AWC 「舞踏会の手帖」方式   永山


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#1685/3054 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  21/01/21  21:04  ( 32)
「舞踏会の手帖」方式   永山
★内容                                         21/01/21 21:06 修正 第3版
 昔、ミステリ関連のエッセイ本『推理日記』(佐野洋 講談社文庫他)の何巻目だった
か忘れましたが、読んだ際に“「舞踏会の手帖」方式”という言い回しが出て来たよう
に記憶しています。正式な用語として存在するのではなく一作家の使った言葉だと思う
のですが、要するにフランス映画「舞踏会の手帖」のように、たまたま出て来た古い名
前のリストの順に、その人達を訪ねていくというスタイルの物語のことを指していまし
た。
 『推理日記』に取り上げられるくらいだから、当然、ミステリと絡めての話になりま
す。確か、訪ねた先々で事件に関わる――当人が不審死を遂げていたり、現在進行形で
事件に巻き込まれたりといくつかのパターンが想定でき、連作短編に向いているという
のが佐野洋の考えでした(例によって今、手元の本がないので記憶頼りで書いています
)。
 で、今日、ふと思い付いたのは、これのネット版、できるんじゃないかということ。
昔参加していたパソコン通信のグループなりホームページでの集いなりで、現在活動は
ほぼ中断状態でも、参加者の名簿が残っているところがある。
 主人公は、そういったかつて参加していたサイトのページをたまたま開いた(検索で
偶然見付けたとか、“お気に入り”の整理中に何となくクリックしたとか)ところ、当
時の記憶が甦り、懐かしさもあって名簿にある各人のホームページURLをクリックす
るが、ほとんどが閉鎖されている。みんなの近況が気になる主人公は、参加者達のハン
ドルネームでの検索を始める。すると幾人かがヒットし……みたいな滑り出しになりま
しょうか。
 そして、小説を書くグループだとしたら、比較的探しやすいかもしれない。小説投稿
サイトで今も書き続けている可能性があるから。ペンネーム(ハンドルネーム)は変わ
っているケースもあり、その辺を乗り越えて推理していく筋書きでも面白くなる余地は
ありそう。昔は今よりも本名で参加している人も多かったろうから、そのまま当人の死
亡記事を見付ける、なんていう展開もある。
 大事なのは、その手の捜索が得意な専門家を登場させないこと、かな。あくまでも一
般的なネットユーザーがごく当たり前の知識を動員して、かつてのネット友達を探す。
実際に会いに行くパターンも入れれば、結構バリエーションが広がりそう。
 いざ書くとなると大変だが(昔のネット事情を描写するだけでも手間が掛かる予感
)。行けそうな“謎”を設定できたら、書きたいな。

 ではでは。





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