AWC 新幹線及び新感線   永山


        
#495/503 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  18/06/10  21:01  ( 62)
新幹線及び新感線   永山
★内容
 東海道新幹線殺傷事件。
 小説の筋書きの一つとして、似たような状況を考えたことがあります。最初に着想し
たのは、地下鉄サリン事件が起きた頃で、「同じことを新幹線でやられたら、地上を走
っていても停車駅が少ない分、地下鉄と同等の被害が出るかもしれない」と感じたのが
元。
 その後、白昼無差別に人を襲う通り魔事件が増えたように感じ、「同じことを新幹線
でやられたら」と想像して薄ら寒くなった。、二〇一五年に起きた新幹線内焼身自殺事
件もしかり。
 自分が何ヶ月か毎に新幹線を利用するようになっていたから、以前より身近に感じた
ということなんでしょう。実際、小説のネタを離れ、どの位置に座れば最も対処しやす
い(逃げ延びる可能性が高い)か、なんて考えが、乗る度にふっと頭をよぎります。

 WOWOWのドラマ「闇の伴走者〜編集長の条件」第四回を録画視聴。ネタバレ注意
です。
 階段を転げ落ちた伊東は、左腕に大怪我を負うも命は無事。知らせを受けた醍醐は、
社員の安全を守るためとして、調査の中断を宣言する。それに異を唱えた水野。水野は
想起社の人間ではないこともあり、醍醐と二人で調査は続ける。
 南部の愛人だった女性を知る人物・塚本とコンタクトが取れ、水野は情報をもらうの
を兼ねて、話を聞きに行く。塚本が話すかつての同僚・南部は、口汚くて失礼で喧嘩も
したけれど、翌日には謝ってくれて普通に話し掛けてくるような性格で、漫画の研究分
析に日々を費やしていた男だった。漫画家を罵るときには、その漫画家の作品に出て来
るキャラクターの特徴を真似てからかうことも多々あったという。
 やがて紙芝居作家で幻の漫画家である校條(めんじょう)の旧住所が判明、いるかい
ないか分からないが訪問してみることに。呼び鈴を押してからだいぶ経って、返事があ
った。アパートの一室にいたのは、老人と呼べる痩身の男。南部が原稿を持って訪ねて
こなかったかと問うと、あっさり認める校條。原稿を返しに来た南部に対し、その原稿
を含めて作品を丸々やったという。その紙芝居作品は、醍醐の推測通り、下山事件を
テーマにした物で、後に校條自身が漫画にして刊行もされていた。全三巻に渡るその漫
画の内、手元にある一巻と二巻を読ませてくれた。醍醐は一読し、下山事件に新たな解
釈を示す傑作だと評価、漫画雑誌「ブレイブ」への掲載を願い出る。一方、水野の関心
は事件に向く。水野からの質問に校條はさらなるアイディアを出し、下山事件の“真相
”をより複雑な物にしてみるかと言い出した。その様子から、何か秘密の情報を握って
いると感じた水野が問うと、校條は下山事件の現場を目撃したんだと言った。彼の目撃
証言の通りなら、漫画に描かれたことや出されたばかりの新たなアイディアは、全て事
実かもしれない。
 伊東は醍醐の意向でバイト社員を外れていたが、このまま引き下がるのはどうにも悔
しく、怪我は完治していないが復帰を頼みに編集部へ赴く。醍醐は不在だったが、先輩
社員が話を通しておくと約束してくれた。その帰り、社内でエレベーターを待つ人混み
に並んだそのとき、すぐ前に立つ人物の靴に見覚えが。自分(伊東)を突き飛ばして立
ち去った人物の靴と、同じ減り方をしている!? 靴の主の顔を見ようとしたそのと
き、先輩から声を掛けられ、忘れていたとして皆から集めた退院祝いを渡される伊東。
その間にエレベーターは行ってしまった。
 水野は南部の転落死した建物屋上に行き、たまたま、南部の転落する姿を目撃したと
いう住人女性と巡り会う。その証言によれば、南部は敬礼の格好をして落ちていったと
のことだった。
 ――粗筋はこんな感じ。一気に話が進んで、ほぼほぼ犯人が分かったかも?と思わせ
る回でした。
 本作の興味(謎)は南部の死の真相を突き止めるだけでなく、下山事件の真相(新解
釈)や漫画原稿の行方といったサブ的なものの他、南部が見付けた漫画雑誌の勝利の方
程式とは何かとか、水野の死んだ父親は本当に自殺だったのかというエピソードもあ
り、多岐に渡っています。この内、水野の父親の件は残り一回で解明されることはない
でしょうけど、あとは順調に解決へと(多分)向かっており、バランスのよさを感じま
す。ここに来てまださっぱり想像が付かないのは、漫画雑誌勝利の方程式のキーワード
“水色”ぐらいで、他はほどよく解きほぐされている。
 謎とは別に、放ったらかしの事項がちょっとだけあるけど、これもきっと何か関係し
てくるんだろうなと期待が高まります。
 古田新太演じる醍醐が、前作よりも若干丸くなった印象で、共感しやすい。傍若無人
キャラとして描かれる南部との対比で、醍醐は南部と似ているところもあれば違うとこ
ろもある。その違いの大なるのが部下思いであることをはっきり示すキャラ。ここに共
感しやすさのポイントがあるような。

 ではでは。





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