#1831/1850 CFM「空中分解」
★タイトル (JYC ) 89/ 9/18 20:27 (112)
O型格闘技小説 高田伸彦対北勝海 永山
★内容
X年後、相撲の人気が急速になくなった。スタイルについて、あちこちの団
体(良識派を自称する)から文句が出だしたためだ。相撲界は、他の格闘技と
の対戦で強さを示し、人気回復を狙うことになった。相撲界が目をつけたのは、
その頃、大人気を誇っていた新感覚プロレス・UWFである。UWF側も相撲
驍ゥらの挑戦に大乗り気。高田伸彦と北勝海が代表として決まったが、ルール問
題でもめにもめた。大論争の末、次のように決定した。
・試合場はプロレス用のリングとする。但し、土俵と同じ大きさの円形リング
とし、ロープ、鉄柱は取り除く。
・試合形式は2分5Rとする。1R以内に決着がつけばそれを1ポイントとし、
5Rまで闘って、ポイント数の多い方が勝ちとなる。1R以内で決着がつか
なければ、そのRは両者ポイントなしとする。
・勝敗は、場外に落ちるか、ギブアップかで決める。レフリーストップは
「ない」。リング内ではグランドも有り得る。
・寝技の時間制限はなし。
・首を絞める、目を突く、急所攻撃など、格闘技者としてあるまじき行為をし
た場合、即刻反則負けとなる。
・R間の休憩は1分とする。
・試合着はレスリングタイツにまわしの代わりとなるゴムベルトを突けた物と
する。
・試合開始時は普通の相撲のように仕切る。
・審判は輪島(洒落ですよ)。
両国国技館、超満員の観衆で埋まった。前座試合は飛び技有りの相撲として
寺尾対維新力、相撲マッチとして藤原対鈴木、普通のレスリングとして前田対
山崎が行われた。
「レッドウェストより、高田伸彦選手の入場です。」
赤コーナー・西より、高田が入ってきた。セコンドには藤原。相撲界からの申
し入れにより、テーマ曲はなしである。
「ブルーイーストより、北勝海選手の入場です。」
青コーナー・東より、北勝海が入ってきた。セコンド、というか太刀持ち兼露
払いは千代の富士である。両選手がリングに入り、相対すると大歓声が沸き起
こった。続いて選手のコール・呼び出しである。高田はリングアナウンサーが、
北勝海は行司が呼ぶという、異様な光景が展開された。花束贈呈がない代わり
に、塩を撒くのもない。
「さあ、いよいよ世紀の対決、プロレス対相撲の初の異種格闘技戦が始まり
ます。高田は藤原に相撲の特訓を受けたと言うことですが、これがどう試合に
表れるでしょうか。また、北勝海も維新力にプロレス技を習ったと言いますの
で、楽しみです。審判の輪島が両選手に注意を与えています。両選手、仕切り
に入りました。さあ、輪島の合図で始まります。」
「はっけよい、ファイト!」
カーーーン!
「ゴングがなりました。おおっと、北勝海一気にはず押しだ。高田も相撲で
応じるようです。し、しかし、これは無謀だったか?あっという間にリング際
驍ワで追いつめられました。あ、北勝海、突き出しました。第1ラウンドは7秒
ジャストで、北勝海がポイントを取りました。」
第2ラウンド。
「さ、第2ラウンド。あ、ゴングがなりました。北勝海、先程と同じく・・
・、ああっと、高田、同じように出ようとした北勝海にローリングソバットだ。
髑アけてもう1発打ちましたが、これは北勝海がよけた。いや、よけたのではな
く、ダウンしています。北勝海ダウン、ダウンです。構わずに蹴り続ける高田!
北勝海、手でカバーをしようとしますが、ああ、ついに大の字。そこを高田、
すかさずV1アームロックだっ。北勝海、こらえようとしていますが、リング
の中央、これは決まりでしょう。腕が折れんばかりに力を込める!ああ、輪島、
ゴングを要請。北勝海、ギブアップだ!1分04秒です。」
第3ラウンド。
「北勝海、まだふらふらしています。蹴りの後遺症か。高田はポイントを取
り返して、落ち着いたようです。さあ、3ラウンド目です。北勝海、立会いに
変化しました。蹴りをうまくよけました。変わったのはいいですが、蹴りを警
戒して突っ込めません。お互い、円を描くように動いています。おっと、高田
が仕掛けた!膝へのローキック。北勝海、グラっときた!続けて蹴ろうとする
高田の足を取った北勝海、ああっグランドに持ち込みました。意外にも、先に
グランドに持ち込んだのは、北勝海です!蹴りを受けないためか。渾身の力を
込めて逆エビ固め。しかし高田、軽く返します。返し方を心得ている高田には
効かないか?エビ固めの形ですが、フォールはありません。あっと、高田、張
驍チた、張った、張ったーーー!張り手の連打だ!北勝海も下から張り返す!輪
島、ブレークを命fチワした。これでは収拾がつかなくなるとみたのでしょう。
おっ、この試合で初めて両者、組み合いました。あっ、スロイダーだ!高田、
北勝海をぶん投げた。続いてもう1発、フロントスープレックス。ここで逆十
字!北勝海、あっという間にギブアップ!1分39秒、高田が2ポイント目を
取りました。」
第4ラウンド。
「さあ、北勝海、後がなくなりました。このラウンドを落とせば最終ラウン
ドを待たずして、負けが決まります。さ、素早くつっかけた。上手を取った北
勝海。それを切ろうとします、高田。高田、両差しになった。特訓の成果か?
リング際に寄って行きます。力士に相撲で勝つか?あっと北勝海、うっちゃり
だあああ!カンヌキスープレックスです!22秒、うっちゃりで北勝海。粘り
を見せました。」
第5ラウンド。
「さあ、いよいよプロレス対相撲の異種格闘技戦も最終ラウンド、第5ラウ
ンドを向かえました。2対2のイーブンです。輪島、ゴングを要請!立った!
高田、蹴りを出しました。が、北勝海、それに構わず、突っ込んで行った。両
者ダウン!北勝海が高田の腕を取った。そのままカンヌキに決めました。グラ
驛塔hでのカンヌキ固めだ!高田、蹴り、蹴り、蹴ったあ!北勝海の腹に膝蹴り
を連発して、脱出を試みます、高田。北勝海、苦しそう。あ、かんぬきを外し
ました。両者、スタンディングポジションをとります。高田ローッキックから
ミドル、ハイ!おわ、北勝海、何と、ハイキックに対して突っ張りだ!高田、
バランスを崩した。北勝海両前みつを取って、一気の寄り!危ない、高田!お、
自らダウンして、寄りを食い止めた!さっと、立ち上がった。高田、北勝海の
バックを取って、ジャーマン、ジャーマンですっ!これを外し、ハーフハッチ!
北勝海、意識もうろうです。エルボー!高田、強烈な一撃!北勝海ダウン。そ
の足を取って高田、逆片エビ固めだ。3ラウンドのお返しか。完全に決まって
います!ギブアップしない北勝海。もう、折れそうです。しかし、レフリース
トップは有りません。高田、外してやって、場外に落としてやれ!思わず、叫
びたくなります。あっと、タオルです、タオルが北勝海側から投げ込まれまし
た。千代の富士がタオルを投げ入れた!高田、TKO勝ち!トータル3対2で
高田が勝ちましたあ!タイムは1分54秒、残り6秒というところで、高田、
勝利をものにしました。」
驕@
こうしてプロレスラー・高田が勝利をものにした。予想以上のかみ合った試
合展開に、両団体関係者は気をよくしていた。相撲界は人気は取り戻しだした
が、面目を失いつつあったので、次の相手を捜し始めた。猪木対千代の富士、
ブッチャー対小錦実現に向けて、相撲界は新日・全日の両団体に働き掛けを始
めたのだった・・・。
*この話に登場する人物・団体等は、全てフィクションであり、実際のものと
は何の関係も有りません。
−終−
化けましたが、通じるでしょう?その前に技の名前がわからないって?こりゃまた
どうも、失礼しましたーーー!