AWC へんなつくりばなし   永山


        
#486/489 ●短編
★タイトル (AZA     )  20/12/24  22:58  ( 61)
へんなつくりばなし   永山
★内容
(小説投稿サイト三つに挙げてみるも特に反応が悪い作品です。^^;)


 嫌う理由を教えてくれ、ですって?
 私は好きだよ。
 嘘つけ? そんな、嘘なんかじゃないわ。私は好き。
 え? あなたのことが好きなのかって? 違うわ。何を聞いてたのよ。
 私は好きとしか言ってないでしょ。
 そう、あなたは好きじゃないもの。男のあなたは好きとは違うわ。

 昔は好きだったんじゃないかって? 私は昔から好きだったけど、あなたは昔から好
きじゃなかったわ。
 ええ、そうね。五年前、あなたはお立ち台の横にいる私に声を掛けてくれた。あのと
きから始まったわね。でも私が好きで、あなたは好きではないのは昔から変わらない。
 妙なことを言うな、か……。そうね、この辺りは他に女の人がいないし、妙なことに
なってもちっとも不思議じゃないわ。冬の海なんてそんなものよ。
 ――ちょっと! 波を掛けないでよ! 私がお婆さんみたいになったらどうしてくれ
るの?
 何よ。おまえは婆なんかじゃない、昔は小娘だったのが良い女になった? ああそう
ですか、なぐさめてくれてありがと。でも分かってないわね。娘だったときから私は良
い女だったわ。

 ……また話が戻った。嫌いな理由は、言ってしまえば、あなたが何でもできるから
よ。掃除洗濯料理お裁縫まで。一般的に女の仕事だとされていること、何でもこなせ
る。あなたは男のくせに女を兼ねてる。だから嫌いなの。

 何? 分かってきた気がする、ですって? どうだか。何かやってみせなさいよ。
 ――な、何よ。いきなりプロポーズなんて。私、結婚するのは何だかよく分からない
からかまわないけど、お嫁さんになるのはだめだからね。まだまだ家の外で働きたいん
だから。
 そう言うと思ってた? ふうん。どうやら本当に分かったのかしら。
 テストしてあげる。
 私は今凄く喜んでいるんだけれど、これってどういう状態?
 ――そう、嬉しい。

『“女”を偏にする旁の話』終わり

  タイトルから“の”が脱字していたことをお詫びします。



※※蛇足※※
 女子である“私”は昔から常に「女子」であり「好」きである

 男性である“あなた”は今も昔も「女子」ではないから「好」きじゃない

 お立ち台の横に女の“私”が立つと「始」まる

 女が少ないと「妙」になります

 女である“私”の頭から波を掛けると、「婆」になるかもしれません

 良い女はいつだって「娘」である

 男である“あなた”は一般的に女がやるべきとされてきた仕事を何でもこなし、女を
兼ねるから「嫌」われる

 結婚の「婚」の旁は何だか表現しがたい物なのでよく分からないけれど、「嫁」は家
に女が縛られているみたいで、お断り

 女である“私”が喜ぶと、「嬉」しいのは当然である





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