AWC 被り物   永山


        
#391/600 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  18/03/15  20:54  ( 30)
被り物   永山
★内容
 海外のある捜査物連続ドラマのシーズン最終回を観ていたら、考えていたネタとちょ
い被りしていた。
 といってもトリックじゃなく、シチュエーション。ごく単純化して言うと、善い者と
悪い者の間に子供ができたっていう構図。実際に当たったことはないけれど、多分、既
存の商用作品にもちらほらありそうな設定だと思うんで、被りを気にするほどではな
い、と信じたい。
 さて、この「ネタ被り」。わざと被らせたのならパクリと呼ばれることが多い昨今で
すが、実態はそう単純じゃないですよね。
 ドラマ化された「貴族探偵」が、それより以前にドラマ化された「IQ246〜華麗
なる事件簿〜」のパクリだというネット上の――ジョークではない――評判があると聞
いて、ちょっとびっくりした覚えがあります。その理由が、高貴な身分の者が探偵役で
あるというだけ。いやいや、前後関係で言えば原作小説の『貴族探偵』が先だし、そも
そもこれはベースとなる設定であって、たとえ狙って被らせたとしても、セーフの範疇
では。これがだめなら、学生やフリーライター、元刑事の探偵なんて、真似だらけ。
 これは推理物に限ったことではなく、たとえば青春学園物。転校生が美男美女。主人
公はトラウマを抱えている。一人の異性を巡って親友と三角関係に。最初の担任は優し
く、代理の担任は怖いことが多い等々。これらはパクリどころか、ネタ被りとさえ言わ
れないはず。道の角で男女がぶつかるなんてのは最早ギャグの領域に入った感がありま
すし。
 推理物に話を戻しまして、判断が難しいのはトリック。交感殺人のアイディアは今で
は多くの推理作家が自由気まま?に使うトリックでしょうけど、昔は違った(らしい
)。交換殺人の先鞭を付けた作家に対し、後に書こうとした作家が使用承諾を求めたと
か。年月の経過によりトリックが一般化したケースと言えましょうか。
 では全てのトリックが年月の経過とともに使用フリーになっていくかというと、そう
でもない。特に独創性が高いとか、作品とトリックが不可分に近いような関連性を有す
るといった評価を受けていれば、同じトリックを他の作家が使うのは難しいでしょう。
応用・捻りを利かせるのは当然で、その推理小説を読み終え初めて、「ああ、あのトリ
ックを使っていたんだ」と読者が膝を打つのが理想かも。

 ではでは。





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