AWC マジックを観に行こう>ワールドマジック終盤   永山


        
#482/3021 ◇フレッシュボイス2    *** コメント #479 ***
★タイトル (AZA     )  18/05/30  19:28  ( 86)
マジックを観に行こう>ワールドマジック終盤   永山
★内容
 次は、日本人マジシャン。金沢からやって来たというトミー。若い人で、今回のイベ
ントに出た中では、一番若いかも。客をいじるマジック担当という感じでした。まずは
スカーフとステッキのマジックでご機嫌伺いをして、次にイリュージョンをやるのでお
手伝いを一人、観客から募集。背が高めの高校生ぐらいの男子が選ばれ、舞台に上が
る。演者よりも高身長。
 でっかいカード(トランプではなくほんとのカード)何枚かの束を示し、人体浮遊だ
の瞬間移動だののイリュージョンの名前が書いてあるから、一枚引いてもらって、そこ
に描かれた演目をやるとのこと。先のお客が選ぶと、カードにはギロチンとある。「や
り直したい?」と問うトミーだが、カードには全てギロチンと書かれてあるオチ。
 ギロチンのマジックとは、小さなサイズのギロチンを使うやつ。上下二つの穴が開い
ており、事前にまず、上の穴に大根の先を入れて、すっぱり切れることを示す。本番で
は上にお客が指を入れ(「使えなくなってもいい方の手の指を入れてください」等々、
怖がらせるやり取りを挟みつつ)、下にはキュウリが入れられる。で、おもむろにギロ
チンが落とされ、指は無事、キュウリは切断と相成りました。切断されたキュウリは、
お客へのお土産。
 三つ目のマジックは、大きなトランプカード二枚を使った当て物。一枚がスペードの
クイーンで、もう一枚がハートのクイーン。演者が右手と左手にそれぞれ一枚ずつ、観
客から見て裏向きになるように掲げ持つ。演者がシャッフルした後、観客は赤い方を当
てるのですが、シャッフルと言っても手をぷらぷらさせる程度で、どう見ても入れ替わ
っていない。でも、赤を持っていた手のカードは黒、黒を持っていた手のカードは赤に
なっている。三度ほど繰り返してから、最後は「みんなに当ててもらいたくて」という
ことで、炉湯砲とも赤いカードになっているというオチ。

 とりを飾るは、米国からダニー・コール。登場した時点から、前にどこかで見たこと
があるようなないような……と思ったんですが、はっきりせず。それが、今月二十五日
NHK−BSプレミアムにて放送されたマジック番組を観て、記憶が甦りました。とい
うか、冒頭に昨年の同番組の極短いダイジェストが流され、そこにダニー・コールが映
ってた。おお、ほぼ同じ演目だった。さらに調べてみたら、ハウステンボスのショーで
も、超至近距離の生で観ていました。五年ほど前のことで演目も全く別、とても若い印
象だったのが、今回は風格を感じたです。
 ステージ上には男の部屋のセット。衣紋掛けにはハンガーがいくつかとジャケット。
四本脚の椅子。その他テーブル。
 正装で登場した演者。ネクタイがいきなり消える。ファッションカタログを繰り、ネ
クタイが大写しになったページを開き、また閉じてからネクタイを引っ張り出す。カタ
ログを開くと、写真からネクタイが消えている。ネクタイを着けようとするも、赤の派
手な奴なので、スーツに合わない。赤ネクタイをハンガーに掛け、服の絵が描かれた大
きな紙?を持ち出してくると、布団に入る前に毛布を持ち上げるみたいに紙をふわっと
やり、身体の前でかざすと、一瞬にして着ている物が上下ともスーツから絵の服にな
る。赤ネクタイを取ろうとすると、二つのハンガーが絡み合う。ハンガーを用いたリン
キングリング。一くさりやってから、手元に一つだけハンガーを残し、あとは衣紋掛け
に戻す。ようやくハンガーに上着を掛けようとしたら、いつの間にやら、そのハンガー
が着ている上着のボタン穴に通ってしまってる。苦労してどうにか外すと、今度はハン
ガーが壊れる。直す度にどこかが壊れ、棒の部分が手から離れない。いつの間にやら、
棒は紙の巻物になっており、開いていくと赤いネクタイが描いてある。それを身体の前
にかざすと、またも一瞬にして赤ネクタイが喉元に結んである。でもやっぱり気に入ら
ないので、カタログを開き、別のクリーム色のネクタイを見付け、「これがいい」とば
かり指差す。カタログを置き、着けている赤ネクタイに手を沿わせると、あっという間
にクリーム色に。次いで今度は派手なシャツにサスペンダーの描かれた絵を身体の前に
かざす。すると、ジャケットはそのままで、中のシャツだけサスペンダー付きの派手な
シャツに変化。
 ジャケットを脱ぎ、椅子に腰を下ろそうとする演者。が、椅子が勝手に動いて座れな
い。幾度か繰り返す内に、椅子が逃げ出したので、その脚を掴まえる演者。椅子の逃げ
る勢いは強くて、暴風にはためく旗の如く、真横に飛んでいきそう(一応注釈しておき
ますと、パントマイムです)。とうとう脚一本が抜ける。
 仕方がないので、脚一本を床に立て、どうにか座る演者。どうも落ち着かないので、
脚を取っちゃう。それでも腰掛けた姿勢をキープ。筋肉で頑張って維持しているのかと
思いきや、演者が足を組んで、床には片方の足しか付いていない状態になっても同じ姿
勢を保っている。その内、あり得ないほど上体を反らすが、倒れない。イナバウアー、
あるいはマトリックス避けの状態。※終わった後のアガペーの話によると、このマジッ
クを開発したのはダニー・コール自身で、セ○が同じマジックをやっているが、あれも
ダニー・コールから上演権を買っているとか。
 財布の中を見ると、クーポン券?ばかり。ぱりっとした格好になっても先立つ物がな
ければ始まらない。クーポン券を両手の中で折り込んでいき、また開くとお札になっ
た。どんどんお札を増やしていくが、財布にしまってもう一度観てみると、クーポン券
に戻ってしまった。その内の一枚を取り出し、観客の方へ開いてみせる。「END」と
書いてあった。
 ここで女性のアシスタントが登場。と思いきや、ダニー・コールの奥方、ステイシー
でした。マジックショーをする内に知り合って、ゴールインに至ったとか。そのステイ
シーが単独でマジックを披露。小銭を貯めるような巨大なガラス瓶(蓋付き)の中に、
木の枝と一羽の蝶々が(蝶は多分作り物)。キャンドルに火を灯してから、蓋を持ち上
げ、蝶を取り出す演者。蓋をまた被せてから(何故か)蝶々を折り畳んで二度ほど破
り、キャンドルの火にくべる。煙がもわっと立ちのぼる。それを手でかき集める仕種を
して、両手の中に捉えた。隙間を作り、息を吹き込むと、さらに大量の煙が発生。その
煙をガラス瓶に向けて浴びせる。瓶の周りの煙が消えると、瓶の中に煙が充満してい
る。まじないっぽい手つきをしていると、程なくして瓶内部の煙が薄らいでいき、木の
枝には元のように蝶々がとまっていた。

 これにておしまい。最後は出演者総出で送り出しに立ってくれるサービスぶり。全国
数箇所を回る中で、恐らく、今回が一番少ない観客数でのショーだったと思いますが、
変わらぬであろう熱演は本当に嬉しい。
 出演者はアマチュアも含めて、レベル差はありましたが、ショーの内容や構成は素晴
らしく、大いに盛り上がりました。
 秋口には再びワンデーコンベンションが予定されているとのことで、タイミングが合
えば観に行くつもりでいます。

 ではでは。




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