AWC 童話>痛くないきず  $フィン


        
#415/453 ●短編
★タイトル (XVB     )  13/03/23  01:40  ( 47)
童話>痛くないきず  $フィン
★内容
まあちゃんは七つ、えっちゃんは四つ、とっても仲のいい姉妹です。今日はおばあちゃ
んとお風呂にはいっています。まあちゃんは一人で頭も身体も洗えるけど、えっちゃん
は小さいので、おばあちゃんに洗ってもらっています。
そしてざぶーん、3人は湯船にはいりました。3人もいっぺんに入ったものだからお湯
がざざざざざとあふれ出ました。
まあちゃんはおばあちゃんの足に残っているきずあとに気がつきました。10cmはある
大きなきずあとです。
「おばあちゃん、このきずどうしたの」まあちゃんが聞きました。
「このきずは痛くないきずだよ」おばあちゃんはまあちゃんのあたまを軽くなぜながら
答えました。
「話を聞きたいかい?」
「うん、聞きたい」まあちゃんもえっちゃんもおばあちゃんの話に耳を傾けました。
「まあちゃんが3歳ぐらいのときだったかねぇ。おばあちゃんはひいおばあちゃんに玄
関で電話をかけていたのだよ。知らない怖い人がはいってくるといけないから玄関にか
ぎをかけてね。電話をかけている最中、スーパーから自転車に乗ったおかあさんとまあ
ちゃんが帰ってきたのだよ。おかあさんは玄関がしまっているのを見るとまあちゃんを
先に自転車から降ろして、裏側から家の中に入るようにいったのだよ。」おばあちゃん
はあひるのおもちゃをぽいっとまあちゃんに投げました。
「それからどうしたの?」
「うん、それからおかあさんは、まあちゃんを降ろして後からたくさんの買い物したも
のを持って家の中にはいったのだよ、裏口からはいって、まあちゃんを呼ぶとまあちゃ
んの声が聞こえないのだよ。変だなと思って、二階にあがってもいない。トイレかなと
思って探してみるけどいない。おかあさんはけっそうかえてまあちゃんがいなくなった
といっておばあちゃんにいってきたよ」
まあちゃんもえっちゃんも興味津々といった顔で見ています。
「おばあちゃんはひいばあちゃんとの電話をきって、まあちゃんを通りにでてさがした
さ。大事な大事なまあちゃんがいなくなったら大変だものね。道を歩いていた、おばあ
さんと女の子に聞いてみたよ。黄色い服と赤いスカートをはいた3歳ぐらいの女の子み
かけませんでしたか? って、おばあさんと女の子はみかけなかったというじゃない
か。それで電車の踏みきりにでもはいっているのじゃないかと、踏みきり工事の警備員
のおじさんにも3歳ぐらいの女の子がはいってこなかったと聞いたけどみかけないとい
ったよ。
それで、おじいちゃんとよくボール投げにいった公園にも自転車でいった。でもいなか
った。おばあちゃんは気が動転して、段差のある歩道に自転車を乗り越えてこけてしま
ったよ。すりむいて血が出たのがわかったよ。痛かったはずだけど、まあちゃんのこと
が心配でそれどころじゃなかった。自転車は前の輪が曲がってキイキイいう。それでも
おばあちゃんは必死で探した」おばあちゃんは一息ついて顔をお湯でぴしょんと洗っ
た。
「お母さんもよくさがして、まあちゃんは3軒隣の家で干していたお花の土で泥遊びを
しているのを見つけたらしい。おばあちゃんもきっと一生懸命探しているだろうからと
思って、まあちゃんを前の座席に乗せて、おばあちゃんを迎えにきたよ。まあちゃんが
泥だらけの顔でおばあちゃんと手を振ったとき、嬉しさで涙がでたよ」
「まあちゃん触ってごらん」おばあちゃんは、まあちゃんに傷あとを指でさわらせまし
た。
まあちゃんはそうっと触りました。
「痛くないきずだよ」おばあちゃんはぎゅうっとまあちゃんを優しく抱きしめました。






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