●長編 #0480の修正
★タイトルと名前
★内容(1行全角40字未満、500行まで)
事件発生の通報があったのは、三月中旬、うららかな陽気から一転、冬の最後のあが きのように冷え込んだ日の夜だった。そんな急な気候変化のためか、殺人現場となった 一軒家の一室に、暖房器具の類は見当たらなかった。 「亡くなったのは玉井貴理子(たまいきりこ)、二十八歳の独身。一応、イラストレー ターだそうですが、最近はゲームのキャラクターデザイン等で結構稼いでいたようで す。この若さで家を持てるくらいですから」 上條刑事の話はもちろん耳に届いていたが、それよりも気になったのは、現場のちょ っとした奇抜さだ。オレンジ色に溢れているのだ。被害者自身の部屋だというが、床も 壁も天井も全て、沈んだオレンジ色に統一してある。加えて、玉井貴理子の身に付けて いる服も、ほとんどが橙色系統だ。オレンジ色をしたキャップに長袖シャツ、下はオレ ンジ色のロングスカートで、縁を鮮やかな黄色の折れ線模様が二本、交差を繰り返すよ うに彩っている。靴下だけが真っ黒だ。 そんなオレンジ色大好き人間(多分)が一人暮らしする部屋で、血溜まりが異彩を放 つ。刺殺だった。上條刑事の現時点での見立てでは、逃げようとしたところを背後から 組み付かれ、腹を刃物で数度刺された、となるらしい。 「即死じゃなかったようで、ご覧の通り、自らの血で文字を書き残しています」 「うむ。『白木美弥』だな、どう見ても」 「ええ。間違いありません。読みも、『しらきみや』でよいみたいです」 「というと、被害者の知り合いに白木美弥なる人物がいると、早々に判明した訳かね」 「はい。アドレス帳に載っていたので、簡単でした。割と近くなんで、今、同僚が向か ってます。日曜だから、自宅にいる可能性が高いでしょう。何の仕事をやってるか、ま だ分かってませんが」 「……白木美弥が犯人なら、こんな血文字を残されて、そのまま放置して現場を去るか ね?」 「犯人と決め付けてはいませんよ。参考人です。恐らくですが、犯人が白木美弥に罪を 被せるために、文字を偽装したんだと思うんです。となると、犯人は白木美弥と知り合 いで、彼女に対しても何らかの悪意を抱いていることになる。白木に話を聞くのは当然 です」 「確かに。ただ、犯人が白木美弥に罪を被せようとしたと決め付けるのも、またどうか と思うがね」 「決め付けたんじゃありませんが……肝に銘じておきます。捜査会議で方針がそうと決 まった訳じゃないですし」 「もう一点、おかしなところがある。何で漢字なんだろう? 平仮名か片仮名で書けば 楽だろうに」 「そう考えると、やはり偽装工作と見なすべきかもしれませんね。いや、まあ決め付け はよくありません。アドレス帳には、白木美弥の他に白木田(しらきだ)が一人、深山 (みやま)が一人、下の名前で宮子(みやこ)が一人いましたから、その人達と混同さ れるのを恐れて、漢字で白木美弥と書いた……という見方もできなくはない」 「だとしても、フルネームを漢字というのはなあ。凶器は?」 唐突な問い掛けに、上條刑事は反応が遅れた。それでもじきに首を横に振る。 「見付かってません。犯人が持ち去り、逃走途中で捨てるというのが一番ありそうな線 ですが、何せその逃走経路が判明していないので、とりあえずこの家の周辺を当たるこ とになるんでしょう」 「第一発見者は?」 「あ、待ってもらってるんでした。死体のある家にいたくないとかで、車の方にいま す。会っておきますか?」 「僕の肩書きは何と伝えればいい?」 「お任せします。コンサルタントでもアドバイザーでも」 思わず苦笑してしまった。真っ正直に「私立探偵です」と名乗らないのがいいこと は、自分自身、経験上よく分かっていた。 「――ええ。家族の都合で刑事の職を一時退いたのですが、その問題が解消したときに は中途半端な年齢になってまして。戻りにくかったので、こうして捜査の補助をする仕 事を与えられた訳です」 警察OBで捜査アドバイザーという自己紹介に説明を補足すると、相手は納得したよ うだった。首を何度も縦に振り、名刺からこちらへ視線を上げた。その顔色はまだ青ざ めているようだ。三十歳になる男で、痩身の割に頭が大きく、マッチ棒を連想させた。 「それで……三川宗吉(みかわそうきち)さんは、何の用で玉井さん宅を訪れたんです か」 二度も三度も同じことを聞かれてうんざりしているのか、三川は最初、知り合いだと しか言わなかった。なので、詳しく突っ込んで尋ねる。 「自慢にもならねえから、繰り返し言いたかないんですけどね。借りてた金のことで、 ちょっと話し合いを持つために」 「お金の貸し借りをする仲ですか。ということは、相当親しかったんですね、亡くなら れた玉井さんとは」 「貸し借りって言うか、借りる一方ですがね。要するに、昔付き合ってたんですよ。は っきり別れたつもりもないんで、こうして付かず離れずの付き合いをしてたんです」 「どんな話し合いを?」 「話し合いって言いましたけど、実はいきなり電話があって、呼び付けられたんです」 「ほう、呼び付けられた? 電話は何時頃でしたか」 「正午過ぎだったかなあ。何が原因で急にごきけん斜めになったか知りませんけど、貸 した金を一刻も早く返して欲しいと言われまして。十万ちょっと借りてたんですが、す ぐには用意できないって言ったら、とにかく来いと。それはもう、かなり恐ろしい剣幕 でしたよ。こう、走って追い掛けられるような」 「それを受け、あなたは玉井さん宅に急行した」 「はい、いや、まあ仕事の都合もあるんで、夜にしてもらって。結局、八時半くらいに ここへ着きました」 そうして遺体発見に至る訳か。 「三川さんは、何をされてる方なんです?」 「えっと、元はゲームクリエイターだったんですが、だいぶ前に会社からほっぽり出さ れて、今はギャンブル研究家の肩書きでやってます。その手の雑誌や新聞に文章を書く のがメインでしたが、仕事は減る一方。糊口を凌ぐため、ギャンブル研究の元手のため に貴理子の――玉井さんの助けを借りてた次第ですよ」 「返す当てはあったと」 「いや……返すつもりはあったが、今すぐってのはない、という意味です。俺を疑って るんで?」 「『型通りの質問です』と、型通りの説明をしておきましょう。他の刑事さんにも聞か れたでしょう?」 「ああ、それは確かに」 人を食った返事にたじろいだのか、三川は身震いをしたようだった。そうして自ら話 題を換えようとした。 「他の刑事さんと言えば、さっき通り掛かった刑事の一人が、白木美弥とかいう名前を 口にしてたみたいですが」 「していたかもしれません。何かご存知で?」 「ええ、まあ。直接知ってた訳じゃなく、玉井さんの知り合いってことで、間接的に。 揉めてたみたいだし」 「揉めていたとは、玉井さんと白木美弥さんが?」 「詳しくは聞いちゃいませんが、玉井さんのデザインしたキャラクターに、白木さんが クレームを入れてきたとかどうとか」 「あー、話す前に、ちょっと確認を。白木さんはそもそも何をされている方なんです? やはり、ゲーム関係ですか」 「いやいや。彼女は――あれを職業と言っていいのなら、アイドル、になるのでしょう ねえ、やっぱり」 「つまり、芸能人?」 白木美弥なる芸能人がいただろうか。知らない芸能人は大勢いるが、それにしても白 木美弥が全国的に有名とは思えない。 「うーん……芸能人とは呼べないか。学生やってるみたいだし。いわゆる地下アイド ル、それとローカルアイドルの中間みたいな立ち位置で活動してるようだから」 「――」 耳慣れない職業に多少面食らったが、ニュアンスは伝わってきた。何とかイメージで きたし、実態とそう懸け離れていないであろう自信もあったので、そのまま素知らぬ態 度で聴取を続ける。 「それなりに人気はあるんでしょうね」 「多分。ステージで唄ったり踊ったりするだけじゃなく、あちこちのイベントに出てた みたいだし、雑誌に取り上げられたことも何度かあるとか聞いてます。ああ、地元のコ ミュニティ誌で、同じく地元出身の推理作家と対談したのを、たまたま読んだ覚えが」 「多岐に渡って活動していたと。そんなローカルアイドルがゲームデザイナーに、何の クレームを入れてきたんです?」 「あ、いや、玉井さんはゲームデザイナーではなく、ゲームのキャラクターをデザイン するのが主でして」 「そうでしたね」 低めた声音で短く言い、先を促す。 「クレームは、あるキャラクターの姿形が、白木さんが昔着ていたステージ衣装にそっ くりだというものだったみたいです。それも一点ではなく、三つか四つも」 「待ってください。白木さんはクレームを付けるために、玉井さんに接近してきたので しょうかね?」 「いやいや。元から知り合いだった。ほんと詳しくないんだけど、白木さんはだいぶ小 さい頃からローカルアイドルやってたみたいで。玉井さんが白木さんの昔のステージを 観て、知り合ったんですよ。デザインのクレームは、玉井さんがステージを観たとき印 象に残ったのをつい、ほとんど無意識の内に使った、というのが真相なんじゃないかな あ」 「玉井さんがそんな風なことを、あなたに打ち明けていたのですか」 「はい。完全に認めるという風ではなく、仄めかす程度だったけどね。援助してもらっ てる身としては、そんなこと聞いても胸の内に仕舞っておくしかない」 悪びれもせずに言い放つと、三川は苦笑いめいた表情をなした。 「問題の衣装やゲームキャラクターの画像、お持ちじゃありませんか」 「いやあ、ないです。ゲームキャラの方は、彼女の――玉井さんの仕事場を探せばすぐ に見付かるはずですよ」 「なるほど。――ここまでの話だと、白木美弥というのは芸名なんですか」 「生憎、そこまでは知りません。何となく、芸名だと思い込んでましたが」 表札もしくは郵便受けの名前が、“白木美弥”ではなかったら、住居を特定するのに ちょっとだけ手こずるかもしれない。しかし、大きな障害にはなるまい。 「そうですか。話を戻しますが、玉井さんについて、他に誰か殺意を抱くような人物に 心当たりはありませんか。また、白木さんに関してもご存知の範囲で、同じことを考え てみてもらえると助かります」 「白木さんまで? さっきの刑事さんは、そんなことは言ってませんでしたが」 「すみませんが、質問に答えていただきたい。聞いてるのはこっちなのです」 「あ、はあ、ですね。玉井さんはあれで若くして成功した部類に入るだろうから、やっ かみはあったと思いますよ、うん。具体的に誰と、名前を挙げるのは無理ですが。あと は男関係だろうな。俺が言うと説得力ないかもしれないですけど、仕事に没頭してると きとそうでないときの落差が激しくて、振り回されるんですよ、あいつには。顎でこき 使ってきたりパンチしてきたりと思ったら、優しくしてくれたり尽くしてくれたり。き っと、今の男にも同じだったに違いない」 「その人の名前は」 「西川嶺(さいかわりょう)。俺とおんなじ、ギャンブル好きで、お馬さんにはまって る口。ただ、俺と違って料理ができるし、それなりに稼いでいるみたいだった。貴理子 が――玉井さんが俺から乗り換えたのも、納得してる」 自らは殺意・動機がないことのアピールなのか、三川の声は少し大きくなった。 「お答え、どうも。ところで、玉井さんの部屋、仕事部屋だそうですが、やけにオレン ジ色が使われているなと。何か理由が?」 「あー、あれは、彼女がオレンジ色好きなのが一番だけど。好きな色に囲まれている と、気分が高揚して、仕事が捗ると言っていたっけ。割とそういう意識の高い女で、寒 がりのくせに仕事部屋には暖房器具を置いてなかったよ、確か。温かくなると、眠気を 催したり、頭がぼーっとしたりして非効率的だとか言って」 「なるほど。話を戻しまして念のために伺いますが、玉井さんは色覚異常、なんてこと はなかったんですね」 「全然。ごく自然に色を使ってたと思いますよ」 三川は何をばかなと言わんばかりに、大きな仕種で首を横に振った。 「西川嶺の名前、アドレス帳にあったのかな? あれば早々に知らせてくれていいんじ ゃないか」 三川を聴取から解放したあと、上條刑事を呼んで尋ねた。 「実物を見てないんで何とも言えませんが、きっとあれじゃないですか。西川の名前の とこに、ハートマークでも書いてありゃあ気付くでしょう。でも単なる名前の羅列だっ たら、特別な存在に見えないんですから、無理ありません」 「アドレスって、パソコンや携帯電話の類じゃなく、実物の手帳か何かだったのか」 「ええ。ピンク色のファンシーなのが、机の上に放り出してありました。持って来させ ましょうか」 「いや、いい。必要性を感じたときは、見る機会を作ってくれと頼むから。それより も、白木美弥はアイドルをやってるらしいぞ。もう聞いたか?」 「え、いや、まだです。第一発見者が言ったのですか」 「そうだ。タイミングが悪かったようだな」 経緯を伝えると、上條は「本名じゃない可能性もあるのなら、すぐに知らせないと」 と呟き、立ち去ろうとした。その背中に声を浴びせる。 「地下だろうがローカルだろうが、検索すれば写真が出て来るかもしれないぞ。早く見 たいから、頼む」 「え。また持って来てないんですか?」 立ち止まって振り向いた上條は、一瞬驚いたようだったが、じきにあきれ顔に変化し た。 「ああ、忘れた」 「――しょうがありません。これでどうぞ」 懐から個人用の携帯機器を取り出し、手渡してきた上條。だがその動作が完了寸前で ストップする。 「使い方、覚えました?」 「いや、心許ないな」 「まったく、ほんとにしょうがないですね」 上條は口の中でぶつぶつ言いながら、使い慣れた機器を素早く操作した。 「……どうやら、これのようです。思っていたよりも若そうだな。被害者より十近く下 かもしれませんよ」 そう言って向けた画面には、茶髪頭の両サイドに大きな団子を一つずつ付けたような ヘアスタイルの、二十歳前後の女性の写真がずらりと表示されていた。一番大きな画像 は上半身だけで、他に比べる物もないため、背の高さは分からないが、すらっとした体 型のようだ。目鼻立ちがはっきりしており、ハーフかと想像させる。そしてトレード マークなのか偶々なのか、たいていの写真では黄色がかったレンズのサングラスを掛け ていた。 「……」 何か閃きが訪れそうな気がした。 「お忙しいところを来ていただいて、ありがとうございます」 上條は白木美弥こと白石美弥子(しらいしみやこ)に礼を述べながら、事務机を挟ん で、正面に座った。 相手の白木は、緊張もせず、どちらかと言えばリラックスしているようだった。取調 室のような狭い空間ではなく、会議室の片隅で相対しているからかもしれない。 「知り合いが巻き込まれた事件の捜査に協力できるなら、可能な限りのことをするのは 当然です。早く始めましょう」 アイドル活動で鍛えられたのか、物怖じしない性格なのだろう。先を促す白木に、固 さは見られない。化粧っ気こそ抑えめだが、写真とほとんど変わりがない。ただ、サン グラスや帽子を室内でも外さないのは、彼女なりの防御なのかもしれなかった。 「本来なら、女性が当たるべきなんですが、生憎と人手が足りておりませんで、相済み ませんね」 「かまいません。それよりも、玉井さんが亡くなったと聞きましたけれど、一体どうい う……」 ここで初めて不安そうな色を見せた白木。上條はそれには答えず、まず、人定質問か ら始めた。目の前の彼女が、被害者と付き合いのあった白木美弥であることを確かめた 後、本題に入る。 「いきなりですが、白木さんは昨日の午後二時から晩の八時頃まで、どこで何をされて いたか、お聞かせくださいますか」 「その時間帯なら……大学近くのファミレスで遅めの昼食のあと、歩いて大学に行き、 サークル棟でみんなで作業をしていた、かな。切り上げたのが七時過ぎで、同じファミ レスで今度は早めの夕食を済ませてから、確か八時ちょうどにその店を出ました」 「作業とは?」 「衣装作りというかデザインを。私自身の分も含めて、仲間のを作るんです。四月に大 学で新入生歓迎の催しがあるので」 ここでまた表情が柔らかくなる。嬉しそうに笑った。 上條は細かな点は棚上げし、「アリバイを尋ねているのはお分かりだと思います。証 明してくれる人はいますか」と直球の質問を続けた。 「ファミレスでの一度目の食事は友達と一緒でしたし、作業はもっと大勢と一緒にやっ てましたから。二度目のファミレスは一人だったけれども、多分、店員さんが覚えてく れてるんじゃないかしら。私、目立つ方なので」 白木は目線を少し上向きにし、上條に訴えるように見つめてきた。なるほど、黄色の サングラスと帽子がよく目立つだろう。 「昨日も、そのサングラスと帽子を?」 「サングラスはそうです。いつも掛けてますから。帽子は違う物、確かクローシェを」 上條はアリバイに関する白木の説明を詳しく聞き取り、メモに取った。すぐにでも調 べさせよう。 そのやり取りが済むと、白木はしばし口ごもり、やがて意を決した風に話し出した。 「私が玉井さんと揉めていたのは、ご存知なんですね、刑事さん?」 「詳しくはまだですが、だいたいのところは」 「揉めていたのは、私も認めます。ですが、それで殺し殺されっていう事態にはなりま せん」 「我々はまだ何も断定していません。ただ、動機以外の点であなたを調べなければいけ ない理由があるので、こうして来てもらった」 上條はダイイングメッセージの件を持ち出すタイミングを計っていた。目の前にいる 年端もいかない女性が殺人犯だなんて、普通なら信じがたい。だが、あまりにも明々 白々なダイイングメッセージが破壊されることなく現場に残っていた事実故に、逆説的 に白木美弥が犯人であるとは考えにくくなっていた。ここでもし彼女が犯人なら、勇み 足からダイイングメッセージのことを口にする可能性、なきにしもあらず。そう、白木 美弥が口を滑らさないか、上條は待っているのだ。もちろん、彼女が今し方、明確なア リバイを主張した事実も気になっている。 「何があると言うんです? 理由を教えてください」 上條は躊躇した。頭の中で、信号が点滅している。ここで早々に切り札を切るより、 アリバイの真偽を検討してからの方がよい、と。何しろ、白木が犯人でない場合、彼女 は真犯人から恨まれているはずなのだ。 「捜査上の都合により、今はまだ明かせません。が、この点に関しては二つの見方がで きるのです。仮にあなたを容疑者のリストから外せたとしたら、逆にあなたの身に危険 が及ぶ可能性、ゼロとはしません。くれぐれも注意してもらいたいのです」 「じゃあ、警察が保護してくださる?」 「現時点では難しい。とにかく、居場所をはっきりさせておいてください」 上條の言葉に、白木は眉を寄せて不満を垣間見せたが、口に出すことはなかった。 ――続く
メールアドレス
パスワード
※書き込みにはメールアドレスの登録が必要です。
まだアドレスを登録してない方はこちらへ
メールアドレス登録
アドレスとパスワードをブラウザに記憶させる
メッセージを削除する
「●長編」一覧
オプション検索
利用者登録
アドレス・ハンドル変更
TOP PAGE