AWC ハンマー・ジャック   永山


        
#1247/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  20/01/18  20:23  ( 37)
ハンマー・ジャック   永山
★内容
 変な感じの夢を見たです。
 河川の手前の斜面に鉄道の駅があって、その駅舎のサイドには河川を渡る橋に続く通
路が設置。通路の途中から枝分かれする階段があり、そこからは河川敷に出られる。さ
っきの通路から横手を見れば大きな通りがあって、商店が続いている――みたいな舞台
設定。時間帯は多分昼下がり、駅も橋もそれなりに利用者がいる。
 で、大通りをテレビ局とタレントがロケをしているっぽい。野次馬がちょろっとい
る。通路を上がっていた私は誰が出てるんだろ?と脇に逸れて、大通りに少しでも近づ
こうと、河川敷に通じる階段へと出る。結局よく分からないので、階段を降りて大通り
の方に出ようと考える。
 降り始めて、ふと気付く。前を行く男性が右手に何かを持っていて、腹の前辺りで小
さい軌道ながらびゅんと振り回す動作を繰り返している。ちらと覗けた範囲で、男が持
っているのはでかい槌。周囲に人がいることを思うと、何となく危ない。でも今の段階
では人に当たることはなさそう、という注意をするには微妙な加減。少し距離を取って
階段を降り続ける。やがて駅への出入り口と階段とが交差する地点に来たとき、前から
「うぉぉ」って感じのどよめきが。男ではなく、その周囲の人が発したもので、くだん
の男は何かに対して槌をふるった様子。ばしばしばしと三度ぐらい殴りつける動作のあ
と、槌が柄のところで少し曲がった。男はその部分をまっすぐにしようとしながら、こ
っちを振り向く。
 ここでようやく男の足下に倒れている人がちらと見える。
 やっとこさ、やばいと感じる。気付くのが遅れたのは、前がよく見えなかったことに
加え、襲撃場面を目撃したであろう周りの人々が悲鳴も叫び声も上げず、「すげえ」等
と呟きながらスマホで撮っていたから。襲撃はテレビ撮影の一環だと思い込んだ、とい
うことらしい。
 振り返った男は髪を脱色したそこそこの高齢者で、槌を直すことにこだわりつつも、
次の獲物を探し求めている雰囲気。こっちはさっき最初に槌が目に留まった時点で、後
ろから蹴っていれば、なんて無茶な後悔をしつつ、何故か身構える。階段は混雑はして
いなかったので多分、逃げるだけのスペースはあったはずなのに。槌の曲がり方が思っ
た以上にきつかったのであれなら使い物にならない、何とかなるかも、と思ってしまっ
た。こっちは二段ほど高い位置にいるから有利だと思うんだけど、何故か待ちの姿勢。
柄が曲がったなりに男が持ち方を工夫するのを待っている。
 いよいよ振りかぶったというタイミングで、槌が巨大になる。ここでやっと「あ、夢
だったの?」と把握したんですが、槌はそのまま振り下ろされてきてガードしきれるか
不安だけど腕で受けようかって言うときに、目が覚めました。
 起きて嫌な気分になったのは、逃げるスペースがあるのに逃げずに応戦しようとした
こと。意識のどこかで、早々に夢だと察していたってことならいいんだけど。

 ではでは。





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