AWC 映画館には向かない映画   永山


        
#1943/3022 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/09/26  17:30  ( 38)
映画館には向かない映画   永山
★内容
 WOWOWで放送の映画「新解釈・三國志」(日本 2020年)を録画視聴。ネタ
バレ注意です。
 新解釈とありますが、そんな大仰なものではなく、三國志の登場人物達をみんな癖強
キャラにして、お笑いにシフトしたパロディと言う方が近いでしょう。中国の人のみな
らず、日本の真面目な三國志ファンからも怒りを買いそうな歪ませっぷり。まあ、元
々、創作物としての三國志「三国志演義」は史実とはだいぶ異なるそうですから、今さ
らとやかく言うのもおかしいんでしょうけど。
 肝心なのは、その新解釈が大爆笑につながっているかどうか。で、個人的な感想で
は、大爆笑ってことはなく、ひたすら緩い笑いが連なる感じでした。映画よりも舞台の
方が似合いそう。NHKのコント番組「LIFE」のようなコントをつなげにつなげて
一時間五十四分にしたと言えば、一番近いかな。なので、そういう映画なんだと分かっ
た上で観始める分には、それなりに楽しめると思います。
 ちなみに私は、内容紹介を読んで想像していたのとは違うじゃんと思った口。だか
ら、プレゼンの仕方が間違っているのかも。(^^;
 具体的に言うなら、新解釈とあるからには某かの根拠を持って、本来の三國志を面白
おかしく組み替えた物語を期待してました。たとえば、現代コンピュータで赤壁の戦い
当日の風向きを計算すると絶対に奇跡は起きないから、実際には川面に牛脂を流して燃
やしたんじゃね?とか、貂蝉は美容整形を受けてから連環の計に臨んだとされる民間伝
承を引いて、渡辺直美演じる貂蝉(本作の実際のキャスティングです)が途中で別の美
人女優に代わるとか、こじつけありきの見てきたような嘘をついて欲しかった。この映
画での新解釈は単に、こうしたら笑えるから、でなされているように思えて、もったい
ない。
 それと、登場人物すべてが癖強面白キャラに変化しているため、緊張感が皆無。上に
も書いたように、ほぼほぼ全編を通して緩い。やり方にもよるかもしれませんが、ひた
すら緩い空気の中、面白キャラ同士が掛け合いをやっても、思ったほど効果は得られな
いんじゃないかと感じたです。むしろ、一人だけ面白キャラにしてそいつが変なことを
するのに何故か戦で勝ってしまう、もしくは逆に、一人(たとえば孔明のみ)を残して
他は皆面白キャラにし、孔明が大真面目に策を練るのに周りの連中が茶化したり曲解し
たりして、おかしなことになる、といった風に対比を描く方が笑えるのではないかしら
ん。
 ほんと、キャストは有名人が揃っているし、制作費も割と掛けているみたいだし、
色々ともったいない作品。惜しい作品と言いたいんだけど、そう言えるほど“あとちょ
っとでよくなるのに”感はないんだよなぁ。

 作中、周瑜がやたら斬首斬首と叫ぶんですが、結局斬首のシーンはない。これっても
しや、介錯(解釈)なんかしないよっていう隠しメッセージ? まさかね。(^^;

 ではでは。





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