AWC 残された不満   永山


        
#9222/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  17/03/11  19:59  ( 73)
残された不満   永山
★内容
 WOWOWで放送の海外サスペンス「ザ・ファイブ――残されたDNA――」第九話
と最終話を録画視聴。完全にネタバレ注意です。最後ってことで、この二話分だけです
が展開を割と詳しく追ってみます。
 連続殺人犯が犯行を記録したテープの数々を見付けられたことで、ようやく真相を語
る。大勢子供を殺してきたが、ジェシー(失踪少年)だけは殺せなかった。狙いを付け
たのに、唯一失敗した。父親だという男が現れて、ジェシーを連れて行ったから。警察
はジェシーの父親・アランに疑惑を向ける。アランは父親にもかかわらず、ジェシーの
DNAが新たに検出された当初から、ジェシーが生きているはずないという態度でい
た。だが、取り調べに対し頑なに否定、結局釈放。その後、アランから採ったDNAと
ジェシーのDNAを比較したところ、実の親子関係にないことが判明する。刑事がアラ
ンの妻を問い質すと、近所のフランクという男性と関係を持ったことを認める。自らの
不注意で娘二人を事故で亡くし、妻とも離ればなれになったフランクの憔悴ぶりを見て
いられず、同情心から寝たが、すぐに後悔したという。では、連続殺人犯が見た「父
親」とは、アランではなく、フランクなのか? ジェシーの兄のマークや刑事は、失踪
事件の二年後に引っ越したというフランクに会いに車を飛ばす。一方、殺人事件の捜査
本部では、医師の助言により、ジェシーの血が付着していた絆創膏が、医療機関で使わ
れる物だと分かる。献血車がクロースアップされ、殺人当日に献血者が出ていた場所周
辺の防犯カメラの映像が徹底的に調べられる。そこには、ビルで消えたバックパックの
男が映っていた。そしてその顔は、警察で分析官として働いているカールだった。
 フランクの居場所を突き止めたマークらは、フランクが病で床に伏しており、先が長
くないと知る。そんなフランクが罪滅ぼしにと語り出す。二十年前、森で兄のマーク達
とはぐれたジェシーが、怪しい男に声をかけられているところに遭遇したフランクは、
父親として男の前に立ち塞がり、ジェシーを守る。だがその後、ジェシーをアラン宅に
連れて行かずに、自分の家に招いた。そしてそのまま、ジェシーに別の名前を付けて、
遠く離れた地にある祖母が遺した家で育て始める。ジェシーの捜索にも素知らぬふりを
して加わったフランクは、二年後に完全に引っ越して姿を消す。フランクとカールは親
子として何の問題もなく暮らしてきたが、あるときカールの職場で思わぬ事態が起き
た。
 他方、捜査員はカールの行方を探すが分からない。彼の同僚を強引に問い詰めると、
すぐに白状した。最初の殺人現場に二人で駆け付けた際、カールが絆創膏を剥がれたこ
とに気付かず、さらに同僚がその絆創膏を証拠物として保管・分析した。警察関係者の
DNAはデータベースに登録されていないが、行方不明者は登録されている。ヒットし
た人物の顔写真を見たカールは、それが自分の子供時代の物だと思い出す。カールは育
ててくれたフランクに詰め寄り、事実を知った。カールは捜査を攪乱するために第二の
殺人現場にも、自らのDNAを遺す。マークに追われてビルに追い詰められたときは、
特徴的なバックパックだけを窓からごみ収集ボックスに投げ入れると、緊急招集され大
挙してやって来た警察の面々に紛れ、あたかも自分も駆け付けたように装った。
 カールを探していたマーク達は、彼が森で行方不明になった場所にいるのを見付け
る。二十年ぶりに再会を果たした兄や両親(母と育ての父)の前で、自暴自棄になって
いたカールだが兄の説得を受けて、家族の輪に戻る。――こんな具合で終わりました。
 うーん。“最高傑作”の冠には遠く及ばないなあ。佳作に引っ掛かるかどうかのレベ
ルではないかと。どう甘く見積もっても、偶然の多用が気になる。
 はぐれたジェシーをフランクが見掛けて、あとを追うのは分かる。殺人犯に声を掛け
られるが、犯行前に助ける。これもまあいいでしょう。ただ、殺人犯がフランクをジェ
シーの父親だと言ったのには、首を傾げたくなる。捜索状況を伝えるテレビにアランが
父親として出ており、その様子を殺人犯は視聴したに違いないのだから。
 そのあと、ジェシーを自宅に連れ帰って、しばらく過ごすんですが、ここが決定的に
おかしい。少年が行方不明になって、その母親はジェシーの父親が実はフランクかもし
れないと分かっている。だったらフランク宅も調べるでしょう。でも調べられることな
く、フランクはジェシーを祖母宅へ連れ出します。まだ捜索が続いているにもかかわら
ず、見咎められことなく、うまく行きました。偶然です。その後、成長するに従って、
フランクはカール(ジェシー)を学校に入れ、最終的には大学まで卒業させています。
英国では子供を学校に入れるのにどんな書類が必要なのか知りませんが、問題なくでき
るのでしょうか。
 他にも、アランがジェシー生存をあきらめきっていた理由が分からない。視聴者がア
ランを一時的に疑うようにするための設定だから、細かいことまで考えていなかったの
ではないか。
 カールが第二の殺人の現場に自身のDNAを遺す理由が理解できない。混乱させて何
の意味が? 根本的な疑問として、何で自分がジェシーだったんだと名乗り出ないのか
が分からない。フランクを守りたい訳でもないし。
 カールがジェシーだったことは確かに驚きだが、伏線不足。警察関係者の中に、条件
に当てはまる男が他にもいるかもしれないのに、その可能性を潰せていない。「あのこ
とに気付いていれば、カールがジェシーだという可能性が高いと分かったのに!」とい
う風な場面が欲しかった。というかそうじゃなければ、傑作の部類には到底入れられな
いと思うのですが。
 そしてもう一つ大きな問題が。殺人事件が、作中の警察にとって未解決で終わる。こ
れでいいの?
 まだまだ疑問点はあるのですが、この二話分以前のことなので、割愛します。
 そうそう、もう一つ驚いたのが、続編が作られるらしいってこと。本当の意味での続
きは無理だろうから、全く別のエピソードになるんでしょうね。家庭問題を抱えたレギ
ュラーキャラが一杯出て来ましたし。

 ではでは。





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