#1388/3054 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 20/05/20 20:20 ( 27)
文字上の魔術 永山
★内容
正確に描写するのが難しい事柄って色々あると思いますが。
この前、描こうとして意外と難しいなと感じたのが、
『二本の輪ゴムを使った輪ゴム貫通マジック』
です。
こう書くだけで状況を思い浮かべられる人はそれなりに多いとは思いますが、もしも
あのマジックを知らない人に、一から言葉だけで説明するとしたらどう描写すればいい
のか。やってみるとこれが相当難しいというか面倒臭いというか。
まず、輪ゴムを左右の手に引っ掛けるところから始めようとしたのですが。
<二本の輪ゴムを長細い楕円形になるよう整えた後、十字の形に交差させ、置く。下に
なった方の輪ゴムの輪の中に右手の人差し指と親指とを入れて引っ掛ける。そのまま上
になっている輪ゴムが落ちないようにそっと持ち上げてから、左手の人差し指と親指と
を下方向から、上になっている輪ゴムの輪の中に入れて引っ掛ける。>
これでどうにか伝わるでしょうか?
伝わったとしても、実際にこのマジックをやる際に、こんな手順で輪ゴムを指に引っ
掛ける人はまずいない気がする訳で。
<二本ある輪ゴムの内の一本を広げ、その輪の中に右手の人差し指と親指を入れて引っ
掛ける。もう一本の輪ゴムの輪には左手の人差し指を入れて持ち上げる。だらんと垂れ
下がった輪ゴムの下端を、右手の指と輪ゴムとでできている輪っかに上からくぐらせ
る。くぐってきた下端を左手の親指に引っ掛ける。>
こういう手順で引っ掛ける人の方が多いはず。
あるいは、<手の中で二本の輪ゴムをクロスさせ、左右の手の親指と人差し指に輪ゴ
ムを引っ掛け、互い違いになるように引っ張る。>が一番多いかもしれないんですけ
ど、この短い描写で事足りているのかどうか心許ない……。
結局ここまでで力尽きて、マジックの現象そのものは大幅に簡略化、種明かしについ
ては省いてしまった(苦笑)。
ではでは。