AWC クローズドとクオーツと   永山


        
#9122/9229 ◇フレッシュボイス過去ログ
★タイトル (AZA     )  16/12/05  20:13  ( 37)
クローズドとクオーツと   永山
★内容
クローズドサークル>
 閉鎖状況を舞台とする物語の構成・流れとしては、そうせざるを得ないというか、決
まり切ったオーソドックスな形があるのは確かです。
 ただ、そこへ登場人物の設定や状況(どんな原因で閉鎖状況ができたのか等)の設定
を当てはめていくと、直接はめ込むだけでは無理が生じてしまう場合もあると思うんで
す。 たとえば『バトルロワイヤル』は設定からして、未成年が学校(国)にほぼ強制
的に連れて来られた、で済むのに対し、『そして誰もいなくなった』は社会的地位がそ
れなりに高い人物もおり、そんな人が、知り合いの知り合い、しかも自身は名前すら知
らなかった人間から招待されて、島に出掛けていくのは不自然なのでは。少なくとも、
知り合いに連絡して確認を取るのが普通じゃないのかなと。『そして誰もいなくなっ
た』の書かれた当時は、連絡手段が限られていたにしても、です。
 仮に、過去の罪をネタに脅されたとしたって、みんながみんな招待に応じるとは考え
にくい。罪がばれたと思い、逃走を図る人がいたって不思議じゃないし、それこそ推理
小説まがいのトリックを駆使して自らが死んだように偽装し、逃げおおせようとする人
もいるかもしれない。素直に警察に駆け込む人だって、中にはいるかも。
 読者(視聴者)にそういった疑問を抱かせたり、不自然さを感じさせたりしないよう
な工夫が、クローズドサークル物には必要な場合があるのじゃないかと思う次第です。

 ただまあテレビ番組で見たのですが、米国などでは、逃亡中の犯罪者達に珍しいイベ
ントの入場券が当たった等の手紙を送付し、特定の場所に呼び出して一斉に逮捕する、
という捜査が行われて成功を収めているみたいですから、脛に傷を持つ身でも案外、無
警戒に出て来るものなのかも。


 WOWOWのドラマ「水晶の鼓動」第三回を録画視聴。
 スタートから三分の一ぐらいまでは、捜査の様を描いており、その濃密さを堪能でき
た。中盤はヒロインである刑事の塔子の悩みや葛藤などを描くのに時間を取り、捜査が
あまり進まない。正直言って、やや単調。前作から時間が経っていなければ、もう少し
興味を持って観られたかもしれませんが。
 最終盤にてヒロインの気付きにより事件捜査が一歩前進するとともに、現場を外され
ていた塔子が復帰する契機にもなる。単なる脇役と思われた所轄の巡査にもスポットラ
イトが当てられる流れは、よくできている。
 捜査一課と公安の仲の悪さは、他のドラマで嫌っていうほど何度なく見せられている
ので、別の形を観たかったのだけれど、この部分は変わらず。それほどまでに仲が悪い
実態があるが故かしらん。

 ではでは。





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