AWC 月長石ならぬ星長石   永山


        
#305/3055 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  17/12/19  20:18  ( 58)
月長石ならぬ星長石   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「石つぶて」第七回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 真瀬を改めて聴取することになった木崎らだが、既に横領疑惑が公になってしまっ
た。マンションに押し掛けた記者連中を避けるために、警察は真瀬の替え玉を用意。愛
人に一緒に正面から出てもらい、その間に真瀬本人を裏口から脱出させる。どうせマン
ションには戻れなくなるので、真瀬が常用するホテルにひとまず向かう。その一室が真
瀬の住処になる訳だ。ところがしばらくすると、真瀬のホテル滞在の件まで漏洩し、マ
スコミがホテルの玄関に張り付く騒ぎに。木崎と斉見は、再び策を弄し、ホテルの出入
り業者を装って、真瀬を連れ出すことに成功する。
 警視庁に到着後、始まった取り調べには羽佐間が当たることに。木崎や斉見のやり方
が優しいものだと思えるほど厳しく、ときに声を荒げ、ときに暴力的に振る舞って、真
瀬を追い詰めようとする羽佐間。しかし、真瀬は確かに疲弊の色が露わだったが、決し
て罪を認めようとはしない。
 合同捜査に当たる二課の刑事らは、手分けして、真瀬の現金払いの動向の徹底調査
や、真瀬と少しでもつながりのあるノンキャリア官僚に話を聞いていくことに着手。キ
ャリア官僚にも同じように話を聞くべきだが、現段階ではおいそれと呼び付けられるは
ずもなく、後回しになる。
 話を聞かれたノンキャリアの中には、真瀬の直接の部下や、ライバルの秋村もいた。
部下の男は、外務省として箝口令が敷かれた訳ではないと言ったがために、話せること
を話すように迫られ、口をつぐむ。それに比べると秋村は、真瀬を一気に追い落とした
い気持ちの表れか、やや口が軽かった。
 聴取開始から何日か経った頃、外務省が真瀬を五千四百万円横領の疑いで告発した。
今度の事件を外務省だけのこととして収め、官邸の機密費とは関係ないものとしたいと
いう狙いは明らかだった。捜査側からすれば、外務省が真瀬の横領の事実を認めたのは
プラスだが、官邸への糸口を失う恐れもある。一方、官邸サイドは外務省の勝手な動き
に激怒していた。すでに警察は九億円を超える私的流用の事実を掴んでおり、五千四百
万円では額が違いすぎる。
 真瀬はホテルの部屋に一人でいるとき、何度か官房局長に電話をし、状況報告に努め
ていたが、ある日、不意につながらなくなる。見捨てられたと感じたのか、真瀬は部屋
の備品である電源コードを使い、首を吊ろうと準備を始めるが、その最中に木崎が部屋
のドアをノックした。すんでのところで思いとどまった真瀬が、何もなかった振りをし
てドアを開けると、木崎は連日の聴取で疲れただろうと甘い物を買ってきていた。その
まま部屋で少し話をする真瀬と木崎。生い立ちや今の仕事を選んだ理由を語ったあと、
木崎は真瀬にあんたは何を守ってるのか、守ることは本当に正しいのかと言葉を投げ掛
ける。木崎が部屋を出て行ったあと、真瀬は自殺をやめ、しゃがみ込んで考えるのだっ
た。
 ホテルから警視庁に戻った木崎は、真瀬の言葉やノンキャリア達の証言、そもそもの
情報提供をしてくれた政治家の説明などを思い起こし、ふと一つのきっかけを見付け
る。翌日、木崎はその発見を持って、取調室に入った。そして羽佐間に対し、交代を申
し出る。「俺が落とす」と宣伝して。
 真瀬と向き合った木崎は、秋村の証言について話す。秋村は「真瀬が私的に使った金
は、元々うちらの金だったもの」という意味の発言をしていた。真瀬が官邸に立ち寄っ
て金を受け取っていたことはほぼ確実に掴めている木崎らからすれば、この言い回しは
ちょっとおかしい。そこへ政治家の説明を重ねることで、これは外務省へ機密費として
出た金の一部が、官邸の裏金に回されているのではないかと思い当たる。これが当たっ
ているのであれば、確かに“話せば殺される金”だ。この推測を聞かせたあと、木崎は
真瀬を落としに掛かる。「このことには俺達が辿り着いた。おまえは何も喋っちゃいな
い。だからもう殺されることはないんだ。その上で、今度はおまえの口から真実を話し
てくれないか。おまえは国のためを思ってキャリア連中を守ろうとしているのかもしれ
ないが、それは国のためじゃない。国民こそが国だろう。おまえの死んだ両親に顔向け
できるよう、国のため、国民のために正しいことをしてくれ」――長い間のあと、真瀬
がついに認めた。
 今回の粗筋はこんなところです。台詞は私のうろ覚えで、正確ではありません。
 最終回前とあって、今回も大いに盛り上がりました。二話前の対決感再び、でした
ね。木崎が真瀬を落とす流れは、本作の真骨頂と呼べそう。こんこんと説かれた真瀬が
無言のまま、表情を徐々にくしゃくしゃにしていき、ついに語り出す場面は最高によか
ったです。

 ではでは。書き込みタイトルはホシまで届く長い石ってことで。





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