AWC 杉樽は猶及ばざる   永山


        
#1066/1139 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  19/08/10  19:56  ( 28)
杉樽は猶及ばざる   永山
★内容
 BSテレ東で放送の松本清張ドラマ「犯罪の回送」を録画視聴。ネタバレ注意です。
 松本清張最後のミステリーと銘打たれており、どういうことかいなと思ったら、19
63年の連載作品『対曲線』を、晩年の松本清張が全面改稿し仕上げたのが『犯罪の回
送』とのこと。
 さてドラマの内容は……松本清張版『樽』と言ったら大げさか。クロフツの『樽』に
比べたら複雑ではなく、むしろ分かり易いくらい。酒樽に人の遺体を詰めるんですが、
撮影では(当然)生きている俳優さんを詰めて、蓋をしていました。大変だったろうな
〜。

 ミステリとしては、道行きは面白く、トリックも悪くはないんですが、トリックの使
い方に疑問があります。
 何のためにこの死体移動トリックを用いたのか? 東京で死んだと思われた男が実は
北海道で殺されていたというのだから、当然、北海道にいる犯人(主犯で実行犯)のアリ
バイ作りのためなんでしょうけど、犯人は最終盤になるまで警察から疑われることはあ
りません。死体移動トリックが解明されたあと、初めて疑われるのだから、ある意味全
くの無駄と言ってもいい。
 さらにおかしいのは、この犯人、主犯と書いたからには当然、共犯者がいます。その
共犯者は死亡推定時刻に東京におり、警察からめっちゃ疑われます。主犯のためだけの
アリバイ工作って、そんなにメリットないような。そもそも、共犯者が東京にいるのな
ら、ある程度リスクのある死体移動なんてせずに、共犯者が、ターゲットが東京にいる
内に直に殺せばいい。共犯者にはアリバイトリックの恩恵がないんだから、直に殺して
も表面上は同じでしょう。
 この共犯者、主犯によって自殺に見せ掛けて殺されますが、共犯者の行動が不自然だ
ってことで警察も粘り強く捜査し、真相に辿り着く。
 結局、共犯者を使ってアリバイ工作をしたがために、真相に辿り着かれてしまったよ
うに思えてなりません。

 ではでは。





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