◇フレッシュボイス2 #1172の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
・『密室の神話』(柄刀一 文藝春秋)15/5451 一月末日の北海道。警察に入った一本の電話が事件の始まりを告げる。「――裏幌美 術アカデミーの別棟の中に、天の十字架に架けられた遺体がある――」 いたずらの可能性が高いと見た警察は、ちょうど当直として出署してくる戸賀刑事が ついでに見に行くことに。積雪の中、現場に着いた戸賀は、管理人立ち会いの下、別棟 の建物を調べに掛かる。そこは、内部の扉二つに建物全体、そして周囲の雪と、四重密 室を形成した殺人現場だった。加えて不可解なことに、雪にはたった一歩だけ、靴の痕 跡が残されていた。被害者の男子学生は穏やかな人柄で、殺されるような理由は見当た らない。折しも、被害者の携帯電話からネットにアップされたメッセージは、四連続殺 人の二番目であることを匂わせる内容だった。 タイトルの「神話」には、“ミサロジー”と振り仮名がされています。いかにも本格 ミステリ趣味たっぷりの作品であることを予感させるタイトルですし、粗筋に書いたよ うに四重密室などの謎が提示されることも、前もって知らされる訳ですから、そっちの 方向での期待が高まりました。 が、読了してみると、それはちょっと違っていたことが分かります。期待を裏切られ てだめだったというのではなく、期待に応え、さらに上積みがなされていてよかったと いう。その上積みについてざっくり書いてしまうと、社会派推理の要素と言えましょ う。現代ならではの犯行方法、動機、探偵法といったことどもが取り入れられている。 惜しむらくは、謎の提示は本格ミステリとして満足できるものだったのに対し、解決 の道程には盛り上がりを欠いたこと。上に記した、現代ならではの探偵法って、その様 は面白いんだけれど、どうせここから真相には辿り着かないんだろうなという雰囲気が あって、ワクワク感が今ひとつ。そこを含め、終盤に至るまで、解決に向かって少しず つでも前進してるんだっていう感じが乏しかった。理由あって明確な探偵役を設けてお らず、終盤に来て一気に片を付けた印象が強い。 ではでは。
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