AWC 酷暑の中の、くろしょいん   永山


        
#540/1077 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  18/07/25  20:07  ( 43)
酷暑の中の、くろしょいん   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「黒書院の六兵衛」初回無料放送を録画視聴。ネタバレ注意で
す。
 原作は浅田次郎の同名時代小説。未読です。
  時は慶応四年。幕府側の勝海舟と、官軍側の西郷隆盛との話し合いにより、江戸城
の不戦開城が決定した。官軍側・尾張の下級藩士である加倉井隼人は、思いも寄らぬ大
役に憂鬱になっていた。というのも、幕府から官軍へ城の引き渡しが滞りなく行われる
よう手筈と整える先遣隊として、その長を任されたのだが、一見名誉に思えるこの役
割、実は貧乏くじ。尾張藩は幕府を中途で裏切って官軍に付いた経緯があり、そこの藩
士が江戸城の面々に忌み嫌われているのは当然。針のむしろに座らされる心持ちで城に
出向くと、案の定、きつい応対をされた。
 めげずに任務を果たそうとする加倉井に、ある面倒ごとが知らされる。一室に居座っ
て、てこでも動こうとしない男が一人いるという。その名は的矢六兵衛。御所院番(将
軍直属の警護隊)番士であった。黙って正座したままの六兵衛に、加倉井は話し掛ける
も無反応。いっそ力尽くででも退去させたいところだが、勝海舟と西郷隆盛の約束が立
ち塞がる。江戸城はいずれ御所となり、天皇が入る。そのような場で騒ぎを起こすのは
まかり成らんとされている。強硬手段の執れない加倉井は途方に暮れるも、心の片隅で
は、六兵衛の凜とした居住まいに何かしらひかれるものがあった。
 噂を聞きつけて、新聞(瓦版)を作っている外国奉行支配通弁の福地源一郎が取材に
訪れ、六兵衛に質問をぶつけるがやはりなしのつぶて。上野界隈を取材して六兵衛の知
り合いから話を聞こうという福地に、加倉井も同行するが、そこは彰義隊が占める領域
で、官軍の加倉井にとっては生きた心地がしない。そんな中、六兵衛を知る者を見付け
た福地は、意外な話を聞き出す。居座っている的矢六兵衛は偽者で、本物の六兵衛は姿
を見なくなっているという。また別の者の証言では、六兵衛は五千両という金で旗本を
買い取ったとの噂も立っていた。果たして六兵衛は何者で、居座る目的は何なのか。
 ――以上が第一話の粗筋。
 ドラマ本編の前に、やや長めの予告編みたいな映像がありまして、その作りがシリア
ス一辺倒。だから当然、本編もシリアス一辺倒と思いきや、所々にユーモラスさがあっ
て、現代風の味付けがしてありました。原作は歴史小説ではなく時代小説ということで
察しが付くように、史実ではなくあくまで創作。現代風の味付けもあり、でしょう。
 上地雄輔演じる加倉井は上司の命令で仕方なく動くサラリーマンぽく、寺嶋進演じる
勝海舟はべらんめえ口調の江戸弁(これは史実みたいですが)で親しみやすい。対照的
に、吉川晃司の演じる的矢六兵衛は台詞が一つもなく、所作や表情だけでキャラクター
を出していく。百点満点ではないしても、かなりうまくやっていたと思います。
 加倉井が上野に出ている間、部下五人が六兵衛を見張ることになっていたのに、いつ
の間にか六兵衛がいなくなっているという失態。そういう展開はいいんですけど、六兵
衛がどうやって姿をくらますことに成功したのかに触れられないまま、終わった。五人
も見張りがいて、全員が同時に目を離したり居眠りをしたりするとは思えないし、厠に
行くのも全員揃ってなんて馬鹿なことはあるまい。なのに六兵衛がいなくなったのな
ら、それは一種の密室トリック(もしくは脱獄トリック)と言えるのでは。あとでこの
辺の説明があるのかどうか、気になる。江戸城内に隠し扉や抜け道の類があることを示
唆する伏線?

 ではでは。





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