AWC 本の感想 「闇に香る嘘」と「セブン」(ネタバレ) HBJ


        
#1116/3022 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (sab     )  19/09/27  20:50  ( 49)
本の感想 「闇に香る嘘」と「セブン」(ネタバレ) HBJ
★内容
「なろう」にでも投稿しようかと連続ドラマ的縦糸横糸的ミステリーを
考えていたのですが。
「なろう」だったら全部読み終わってカタルシスを得るというのではダメで
一回一回の話にドラマが無いとダメだと思っていたのですが。
つまり、縦糸横糸の横糸重視の様な作品になってしまうのですが。

そうなると、毎回の事件が全て別々に起こる感じがしてしまう。
事件と事件が関係していない感じがしてしまう。
つまり縦糸が弱い感じになりがちで。

小生が良いと思うミステリーは、縦糸横糸があったとしても、
一応一巻の物語になっている様な作品であって。
例えば、冒頭はsnsでダークな世界を垣間見てしまって、
次に怖いもの見たさでセンター街や歌舞伎町に行ってみて、
そして更にもっとアンダーグラウンドな世界に関わってしまう、
みたいなノリが好きなんですが。

こういうのは乱歩賞に多いかも。
乱歩賞は一巻の物語的な作品が多いと思う。
そこで「闇に香る嘘」を読んでみたのですが。
これもちゃんと一巻の物語にはなっている。

というかこの作者(下村敦史)が物語を着想する脳の中身が見える気がした。
この作者は多分、「実は主人公が中国人」という事を着想し、
「そうであるなら、その主人公には双子の兄弟がいてもいい」と思い、
「双子の兄弟」→DNAが一緒→臓器移植、
などと物語を思い付いていったのではなかろうか。
そして「双子だったら入れ替えが効く」という事を思い付き、
それで主人公を盲人にしたのではないか。

つまり「実は双子」という事が作品の核になっていて、
そこから派生、というか、還元されたものが諸々の物語だから、
読者としては、諸々の物語を読んでいて、
最後に「実は双子」という核を見せられれば、
「ああ、そうだったのか」とカタルシスを得る訳で。

…と思ったんですね。

ところが、例えば「セブン」(「そして誰もいなくなった」なども)などは、
「七つの大罪」という核と、そこから派生した物語との間に
なんの因果関係もないので、
最後に謎解きを示されたところで、
だからなに?
と思えてしまうのではないか。

そんな事を思いました。








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