#372/3020 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA ) 18/02/24 20:42 ( 29)
細かな傷はあっても充分に佳作 永山
★内容
TBS系で放送のドラマ「アンナチュラル」第七話を録画視聴。大いにネタバレ注意
です。
細かな点で気になるところはあるものの、色々と作り手の本気あるいは冒険を見た
回。事件が主人公達を上回る存在感を持っていて、食ってしまった感があったけど、そ
れでも三澄と中堂が、締めるところは締める的な台詞で印象を強く残したのがいい。そ
して(多分)その台詞がきっかけで、中堂は三澄に、“赤い金魚”の解明に協力してく
れと言い出すくだりには、シリーズ全体の進行につながるうまさを感じる。
学校や警察の対応が後手後手になったり、いじめっ子の親が万引きを金で解決しよう
としたりっていうのは現実味がある反面、最早お約束に近いものがあるけれども、そこ
へ加えて科学捜査や死体現象の再現度にも相当に力が入っていた。そして何より、いじ
めの被害者が自殺しても。加害者側は転校し、名前を変えて、被害者の命を奪ったこと
なんて忘れて生きていく、と言い切ったところとか。映像作品における自殺を思い止ま
らせる場面で、これくあい説得力のある台詞って、初めて聞いたかもしれない。
引っ掛かった点は、大まかに言って三つ。まず、あのトリックでナイフは自然に抜け
るのか。仮に計画通りに実行したとして、凶器はすぐに見付かりそうだけど、当初から
白井が隠す予定だったのか。それならば絡繰り的なトリックを使わなくても、白井が直
に凶器を回収すれば済む話になるが。ただ、あの方法で絶命するのか、三本とも上手く
刺さるのかと疑問・指摘が出てるみたいですが、これは、安易に真似されてもうまく行
かないようにという、制作側の用意した安全弁なのかな? それでも実行したら、よく
ても大怪我でしょうけど。
次に、白井は遺体をどうやって移動させたのか。台車を使ったのか。台車で行ける範
囲に取り壊し間近の空きアパートがあったのは偶然か。
三つ目、海老原なる生徒は何だったのか。どうなったのか。
あと、シャーロック・ホームズ譚の一つ『ソア橋事件』のネタバレがありましたが、
こういうのってどこまでOKで、どこからだめなのかの線引きが難しい、というか分か
らない。推理小説を読む上で基礎知識と呼べる古典的トリックは確かにあるけれども、
それをドラマにまで当てはめていいのかも含めて、ほんとに難しい。
ではでは。