AWC 最高の対決   永山


        
#295/3021 ◇フレッシュボイス2
★タイトル (AZA     )  17/12/08  20:33  ( 34)
最高の対決   永山
★内容
 WOWOWのドラマ「石つぶて」第五回を録画視聴。ネタバレ注意です。
 斎見&木崎がついに真瀬と直接対決。取調室で机を挟み、向かい合う。任意の聴取
故、二日間で結果を出さねば危うい。逆に言えば、真瀬はこの二日間さえ無事に乗り切
れば、あとは周りがサポートしてくれる確信があった。
 口座の金の記録について尋ねると、逐一、懇切丁寧に答える真瀬。しかも、一切資料
を見ることなく、そらで答えるのだ。驚異の記憶力は、対策を講じ、予行演習をしてき
た証か? とにかく隙を見せない真瀬。巨額の金の大半は、二十年前(1980年)に
亡くなった父が密かに隠し持っていた現金二億円を受け継いだ、つまりは遺産であり、
脱税は認める(七年で時効成立済み)が、横領の類ではない。その他の金も外務省から
の任務遂行のための資金を、一時的に自分名義の口座に入れておいただけであり、公私
混同をしたこと自体は悪かったと思うが、決して横領などしていない、と主張を崩さな
い。遺産について証言のできる者は皆無。金の動きや額に矛盾するところは見付から
ず、一日が経過。斎見らは決め手を欠くどころか、心理面で追い込まれる。準備万端の
真瀬を崩すには、他の攻め手が必要だ。夜を徹して考え、捜査資料を見直す。そして、
女性行員・若木の証言に、ある端緒を見付ける。
 翌日、再びの任意同行に応じた真瀬に対し、木崎は質問を重ね、二億円が二十年前に
現金として手に入れたことを再確認する。そこから木崎は指摘する。二億円は折を見て
少しずつあおば銀行に預けに真瀬自ら足を運び、、その際、金は帯封を外した新札をボ
ストンバッグに詰めていた。若木の証言でも確かめられている。預け入れの金は全て、
新札だった。新札――福澤諭吉を描いた一万円札が発行されたのは、1984年から。
問題の二億円が本当に、1980年に亡くなった真瀬の父が現金の形で隠していた遺産
であるならば、旧札つまり聖徳太子の一万円札でなければおかしい。これをどう説明す
る?
 予想外の方向から切り込まれた真瀬は、しばしの沈黙のあと、遺産との主張を嘘と認
めた。だが、金の本当の出所に関しては口を割らない。木崎と斉見が問い詰めると、真
瀬は「殺されますよ」と答えるのであった。
 メインの流れは、以上のような具合。他にも警察上層部と外務省との癒着(なあなあ
の関係)に加え、内閣官房まで登場する大事であることが示唆されましたが、今回はと
にかくメインに尽きる。対決感がとても素晴らしかった。取調室のみで場面転換は乏し
いのに、単調にならず緊張感を維持したまま、ことが進んでいく。新旧一万円札のくだ
りは、推理小説みたいな仕掛けでしたが、実際の取り調べでもこんなことがあったのか
しらん。

 ではでは。





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