AWC 本の感想>『祟り火の一族』   永山


        
#527/597 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  18/07/11  21:44  ( 32)
本の感想>『祟り火の一族』   永山
★内容
・『祟り火の一族』(小島正樹 双葉社)16/5551
 大火傷を負い伏せっている男の周りに集まった六人の女が、「人柱にされた娘の幽
霊」「血を流す橋脚」「生き返った女」「林の中ののっぺらぼう」「頭蓋骨から飛び出
た緑色の少女」といった怪談を順に語り聞かせる――舞台女優を志す明爽子が引き受け
たアルバイトは、そんな奇妙な内容だった。しかし、質問することは許されていない。
好奇と不審から、学生時代の仲間である浜中刑事を引っ張り出し、実情を探ろうとする
明爽子。浜中の知り合いで名探偵を称する海老原が解明に乗り出したとき、火に祟られ
た一族の悲劇が目覚める。

 詰め込みすぎ・盛り込みすぎ・てんこ盛りで知られる作者の本格ミステリで、文章面
で期待してはいけないのがお約束?
 島田荘司の後継的作風と言えば、柄刀一が一番手と思っていましたが、本書の作者で
ある小島正樹も負けず劣らずって感じですね。トリックのタイプで大まかに区分する
と、柄刀一は豪快系、小島正樹は遺体翻弄系とでも言えましょう。それぞれのタイプの
本格ミステリを書き続けてもらえたら読者は幸せです(笑)。
 さて、感想。本作は犯人当てに関しては割と大胆に手掛かりを提示しており、注意深
く読んで考えればあるいは探偵役よりも早く看破できるかもしれません。でも複雑だか
ら、違和感を覚えても、そこから半歩ほど進むのがやっと。
 数々の怪奇現象については、知識があれば解ける可能性の高い物もありますが、全解
明は難しい。小技の寄せ集めと言えなくもないので、多分こんな感じなんだろうなとい
う当たりは付くものの、それが物語のどこにピースとして入るのかが定まらない。そん
な印象を受けました。
 他の点では、時代がいつなのか、序盤は把握しづらかった。じきに整理されるんです
が、冒頭からしばらくは怪談話が続いたためか、(小説の中で)本当に起きた出来事な
のかどうかすら、曖昧な感じがしたです。
 それから、謎解きのあとのクライマックスは幾分、強引な畳み方だと思いましたが、
これはこれで浜中刑事のキャラクターを活かしており、巧いと言えるのかもしれませ
ん。
 謎解き場面のドミノ倒しというかピタゴラスイッチというか、何だか勢いのある連打
だけでも読む価値はある、かもしれません。

 ではでは。





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