◇フレッシュボイス2 #1536の修正
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『密室殺人ゲーム王手飛車取り』の各トリックは、どれも真っ当な形では(特に長編 では)使えない、使いづらい物をストックしておいて蔵出ししてきた感満載なのは、衆 目の一致するところだと思うので、尖ったトリックとはまたちょっと違う気もします が、そこは置いとくとして。 条件反射トリックのオンパレードみたいな形にするのであれば、確かに連作短編の方 が向いているかも。ぱっと思い付くのは、条件反射の専門家をトリックプランナーの位 置付けにして、依頼を受けてトリックを授けるスタイルかな。実行犯は別にいる、実行 犯は条件反射の知識なんて持っていないと警察から思われているので、仮にトリックが 解明されても疑われにくい、という具合に。 連作短編でも全体をまとめるような謎と解決が最後にあれば、長編の賞に出すのはた いていの場合OKのはずだから、連作短編として構想するコースを最初から閉ざす必要 はないでしょう。 朝霧さんが重視しておられる動機とトリックとの関連性についてですが、ある一線を 越えればトリックの凄さで読者をねじ伏せられる場合もある(極端な例ですが島田荘司 『斜め屋敷の犯罪』とか)ので、私はあんまり拘泥しない質ですが、トリックと動機に 関連性があった方が作品が締まるのは分かります。 で、考えたんですが、特定の人物A――条件反射の専門家を陥れるために犯人が条件 反射トリックばかり使う、というパターンもありじゃないかと思います。 退屈になることを危惧するのでしたら、条件反射トリックは二つぐらいに止めて、あ とは他のトリック――現場の状況をセッティングしたり細工できたりするのは人物Aだ けに見えるが実は真犯人にも可能だったとか、(条件反射トリックによって自死させら れた)被害者が持ち出した凶器はAが保管していた物で、Aしか取り出せないはずだ が、実は真犯人がトリックを弄して密かに持ち出せた等――を入れることで対処する。 あるいは、三つの事件はいかにも条件反射トリックが発動したように見えたが、その内 の一つはまったく異なるトリックによって行われていた、という風な仕掛けを入れてお くのも有効かも。 ではでは。
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