AWC 力いっぱい空回り   永山


        
#1085/1108 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  19/08/29  20:06  ( 36)
力いっぱい空回り   永山
★内容
 テレビ朝日系で放送のドラマ「刑事7人」シーズン5第七話を視聴。ネタバレ注意で
す。
 出だしから半ばぐらいまでは素晴らしい。一つの他殺体に二つの異なる死亡推定時刻
が出るという謎の提示に始まり、二人の容疑者が浮かび上がり、それぞれが片方の死亡
推定時刻にのみアリバイを有していると判明。さらに炎天下、走り回っていたサラリー
マン風の男の目撃情報という新たな謎。そして主人公の義父の旧友で学者が関係として
登場。非常に魅力的な展開でした。
 しかし、事件が謎解きに向かい始めると、歯車の具合がおかしくなってくる。犯人が
復讐すべき相手の名を知ってから、実際に復讐を果たすまでの間、何日あったのか? 
犯行日は八月二十五日。復讐すべき相手について知らせてくれた人がオーストラリア土
産を持って犯人宅に来たのが、お土産の製造年月日及び賞味期限の表示から、八月十五
日以降。てことはわずか十日足らず。
 その間に被害者の身元や普段の行動パターンなどを突き止め、さらに濡れ衣を着せる
べき二人の男についても調べ上げた。その上、殺人決行の三日前に知った情報を元にト
リックを考え出た後、必要な凶器などを密かに取り揃え、車椅子で現場の廃小屋まで往
復し、足腰のきく者でも恐らく厳しいであろう、ロッカーを開けたら発射される凶器の
からくり等を仕掛けた。加えて、犯行当日はちょうど犯人自身のアリバイ確保に好都合
なイベントがある一方、被害者にとっては子供が誘拐されたと思い込ませる条件の揃っ
た日でもあるという偶然。無理があまりに多くある。
 さらにさらに、犯人は知識を活かして複雑な死亡推定時刻をずらすトリックを実行に
移しておきながら、遺体が発見される工夫をしていない。たまたま、虫取りの子供らが
入り込んで見付けてくれたから、死亡推定時刻が割り出せたが、発見が遅れていたら腐
敗が進行して折角仕掛けたトリックは水泡に帰していたはず。それだけでも不可解です
が、本ドラマの序盤でこのこと(子供達が偶然見付けた)を台詞ではっきり言っている
のに、フォローがないのは変わってるなあ。
 ついでに言うと、被害者一人と濡れ衣を着せられる二人は、そもそも三人共犯の人殺
しと見なされており、復讐者にとって罪の程度・憎しみ度合いは変わりがないはず。な
のに一人を殺し、残り二人は濡れ衣という選別をどうやって決めたのかが全く出て来な
い。運不運?
 そしてこれほど凝ったトリックを弄しておきながら、犯行現場の自動殺人装置に残っ
ていた指紋が証拠になるという、腰砕け。もう訳が分かりません。
 想像するに、異なる二つの死亡推定時刻という案がまず頭にあって、それを実現する
ためにあれこれ調べて目処が付いた。でもこのままだと事件を解決できないから、犯人
にミスをさせよう……という風な流れで作られたんじゃないのかなあ。

 ではでは。





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