AWC 中身がスリかえられたかのような違和感   永山



#1397/3055 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  20/05/28  22:18  ( 33)
中身がスリかえられたかのような違和感   永山
★内容
 作品をUPするつもりでしたが、ちょっと予定変更。

 BSテレ東で放送の二時間ドラマ「優雅な悪事」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 ……と言ってもまだ半分をちょっと過ぎたところまでしか観ていないのですが。
 原作は佐野洋が書いた同名の小説で、私は未読ですが、佐野洋作品には一定の信頼を
置いていることもあり、正統派のミステリが楽しめるものと期待して録画設定をしまし
た。
 ところが視聴を始めると、どうも肌触りが違う。コメディテイストが強い。出演者が
やたらとカメラの方を振り返って、作品外の台詞を吐く。そして何よりもミステリとし
て弱い気がする。
 主人公はジュエリーデザイナーとしても成功した元女優。映画でスリを演じたときに
その道のプロから指導を受け、凄腕を身につけたという設定。その技術を実際に悪用す
ることはなく、嫌なことをしてきた相手を懲らしめるためだけに使う。
 ある建築会社社長のセクハラに対して、財布を抜き取ることで対抗した主人公は、そ
の財布の中に日付未記入の死亡診断書を見付け、不穏なものを感じ取る。診断書に名前
を書かれているのはスナックのママで、社長はこの女性を病死に見せ掛けて殺害するつ
もりなのではないか。
 そこから両陣営(社長サイドと主人公サイド)は死亡診断書の奪い合いを繰り広げる
のですが……偶然が多くてげんなり。たまたま同じ店で出くわすとか、敵の手下が何故
か主人公の顔を知らないとか。
 加えて、主人公は死亡診断書を見付けた時点で、何故か警察に届けない。財布は拾っ
たことにして、届ければ何ら問題ないだろうに。その後、一度奪われた診断書を再奪取
し、今度こそ警察に提出する流れになったのですが、何故か自らが出向こうとはせず、
顔見知りの刑事を呼びつける。何で? そのせいでまた奪われる。が、これもすぐに奪
還する。
 ここで観るのを一端やめて休憩にしました。このあと一時間近く、何をするの?と心
配になったから。(^^; 前半と同様に診断書の奪い合いを延々と繰り広げるんじゃない
だろうな〜。
 前半を観ただけですが、佐野洋らしからぬ芸のない、しかも地に足の付いていない絵
空事の作品だと感じたので、いつ執筆したのかと調べてみたら一九七六年。うーん、謎
だ。原作を相当いじっている物と信じたい。

 ではでは。




#1400/3055 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #1397 ***
★タイトル (AZA     )  20/05/30  20:13  ( 25)
優雅にはほど遠く   永山
★内容
 BSテレ東で再放送されたドラマ「優雅な悪事」の感想の続き。ネタバレ注意です。
 最後まで観ましたが、最後までだめだった。佐野洋がこんな無茶苦茶で下手な作品を
書いていたとは到底信じられない。なので、そういう興味から原作小説に目を通してみ
たいと思ってしまった。
 診断書の取り合いはやっと一段落して、あとはもう悪者側の強硬手段ばかり。推理も
何もあったものじゃない。犯人が共犯者を口封じで殺すところ、どうやって天井から墜
死させたのか、そこからどうやって逃げて外の車に乗れたのかの説明がなく、さっぱり
分からない。
 人物の行動が早すぎる。各建物や場所は全て隣り合ってるんじゃないかってほど行動
が素早い。
 早すぎると言えば、刑事は警告なしにいきなり銃を発砲して犯人一味の一人の足を打
ち抜くし。
 犯人、わざわざ偽の死体まで用意して自殺を偽装したのに、そのあとすぐに行動を起
こして主人公を始末しようとする。何のための偽装自殺なんだろ?
 そもそも死亡診断書が重要なアイテムになっていない。決定的な物証ではないから、
いくらでも言い逃れが利くはず。犯人一味は一時取り戻したときにすぐに焼却処分にで
もすればいいのに、何故か後生大事にポケットに仕舞ってる。
 事件とは無関係だけど、主人公が、危ういところを助けてくれた刑事ではなく、あん
まり役に立たなかった若い方になびくのが意味不明だった。若けりゃいいってこと?(^
^;
 本ドラマの制作年は二〇〇一年で、二〇〇三年にシリーズ第二作が制作されていたこ
とにまたびっくり。今回の第一作再放送の翌日に、第二作もオンエアされていました
が、当然視聴せず。どうして作られたんだろう。第一作の視聴率がよかったのかなあ?

 ではでは。




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