AWC 代償   プロローグ     リーベルG


        
#3894/5495 長編
★タイトル (FJM     )  97/ 6/ 9   4:42  ( 31)
代償   プロローグ     リーベルG
★内容

  姉さん

  もうこれ以上がまんできない。がんばって耐えてみたけど、もう限界になっ
 ちゃったの。姉さんが悲しんでくれることはわかってる。でも、許して。私は
 こういう方法を取るしかないの。
  もっと早く姉さんに話していれば、こんなことにならずにすんだかもしれな
 いとは思う。でも、父さんと母さんが死んでから、姉さんがどんなに苦労して
 きたかはよく知ってる。これ以上、私のことでよけいな心配をかけたくなかっ
 た。
  私がどうして死ぬ決心をしたかは、この日記に全部書いてある。今まで話せ
 なくてごめんなさい。
  死ぬことが怖くないっていったら嘘になる。これを書いている今この瞬間も
 とっても怖い。だけど、これ以上生きていくのは、もっと怖い。もう私の中の
 何かが壊れちゃったから。絶対に元に戻らないの。私は姉さんみたいに強くな
 い。
  もっとやりたいことはいっぱいあった。姉さんにはいつか話したけど、いろ
 んな本を読みたかったし、小説や詩も書いてみたかった。彼氏を作って姉さん
 を心配させるようなことだってしてみたかった。
  でも全部終わり。エンド。フィナーレ。
  姉さん、ごめんなさい。本当にごめんなさい。どうかあまり悲しまないで。
  私は神様なんて信じていないけど、もし、本当に神様がいるんだったら天国
 できいてみたいことがあるの。どうして人は人を傷つけるのかって。どうして
 私は何もしていないのに、あんな目にあわなければならなかったのかって。ど
 うして人は平等じゃないのかって。
  さようなら姉さん。今までありがとう。姉さんのこと、とっても好きだった
 し尊敬してたわ。ずっと誇りに思ってた。
  さようなら。

                           12月7日  加代





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