AWC 虚実の匙加減   永山


        
#374/692 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  18/02/26  20:28  ( 73)
虚実の匙加減   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「監査役野崎修平」第七回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 株主総会での野崎の対応は、おおぞら銀行がよい方向へ変わる端緒として、世間では
概ね好意的に捉えられていた。次は京極が頭取の座を降り、新頭取に誰が就くかが重要
だが……代表権のある会長職に収まるつもりでいた京極頭取だが、懐刀の柳沢から金融
庁役人の話として、公的支援を受けている銀行がお飾りの会長職を置くのはいかがなも
のかという意向であると聞かされ、安閑としていられないと悟る。
 ちょうどその頃、業界四位以下の三行合併によるメガバンク誕生の噂がちらほら出て
いた。専務の武田は、京極もおおぞら銀行とよつば銀行との合併を模索しているらしい
と話を聞き及び、合併がなった場合のことを考え、自らよつばの頭取と対面する。
 柳沢はよつばとの合併話に武田が噛んでいることを聞きつけるや、頭取室に京極を尋
ね、頭取がやらせているのではないのかと問い質す。知らないという京極に対し、頭取
が知らないはずがないと詰め寄ると、仮にそうだとしてもどうしてあなたに言わなけれ
ばいけないんですかと開き直る京極。副頭取として一番に知る権利があると主張する柳
沢だが、京極は取り合わない。悪いようにはしないと丸め込みに来たが、過去に飛ばさ
れた経緯のある柳沢は信じず、部屋を出て行く。このままでは立場が危ういと感じた柳
沢は、よつばと並ぶ規模のひかり銀行頭取と接触。合併話を持ち掛ける。
 野崎は、おおぞら銀行を変えようという有志の部長らを始めとする三十名ほどの勉強
会に、講師として出席を頼まれ、引き受ける。熱弁を振るった野崎に、質問の挙手をす
る女性が。東銀座支店の支店長、立川だ。頭取から次期役員の約束をもらっている女性
支店長の立川は、京極の意を受け、野崎の動向を探っている。「京極頭取退任後の新頭
取には誰がふさわしいとお考えですか?」という立川の質問に、野崎は、今ここで議論
するのにふさわしい話題ではないとして、返答をやんわり拒んだ。
 その後、野崎は部下の坂本に命じて、不良債権の正確な評価額を知りたいので洗い出
して欲しいと頼む。だが、それは簡単なことではなく、業務推進部や検査部の協力が必
要とされた。監査室と業務推進部はうまく行っておらず、検査部からも前部長の渡辺が
去ってからは、距離を取られていた。野崎は一計を案じ、旧知の記者を使って、現検査
部長に野崎は京極頭取の覚えがよい云々と吹き込んでもらう。後日、業務推進部に乗り
込んだ野崎は、全ての資料の提出を要求するも、業務推進部部長の西條はどこにどれだ
けあるか把握してきれていない、それでもよければ持って行けととぼける。人手が足り
まいと高をくくっていた西條だったが、突然、検査部の人員が大挙してやって来た。
 必要な資料を入手した監査室は、不良債権の規模を掴む。甘く見積もったとしても、
おおぞら銀行は債務超過を起こしている。それが結論だった。いつ業務改善命令が下っ
てもおかしくない、倒産にも等しい事態に、野崎は頭取室に乗り込み、柳沢と武田を集
めてもらった上で、京極を加えた三人に事実を伝える。
 京極はレポートを預かり、約一ヶ月後の役員会議の席で、結論を示した。おおぞらは
よつば、ひかりと三行合併に踏み切るという。突然の話に、野崎は慌てながらも、先日
渡した債務超過のレポートの問題はどうなったのか、合併相手はこのことを知っている
のかと問う。債務超過レポートを知らされていなかった出席者らがざわつく中、京極の
目配せを受けた柳沢が説明する。「レポートを精査したが、些か大げさに見積もってい
る」と。そんなことはないと野崎が反論しようとすると、京極は「これから三行合併し
て、新たな未来に漕ぎ出そうとしているのに、水を差すのかね」と、いけしゃあしゃあ
と言い放った。
 程なくして、おおぞら、よつば、ひかりの三行が合併し、翌年四月一日から新日本銀
行となることが発表された。頭取室に呼ばれた野崎は、新銀行に君の席はないと言われ
る。彼と入れ替わりに部屋にやって来た立川は、新銀行での役員就任を改めて約束され
た。
 新銀行のシステムは旧いひかり銀行のシステムを採用することになり、対応が進めら
れていたが、ある日、おおぞらのATMが機能しなくなるトラブルが発生。信頼を失う
事態に危機感を持った野崎は、京極に「どうしてひかりの旧いシステムの採用に至った
のか」と詰問する。京極の返事は、三行の持ち株会社制になる新日本銀行のトップを取
るために、譲るべきところは譲った、というもの。客の信頼を失い、行員のやる気を奪
う行為だと非難する野崎に対し、京極は「そんなものはまた取り返せばいい。トップの
座は今でなければ取れない」と言い放った。
 考え方の違いをはっきり認識した野崎は、武田からの「一緒に京極頭取を追い落とさ
ないか」という誘いに、二つ返事で乗る。珍しい反応に驚く武田に、野崎は信念と方針
――合併解消とおおぞら立て直し――を語る。聞き終わった武田が、「大事なことが一
つ抜けている。誰が次の頭取になるのか」と聞き返した。そんなことは自分には関係な
い、後回しででいいだろうという野崎だったが、武田は杖で野崎を指し示し、「おまえ
がなれ」と言うのだった。
 非常にテンポよく進み、大いに盛り上がった回でした。誰もが敵で油断ならない空気
の中、肝を据えたらしい野崎がどんな手に打って出るのか。要注目です。真意の見えな
いままここまで来た京極頭取は、結局のところ、権威に執着するキャラ止まりなのかし
らん。野崎の才を買って登用した割に、敵対するし、でも野崎を認めるような台詞をず
っと言っている、よく分からない設定がされているように思う。立川は勝ち馬を的確に
見抜いて、素早く乗ろうという作戦。もっと自身の力を発揮するのかと期待してたの
で、やや拍子抜けでした。柳沢は、京極に反撃されたときの慌て方が小物めいており、
これも少し期待外れかな。分かり易さ優先で、全体に登場人物達が“子供”として描か
れているんだと思う。未読ですが原作漫画ならそれがぴたりとはまったとしても、実写
化となると現実味が強まって、また違ってくるのかも。
 そんなこんなで次が最終回。予告映像からだいぶ想像が付くんですけど、野崎がいか
にして周りを説得し、巻き込むかが見所か。

 ではでは。





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