AWC 童話>まあちゃんのお誕生日会   $フィン


        
#416/457 ●短編
★タイトル (XVB     )  13/04/23  20:28  ( 81)
童話>まあちゃんのお誕生日会   $フィン
★内容
今日はまあちゃんが7つになった誕生日です。妹のえっちゃんは1ヶ月前に4つになり
ました。ときどき叩いたり叩かれたり、はちゃめちゃな喧嘩もしますが、普段は仲のい
い姉妹です。
「まあちゃん、えっちゃん、でかけるぞ〜」おじいちゃんの明るい声がします。なぜな
ら前日新装開店のパチンコ屋でおじいちゃんは大勝利したのです。おじいちゃんの財布
の中は1万円札がごろごろしています。こんなときのおじいちゃんは気が大きくなって
なんでもしてくれます。その代わり、大負けしたときは、布団にうつぶせになって、手
をばんざいして死人のポースをとり情けないのです。
「どこでかけるの?」まあちゃんは聞きます。
「いいところだよ」おじいちゃんは片目をつぶってウインクします。
おばあちゃんとおかあさんは一生懸命鏡台の前でお化粧しています。どうやらおばあち
ゃんとおかあさんも一緒におでかけするみたいです。でもこの中にはおとうさんがいま
せん。おとうさんは島根で単身赴任中なのです。
「まあちゃん、えっちゃん、おばあちゃん、二人の髪結んであげて」おかあさんは先に
化粧が終わったおばあちゃんに言いました。
おばあちゃんは二人の髪を結びます。おばあちゃんに髪をいじられるのが嬉しいのか二
人はくすくす笑っています。
「おばあちゃん。へたくそ〜おかあさんの方が上手に結ぶよ」7つにもなったら一人前
に文句を言えるようになったまあちゃんです。
みんなよそいきの服をきて、おじいちゃんの運転する車で出発です。ぶっぶーくるまが
しゅっぱつします。窓から見える町並みをみながらまあちゃんとえっちゃんはどこにつ
れていかれるのか、わからずどきどきです。車で20分も走ったでしょうか。白い建物
の赤い屋根のついたしゃれたお店に到着です。
「さあついたよ」おじいちゃんが笑顔で二人にいいます。
「わぁい、ここ何の店?」まあちゃんが聞きます。
「ステーキハウスだよ。なんでも食べてもいいよ。ばあさん割引券ちゃんと持ってきて
くれたのだろうね」おじいちゃんはふとっぱらなわりには、事前にフリーペーパ調べて
割引券を持っているところがおちゃめです。
おじいちゃん、おばあちゃん、おかあさん、まあちゃん、えっちゃん5人がはいると、
事前に電話をかけて予約していた席に案内されました。店内はお肉の焼ける香ばしい匂
いでいっぱいです。静かなクラシックの音楽が店内に流れています。
店員がやってきてお水とメニューを差し出します。おじいちゃんはメニューをもらう
と、どのお肉がいいか考え始めました。割引券があるとはいえ、おじいちゃんが思って
いたよりも全体的に値段が高かったのです。
「ううむ、どれにしようかのぉ……」みんなにもメニューを見せながら相談することに
しました。5分ぐらいして、下から3番目、上から5番目の値段のお肉を4人前頼みま
した。
「まあちゃん1人前食べたい」「えっちゃんも」二人は少しふくれつらです。まあちゃ
んとえっちゃんはまだ小さいから半分づつ食べることになったのです。
「そのかわりとってもうれしいサプライズがあるから楽しみにしておくのじゃよ」おじ
いちゃんは英語を使いました。
さあ、食事です。湯気がたちながらスープがやってきました。お腹もすいているしまあ
ちゃんもえっちゃんもスープは大好物なので、おじいちゃんが食べるものをぶんどって
それぞれ1人前食べました。
次々に料理がでます。5人は美味しいスープとサラダとごはんとお肉を食べてご満悦で
す。
最後にサプライズがありました。ケーキです。大きなケーキがやってきました。店員が
ケーキの上にたててあるろうそくの火をつけました。そして店内に流れていたクラシッ
ク音楽がとまり、誕生日を祝う音楽が流れました。
音楽がとまると店内放送でまあちゃんの名前が呼ばれ、店内のみんながぱちぱちはくし
ゅを送ってくれます。まあちゃんの7つになるお祝いの言葉がおじいちゃん、おばあち
ゃん、おかあさんの口から出ます。まあちゃんはもう目をしろくろさせています。
えっちゃんは羨ましそうに見ています。
店員がカメラを持ってきました。この様子を写真にするつもりでしょうか。まあちゃん
は、笑いながらピンク色の服をきてVサインをして写真を撮ってもらいました。
えっちゃんもみどり色の服でVサインしています。
さあさ、ケーキのろうそくを消してとみんなから促されるとまあちゃんは口を大きくし
て一気にとはいかなかったけど、2回3回にわけてろうそくの火を消しました。
みんなろうそくを消すまあちゃんを見ながらうれしそうです。
ケーキをみんなでわけてみんな食べました。ステーキの上にケーキまで食べたので腹が
はちきれそうです。でもみんな笑っています。
ケーキを食べた後、しばらくみんなで色々なことを言いました。まあちゃんが赤ちゃん
の頃、おしめを替えようとして処理が終わった後噴水のようにおしっこがでたことな
ど、まあちゃんはやめてよ〜と恥ずかしがったけど、目は笑っています。
さて食事が終わり、おじいちゃんが割引券と現金を会計に渡している間に、さっきとっ
た写真が現像されて店員がフレームにいれてもってきました。みんな笑っているいい写
真になっています。
 それから誕生日にもらえる子供用のおえかきセットをまあちゃんはもらいました。
えっちゃんも欲しいと言いましたが、おねちゃんと仲良く使うのですよとおかあさんに
言われ納得しました。
店の外にでると、11月の風は少し肌寒く感じました。でも上を見ると満天の夜空で、
星がきらきら光っています。
「今日はいい日だったのぉ。明日もこんないい日が続けばいいのお」おじいちゃんはつ
ぶやきました。

翌日、「なんじゃぁこりゃあ」おじいちゃんの悲鳴が聞こえます。大人が目をはなした
すきに、まあちゃんとえっちゃんが協力して、昨日ステーキハウスで誕生日のお祝いで
もらった子供用のおえかきセットを使って、真っ白だったふすまに、けばけばしい芸術
的ともとれる巨大ならくがきをしていました。
おじいちゃんのどなり声が家中響きわたります。サプライズの魔法はまだまだ続きそう
です。





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