◇フレッシュボイス2 #1697の修正
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NHKBSプレミアムで放送のドラマ「明治開化 新十郎探偵帖」第七話『終局の一 手』を録画視聴。ネタバレ注意です。 うーん。このドラマ自体にどうも期待しすぎていたのかもしれないと、ここに来て不 安になってきたです。今回のエピソードはミステリとしては最低レベルと言えそう。と いうのも、捜査の過程で大きな見落としがあるように思えてならないので。 友人を訪ねた警察の大警視が囲碁を打っていると、茶節を出され、ともに口を付け る。その後、友人は死亡。検査の結果、茶節からは毒物が検出された。友人宅の台所を 調べると、茶節の材料を入れる小さな容器に毒の実が混ぜられていたと判明。――ここ で考えて当然なのは、署長も同じ毒を摂取してしまったのではないか?ということのは ず。警察官は真っ先に署長の身を案じなければならないだろうに、そんな様子は皆無で で、それどころか署長の取り調べに精を出している。署長自身も身の潔白を証明するの に必死で、ある意味のんきなものです。 でもまあ、そんな可能性に署長や警察官が気付かないことも、起こり得ないとは言い 切れない。なので私、この点はスルーして、署長には毒が渡らず、被害者にだけ毒が渡 るようにするトリックがあるのかと考え始めたのですが……やがて明かされた真相で は、被害者に恨みを持つ者が台所に忍び込んで、容器にこっそり毒を入れたことになっ ていました。じゃあつまり、署長が毒で死なないどころか、まったく被害を蒙らなかっ たのは単なる偶然、幸運? ミステリでそれはないでしょう、と力の抜ける内容でし た。 他には、毒殺されて最後のメッセージが犯人の名前ではなく、財産の隠し場所を示す としていたというのは、これだけではありきたりかもしれませんけど、西郷隆盛のため に使って欲しいという背景があるのがこの時代ならではの動機と言えそうでよかった。 なお、原作に当たるらしい坂口安吾「石の下」もこんな出来映えなのかな、信じられ んと思いまして、調べてみると青空文庫に入っていてネットで読めました。で、別物と 言っていいくらい小説とドラマとで違うやん。 ではでは。
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