AWC 振り幅の調整   永山


        
#1039/1073 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  19/07/16  19:54  ( 41)
振り幅の調整   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「神の手」第四回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 粗筋を書こうと思ったんですが、各人の心情・思惑がちょっと込み入りすぎていて書
きづらい。ごく簡単に、主人公の白川の周辺で起きたことに絞って書くと。
 新見の訪問を受けた白川は、ジャモの設立記念シンポジウム?に出席する。登壇した
製薬会社の社員二名が、安楽死法が成立した後を見据えて、最期の三十分間、多幸感に
包まれて死ねる薬を開発したと発表。しかも患者が心変わり(死にたくない)したときに
供え、投与後三分以内であれば別の薬を投与することで安楽死を回避できるという。も
ちろん人体実験は行われておらず、患者の病態によって効果は異なるはずだ、三分間と
いうリミットを保証できるのかと疑問が噴出。これに対して製薬会社社員の一人が、私
がこの場で実験台になりますと言い出し、大騒ぎに。結局、実験は回避されたが、ジャ
モは波乱の船出となった。その後の分科会でも意見はなかなかまとまらず、安楽死を一
律に定める難しさを改めて痛感する白川。閉幕後に新見や山名らから再度の正式加入を
打診されるも固辞。
 そんな白川の目に、古林康代がテレビで新たな問題を訴える姿が映る。“安楽死を措
置された患者の日記が死後に見付かった。その中には、患者が昏睡状態にあると思った
家族らが「早く死んで欲しい」という意味の会話をしたが、それを聞いていた患者は追
い詰められ、安楽死を希望したという心情が綴られていた”。この情報を康代に提供し
たのは、白川と親しい看護師(女)で、彼女は世論が安楽死容認に急速に傾いたことを
危惧しており、そのきっかけを作った白川に安楽死反対を表明して欲しいと願う。白川
は白か黒かそんな簡単に割り切れないとして断る。
 その後、白川は受け持っているすい臓癌患者に、金銭的理由から安楽死の措置を施し
て欲しいと二度も懇願され、戸惑う。自分の存在が今の医療のためになっていないと感
じ、思い悩んだ末に医者を辞める決意をした白川は、病院に退職願を出した。
 ――こんな具合でした。絞ってこれ。(^^; 他に起きた出来事で大きいのは、新見が
殺されます。元首相・佐渡原の差し金と思しき描かれ方でしたが、分からない。
 もう一つ、安楽死法が参議院で可決。法案の詳細は示されませんが、粛々と決議さ
れ、報道された感じで、世間の風潮が安楽死容認一色であることがよく表されているか
と。

 本作には、(積極的)安楽死について読者・視聴者に考えて欲しい意図が明らかにあ
ると思うんですけど、何で安楽死反対派の筆頭に古林康代のようなキャラを置いたのか
が疑問でした。ガンで入院闘病中の我が子をほったらかしにして仕事で飛び回り、いざ
子供が死んだら担当医を訴える。これでは安楽死反対派が一方的に悪者になるんじゃな
いか。最初から、もっと常識的な母親キャラを設定すべきでは?と。
 でも今回分を観て、疑問が解けた気がします。現実の日本では安楽死に反対する人が
まだまだいる、だから一旦、安楽死を認めてもいいんじゃないかという空気を視聴者・
読者の間に醸成するために、安楽死反対派の先鋒に康代のようなキャラが必要だった。
そして安楽死容認の気持ちになったところへ、改めて安楽死反対派から正攻法の問題提
起がなされる。――そういう狙いだったんじゃないかなと想像した次第。

 ではでは。





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