんすけど、まあし
ょうがない。数多ある弁護士物ではなく、裁判官物として描いたことに意味がある、多
分。
 あ、自転車の前かごに入れた荷物の重さを推測する実証実験、自転車を漕ぐのは被疑
者に体格が近い人よりも体力的に同等の人にしなきゃいけないんじゃないかと、疑問に
感じたんだった。その上、あれほど連続して実験を行わせたら、徐々に体力が落ちてふ
らつきも大きくなるような。結果、正しい数値の推測は無理なんじゃないのかと。でも
まああの場面は笑い担当みたいなものだから、文字通り笑ってスルーしておけばいいの
かな。重たい荷物を抱えて何度も走らされ、自転車を漕がされる書記官を演じた中村梅
雀、主人公に対して向ける視線と表情が「鬼か!」をよく表していて、よかった。この
役者さんに感心したのはこれが初めてです。(^^;

 ではでは。




#1793/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/14  16:57  ( 42)
DでもSでも   永山
★内容
 BSトゥエルビで放送の松本清張ドラマ「Dの複合」を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
 原作の同名小説は例によって未読ですが、タイトルの意味するところは何かで見聞き
した覚えがありました。たいしたものではなく、度数だの死だのを英語にしたときの頭
文字がDで共通しているというこじつけなのに何故か覚えている。線(経線・緯線)や
死をそのままローマ字にすればどちらもSが共通するから、「Sの複合」でもいいや
ん、とか思ったり。
 船舶をわざと遭難させて保険金を詐取していた会社。その秘密を知る機関士を始末す
る必要が生じた社長は、船員三名に命じて実行させる。周りが海で天候も荒れているの
に、わざわざ刺し殺してから投棄するという犯行手段がよく分からない。事故死に見せ
掛ける方がよほどいいだろうに。さらに言えば、悪事を知る一人の口を封じるために、
三人を悪事に巻き込むというのも本末転倒感があるような。で、その殺人の罪を船長に
着せる。船長には何ら恨みはないみたいだけど、何で濡れ衣を着せた? ほんと、事故
死に見せ掛ける方法を選択しなかったせいで、ややこしいことに。
 結果、実行犯の一人が自責の念から、墓前で会った船長の息子に真相を語り、息子は
仇討ちを果たそうとする。
 その復讐の段取りがまた迂遠で、こんな手間暇掛けるか?と疑問に感じるくらい。ま
ず、復讐相手の男が経営する出版社(グループ企業の一つ)に入社。これだけでも結構
大変だと思うけど、大きくはない出版社みたいだから何とかなるか。あるいは別のグ
ループ企業でもいいからとにかく潜り込めたらいいという考え方だったかも。
 それなりに名のある純文学作家を動かし、紀行文を書かせる。その際、社長へのメッ
セージとなるよう、テーマや取材先を誘導する。
 このあと船長の息子が元々はどうするつもりだったのかは不明。予想外の人物が絡ん
できて社長が思い違いから殺人を二件、起こしたため、計画は大なり小なり変更せざる
を得なかったはず。船長の息子は社長に対し自分の正体を明かし、船舶遭難の諸々と殺
人三件について告発すると脅す。孫娘の挙式が迫っていた社長は三日待ってくれと土下
座。孫娘の花嫁姿を見届けた跡、事故を装った自殺を遂げる。もちろん、船長の息子と
しては最初から自殺するよう、話を持って行った。
 ここでも疑問が。社長は過去の秘密を暴かれることを危惧して二人を殺しておいて、
三人目となる船長の息子に対しては殺そうとしなかったのか。船長の息子の方も、特に
対策していたようには見えなかったし。
 船長の息子が真相を知ってから四年経っているのですが、知った段階で生き証人を説
得して、社長を社会的に抹殺する方向もあったんじゃないかしらん? その一年後には
生き証人は心筋梗塞で亡くなるのですが、急げば間に合ったはず。と同時に、いくら真
相を白状してくれたとは言え、実行犯を完全に許したらしいのもちょっと解せないとこ
ろです。
 こんな具合で、いびつな印象を受けた物語でした。
 収穫は、数字に強い執着を持つ女性キャラの動かし方。サヴァン症候群的なこの人物
を、読者にそれと明かさずに動かすことでミステリアスさ以上の不気味さがあったし、
事件が思わぬ形で展開していったと言えます。

 ではでは。




#1794/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/16  14:45  ( 33)
捜査の彷徨、もとい、方向   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「さまよう刃」初回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意です。
 原作は東野圭吾の同名小説。例のごとく未読なのですが、代わりに?映画版「さまよ
う刃」を観たことがあります。そちらの方は寺尾聰主演でした。本ドラマの主演は竹野
内豊。映画版では寺尾聰を追う刑事役をやっていたとのこと。
 脱線しますが、竹野内豊は地上波で現在放送中の連ドラ「イチケイのカラス」の主役
ですね。同シーズンに放送される連続ドラマの主要出演者は、なるべく被らないように
するのが業界の習わしになっている、みたいな話を聞いた覚えがあるのですが、地上波
と衛星放送という風に違っていたら問題ないのかしらん。新型コロナ流行の影響を受け
て放送予定がずれ込んでやむを得ず、なんて可能性もありそうですが。
 それはさておき、内容の方を。大まかに言えば、高校生の娘を未成年の男連中(二人組
プラス巻き込まれた一人)に殺された父親が復讐を果たそうとする話。
 この犯人達が救いようのない悪、とてもじゃないが更生は見込めない輩として描かれ
ており、おかげで主人公に思う存分肩入れできます。(^^;
 いくつかの偶然が重なって、この第一回で父親が犯人の一人を殺すことに成功するの
ですが、その時点では父親はまだ復讐を果たそうなんて考えていない段階。にも関わら
ず、殺害に至る心情がよく理解できる。このタイミングならいきなり殺そうとしてもま
ったく不自然じゃない。見事な構成、段取りでした。
 ただし、細かいところでいくつか気になる点があったのも事実。たとえば、上に上げ
た復讐場面は真っ昼間のボロアパート(廃屋に近い?)なんですが、殺される犯人の男
はやたらと喚いており、近くに人がいれば絶対に気付くだろうというレベル。実際に
は、誰も気付かないんだから、近くに人はいなかったと思わざるを得ないんですけど、
ややご都合主義的な展開という印象を受けました。
 まあそういうのはいくらでも修正が効くからいいんです。これでいいのかなと疑問に
感じたのは、携帯端末の位置情報の扱い。扱いというか、扱われていないのが疑問なん
ですが。最初に主人公の娘が行方不明になって、その捜索に娘の携帯端末の位置情報を
調べようというくだりが出て来なかったと思います。その後、娘が遺体となって発見さ
れたあとも、携帯端末は身に付けていなかった(犯人の一人が持ったまま)ので、当然
位置情報の取得を試みるものだと思うのに、これまたノータッチ。今の時代に調べない
なんてことがあるのか、調べているけれども遺族には伝えていないとか?
 映画版ではその辺の扱いがどうなっていたのか、記憶にない(汗)。機会があったら
映画版を見直したいし、原作小説にも当たってみたいところです。

 ではでは。




#1795/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/05/17  19:58  ( 35)
良トリックにハテナな筋書き   永山
★内容
 日本テレビ系で放送のドラマ「ネメシス」第六話を録画視聴。ネタバレ注意です。
 逆トリック――犯人を追い詰めるためのトリックは素晴らしい。犯人像との対比も含
めて、テーマ性もあるよいアイディアでした。
 それと比べるとストーリーがやや破綻気味。犯人がバレバレなのは仕方がない面もあ
るのでしょうけど、一応かしこい設定であろう犯人が事態把握し臨機応変な対処してし
かるべきところを、あまりに無策で残念。アリバイトリックに気付かれていると理解し
た時点で、被害者が生きている可能性が高いことを瞬時に理解しないといけない。
 そもそも、いくら動画職人だからといって、親しい女性を助けに行くときに生配信で
自撮りを交えながら中継するってのは、怪しんでくださいって言ってるようなもので、
普通に知恵が働く人間なら中継なんてやめて必死になってみせるでしょ。本ドラマでは
そうじゃなかったけど、仮に素で生配信とかやめられないのなら、助けられた女性、そ
の動画職人をぶん殴るんじゃないの。
 最初に絶賛した逆トリックですが、犯人に言い逃れの余地がありそうなのはちょっと
気になる。「先立って郵便受けに差出人不明の脅迫文が投じられており、全てはお芝居
と分かった上で演技するように指示されていたから従ったまでだ。手紙も処分するよう
指示があったからその通りにした」と抗弁されれば、多少手こずるんじゃないかしら
ん。
 アリバイトリックの方は、ドラマに描かれた通りだと用意するのが早すぎない? 発
動前に外から見た人が気付いて、通報しそう。ドラム缶の穴にしたって、必ずしも一定
の割合で水が出るもんじゃないのでは? 残りの水の分量で水圧が変わるから。なの
で、計画的に実行するためには、何度か実験する必要があると思う。そのためにはあけ
る穴の大きさとか位置とかを精密にしなければならないだろうから、描かれたような雑
なやり方ではおかしい気がする。
 ヒロイン探偵が現場でドラム缶から流れる水量を計測し、トリックがいつ発動するか
を算出していましたが、あれも無理じゃないかなあ。上述の疑問の他にも、被害者の重
さの値が分かってないので。
 あと、“報道が虚偽だった、いややっぱり真実だった”という流れが軽いなあ。肝心
なところが簡単にひっくり返る世界。そんなに軽くていいのか。調べても調べても真偽
不明だったがこれこれこういうことをしてようやく分かった、的な段取りがないので、
登場人物の調査能力に疑問を感じるし、“真実”に対する意識の軽さが背景に感じら
れ、このあとのエピソードで有力な証拠が出て来てもころっと覆されそう。結果、安心
して観られなくなる。
 という具合に、長所と短所がはっきり出た、評価しづらい回でした。

 ではでは。




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