#1132/3022 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 19/10/10 20:36 ( 42)
やや強引に合わせ技を 永山
★内容
ラグビー。
お恥ずかしことに「ヘイスティングス」だと思ってました。「ヘイスティングズ」と
濁る方が主流みたいですね。
それはさておき。
ということは、ウェールズvsスコットランドの一戦が実現すれば、モリアーティと
ヘイスティングズの夢の対決(と言うには格が違うかな?)が。
叙述トリックにするなら、モリアーティとヘイスティングズの取っ組み合いと思わせ
ておいて、実はラグビーの試合だったということも可能だなあ。いやまあ、架空の物語
なんだから、選手名は自由に決めて、いくらでも夢の対決を実現させればいいんです
が。
叙述トリック。
HBJさんが列挙された二作は、世評ではともに傑作の位置付けになっている気がし
ます。どちらがより優れているかとなると、やはり感性の、好みの問題になるのでは。
『殺戮にいたる病』を書いた我孫子武丸は、「叙述トリック試論」において叙述トリ
ックを<作者と読者の間にある“暗黙の了解”のうち、一つないし複数を破ることで読
者を騙すトリック>という風に定義づけていたと思います。※現在、元のエッセイが手
元にないため、検索して見付けたページにあった文言を参考に定義を書きました。ご了
承ください。
ここでいう「暗黙の了解」と「思い込み」はほぼ同じで、イコールで結んでも大丈夫
だと思います。我孫子武丸も当然、思い込ませることが大事だと充分に意識した上で、
(多分)犯人の名前が端から明らかにされているのになお犯人の正体に驚けるミステリ
を目指した結果、『殺戮にいたる病』が生まれたんじゃないかと。
それでも「この作品には思い込みがない」と判断する読者もいるくらい、叙述トリッ
クは難しい面がある、ということではないのかしらん。
叙述トリック以外のミステリーがチラ見せしかないというのは、ミステリーに出て来
る手掛かりや推理が、突き詰めれば「そうとも考えられるね」で終わりかねないことを
さしているのでしょうか。手掛かりがここにあるけれども、もしかしたら偶然の産物か
もしれないし、犯人の巧緻な偽装工作であるかもしれない。そう仮定すると、いくらロ
ジックを組み立てて結論を導き出そうとも、それが唯一の解とは言い切れない……とい
う。
これを含む後期クイーン問題を意識しすぎると、法月綸太郎みたいに作品がなかなか
書けなくなりかねないだけに、そういう考え方もできるんだぐらいでとどめておくのが
いいかと。
最後になりましたが、拙作を読んでくださり、ありがとうございます。誤字指摘にも
感謝&直しました。
ではでは。