AWC 構成の妙   永山


        
#573/661 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  18/08/25  22:19  ( 41)
構成の妙   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「黒書院の六兵衛」第五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 六兵衛がぶっ倒れたのと時を同じくして、加倉井の幼い子が熱に浮かされるも加倉井
は不在。加倉井の妻が夜、駆けずり回ってお医者さんを見付けて診てもらい、ようやく
人心地付いた。
 加倉井が家に帰れぬ原因である的矢六兵衛は、体調を大きく崩したあとも薬を飲もう
とせず、黒書院から動こうともしない。※前回書き漏らしましたが、六兵衛は鰻を食っ
たあと黒書院――将軍職を御前とする最も畏れ多い御部屋に移動しています。
 このままでは命に関わる、もし黒書院で人が死ぬようなことになれば、加倉井の責任
問題にもなる。せめて薬を飲まさねば、だがどうやって?……というときに、騒ぎを聞
きつけた天璋院、そして徳川家達が姿を現す。わざわざ足を運んできた幼い家達に、恐
縮する六兵衛。家達は次期将軍として教育を受けた賜か、六兵衛を気遣い、説得し、薬
を飲むことを承知させる。
 その後、六兵衛は回復。元号が明治になり、天皇の入城する日も約ひと月後と決まる
が、
六兵衛は居座り続ける。最後まで幕府側にいた本多は、「新政府に文官として採用され
るために、天皇に直談判するつもりだろう」と邪推するが、加倉井は一蹴する。かくい
う本多こそ、今や手のひらを返し、生活のため家族のためと新政府で役職を得ようとご
まをすっているのを加倉井は見ていた。
 一向に事態が進展しない中、力尽くでの六兵衛排除を主張する者が再び出たが、勝海
舟が西郷との約束を盾に許さない。とりあえず黒書院の間を封鎖し、天皇入城時には別
の広間を使うことと決められたが、根本的な解決にはならない。困り果てた加倉井は福
地を誘って再度、的矢の屋敷に清右衛門(本物の六兵衛の父)を訪ねる。前回はすげな
く追い返した清右衛門だが、加倉井の決意の程を見て取ったか、六兵衛が的矢家に家族
ごと入って来た経緯を語り出す。
 加倉井は江戸城に戻り、天皇の入城を翌日に控えた晩、会えないにしても天皇を迎え
るのにその格好ではいかんだろうと、六兵衛に真新しい裃?を渡す。さらに、酒を酌み
交わそうと誘うが、やはりだんまりの六兵衛。加倉井はこれまでの出来事を振り返りつ
つ、六兵衛に語り掛ける。
 ――以上が粗筋。次で最終回とあってか、じわじわと盛り上げてきております。粗筋
として書くとあんまりそんな感じはしないですが(苦笑)。
 これまでややご都合主義的に周りの者(偉いさん)達が六兵衛の存在を侍の鏡だ的に
許容してきた節があるように思えていたのですが、今回はその不満が払拭されたかな。
清右衛門が語る経緯とそのときの映像で、六兵衛の等身大の姿が浮かび上がったという
か。
 あと、冒頭に些か唐突に挿入された加倉井の子のエピソードが、なかなか効果的に使
われていた。一時帰宅した加倉井が六兵衛のことばかり話すのに対し、奥方が怒るんで
すね。前に的矢邸を勝手かつ単独で訪れ、六兵衛夫人と話をしたことも加倉井に打ち明
ける。そこでのやり取りで前は省略されていた部分が、また効いてくる。よくできた構
成だったと思います。

 ではでは。





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