AWC 本の感想「猫じゃ猫じゃ」【ネタバレ】    HBJ


        
#1201/3052 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  19/12/08  18:45  ( 64)
本の感想「猫じゃ猫じゃ」【ネタバレ】    HBJ
★内容

永山さんに教えてもらった「猫じゃ猫じゃ」
さっそく図書館で借りてきて読んでみました。


















【ネタバレ】あらすじですが。
銀行の支店長が、融資をしていた企業が架空企業だったので、
その黒幕を殺す、と。
(自分もその融資で裏金利を受け取っていたので公にできない)。
その方法を探していたのだが、
たまたま通りかかった息子の大学で医学部教授が
「猫の後ろ足だけに靴を履かせて熱い鉄板の上を歩かせると前足を跳ね上げる、
そういう条件反射を植え付ける事が可能」
という講演をしているのを聞いて、
それからヒントを得て、
セントバーナードに「ヤッホー」と言うと背中に飛び乗る
という条件反射を植え付ける。
(黒幕は自宅の崖っぷちから山に向かって「ヤッホー」と叫ぶ習慣があった。
また、黒幕はたまたま愛犬に死なれていた)。
そして黒幕にセントバーナードをプレゼントして首尾よく黒幕を殺せるのだが。
…山道を車で走っていたら、ハイキングをしている人が「ヤッホー」と叫び、
その音に反応してなんと自分の右手が跳ね上がってしまい、
車が崖下に転落するというオチ。
以上があらすじですが。


銀行の架空融資の話が全体の3分の2ぐらいで、
全然条件反射の話は出てこず、ここらへんは辛かったですね。
この池井戸潤みたいな話は必要だったのだろうか。
例えば獣医師とかペットブリーダーが気に入らない奴を殺すのに
犬を使うという設定でもよかったんじゃないか、などと思いました。

あと、
黒幕がたまたま愛犬に死なれた事、
たまたま大学で猫の条件反射の講演を聞けた事、
などはご都合主義なのでは。


この作者はこの作品で「週刊朝日・宝石共催短編探偵小説懸賞」なる
公募新人賞の候補になったらしいです。
それが何故かラジオで放送されて、
それを小学生だった北村薫が聞いていた。と。


まあとにかく小生としては、条件反射トリックも
本格ミステリのトリックとしてありという事がわかっただけでも収穫ありでした。

ではまた。





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