AWC 本の感想>『憑き物』   永山


        
#361/655 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  18/02/11  21:40  ( 27)
本の感想>『憑き物』   永山
★内容
・『憑き物』(鳥飼否宇 講談社ノベルス)13/3451
 イヅナサマ――イヅナを使い、ご託宣を受けて伝える霊能力者が信じられている村落
で、殺人事件が起きた。書き置きから推すと、イヅナサマが長男を殺し、失踪したらし
いのだが(「幽き声」)。梅木淵という名の小さいが水量豊かな滝壺を訪れた女性カメ
ラマンが、奇異を目撃する。のっぺらぼうの赤子を抱いた女性が水面に立っていたの
だ。しかも呻き声や「よこせ」という声まで聞こえる。急いでシャッターを切って逃げ
出したが、あとで調べると肝心の写真は映っておらず……(「呻き淵」)。
 観察者を自称する、動物オタクの変人・鳶山が憑き物を祓うシリーズ短編集第二弾。

 第一短編集は(この時点で)未読です。
 最初の一編を読んでいると、この作者ってこんなにうまくなかったっけ?と感じまし
た。ホラーとしての描写が、何となく上滑りしているというか、全然怖くないし、書き
割り的なものを感じたので。
 二編目から盛り返し、三編目以降で板に付いた感が出て来たようなので、安心して読
み進めることができたです。
 内容の方は、読み進めるに従って、パターンが読めてくるので、驚きは多少減じられ
るきらいがあったかな。もちろん、そうならないように努めているのは分かるし、巻末
を飾る書き下ろし作品には、趣向がたっぷり詰め込んであったのは高く評価したいで
す。
 トリックの面では、どれもこれも根っこは同じなんですが、バラエティに富んでいて
興味深い。ただ、「冥き森」のメイン?トリックは、いくら小技を付加したとは言え、
無理があるような。
 この短編集の本領は、謎が解けたあとのホラーテイストにあると言えましょう。ホ
ラー風に彩るだけでなく、いや〜な感じの後味をプラスして締め括ってくれる手際は、
なかなかの見物でした。

 ではでは。





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