#1399/3022 ◇フレッシュボイス2 *** コメント #1398 ***
★タイトル (AZA ) 20/05/29 21:29 ( 21)
一筋縄でいく 永山
★内容
※由良三郎の短編『勘違い』のトリックを明かしております。ごちゅういください。
HBJさんが例に挙げたトリック、エロティックなところがあるので、直感的には横
溝正史の世界や江戸川乱歩の世界にはそれなりに合致する気もします。若干ユーモラス
な空気が漂っている感じも受けますので、そのまま横溝世界や乱歩世界にはめ込むより
は、トリックをより効果的に見せられ作品世界を構築するのが一番だとは思いますが。
で、ミステリのトリックには、エロティックなものに分類される一群が存在すると言
えます。数は多くないけど、逆に言えばそれだけ開拓の余地があるのかもしれません。
二つ、挙例しておきます。
広義のトリック、ここではバラバラ死体にした理由となりますが、複数の作者が使っ
ている例です。SM趣味の男女間で過失致死が起きた、そのまま通報すると遺体に縛っ
た縄の痕跡がばっちり残っていて、SM趣味を皆に知られてしまう。窮余の一策とし
て、縄目に沿ってのこぎりで遺体をバラバラに切断した、という仕組み。
由良三郎の短編『勘違い』では、女性の使う自慰道具に青酸系毒物を塗布しておくと
いうのがあります。話は逸れますが、専門家によれば実行不可能な殺害方法とのことで
す。ただ、由良三郎は常日頃からトリックにはセーフティを設けると言ってきた作家な
ので、わざと実行できないトリックにしたのかもしれません。
こういった傾向のトリックばかりで統一して、連作ミステリもしくは長編ミステリに
仕立てれば、特色を打ち出せていいかもしれませんね。
ではでは。