AWC 小説書きとして念頭に留め置くべき年   永山


        
#1290/3051 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  20/02/27  20:52  ( 34)
小説書きとして念頭に留め置くべき年   永山
★内容
 物語を綴るとき、舞台を現実に即したものにすることは当然あります。年月日や曜日
にこだわって、現実の事件事故や天候、経済動向に法律なども取り入れて描く場合もあ
るでしょう。
 それでも何から何まで全て取り入れるなんてことはまずない。現実に起こった出来事
から取捨選択して、現実味のある小説を書いていく。
 そして通常、取捨選択は大きいものは取り上げ、小さいものは除くことになるはず。
西暦二〇〇一年の○月×日午後四時頃、A町のB道路で乗用車とトラックが接触事故を
起こし、乗用車を運転していた会社員のX氏が足の骨を折る大けが、トラックの運転手
のY氏が軽い打撲を負った――というような事故が実際に起きていたとしても、普通は
小説には関係ない、取り入れない。たとえその年月日時間帯のA町を物語の舞台として
選んでいても、たとえその事故が元で大渋滞が起きて普段なら三十分で行けるルートが
当時は三時間以上掛かったとしても、作品に取り入れることはまずない。レギュラーキ
ャラクターの誕生日の都合で、どうしてもこの日にしなければならないという事情があ
れば、このくらいの事故が起きたことを知っていたとしても、無視するもの。
 しかし、無視するには大きすぎる出来事も世間では起きてる訳で。
 たとえば、一九九五年一月十七日や二〇一一年三月十一日から向こう三ヶ月くらいの
日本を舞台にした小説を書くのなら、それぞれの大震災について作中で全く触れないと
いうのはあり得ない。フィクションだからでは片付けられない。一九九五年とか二〇一
一年を物語の時間に選んでおきながら、そこに触れないのであれば、冒頭で明示してほ
しい。「この作品はパラレルワールドを描いたものです」とでも。

 と、こういう方針を基本的に採っている私にとって、二〇二〇年もまた大きすぎる出
来事が起きた年となりそう。
 小説内の二〇二〇年一月から三月〜にかけての描写で、海外旅行に出て何ら不安がっ
ていないのは不自然になる。全国の小中高校に臨時休校が要請された、これだけで、学
園を舞台にした作品は展開が変わってくる。その年頃の子供を持つ家庭も、大なり小な
り影響を受ける(ニュースで、臨時休校により看護師が我が子の面倒を見る必要が生
じ、出勤できない事態に陥ると言ってました)。ありとあらゆることに影響が及ぶ。

 こんなことを記しつつ、実はこれまで書き進めていたある作品がちょうど二〇二〇年
を舞台にしていて、諸々の都合で簡単には直せない状況に陥っておりまして。登場人物
の年齢をいじれば二〇一九年にずらせるかもしれないけど、その労力を思うと。(^^;

 ではでは。





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