AWC 漫画の感想二作   永山


        
#1975/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/10/20  14:50  ( 40)
漫画の感想二作   永山
★内容
・『魔女に捧げるトリック』(渡辺静 講談社)第一巻
 古本サイトでこの第一巻を購入して届いた直後に、電子書籍サイトで無料配信になっ
ているのを知って、がっくり来た(笑)。
 それはさておき、いっとき小説で書いてみたいなと思ってたことを、この漫画でやら
れてしまった。
 私が漠然と思い描いた設定は――マジシャンが異世界転生したと思ったら、そこはい
わゆるナーロッパではなく、ほんとの中世ヨーロッパ(要するにタイムスリップ)。普
通の人間が魔女や魔法使い扱いされて、死刑に処されていた。人を魔女に仕立てるため
の小道具が、のちのマジックにつながっている部分があって、それがマジシャンには許
せない。一つ一つ暴いて、真実の下にさらす――みたいな感じでした。歴史的な知識や
資料が必要なのと、暴いたあとどうなるのか、マジシャンはただで済むのかお尋ね者に
なるのか等、決めかねる点がたくさんあって、棚上げ。中世ヨーロッパそっくりの(魔
法の存在しない)異世界を舞台にすることも考えたけれども、それじゃ異世界転移と大
差ないよなあと乗れなかった。
 この漫画は、そういったハードルをクリアして、ちゃんとした物語に仕立てていると
思う。シリアス一辺倒ではなく、ラノベ風ではありますが、緩急を付ける意味でうまく
機能している感じ。
 あと、即興のマジックがそんなにうまく行くかいなと感じる点は多少ありますが、面
白いので許容できます。ただ、主人公の髪型は何とかならんのかと。悪魔に似ていると
して嫌悪され、また目立つのであれば、まずはその髪型をやめればいいのに。


・『薬屋のひとりごと』(日向夏, 倉田三ノ路, しのとうこ 小学館)第一巻
 ライトノベルで人気を博す作品のコミカライズ。ソニーの電子書籍サイトで期間限定
無料配信となっていたので、読んでみることに。
 推理物を読む気分で臨んだため、第一話を読了した段階では、「え、この程度?」と
思ってしまった。ここに描かれたのは豆知識の披露であり、ミステリとするにはあまり
にも弱い。推理物を読み慣れている人なら謎にすらならないのでは、と。
 でも三話辺りまで読み進める内に、受け止め方が変わりました。良くも悪くもこれは
キャラクター小説であり、推理物の要素は彩りなのだと。それに、進むにつれて、ミス
テリの趣向も凝っていったし、まだ先は分かりませんが伏線らしきものもちらりとある
しで、なかなか楽しい。物足りなかった第一話も、連作短編の導入部だと思えば、充分
ではないにしても悪くはない。第三巻まで期間限定無料のようなので、頑張って読も
う。(^^;
 作中、チョコレートが出て来ます。当時と現代とでは成分がかなり異なるのかな? 
チョコを食べる過ぎると鼻血が出るという話は今では否定されているようですが、本作
では使われていました。まあ、当時は信じられていたことにすれば、何らおかしくはあ
りませんが、注釈が見当たらないのでちょっぴりに気になった次第。

 ではでは。





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