AWC 条件反射殺人事件【7】


        
#565/569 ●長編    *** コメント #564 ***
★タイトル (sab     )  20/11/03  17:25  ( 91)
条件反射殺人事件【7】
★内容
やたら蕎麦屋と饅頭屋のある参道がケーブルカーの始発駅、
清滝駅につながっているた。

清滝駅の前には、書痙オヤジ、安芸亜希子、佐伯海里先生、
その他おじさん、おばさんが集合していた。
それに合流する。
「それじゃあみなさん集まった様なので出発しまーす」
ツアー客でも案内するように、海里先生がみんなを引き連れて行く。
片道四八〇円の切符を買うとカチャカチャ切符きりで切られて改札を通過する。

ケーブルカーに乗り込むと、安芸と郁恵は先頭でキャッキャしている。
時任はニヤリとほくそ笑んだ。
「高尾山行きケーブルカー、これより発車です」というアナウンスと共に、
車体が引っ張られて上がり出した。
「このケーブルカーは標高四七二メートル地点にございます
高尾山駅までご案内致します」というアナウンス。
(人が転落死するには十分な高さだな。ちょっと足を滑らせれば一巻の終わり)。
「高尾山薬王院は山頂高尾山駅より歩いて15分程のところにございます。
薬王院は今から約一三〇〇年以上前、行基菩薩により開山されたと伝えられ、
川崎大師、成田山とともに関東の三大本山の一つとなっております。」
(そんな由緒あるところでやったらバチが当たるかな。
あのメロディーを聴いて潮を吹くのは向こうの勝手だとしても、
潮吹きだけじゃあ滑落しないので、
確実に滑落する様な仕掛けを仕組んだのは僕だしなぁ)。

ケーブルカーを降りて、ぞろぞろ歩いていくと、
新宿副都心が見える展望台、サル園、樹齢四百五十年のたこ杉、と続き、
浄心門という山門をくぐるといよいよ境内に入る。

書痙オヤジやおじさん、おばさん連中が先頭と行き、萬田郁恵と安芸亜希子、
そして臨床心理士の佐伯海里先生が続く。
時任はほとんどしんがりを歩いて行った。

左右に灯篭のある参道を更に進んでいくと、
男坂と女坂というコースにY字型に分岐している。
男坂に進んで、煩悩の数だけの石段を上ったが、これにはばてた。
茶屋があって、ごまだんごと天狗ラーメンのいい香りが漂ってきた。
「お弁当買ってきた?」と佐伯海里先生が振り返った。
「うん、駅ビルで買ってきた」。
「何を?」
「牛タン弁当」
「ふーん」言うと尻をぷりぷりさせて参道を進んで行った。
参道を更に進むと四天王門という山門があって、又石段があった。
その先に、薬王院の本堂があって、そこを裏に回ると又石段。
権現堂というお堂があって、裏に回って、更にきつい石段。
奥の院というお堂があって、裏に回って、木のだんだんを上って行く。
くねくねと舗装された道を行くと、軽自動車が2台止まっていた。
(なんだよ、車で来れるのかよ)と時任は思った。
しかし、もうちょっと行ったら山頂に着いたのであった。
展望台から「富士山、丹沢が見えるー」と、書痙オヤジ、
おじさん、おばさん連中は喜びのため息をもらしていた。
「じゃあ、みなさん、ここでお昼の休憩にします。出発は一時四十五分です」
と佐伯海里先生。
おじさん、おばさん連中は、ベンチに陣取ると弁当を広げだした。
「丹沢や富士山を眺めながら食べると旨いぞー」などと言っている。
「僕らもどっかで食べる?」と時任。
「ばてすぎちゃって食べたくない」と郁恵。
「じゃあ、俺もいいや」
安芸と海里先生は「私たち、そばを食べてくる」と言って茶屋に入っていった。
何気、時任と郁恵は展望台の先っぽに移動する。
ベンチに腰掛けると、富士山を見る。
時任は、横目で、萬田郁恵のシャツの上からでもむちむちしているのがわかる
腕をガン見した。
(さっきやってきたばっかりなのに、まだ未練がある。
これを崖下に放り捨ててしまうなんておしい。
しかし、貧乏人をハエだゴキブリだと言った女だ、お仕置きしなくっちゃ。
つーか、何時も中田氏しているから妊娠しているかも。
そうしたら自分の子供もろとも崖下にって事か? 
それでもいいや。中絶の手間が省けて。
慈敬医大病院の医師みたいに同意なしに中絶しちゃうなんていう手間が省けて)。
「前に、会で、ホリエモンやひろゆきがムカつくのは
自己受容が出来ていないからだって言ったでしょう」
時任は富士山を見ながら語りだした。
「だから、尾状核的になっていて、比較するんだって。
でも、やっぱり、ホリエモン的な奴らがおかしいと思う時もある。
ずーっと前、慈敬医大の医者が看護師を愛人にして、
妊娠したからビタミン剤と偽って子宮収縮剤を飲ませて中絶させた、
という事件があったけれども、そんな酷い事が出来るのは、
制度に守られていいるからだと思うんだよね。
人間なんてでかい車に乗っているだけで威張るし、
体がでかいだけで威張るし、
制度にのっかっていれば威張るものだと思うけれども。
IT長者がツイッターで威張っているのも、同じだと思うんだよね。
だから、カーっとしてお仕置きしてしまうかも知れない」
「何をするの?」
「さぁ。今に分かるさ」

しばしベンチで堕落していたら、すぐに時間は経過した。
「それではそろそろ出発しまーす」という佐伯海里先生の声。
時計を見るともう一時四十五分。
よーし、いよいよだ。




元文書 #564 条件反射殺人事件【6】
 続き #566 条件反射殺人事件【8】
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