AWC トッカイの最終回収   永山


        
#1756/3055 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/04/05  21:07  ( 37)
トッカイの最終回収   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「トッカイ 〜 不良債権特別回収部 〜 」最終回を録画視聴。ネ
タバレ注意です。
 前回までは、史実になるべく沿っているという雰囲気があったんですけど、今回はラ
ストとあってか、物語性がだいぶ人工的になっていた気がする。思い込みかもしれませ
んが。
 最大の標的で難物である仁科をどう攻略するかがポイントでしたが、肩すかしを食ら
った気がします。
 というのも――仁科自身は逮捕されることをも計画通りで、四十億の金を捨てて六百
億の金をうまく隠しきるつもりでいた。どうすれば崩せるのか、頑張ってもなかなか光
明は見えない。そんな折、仁科の秘書をずっと務めている早百合をマークしていた捜査
員が、彼女が銀行の貸金庫を利用するところに踏み込み、隠してあったノートを押さえ
る。そこには仁科の海外での金の動きがコンパクトに手書きされていた。仁科はどうし
てそんなノートを残していたのか、疑問を持つ柴崎。もしや仁科はノートの存在を知ら
なかったのではないか。早百合が事情聴取から解放されたとの報を聞きつけ、トッカイ
のメンバー達は彼女に話を聞きに行く。が、口を割らない。それでも粘り強く話す内
に、早百合は仁科が自分を使い捨てのコマのようにしか見なしていなかったことを知っ
たときから、記録を急いで書き記した話す。この結果、仁科は法廷戦術の変更を迫られ
たのか、一転して罪状を認めて刑に服す態度を見せた。だがこれは起訴された四十億円
分に限った話。六百億を隠しきるために仮釈放を勝ち取って、香港の銀行からさらによ
そへ移すつもりでいる。そう予測した柴崎らは日本の法律では無理でも外国の法律でな
ら仁科の行動を縛れるかもしれないと、必死になって調べる。
 そうして出て来たのが、マルーヴァ型資産凍結命令。これの適用されている国・地域
では犯罪などの不穏な動きを見せる人物の口座をまとめて差し押さえることが可能とさ
れる。香港はその地域に該当していた。これにより仁科の悪行は息の根を止められた―
―となったのですが、どうも変だ。
 そこまで用意周到な仁科が、その法律が香港で適用されるとは知らなかった、なんて
ことはないはず。事実、収監中から法律の存在を知っていたシーンもありましたし。
 だったら、そもそも香港の銀行を使わなければよかったのでは。物凄く計画的で頭の
よい犯罪者という設定なのに、何故こんな下手を打ったのかが分からなかった。
 極論すれば、物語を終わらせるために、登場人物が本来のキャラ設定に似合わない行
動を取らされた、という印象を受けたです。
 他の点では、泣かせどころや笑いを適度に織り交ぜ、バランスよく仕上がっていたと
感じました。惜しいのは大蔵省役人が実は東坊社長を云々という流れが、ちょっと唐突
に映ったこと。伏線・暗示らしき物はありましたが、振り返ってみればあの無言の表情
がそうだったのかなという程度で、弱かったように思えたです。

 ではでは。





前のメッセージ 次のメッセージ 
「◇フレッシュボイス2」一覧 永山の作品
修正・削除する コメントを書く 


オプション検索 利用者登録 アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE